ホテルのマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

同じ部屋をめぐって、埋める役割と高く売る役割が分かれているからです。
どちらも正しい判断をしていても、成果の数え方が違えば衝突します。
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目次
目次
- 集客と料金を決める担当の間で、何が対立の種になるのか
- 対立が表に出るのは月末の数日
- 在庫と価格の決定権を、どちらが持つのか
- 上限を出せない場合に起きること
- 需要が強い時期に広告を止める判断は、誰がするのか
- 止めた分をどこに移すか
- 宴会や団体の営業と、集客はどこで噛み合わないのか
- 規模の小さい問い合わせが増えるときの読み方
- 現場の運営の負担を、集客の判断にどう織り込むのか
- 連泊と団体が負担を下げる
- 集客と現場が同じ数字をどこに置くのか
- 見る場を分けない
- 現場が持つ情報を、集客側にどう戻すのか
- 苦情と要望を分けて扱う
- 集客と現場の衝突は、どの順で収めるのか
- よくある質問
- まとめ
同じ部屋をめぐって、埋める役割と高く売る役割が分かれているからです。
どちらも正しい判断をしていても、成果の数え方が違えば衝突します。
集客と料金を決める担当の間で、何が対立の種になるのか
同じ部屋をめぐって、埋める役割と高く売る役割が分かれているからです。
どちらも正しい判断をしていても、成果の数え方が違えば衝突します。
ホテルの集客には、二つの役割が同時に存在します。
一つは部屋を埋める役割、もう一つはできるだけ高く売る役割です。
この二つは、同じ在庫を奪い合います。
安く出せば埋まり、高く出せば残るという関係にあるためです。
集客の担当は、件数と獲得の単価で評価されます。
料金を決める担当は、一室あたりの収入で評価されます。
評価の軸が違うと、同じ場面で正反対の判断が出ます。
残室のある日に価格を下げるかどうかで、必ず意見が割れます。
この対立は、どちらかが間違っているわけではありません。
評価の設計がそうなっているだけです。
対立が表に出るのは月末の数日
意見の違いは、月の前半には表に出ません。
残室が減らないまま月末が近づいたときに、初めて衝突します。
この時期に決める判断は、時間に追われた判断になります。
記録も残らず、翌年に同じ場面で同じ議論をします。
衝突を減らすには、月末ではなく期初に線を引いておく必要があります。
どの条件になったら価格を動かすかを、先に決める形です。
対立の原因は担当者ではなく、埋める役割と高く売る役割で評価の軸が分かれていることです。線引きは月末ではなく期初にしてください。
在庫と価格の決定権を、どちらが持つのか
決定権は料金を決める担当に置き、集客は上限の提案を持ちます。
決定権を二つに分けると、区分ごとに誰が決めたか分からない状態になります。
価格と在庫の配分は、一人が決める形にしないと動きません。
二つの部署が同時に動かせる状態だと、変更が重なります。
置く先は、料金を決める担当です。
需要の予測と価格の水準を見ている側に集約します。
集客の側が持つのは、提案と上限です。
この区分にこの額までなら広告を使えるという上限を出します。
上限を出しておくと、価格を下げるか広告を増やすかの比較ができます。
比較の材料がないと、議論は経験の話になります。
決定の記録も、料金を決める担当が残します。
いつ、どの区分を、なぜ動かしたかを一行で足す形です。
判断の所在を分ける形
| 判断 | 決める側 | 提案する側 | 記録を残す側 |
|---|---|---|---|
| 区分ごとの価格の水準 | 料金を決める担当 | 集客の担当 | 料金を決める担当 |
| 予約サイトへの在庫の出し方 | 料金を決める担当 | 販売の担当 | 料金を決める担当 |
| 直販一件に使う上限 | 経営と集客の責任者 | 集客の担当 | 集客の担当 |
| 区分ごとの広告の配分 | 集客の担当 | 委託先 | 集客の担当 |
| 企画の内容と期間 | 販売の担当 | 集客と現場 | 販売の担当 |
上限を出せない場合に起きること
集客の側が上限を出せないと、価格を下げる判断が常に優先されます。
比較の材料がないため、確実に効く手が選ばれるからです。
上限を出すには、経路ごとの手数料と広告費が一件あたりに直っている必要があります。
この計算がない組織では、議論が毎回ふりだしに戻ります。
計算は一度やれば済みます。
四半期ごとに置き直せば、期中の議論は上限の内側で終わります。
価格と在庫の決定権は料金を決める担当に集約し、集客は上限を提案する側に回ってください。上限がないと、議論は常に値下げに着地します。
需要が強い時期に広告を止める判断は、誰がするのか
残室の水準を条件にして、集客の側が自動的に止める形にします。
人が判断する形にすると、止める提案が出にくくなります。
満室に近い区分に広告を出し続けると、費用だけが出ます。
分かっていても止まらないのは、止める判断に理由が要るからです。
止める提案は、集客の側からは出しにくいものです。
予算を使わない提案は、自らの役割を減らす提案に見えます。
そのため、人の判断に委ねず条件で決めます。
残室の水準と、泊まる日までの日数の二つで条件を作ります。
数字は説明のための仮の値です。
泊まる日の十日前の時点で残室が一割を切っていれば、その日への配信を止めるという形です。
条件は区分ごとに変えます。
直前に予約が入る区分では、同じ条件で早く止めると埋まりません。
止めた分をどこに移すか
止めた予算をそのまま残すと、予算の消化率が下がります。
消化率で評価されている組織では、止める動機が消えます。
止めた分は、残室の多い区分に移す先を先に決めておきます。
移す先が決まっていれば、止める判断は配分の変更になります。
消化率そのものを評価から外すことも、同時に必要です。
残室のない月に使い残すのは、正しい判断です。
広告を止める判断は人ではなく条件に委ね、止めた分の移し先を先に決めてください。消化率を評価に使うと、止める動機が消えます。
宴会や団体の営業と、集客はどこで噛み合わないのか
成果を数える時点が違うところで噛み合いません。
集客は問い合わせで数え、営業は確定した金額で数えています。
宴会や団体の営業は、確定した金額で評価されます。
集客は、問い合わせの件数で評価されることが多いものです。
数える時点が違うと、良い月の定義が変わります。
問い合わせが増えた月に、確定の金額が減ることがあります。
このとき集客は成果が出たと報告し、営業は不振だと報告します。
どちらも数字の上では正しい報告です。
噛み合わせるには、集客の成果も確定した金額で数える必要があります。
確定までに日数がかかるため、報告の締めを後ろにずらします。
ずらすと、月内の動きが見えなくなります。
そこで、問い合わせの件数は途中の数字として残し、評価には使わない形にします。
宴会と団体で両者が見る数字
| 数字 | 集客が使う場面 | 営業が使う場面 | 評価に使うか |
|---|---|---|---|
| 問い合わせの件数 | 配分の判断 | 受け入れの体制 | 使わない |
| 日程と人数が固まった件数 | 訴求の判断 | 見積もりの準備 | 補助として使う |
| 確定した金額 | 経路の評価 | 営業の評価 | 使う |
| 確定までの日数 | 入口の設計 | 窓口の体制 | 補助として使う |
| 二回目以降の利用 | 経路の質の判定 | 関係の維持 | 四半期で使う |
規模の小さい問い合わせが増えるときの読み方
問い合わせの件数が増えて確定の金額が減っている場合、集まっている案件の規模が下がっています。
訴求の内容が、小規模の利用に寄っている可能性があります。
この判定には、案件ごとの人数の分布が要ります。
平均の人数だけを見ると、分布の変化が消えます。
分布が下に寄っているなら、入口の訴求を見直す対象になります。
件数を減らしてでも、規模の大きい問い合わせに寄せる判断です。
集客の成果も確定した金額で数え、問い合わせの件数は途中の数字に戻してください。件数が増えて金額が減るときは、案件の規模の分布を見ます。
現場の運営の負担を、集客の判断にどう織り込むのか
清掃と受付の作業量は件数に比例するため、件数の目標と連動させます。
負担を見ずに件数を増やすと、提供の質が落ちて再訪が減ります。
清掃、受付、朝食の提供にかかる手間は、宿泊の件数に比例します。
単価が上がっても、手間は増えません。
このため、同じ収入なら件数が少ないほうが運営は楽になります。
集客が件数を目標にしている限り、この視点は入りません。
現場の負担を織り込むには、件数の上限を先に置きます。
一日に受け入れられる件数は、清掃の体制で決まります。
上限を超える集客をすると、当日の提供が薄くなります。
薄くなった提供は、その場の評価に出て、再訪の比率に効きます。
上限は季節と人員で動くため、月ごとに置き直します。
置き直しの場に、現場の責任者が入る形にしてください。
受け入れの上限を決める材料
| 材料 | 決める側 | 見直す間隔 | 超えたときに起きること |
|---|---|---|---|
| 清掃に回せる人数 | 現場の責任者 | 月ごと | 提供の質が落ちる |
| 受付の体制 | 現場の責任者 | 月ごと | 待ち時間が伸びる |
| 朝食の提供の能力 | 現場の責任者 | 季節ごと | 時間帯の集中が起きる |
| 連泊の比率 | 集客と販売 | 月ごと | 同じ室数でも負担が変わる |
連泊と団体が負担を下げる
同じ室数でも、連泊は清掃の回数が減ります。
団体の利用は、受付の手間が一度で済みます。
この二つは、現場の負担を下げながら収入を保てる形です。
件数の目標では、この違いが表に出ません。
現場との会話では、件数ではなく作業の量で話してください。
作業の量で話すと、どの予約を増やしたいかの合意が早く取れます。
件数の上限は清掃の体制から置き、月ごとに現場と置き直してください。連泊と団体は、負担を下げながら収入を保てる形です。
集客と現場が同じ数字をどこに置くのか
一室あたりの粗利と、再訪の比率の二つを共有します。
どちらも片方の努力では動かないため、押しつけ合いが起きません。
共有する数字は、両方の行動で動くものを選びます。
片方だけで動く数字を共有しても、責任の所在が曖昧になるだけです。
一つ目は、手数料と広告費を引いた後の一室あたりの粗利です。
集客は経路と配分で動かし、現場は価格と提供で動かします。
二つ目は、再訪の比率です。
集客は連絡先を残す設計で動かし、現場は滞在中の提供で動かします。
この二つを月次の同じ場で見ると、会話が変わります。
どちらかの数字が落ちたときに、両方の側から原因が出ます。
逆に、件数と獲得の単価を共有しても機能しません。
現場が動かせる部分がないためです。
見る場を分けない
集客の会議と現場の会議を別に持つと、共有の数字も別々に読まれます。
読み方が分かれると、同じ数字でも解釈が割れます。
月に一度は、同じ場で同じ表を見てください。
場を分けたまま数字だけ共有しても、会話は生まれません。
場に出す表は一枚にします。
複数の表を出すと、各自が自分の担当の表だけを見ます。
共有する数字は一室あたりの粗利と再訪の比率の二つです。月に一度は同じ場で同じ一枚を見てください。
現場が持つ情報を、集客側にどう戻すのか
滞在中に聞かれた質問と、選ばれた理由を定型で集めます。
自由記述で集めると集計できず、数か月で止まります。
現場には、集客の側が持っていない情報があります。
何を期待して来たのか、何が期待と違ったのかは、滞在中に分かります。
この情報は、聞き取りの形式を決めないと集まりません。
自由記述で集めると、読む手間が増えて続きません。
集める項目は三つに絞ります。
どこで知ったか、何を決め手にしたか、次に来るとしたら何が要るかです。
聞く相手は全員ではなく、区分ごとに月に何件と決めます。
件数を決めておくと、現場の負担が読めます。
集めた内容は、月次の共有の場に一枚で出します。
出さないと、集める意味が現場に伝わりません。
苦情と要望を分けて扱う
現場に届く声には、その場で解決すべき苦情と、設計に返すべき要望が混ざります。
混ぜたまま集客に回すと、対応の優先順位が付きません。
苦情は現場の手順で解決し、要望だけを集客に回します。
この切り分けは、現場の責任者が行う形にしてください。
要望のうち、同じ内容が繰り返し出るものだけを設計に反映します。
一件だけの要望に反応すると、訴求が細かくなりすぎます。
集める項目は三つに絞り、件数を決めて集めてください。苦情は現場で解決し、繰り返し出る要望だけを設計に返します。
集客と現場の衝突は、どの順で収めるのか
評価の軸を揃えることからです。
軸が違うまま会議の回数を増やしても、同じ議論を繰り返します。
衝突を収める作業は、話し合いの場を増やすことではありません。
評価の軸を揃えることから始まります。
最初にやるのは、両者が今どの数字で評価されているかを並べることです。
並べると、正反対の方向を向いている項目が見つかります。
次に、共有する数字を二つ決めます。
一室あたりの粗利と、再訪の比率です。
三つ目に、判断の所在を一覧にします。
価格、在庫、上限、配分、企画のそれぞれを誰が決めるかです。
四つ目が、広告を止める条件と、止めた分の移し先です。
条件で決める形にすると、人の判断に委ねる場面が減ります。
最後に、現場からの情報を戻す項目と件数を決めます。
ここまでを一枚にして、月次の場で同じ表を見ます。
集客と現場の衝突を収める順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 両者の現在の評価の軸を並べる | 経営と両責任者 | 一週間 |
| 2 | 共有する数字を二つに決める | 経営と両責任者 | 一週間 |
| 3 | 価格と在庫と配分の決定権を一覧にする | 経営 | 二週間 |
| 4 | 広告を止める条件と移し先を決める | 集客と料金の担当 | 二週間 |
| 5 | 件数の上限を清掃の体制から置く | 現場の責任者 | 二週間 |
| 6 | 現場から戻す項目と件数を決める | 現場と集客の担当 | 一週間 |
置いた後に見るのは、月次では共有した二つの数字、四半期では判断の所在の見直しです。
週次で見るのは、区分ごとの残室と埋まる速さだけにします。
週次の場に共有の数字を持ち込むと、母数が足りず振れます。
振れた数字で議論すると、収めたはずの対立が戻ります。
収める順番は、評価の軸、共有する数字、決定権、止める条件です。会議の回数ではなく、軸の設計で解いてください。
集客と現場の衝突の収め方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
評価と判断の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
価格の決定権はどちらが持つべきですか
料金を決める担当に集約してください。集客の側は、区分ごとに使ってよい広告費の上限を提案する役割に回ります。二つの部署が同時に価格を動かせる状態だと、変更が重なって記録も残りません。
満室に近い日の広告を止められません
人の判断ではなく条件で止めてください。残室の水準と泊まる日までの日数で条件を作り、止めた分の移し先も先に決めます。予算の消化率を評価に使っていると、止める動機が消えます。
宴会の営業と集客で成果の話が噛み合いません
数える時点が違うためです。集客は問い合わせの件数、営業は確定した金額で数えています。集客の成果も確定した金額で数え直し、問い合わせの件数は途中の数字として評価から外してください。
現場と共有すべき数字は何ですか
手数料と広告費を引いた後の一室あたりの粗利と、再訪の比率の二つです。どちらも集客と現場の両方の行動で動くため、押しつけ合いになりません。件数と獲得単価は現場が動かせないため向きません。
現場からの情報はどう集めますか
どこで知ったか、何が決め手だったか、次に来るとしたら何が要るかの三つに絞り、区分ごとに月に何件と決めて集めます。自由記述は集計できず数か月で止まります。苦情は現場で解決し、要望だけを戻します。
まとめ
- 同じ部屋をめぐって、埋める役割と高く売る役割が分かれているからです。どちらも正しい判断をしていても、成果の数え方が違えば衝突します
- 決定権は料金を決める担当に置き、集客は上限の提案を持ちます。決定権を二つに分けると、区分ごとに誰が決めたか分からない状態になります
- 残室の水準を条件にして、集客の側が自動的に止める形にします。人が判断する形にすると、止める提案が出にくくなります
- 成果を数える時点が違うところで噛み合いません。集客は問い合わせで数え、営業は確定した金額で数えています
- 清掃と受付の作業量は件数に比例するため、件数の目標と連動させます。負担を見ずに件数を増やすと、提供の質が落ちて再訪が減ります
- 一室あたりの粗利と、再訪の比率の二つを共有します。どちらも片方の努力では動かないため、押しつけ合いが起きません
- 滞在中に聞かれた質問と、選ばれた理由を定型で集めます。自由記述で集めると集計できず、数か月で止まります
- 評価の軸を揃えることからです。軸が違うまま会議の回数を増やしても、同じ議論を繰り返します