
一棟あたりの金額の幅が狭いため、件数と売上がほぼ比例してしまうからです。
比例するぶん、件数を追う以外の打ち手が見えなくなります。
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目次
目次
- 外壁塗装で、件数の目標だけでは事業が読めなくなる理由
- 金額の幅が狭いことの裏返し
- 一棟あたりの金額が揃う事業では、何を分解するのか
- 分解の軸は勝率に置く
- 相見積もりの勝率を、中心の数字に置く
- 競合の数を記録する
- 天候と季節が、月ごとの目標の置き方を決める
- 施工できない期間が読めない
- 塗装の班と足場の手配が、受注の上限になる
- 足場の手配が先に詰まる
- 問い合わせの件数を目標にすると、何が起きるか
- 提出が遅れると勝率が落ちる
- 目標を達成しても粗利が残らないとき、どこを見るか
- 値引きの幅が広がっていないか
- 外壁塗装の指標を組み直す進め方
- 仮の数字で置いてみる
- よくある質問
- まとめ
一棟あたりの金額の幅が狭いため、件数と売上がほぼ比例してしまうからです。
比例するぶん、件数を追う以外の打ち手が見えなくなります。
外壁塗装で、件数の目標だけでは事業が読めなくなる理由
一棟あたりの金額の幅が狭いため、件数と売上がほぼ比例してしまうからです。
比例するぶん、件数を追う以外の打ち手が見えなくなります。
外壁塗装は、扱う商品が一棟の塗り替えにほぼ固定されています。
建物の大きさで金額は動きますが、他の工事のように何十倍も違うことはありません。
金額の幅が狭いことの裏返し
単価が揃っているため、件数の目標を置けば売上の見通しが立ちます。
管理は簡単になりますが、件数以外の改善の余地が数字に現れません。
値引きで取った一棟と、提案で選ばれた一棟が、同じ一件として並びます。
見積もりは出せても、決まるかは別の話
塗装の相談は、ほとんどの場合で複数社の見積もりが並びます。
見積もりを出すところまでは、どの会社も到達します。
差がつくのは、そこから選ばれるかどうかです。
件数の目標は、この差を映しません。
施工できる時期が限られている
雨の続く時期や気温の低い時期は、塗る作業そのものが進みません。
年間を通して均等に受注しても、施工の時期は偏ります。
月ごとに同じ件数の目標を置く運用は、この事業に合いません。
外壁塗装で件数の目標が映さないもの
| 映さないもの | 起きていること | どこで気づくか |
|---|---|---|
| 値引きの幅 | 同じ一件でも粗利が違う | 一棟あたりの粗利 |
| 相見積もりの勝率 | 見積もりは出せても選ばれていない | 提出した件数と受注の比 |
| 施工の時期の偏り | 受注はあるが着工できない | 月ごとの着工の件数 |
| 足場の手配の状況 | 受注しても組めない | 着工までの待ち日数 |
| 訪問して営業する会社との競合 | 検討が始まる前に決まっている | 問い合わせの入口 |
一棟あたりの金額が揃う事業では、何を分解するのか
売上を件数と単価に分けても意味がありません。
見積もりを出した件数と、そこから選ばれた割合に分けます。
逆算の作り方は、商材の性質で変わります。
単価の幅が狭い事業では、分解の軸を変える必要があります。
分解の軸は勝率に置く
必要な受注の棟数を出したら、次は見積もりを出した件数で割ります。
これが相見積もりのなかで選ばれた割合です。
ここを上げる打ち手と、見積もりの件数を増やす打ち手は別のものです。
見積もりの件数は現地調査で決まる
塗装の見積もりは、建物を見て面積を測らなければ出せません。
現地調査に行ける件数が、見積もりを出せる件数の上限です。
問い合わせをいくら集めても、ここが詰まれば増えません。
付帯の工事の有無で金額が動く
屋根、雨どい、シーリング、ベランダの防水。
足場を組むついでにまとめて行う工事の有無で、一棟あたりの金額が変わります。
この比率を分解に入れると、金額の伸びしろが見えます。
外壁塗装の逆算の分け方
| 段階 | 出す数字 | 計算 | 注意するところ |
|---|---|---|---|
| 1 | 必要な粗利 | 年間の目標から出す | 固定の費用を引いた残り |
| 2 | 必要な受注の棟数 | 粗利を一棟あたりの粗利で割る | 付帯の工事の比率を織り込む |
| 3 | 必要な見積もりの提出件数 | 棟数を勝率で割る | 入口ごとに勝率が違う |
| 4 | 必要な現地調査の件数 | 提出件数を提出率で割る | 調査に行ける上限を確認 |
| 5 | 必要な問い合わせの件数 | 調査件数を調査に進む率で割る | 入口ごとに分ける |
相見積もりの勝率を、中心の数字に置く
何社と比べられて、そのうち何件で選ばれたかを記録します。
この数字が、この事業の実力を最も正確に映します。
勝率は、記録していない会社が多い数字です。
見積もりを出した件数と受注の件数は分かっても、何社と競ったかは残っていません。
競合の数を記録する
見積もりを出すときに、他に何社に声をかけているかを聞きます。
答えてもらえないこともありますが、聞く習慣があるだけで記録は溜まります。
一社だけの相談と、三社と比べられる相談では、必要な提案が違います。
入口ごとに勝率が違う
一括で見積もりを依頼できる窓口からの相談は、必ず複数社と比べられます。
紹介や過去の顧客からの相談は、比べられないことがあります。
入口を混ぜて勝率を出すと、改善の余地がどこにあるか見えません。
勝率を上げる打ち手は件数と別
勝率は、提案の中身、見積もりの出し方、返答の速さで動きます。
配信の量を増やしても動きません。
件数の担当と勝率の担当を、同じ人が兼ねている会社では、件数の作業に時間が寄ります。
勝率を記録するための項目
| 記録する項目 | 聞く場所 | 使い道 |
|---|---|---|
| 競合の会社数 | 現地調査のとき | 勝率の母数 |
| 競合の種類 | 現地調査のとき | 訪問営業か地場か大手か |
| 決まらなかった理由 | 失注が分かったとき | 提案の弱い部分 |
| 提示額と契約額の差 | 契約のとき | 値引きで取っていないか |
| 提出から決定までの日数 | 契約または失注のとき | 検討の長さ |
天候と季節が、月ごとの目標の置き方を決める
施工できる時期が限られるため、受注の山を着工の時期の手前に作ります。
月ごとに同じ目標を置くと、施工できない時期に受注が溜まります。
外壁の塗装は、屋外での作業です。
雨、気温、湿度の条件が揃わないと、塗る作業が進みません。
施工できない期間が読めない
雨が続く時期は、工期が延びます。
予定していた日に作業ができず、後の現場がずれていきます。
一棟の遅れが、後ろの数棟に影響します。
受注の山と着工の山をずらす
契約から着工までの期間を見込んで、集客の山を手前に置きます。
施工しやすい時期に着工を集めたいなら、その数か月前に受注している必要があります。
閑散の時期の使い方を決める
施工が進めにくい時期は、現地調査と見積もりの提出に時間を使えます。
この時期に契約を取り、条件の良い時期に着工する形を作ります。
値引きで受注を急ぐより、着工の時期で調整するほうが粗利を守れます。
地域によって条件が違う
降雪のある地域と、ない地域では、施工できない期間が違います。
全国で同じ計画を置くと、地域によって合いません。
季節と、置く目標の関係
| 時期 | 施工の状況 | 集客で置く目標 | 使う訴求 |
|---|---|---|---|
| 施工しやすい時期 | 着工が集中する | 着工の枠を埋める件数 | すぐ着工できること |
| 雨の多い時期 | 工期が延びる | 契約の件数 | 条件の良い時期の予約 |
| 気温が低い時期 | 作業が止まる期間がある | 現地調査と提出の件数 | 次の時期の予約 |
| 年度の変わり目 | 問い合わせが動く | 問い合わせの件数 | 建物の年数からの案内 |
| 台風や強風のあと | 緊急の相談が増える | 対応できる件数 | 点検と応急の対応 |
塗装の班と足場の手配が、受注の上限になる
同時に動かせる現場の数は、塗装の班の数と足場の手配で決まります。
この上限を超える受注は、着工の先送りにしかなりません。
外壁塗装の現場は、足場を組むところから始まります。
足場の業者の手配がつかなければ、塗装の班が空いていても着工できません。
足場の手配が先に詰まる
繁忙の時期は、足場の業者も同じように忙しくなります。
自社で足場を持たない場合、この手配が受注の実質的な上限になります。
枠を数えるときに、塗装の班だけを数えると実態と合いません。
一棟あたりの作業日数で数える
建物の大きさと付帯の工事の有無で、一棟に要する日数が変わります。
件数ではなく延べの作業日数で枠を数えます。
天候による遅れを枠に見込む
計画どおりに進まないことを前提に、枠に余裕を持たせます。
余裕をゼロにすると、一度の天候の崩れで後の現場がすべてずれます。
外壁塗装で受注の上限を作るものを、項目ごとに見ていきます。塗装の班の数については、上限を決める要素は同時に動かせる現場、詰まったときに起きることは着工が先送りになる。足場の業者の手配については、上限を決める要素は繁忙期の空き状況、詰まったときに起きることは組めずに着工できない。現場を見る担当の人数については、上限を決める要素は一人が同時に見られる現場、詰まったときに起きることは品質の確認が薄くなる。見積もりを作る人の時間については、上限を決める要素は一日に回れる現地調査、詰まったときに起きることは提出が遅れて負ける。天候による遅れについては、上限を決める要素は余裕を持たせた日数、詰まったときに起きることは後の現場が連鎖でずれる。
問い合わせの件数を目標にすると、何が起きるか
現地調査の枠が先に埋まり、提出までの日数が延びます。
相見積もりの場では、遅れた時点で不利になります。
問い合わせの件数は、集めやすく測りやすい数字です。
外壁塗装では、この数字を追うことの副作用が特に大きくなります。
提出が遅れると勝率が落ちる
三社に声をかけている相談者は、揃った見積もりを比べます。
最後に出すと、すでに決まりかけている状態で並べられます。
件数の目標が、勝率を下げる方向に働きます。
値引きで取る動きが増える
件数の目標が受注の件数に置かれていると、決めるために値引きが使われます。
単価の幅が狭い事業では、値引きがそのまま粗利を削ります。
施工できない時期にも集め続ける
件数の目標が月ごとに一定だと、施工できない時期にも同じ量を集めます。
契約は取れても着工が先になり、取りやめが出ます。
件数を追ったときに起きることを、項目ごとに見ていきます。提出までの日数が延びるについては、直接の原因は現地調査の枠が詰まった、気づく場所は提出までの日数。勝率が下がるについては、直接の原因は最後に提出している、気づく場所は競合の数と受注の比。一棟あたりの粗利が落ちるについては、直接の原因は値引きで決めている、気づく場所は提示額と契約額の差。契約の取りやめが出るについては、直接の原因は着工までの待ちが長い、気づく場所は契約から着工までの日数。付帯の工事の比率が下がるについては、直接の原因は価格を優先した提案になる、気づく場所は付帯を含む契約の比率。
目標を達成しても粗利が残らないとき、どこを見るか
値引きの幅、付帯の工事の比率、天候による工期の延びの三つです。
件数と勝率が想定どおりなら、崩れているのはこのどれかです。
受注の棟数を達成しても、粗利が想定に届かないことがあります。
外壁塗装では、原因になる場所が限られています。
値引きの幅が広がっていないか
相見積もりの場では、価格を下げて決める判断が出ます。
一棟ごとの提示額と契約額の差を、月次で並べます。
担当ごとに差が出ていれば、提案の力の差か、値引きの裁量の問題です。
付帯の工事が減っていないか
足場を組むついでに行う工事の比率が下がると、一棟あたりの金額が落ちます。
外壁だけを安く見せる提案に寄っていないかを確認します。
天候で工期が延びていないか
工期が延びると、現場の管理の費用が増えます。
一棟あたりの作業日数を記録して、想定との差を見ます。
手直しが増えていないか
工期を詰めた現場では、手直しが出やすくなります。
手直しは原価を食うだけでなく、紹介と評判に効きます。
棟数と勝率と粗利の組み合わせから読み取ることを、項目ごとに見ていきます。達成については、勝率は維持、粗利は増える、起きていることは想定どおり。達成については、勝率は低下、粗利は増えない、起きていることは件数で補っている。達成については、勝率は維持、粗利は増えない、起きていることは値引きか付帯の減少。達成については、勝率は維持、粗利は減る、起きていることは工期の延びか手直しの増加。未達については、勝率は上昇、粗利は横ばい、起きていることは勝てる相談に絞れている。
外壁塗装の指標を組み直す進め方
見積もりを出した件数と、競合した会社の数を記録するところからです。
勝率が出せなければ、この事業の実力は測れません。
指標を決める作業の中心は、いま記録していない数字を取り始めることです。
外壁塗装では、勝率がその数字にあたります。
外壁塗装の指標を決めるまでの段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは見積もりの提出件数と競合の会社数を記録し始める、期間の目安は1か月。
2については、やることは入口ごとに勝率を出す、期間の目安は2か月。
3については、やることは一棟あたりの粗利と付帯の工事の比率を出す、期間の目安は2週間。
4については、やることは塗装の班と足場の手配から年間の作業日数を出す、期間の目安は2週間。
5については、やることは月ごとの着工の枠を季節に合わせて割り当てる、期間の目安は2週間。
6については、やることは追う数字を三つに絞って合意する、期間の目安は2週間。
仮の数字で置いてみる
数字は説明のための仮の値です。
年間の粗利の目標が1億円、一棟あたりの粗利が40万円なら、必要な棟数は250棟です。
勝率が3割なら、見積もりの提出は834件必要になります。
勝率が4割に上がれば、提出は625件で足ります。
件数を3割増やすより、勝率を1割上げるほうが現実的なことがあります。
見る数字を決める
量と質と効率をひとつずつ置きます。
量は現地調査の件数、質は勝率、効率は一棟あたりの粗利です。
指標を決めたあとに確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
現地調査の実施件数については、見る頻度は毎週、考え方は提出の母数が足りているか。
見積もりの提出までの日数については、見る頻度は毎週、考え方は遅れて負けていないか。
相見積もりの勝率については、見る頻度は毎月、考え方は入口ごとに分けて見る。
一棟あたりの粗利については、見る頻度は毎月、考え方は値引きと付帯の比率。
着工の枠の埋まり具合については、見る頻度は毎週、考え方は季節に合わせて埋まっているか。
定義を文書に残す
現地調査とは何を指すか、提出とはどの時点か、競合をどう数えるか。
これを文書にしないと、担当が変わったときに数字の意味が変わります。
追う数字が件数のままで動かない場合は、無料相談で現状の記録を一緒に整理するところから始められます。指標の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
外壁塗装で件数の目標だけでは足りないのはなぜですか
一棟あたりの金額の幅が狭いため件数と売上がほぼ比例し、値引きで取った一棟と提案で選ばれた一棟が同じ一件として並びます。改善の余地が数字に現れません。
中心に置くべき数字は何ですか
相見積もりの勝率です。見積もりを出した件数と、何社と競ってそのうち何件で選ばれたかを記録します。入口ごとに勝率が違うため、混ぜずに分けて出します。
受注の上限は何で決まりますか
塗装の班の数と足場の業者の手配です。繁忙期は足場の業者も忙しく、班が空いていても着工できません。件数ではなく延べの作業日数で枠を数えます。
月ごとの目標は同じでよいですか
施工できる時期が天候と気温で限られるため、受注の山を着工の時期の手前に作ります。同じ目標を毎月置くと、施工できない時期に契約が溜まり取りやめが出ます。
棟数は達成したのに粗利が残りません
値引きの幅、付帯の工事の比率、天候による工期の延びの三つを確認します。一棟ごとの提示額と契約額の差と、一棟あたりの作業日数を月次で並べます。
まとめ
- 一棟あたりの金額の幅が狭いため、件数と売上がほぼ比例してしまうからです。比例するぶん、件数を追う以外の打ち手が見えなくなります
- 売上を件数と単価に分けても意味がありません。見積もりを出した件数と、そこから選ばれた割合に分けます
- 何社と比べられて、そのうち何件で選ばれたかを記録します。この数字が、この事業の実力を最も正確に映します
- 施工できる時期が限られるため、受注の山を着工の時期の手前に作ります。月ごとに同じ目標を置くと、施工できない時期に受注が溜まります
- 同時に動かせる現場の数は、塗装の班の数と足場の手配で決まります。この上限を超える受注は、着工の先送りにしかなりません
- 現地調査の枠が先に埋まり、提出までの日数が延びます。相見積もりの場では、遅れた時点で不利になります
- 値引きの幅、付帯の工事の比率、天候による工期の延びの三つです。件数と勝率が想定どおりなら、崩れているのはこのどれかです
- 見積もりを出した件数と、競合した会社の数を記録するところからです。勝率が出せなければ、この事業の実力は測れません