
事業が混在していて、一件あたりの収益を平均で出せないからです。
根拠を示せないため、店舗ごとの前年の実績に増減率をかける決め方になります。
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目次
目次
- 不動産会社の集客予算が、店舗ごとの前年比で決まってしまう理由
- 前年比で決めると、何が起きるか
- 継続の収入と一回性の収入で、上限の出し方が違う
- 事業ごとの計算の形
- 店舗ごとに、予算をどう配るのか
- 配分の基準
- 掲載の費用を、予算のどこに置くか
- 性質で分けて管理する
- 繁忙期に向けて、月ごとの配分をどう作るか
- 月ごとの配分の考え方
- 店舗別の予算を経営に通すときに、1枚で示すこと
- 1枚に載せる内容
- 店舗の予算が削られたときに、どの順で減らすのか
- 削る順番
- 不動産会社の予算編成を組み立てる進め方
- 掲載費を、先に切り出す
- よくある質問
- まとめ
事業が混在していて、一件あたりの収益を平均で出せないからです。
根拠を示せないため、店舗ごとの前年の実績に増減率をかける決め方になります。
不動産会社の集客予算が、店舗ごとの前年比で決まってしまう理由
事業が混在していて、一件あたりの収益を平均で出せないからです。
根拠を示せないため、店舗ごとの前年の実績に増減率をかける決め方になります。
不動産会社の予算は、店舗ごとに配分されることが一般的です。
その配分の根拠は、前年その店舗がいくら使い、いくらの収益を出したかになります。
この決め方は、商圏の変化も事業の構成の変化も織り込んでいません。
根拠を出しにくい理由は、事業が混在していることにあります。
賃貸の仲介、賃貸の管理、売買の仲介では、一件の収益も回収の期間も違います。
これらを合算した平均から上限を出しても、どの事業にも当てはまりません。
前年比で決めると、何が起きるか
不動産会社の予算が前年比で決まる経路
| 段階 | 起きること | 結果 |
|---|---|---|
| 事業が混在している | 平均から上限が出せない | 根拠づけを諦める |
| 継続収入と一回性が混ざる | 回収の期間が揃わない | 当期の効率で判断する |
| 店舗ごとに商圏が違う | 全社の基準が作れない | 店舗ごとの前年で決める |
| 繁忙期に集中する | 年間の平均が意味を持たない | 月次の配分が場当たりになる |
| 掲載の費用が大半を占める | 動かせる部分が小さい | 議論の対象が実質ない |
上限と配分を、分けて議論する
いくらまで使えるかという上限と、それをどの事業と店舗に配るかという配分は別の問題です。同時に議論すると決まりません。先に上限を出し、そのあとで配分に入ります。
継続の収入と一回性の収入で、上限の出し方が違う
管理の受託は数年分の収入から上限を出し、仲介は一件の手数料から出します。
同じ計算式で扱うと、管理の受託にかけられる金額を大きく見誤ります。
管理の受託は、契約が続く限り毎月収入が入ります。
一件の受託にかけられる費用は、その継続する期間の収入から計算します。
仲介の手数料は一度きりのため、その金額から直接計算します。
事業ごとの計算の形
収益の性質ごとの上限の出し方
| 事業 | 収益の形 | 上限の出し方 |
|---|---|---|
| 賃貸の管理の受託 | 毎月の管理料が継続 | 想定する継続の期間の収入から出す |
| 賃貸の仲介 | 成約ごとに一回 | 一件の手数料から直接出す |
| 売買の仲介 | 成約ごとに一回 | 経路ごとの平均手数料から出す |
| 改修と原状回復 | 工事ごとに一回 | 工事の粗利から出す |
| 更新にともなう収入 | 定期的に発生 | 管理の収入に含めて扱う |
継続の期間を、どう見積もるか
管理の契約がどれだけ続くかは、過去の実績から出します。
実績を集計していない場合、この計算はできません。
仮の期間で計算すると、上限そのものが根拠のない数字になります。
数字は説明のための仮の値です。
一戸あたりの月の管理料が4,000円、平均で5年続くとすると、一件から得られる収入は24万円です。
直接かかる管理の費用を差し引いた残りのうち、何割を受託の獲得に回すかで上限が決まります。
継続の期間を長く見積もらない
継続の期間を長く置くほど、上限は大きくなります。実際より長く見積もると、回収できない費用を使うことになります。実績が出るまでは、短めの期間で計算します。
店舗ごとに、予算をどう配るのか
商圏の条件と、案内できる枠の余裕で配ります。
前年の実績で配ると、伸びしろのある店舗に費用が回りません。
店舗への配分は、前年の実績を基準にすることが多くなります。
しかしこの形では、既に上限まで埋まっている店舗に費用が集中します。
枠に余裕がある店舗に配るほうが、追加の成約が生まれます。
配分の基準
店舗への予算の配り方
| 基準 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 案内の枠の余裕 | 上限に対する充足率 | 成約を増やしたい場面 |
| 商圏の需要の量 | 地域の世帯の動き | 中期の判断 |
| 競合の密度 | 同じ商圏の同業の数 | 獲得の難易度の反映 |
| 管理の戸数の伸びしろ | 受託できる余地 | 継続の収入を伸ばす場面 |
| 前年の実績 | 過去の成果 | 安定を優先する場面 |
枠が埋まっている店舗には、別の使い方をする
案内の枠が満杯の店舗に反響を増やす費用を追加しても、成約は増えません。
その店舗では、管理の受託やより収益の大きい案件に費用を向けます。
店舗の状態によって、費用の使い道を変えます。
店舗に裁量を持たせる範囲を決める
すべてを本部が決めると、商圏の実情に合いません。店舗に裁量を持たせる範囲と金額を決め、その中で判断してもらいます。裁量の範囲を決めないと、個別の申請が絶えず発生します。
掲載の費用を、予算のどこに置くか
別枠で管理します。
掲載をやめる判断が実質的に取れない固定費に近い性質があり、運用型の広告と同じ枠で比較すると議論が空回りします。
賃貸でも売買でも、物件を探す人は外部の情報の集積地から探し始めます。
掲載していない会社は、候補に入りません。
そのため、掲載の費用はやめられない費用に近くなります。
性質で分けて管理する
不動産会社の集客費用の性質による分類
| 費用の種類 | 性質 | 判断の頻度 |
|---|---|---|
| 物件情報の掲載費 | 事業の前提に近い固定費 | 年に一度の見直し |
| 運用型の広告 | 増減が自由 | 月次で調整 |
| オーナーへの提案の費用 | 継続収入を作る投資 | 四半期で見直し |
| 店舗と看板の費用 | 商圏に紐づく固定費 | 出店の判断と一体 |
| 入居者との接点の維持 | 更新と紹介につながる | 固定枠で維持 |
掲載の枠の中で、動かせるものを把握する
掲載そのものはやめられなくても、掲載する物件の数や表示の形は選べることがあります。
枠ごとに反響と成約を記録すると、条件の交渉の材料になります。
記録がないと、言われた金額を払い続けることになります。
依存の比率を、経営に共有する
反響のうち何割が外部の媒体からかを、毎期記録します。比率が上がり続けている場合、条件が変わったときの影響が大きくなります。予算の議論の際に、この比率を必ず示します。
繁忙期に向けて、月ごとの配分をどう作るか
需要が集中する時期の手前に厚く置きます。
探し始める時期と契約する時期には差があるため、契約の月に合わせると遅れます。
賃貸では、年度の切り替わりに向けて需要が集中します。
ただし、探し始めるのは契約の月より前です。
契約が多い月に費用を寄せると、探し始めた層には届きません。
月ごとの配分の考え方
賃貸の繁忙期に向けた月ごとの配分を、項目ごとに見ていきます。
年末から年明けについては、起きていることは探し始める人が動き出す、配分の考え方は厚く置く。
年度の切り替わりの直前については、起きていることは来店と案内が集中する、配分の考え方は枠の上限まで使う。
切り替わりの直後については、起きていることは急速に落ち着く、配分の考え方は大きく減らす。
初夏から夏については、起きていることは動きが少ない、配分の考え方は管理の受託に振り向ける。
秋については、起きていることは転勤の動きが出る、配分の考え方は中程度に戻す。
枠の上限を超える費用は、使わない
繁忙期には案内の枠が上限になります。
枠を超えて反響を集めても、対応できずに失います。
上限を計算し、その範囲で費用を置きます。
閑散期の費用を、別の事業に向ける
賃貸の仲介が動かない時期に、同じ費用を使っても効率が落ちます。その時期は、管理の受託を増やす費用に振り向けます。事業を複数持つことの意味は、この振り替えに出ます。
店舗別の予算を経営に通すときに、1枚で示すこと
事業ごとの目標と、そこから逆算した必要件数、店舗への配分を1枚に並べます。
上限の計算根拠と、未達になる条件を同時に出すと議論が短くなります。
予算が通りにくいのは、金額の大きさではなく根拠の弱さです。
何をいくらで何件取るつもりかが示されていれば、議論は短くなります。
1枚に載せる内容
経営に示す不動産会社の予算の1枚を、項目ごとに見ていきます。
事業ごとの目標については、示す内容は仲介の成約件数と管理の純増戸数。
上限の根拠については、示す内容は継続の収入と一回性の収入それぞれの計算。
店舗への配分については、示す内容は配分の基準とその理由。
掲載費の扱いについては、示す内容は固定費に近い枠として別に示す。
繁忙期の配分については、示す内容は月ごとの比重とその理由。
未達の条件については、示す内容はどの歩留まりが下がると届かないか。
未達の条件を、先に出す
達成する前提だけを示すと、未達のときに説明ができません。
案内の枠が埋まらない場合、管理の解約が増えた場合。
どうなると届かないかを、あらかじめ示します。
役職によって、聞きたいことが違う
Testifyが2026年5月に実施した調査では、代理店への不満の内容が役職で分かれていました。経営層は費用が成果に見合わないという指摘が56.3%、マーケティング責任者は成果不振の説明が不十分という指摘が53.1%でした。経営には費用と成果の関係を、責任者には数字が動かなかったときの説明を用意します。
店舗の予算が削られたときに、どの順で減らすのか
効果が早く戻るものから減らし、継続の収入を作る費用は最後まで残します。
管理の受託にかける費用を削ると、数年後の収入が細ります。
期中の削減が決まったとき、順番を決めていないとその場で判断することになります。
そのときは、成果が見えにくい費用から削られます。
不動産会社では、それが管理の受託と入居者との接点の費用です。
削る順番
不動産会社で予算を減らす順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、削る対象は新しい媒体の試験的な出稿、影響が出るまでの時間は即時。
2については、削る対象は認知を目的とした広告、影響が出るまでの時間は数か月。
3については、削る対象は閑散期の仲介の広告、影響が出るまでの時間は数週間。
4については、削る対象は掲載の枠の追加分、影響が出るまでの時間は翌月。
5については、削る対象は管理の受託にかける費用、影響が出るまでの時間は数年後の収入に出る。
6については、削る対象は入居者と既存のオーナーとの接点、影響が出るまでの時間は年単位で効いてくる。
繁忙期の費用を削らない
繁忙期の費用を削ると、その年の成約が直接減ります。
削減の時期によっては、年間の収益への影響が大きくなります。
削減の判断は、繁忙期を避けた時期に行います。
削らずに振り替える選択肢
総額を減らさずに、店舗間や事業間で配分を変えるだけで採算が改善することがあります。枠が埋まっている店舗から、余裕のある店舗へ移します。削減の議論の前に、この振り替えを検討します。
不動産会社の予算編成を組み立てる進め方
事業ごとに一件から残る額を出すところから始めます。
管理の継続の期間を実績から出さないと、上限が計算できません。
予算編成の作業の大半は、過去の実績を使える形に整えることです。
事業を分けずに集計したままでは、上限も配分も決められません。
不動産会社の予算編成を進める順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは事業ごとに収益と直接費を分けて集計する、期間の目安は3週間。
2については、やることは管理の契約の継続の期間を実績から出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは事業ごとの上限を計算する、期間の目安は2週間。
4については、やることは店舗ごとの案内の枠の上限を出す、期間の目安は2週間。
5については、やることは店舗への配分の基準を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは削減が発生した場合の順番を決める、期間の目安は1週間。
掲載費を、先に切り出す
固定費に近い掲載の費用を、最初に別枠へ移します。
残った金額が、実際に判断できる予算です。
この切り分けをしないと、動かせない金額まで机上で動かすことになります。
執行のなかで見る数字
不動産会社の予算の執行で見る数字を、項目ごとに見ていきます。
店舗ごとの集客費と来店件数については、見る頻度は毎月、判断の目安は配分が効いているか。
管理の受託にかけた費用と純増戸数については、見る頻度は四半期、判断の目安は継続の収入が伸びているか。
案内の枠の充足率については、見る頻度は毎月、判断の目安は費用が枠を超えていないか。
外部の媒体への費用の比率については、見る頻度は四半期、判断の目安は依存が上がっていないか。
店舗ごとの収益と集客費の比率については、見る頻度は四半期、判断の目安は採算が合っているか。
期中の振り替えの条件を決めておく
どの状態になったら店舗間で配分を移すか、事業間で移すか。
この条件を数字で決めておくと、毎月の会議で判断できます。
条件がないと、振り替えの提案そのものが出てきません。
不動産会社の予算の根拠づくりで迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。事業ごとの配分から見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
管理の受託にかけられる費用はどう計算しますか
一戸あたりの月の管理料に、実績から出した継続の期間をかけて一件から得られる収入を出します。そこから直接かかる管理の費用を引いた残りのうち、何割を獲得に回すかで上限が決まります。
店舗への配分は前年の実績を基準にしてよいですか
既に上限まで埋まっている店舗に費用が集中します。案内の枠の余裕や管理の受託の伸びしろで配ると、追加の成約が生まれます。枠が満杯の店舗では費用の使い道を変えてください。
掲載の費用も広告予算に含めますか
別枠で管理してください。掲載をやめる判断が実質的に取れない固定費に近い性質があり、増減が自由な運用型の広告と同じ枠で比較すると削減の議論が空回りします。
繁忙期にどれだけ費用を使えばよいですか
案内できる枠の上限までです。枠を超えて反響を集めても対応できずに失います。また契約が多い月ではなく、探し始める時期の手前に厚く置いてください。
削減が決まったとき何から減らしますか
効果が早く戻るものからです。管理の受託にかける費用と入居者や既存のオーナーとの接点は、削った影響が数年後の収入に出るため最後まで残します。繁忙期の費用も削らないでください。
まとめ
- 事業が混在していて、一件あたりの収益を平均で出せないからです。根拠を示せないため、店舗ごとの前年の実績に増減率をかける決め方になります
- 管理の受託は数年分の収入から上限を出し、仲介は一件の手数料から出します。同じ計算式で扱うと、管理の受託にかけられる金額を大きく見誤ります
- 商圏の条件と、案内できる枠の余裕で配ります。前年の実績で配ると、伸びしろのある店舗に費用が回りません
- 別枠で管理します。掲載をやめる判断が実質的に取れない固定費に近い性質があり、運用型の広告と同じ枠で比較すると議論が空回りします
- 需要が集中する時期の手前に厚く置きます。探し始める時期と契約する時期には差があるため、契約の月に合わせると遅れます
- 事業ごとの目標と、そこから逆算した必要件数、店舗への配分を1枚に並べます。上限の計算根拠と、未達になる条件を同時に出すと議論が短くなります
- 効果が早く戻るものから減らし、継続の収入を作る費用は最後まで残します。管理の受託にかける費用を削ると、数年後の収入が細ります
- 事業ごとに一件から残る額を出すところから始めます。管理の継続の期間を実績から出さないと、上限が計算できません