不動産投資のインハウス化の判断|内製と外注の分け方

費用の削減より、知見が社内に残らないことへの危機感が先に来ています。
検討の期間が長い商材ほど、外部だけが実態を把握している状態は危うくなります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 不動産投資でインハウス化の検討が進む背景
- 動機は知見の蓄積が先に来る
- 目的が知見の蓄積か費用の削減かで、進め方が変わる
- 知見の蓄積が目的の場合
- 費用の比較だけで判断すると、必ず見誤る
- 内製の側に入れ忘れる費用
- 採用と育成に、どれだけかかるかを見積もる
- 商品の理解に必要な時間
- 媒体の変化に追随できるかという問題
- 変更は予告されて順に進む
- 段階的に移すときの順番
- 第一段階は数字と定義を取り戻す
- 内製化が途中で止まる型
- 一人に集中して属人化する
- 不動産投資のインハウス化を判断する手順
- 第一段階は外注のままでも進む
- よくある質問
- まとめ
費用の削減より、知見が社内に残らないことへの危機感が先に来ています。
検討の期間が長い商材ほど、外部だけが実態を把握している状態は危うくなります。
不動産投資でインハウス化の検討が進む背景
費用の削減より、知見が社内に残らないことへの危機感が先に来ています。
検討の期間が長い商材ほど、外部だけが実態を把握している状態は危うくなります。
広告の運用を内製に移す動きは、業種を問わず広がっています。
Testifyが2026年5月14日から18日にn=1,016で実施した調査では、全面委託をしている企業の8割超が1年以内のインハウス化を計画または検討していました。
決定と予定が52.9%、積極検討が32.8%です。
動機は知見の蓄積が先に来る
同じ調査では、インハウス化の動機はノウハウの蓄積が56.7%、コストの削減が46.7%でした。
費用より、社内に何も残らないことへの懸念が上回っています。
不動産投資では実態の把握がとくに問題になる
商品の理解に時間がかかるうえ、検討の期間が数か月から数年に及びます。
どの訴求がどの層に効いたかを把握しているのが外部だけという状態は、担当が替わるたびに知見が失われます。
障壁も明確に出ている
同じ調査では、障壁として教育の時間と知見の不足が44.8%、媒体のアップデートへの追随が困難が40.3%、人材の採用が36.7%と報告されています。
この3つは、着手する前に見積もっておく必要があります。
不動産投資でインハウス化の検討が進む背景
| 背景 | 不動産投資での表れ方 |
|---|---|
| 知見が社内に残らない | どの訴求が契約につながったかを誰も説明できない |
| 商品の理解に時間がかかる | 外部の担当が替わると立ち上げ直しになる |
| 検討の期間が長い | 短期の単価だけで評価され続ける |
| 表現の確認が必要 | 外部に出すと確認の負担が自社に戻る |
| 営業との情報のやり取りが多い | 外部を介すると速度が落ちる |
目的が知見の蓄積か費用の削減かで、進め方が変わる
知見の蓄積が目的なら、移すのは判断であって作業ではありません。
費用の削減が目的なら、移す先の人件費を含めて計算し直す必要があります。
インハウス化という言葉は、複数の異なる状態を指しています。
目的をはっきりさせないまま進めると、途中で方向が変わります。
知見の蓄積が目的の場合
移すべきは、対象とする層の決定、予算の配分、訴求の方針です。
配信の実務は外に出したままでも、目的は達成できます。
判断を自社で行い、その理由を記録することが本体になります。
費用の削減が目的の場合
手数料の削減額と、人件費と学習の時間を比べます。
月あたりの手数料が一人分の人件費を下回るなら、費用としては合いません。
削減を目的にするなら、規模がある程度必要です。
速度が目的の場合
営業からの情報を受けて訴求を変えるまでの時間を短くしたい。
この場合は、制作と入稿の一部だけを内製すれば足ります。
目的ごとに変わる内製化の進め方
| 目的 | 移す対象 | 残してよい領域 |
|---|---|---|
| 知見の蓄積 | 層の決定、配分、訴求の方針 | 配信の実務と制作 |
| 費用の削減 | 運用の実務全般 | 専門性の高い設定と分析 |
| 速度の向上 | 制作と入稿、訴求の修正 | 媒体ごとの配分の判断 |
| 表現の管理 | 確認の経路と記録 | 制作の実務 |
| すべて | 段階を分けて順に移す | 初期は分析と基盤の構築 |
費用の比較だけで判断すると、必ず見誤る
外注の費用には見えている金額しか含まれませんが、内製には見えない時間が含まれます。
採用、育成、離職に伴う停滞を入れないと、比較が成立しません。
手数料と人件費を並べるだけの比較が、よく行われます。
この比較では、内製が有利に見えます。
内製の側に入れ忘れる費用
採用にかかる費用と時間。
立ち上がるまでの数か月の成果の停滞。
媒体の情報を追い続けるための学習の時間。
離職したときの引き継ぎと再採用。
外注の側に入れ忘れる費用
自社側の管理の工数。
報告を読み、指示を出し、確認する時間。
これを入れると、外注の費用は見えている金額より大きくなります。
規模によって結論が変わる
出稿の規模が小さいうちは、外注のほうが安くなります。
規模が大きくなると、手数料が人件費を上回ります。
自社の規模がどちらの側にあるかを、先に確認します。
内製と外注の費用に含まれるもの
| 区分 | 見えている費用 | 見えていない費用 |
|---|---|---|
| 内製 | 人件費と媒体の費用 | 採用、育成、停滞、離職時の再構築 |
| 外注 | 手数料と媒体の費用 | 管理の工数、報告の確認、指示の作成 |
| 併用 | 両方の一部 | 調整の工数と責任の所在の曖昧さ |
| 段階的な移行 | 移行の期間の重複費用 | 引き継ぎと並走の工数 |
| 外部の専門家の活用 | 単発の費用 | 社内で実行する時間 |
採用と育成に、どれだけかかるかを見積もる
媒体の運用の経験があっても、商品の理解には別に時間がかかります。
投資用不動産の構造を理解しないまま訴求を作ると、面談で持ちません。
採用の難易度は、業種によって違います。
不動産投資の場合、運用の経験者を採っても、すぐには戦力になりません。
商品の理解に必要な時間
物件の種別による違い、資金の条件の見方、審査の流れ。
これらを理解していないと、訴求の良し悪しを判断できません。
既存の訴求をなぞるだけの運用になります。
営業との関係を作る時間
面談の結果や断られた理由を受け取るには、営業との関係が必要です。
外部の担当より内部の担当のほうが情報は得やすいものの、関係の構築には時間がかかります。
一人に依存しない形にする
内製に移した直後は、一人に知見が集中します。
その人が抜けると、外注に戻すしかなくなります。
判断の理由を記録として残す運用を、最初から入れます。
不動産投資のマーケティング人材の育成にかかる時間
| 習得する内容 | 目安の期間 | 習得できたかの確認 |
|---|---|---|
| 媒体の運用の実務 | 経験者なら1か月 | 配信の設定と調整ができる |
| 物件の種別と商品の構造 | 3か月から6か月 | 種別ごとの訴求の違いを説明できる |
| 資金の条件と審査の流れ | 3か月から6か月 | 対象とする層を自分で設計できる |
| 表現の確認の判断 | 6か月以上 | 判断に迷う表現を見分けられる |
| 営業との情報のやり取り | 6か月以上 | 面談の結果が自然に集まる |
媒体の変化に追随できるかという問題
仕様の変更は継続的に起きます。
追う担当と時間を確保できないなら、その領域は外に残したほうが安全です。
Testifyの調査で障壁の第二位に挙がっていたのが、媒体のアップデートへの追随が困難という点でした。
これは、内製化のあとに表面化します。
変更は予告されて順に進む
主要な媒体では、機能の統合や提供の終了が段階的に進みます。
移行の期限が設定されるため、期限までに対応が必要になります。
対応を落とすと、配信が止まるか、想定と違う挙動になります。
追う時間を役割として確保する
運用の合間に情報を追う形にすると、続きません。
週に一定の時間を確保し、変更の内容と自社への影響を記録します。
追えない領域は外に残す
すべてを追う必要はありません。
主要な媒体だけを内製にし、それ以外は外に残す分け方があります。
媒体の変化に追随するために必要な体制を、項目ごとに見ていきます。情報を追う時間については、内製でそろえる方法は週の一定時間を役割として確保、そろわない場合は外に残す。影響を判断する知識については、内製でそろえる方法は自社の配信の構成を把握している人、そろわない場合は外部に確認を依頼する。対応の実行については、内製でそろえる方法は期限までに設定を変更する体制、そろわない場合は期限を管理して外部に依頼。記録の蓄積については、内製でそろえる方法は変更の内容と対応を文書化、そろわない場合は担当交代で失われる。複数媒体への対応については、内製でそろえる方法は媒体ごとに担当を決める、そろわない場合は主要な媒体のみ内製にする。
段階的に移すときの順番
判断から先に移し、実務は最後に移します。
実務から移すと、方針を決める人がいないまま作業だけが社内に増えます。
一度にすべてを移すと、成果の停滞が大きくなります。
段階を分けます。
第一段階は数字と定義を取り戻す
一件あたりの粗利、許容比率、有効リードの定義。
これらを自社で持つところから始めます。
外注のままでも、この段階は進められます。
第二段階は訴求と対象の判断を移す
誰に何を届けるかを自社で決めます。
制作と配信の実務は外に残したままで構いません。
第三段階で実務を移す
配信の設定と調整を社内に移します。
この段階に来るまでに、人の採用と育成が終わっている必要があります。
段階的に内製へ移す順番を、項目ごとに見ていきます。第一については、移す内容は粗利と上限、有効リードの定義、外に残すものは運用と制作のすべて。第二については、移す内容は対象とする層と訴求の方針、外に残すものは制作と配信の実務。第三については、移す内容は表現の確認と記録、外に残すものは媒体ごとの設定の実務。第四については、移す内容は主要な媒体の配信の運用、外に残すものはそれ以外の媒体と専門的な設定。第五については、移す内容は分析と基盤の運用、外に残すものは単発の専門的な支援。
内製化が途中で止まる型
人が一人しかいない状態で進めたときに止まります。
その一人が抜けた瞬間に、外注へ戻すしかなくなります。
内製化が計画どおりに進まない理由には、いくつかの決まった型があります。
一人に集中して属人化する
判断も実務も一人が担うと、記録が残りません。
抜けたときに、誰も引き継げません。
成果の停滞に耐えられない
移行の直後は、成果が一時的に落ちます。
検討の期間が長い事業では、その影響が数か月後に表れます。
停滞の期間を経営と共有していないと、途中で戻されます。
表現の確認が滞る
外注のときに代理店が担っていた確認の作業が、内製で誰の仕事にもならないことがあります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
確認の担当と記録の様式を、移行の前に決めます。
内製化が途中で止まる型を、項目ごとに見ていきます。一人に集中するについては、起きることは抜けた時点で戻る、防ぎ方は判断の理由を記録に残す。停滞に耐えられないについては、起きることは数か月で外注に戻す、防ぎ方は停滞の期間を先に共有する。確認の担当が決まらないについては、起きることは入稿が止まるか確認を飛ばす、防ぎ方は移行の前に担当を決める。媒体の変更に追えないについては、起きることは配信が想定と違う挙動になる、防ぎ方は追う時間を役割として確保する。営業との情報が流れないについては、起きることは訴求の改善が止まる、防ぎ方は渡す項目と経路を先に作る。
不動産投資のインハウス化を判断する手順
目的を1つに決めることから始めます。
知見の蓄積、費用の削減、速度の向上のどれを優先するかで、移す範囲が変わります。
判断の作業は、比較の表を作ることではありません。
何のために移すのかを決めることです。
不動産投資のインハウス化を判断する進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは目的を知見、費用、速度のどれかに決める、期間の目安は2週間。
2については、やることは現在の外注の費用と自社の管理工数を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは採用と育成にかかる期間と費用を見積もる、期間の目安は3週間。
4については、やることは移す範囲を段階に分けて計画を作る、期間の目安は2週間。
5については、やることは停滞の期間と影響を経営と共有する、期間の目安は2週間。
6については、やることは第一段階として数字と定義を自社に取り戻す、期間の目安は8週間。
第一段階は外注のままでも進む
粗利と上限と定義を自社で持つ作業は、外注を続けたままできます。
ここを済ませておけば、内製に移さない判断をしても損はありません。
進み方を測る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
外注の手数料が月80万円で、社内の管理工数が月40時間なら、内製で必要な人件費と学習の時間を合わせて比較します。
手数料が一人分の人件費を下回る規模なら、費用の面では合いません。
内製化の進み方を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
自社で判断した施策の比率については、頻度は四半期、判断の目安は判断が移っているか。
面談一件あたりの獲得費については、頻度は毎月、判断の目安は移行の前後で悪化していないか。
訴求を変えるまでの日数については、頻度は毎月、判断の目安は速度が上がっているか。
判断の記録が残っている件数については、頻度は四半期、判断の目安は属人化していないか。
媒体の変更への対応の遅れについては、頻度は四半期、判断の目安は期限を落としていないか。
戻す判断も選択肢に残す
移した結果が合わなければ、戻す判断をします。
戻すことを失敗と扱うと、合わない状態が続きます。
アカウントと記録を自社で持っていれば、戻す判断も取りやすくなります。
内製と外注の分け方で迷う場合は、無料相談で現状の委託の範囲を一緒に確認するところから始められます。体制の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
不動産投資でインハウス化は進めるべきですか
目的によります。知見の蓄積が目的なら、移すのは判断であって作業ではありません。費用の削減が目的なら、手数料が一人分の人件費を上回る規模があるかを先に確認してください。
内製と外注の費用はどう比べますか
内製の側に採用、育成、立ち上がるまでの停滞、離職時の再構築を入れます。外注の側には管理の工数と報告の確認にかかる時間を入れます。手数料と人件費だけを並べると内製が有利に見えます。
運用の経験者を採ればすぐ動けますか
媒体の運用の実務は1か月程度で動きますが、物件の種別や資金の条件、審査の流れの理解には数か月かかります。理解しないまま訴求を作ると、面談で説明が持ちません。
何から移せばいいですか
一件あたりの粗利、許容比率、有効リードの定義を自社で持つことからです。この段階は外注を続けたまま進められ、内製に移さない判断をしても損になりません。
内製化が途中で止まる原因は何ですか
一人に判断も実務も集中して記録が残らないこと、移行直後の停滞に耐えられず戻すこと、表現の確認が誰の仕事にもならないことの3つです。いずれも移行の前に手を打てます。
まとめ
- 費用の削減より、知見が社内に残らないことへの危機感が先に来ています。検討の期間が長い商材ほど、外部だけが実態を把握している状態は危うくなります
- 知見の蓄積が目的なら、移すのは判断であって作業ではありません。費用の削減が目的なら、移す先の人件費を含めて計算し直す必要があります
- 外注の費用には見えている金額しか含まれませんが、内製には見えない時間が含まれます。採用、育成、離職に伴う停滞を入れないと、比較が成立しません
- 媒体の運用の経験があっても、商品の理解には別に時間がかかります。投資用不動産の構造を理解しないまま訴求を作ると、面談で持ちません
- 仕様の変更は継続的に起きます。追う担当と時間を確保できないなら、その領域は外に残したほうが安全です
- 判断から先に移し、実務は最後に移します。実務から移すと、方針を決める人がいないまま作業だけが社内に増えます
- 人が一人しかいない状態で進めたときに止まります。その一人が抜けた瞬間に、外注へ戻すしかなくなります
- 目的を1つに決めることから始めます。知見の蓄積、費用の削減、速度の向上のどれを優先するかで、移す範囲が変わります