不動産投資のマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

一件あたりの粗利が大きく、成果に連動した報酬の比率が高い組織ほど、リードの質をめぐる対立が強く出ます。
配られたリードの良し悪しが、営業個人の収入に直結するからです。
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目次
目次
- 不動産投資で、マーケティングと営業の対立が生まれる構造
- 一件の重さが対立を大きくする
- 対立の中身を、どう切り分けるのか
- 件数の問題は体制の問題
- 共有する指標を、どこに置くのか
- 面談の実施件数を共有指標にする意味
- リードの所有権を、誰が持つのか
- 滞留を見つける仕組みを作る
- 営業からの情報が戻ってこない問題を、どう解くか
- 必要な項目は5つまでに絞る
- 会議の設計で、何を決めておくか
- 週次と月次で扱う内容を分ける
- 評価と報酬の設計が、連携の成否を決める
- 記録の入力を評価に含める
- 不動産投資の連携を立て直す手順
- 最初の3か月は数字を評価に使わない
- よくある質問
- まとめ
一件あたりの粗利が大きく、成果に連動した報酬の比率が高い組織ほど、リードの質をめぐる対立が強く出ます。
配られたリードの良し悪しが、営業個人の収入に直結するからです。
不動産投資で、マーケティングと営業の対立が生まれる構造
一件あたりの粗利が大きく、成果に連動した報酬の比率が高い組織ほど、リードの質をめぐる対立が強く出ます。
配られたリードの良し悪しが、営業個人の収入に直結するからです。
どの業種でもマーケティングと営業の摩擦はあります。
投資用不動産の販売では、その摩擦が個人の収入の話になりやすい構造があります。
一件の重さが対立を大きくする
一件の契約で動く金額が大きいため、配られたリードの質が個人の成績を左右します。
質の低いリードを引いた営業は、その月の成績が落ちます。
組織全体の平均ではなく、個人の体験として質の議論が持ち込まれます。
時間差が、責任の所在を曖昧にする
今月配ったリードの結果が出るのは数か月先です。
その間に担当が変わったり、営業が退職したりします。
結果が出るころには、誰の判断が効いたのかを検証できなくなっています。
記録が残らないので、議論が印象になる
接触の記録や断られた理由が残っていないと、質の議論は感覚のぶつけ合いになります。
マーケティング側は件数を示し、営業側は手応えを語ります。
どちらも相手の数字を確認できません。
不動産投資でマーケティングと営業が対立する構造
| 対立の材料 | マーケティング側の見え方 | 営業側の見え方 |
|---|---|---|
| リードの質 | 申込率は前月と変わらない | 今月配られた分は話にならない |
| 件数 | 目標どおり供給している | 処理しきれず放置している |
| 接触の速度 | 遅いから面談にならない | 急ぐと警戒されて逆効果になる |
| 断られた理由 | 記録がないので分析できない | 入力する時間がない |
| 成果の帰属 | 広告が作った面談である | 自分が口説いて契約にした |
対立の中身を、どう切り分けるのか
件数の話、質の話、速度の話は別々の問題です。
一度の会議で3つを同時に議論すると、結論が出ません。
対立の場面では、3つの論点が同時に出ます。
それぞれ原因も打ち手も違います。
件数の問題は体制の問題
配られた件数が処理できる量を超えていれば、質の議論より先に上限を決める話になります。
上限を決めずに件数を増やすと、選別が起き、放置が増えます。
質の問題は定義の問題
質が低いという指摘は、定義がそろっていないときに起きます。
何をもって有効とするかを文書にしていないと、毎月同じ議論になります。
速度の問題は仕組みの問題
接触が遅いのは、営業の怠慢ではないことが多くあります。
夜間や休日に入ったリードの受け皿がない、配布が手作業で遅れる、といった仕組みの欠落です。
不動産投資の対立を3つに分けて扱う
| 論点 | 本当の原因 | 決める場所 |
|---|---|---|
| 件数が多すぎる | 接触できる上限を決めていない | 配布のルール |
| 質が低い | 有効リードの定義がそろっていない | 定義の文書 |
| 接触が遅い | 夜間と休日の受け皿がない | 一次連絡の仕組み |
| 情報が戻らない | 入力の項目が多すぎる | 記録の様式 |
| 成果の帰属が争点になる | 評価の対象が契約だけになっている | 評価の設計 |
共有する指標を、どこに置くのか
面談の実施件数と、面談から申込への率の2つです。
どちらか一方の部門の指標にすると、押しつけ合いが起きます。
マーケティングだけの指標と、営業だけの指標を並べても連携は起きません。
両方が動かさなければ達成できない数字を、共通の目標として置きます。
面談の実施件数を共有指標にする意味
面談は、広告で集めた件数と、営業の接触の両方がそろって初めて成立します。
どちらかが欠けると実施されません。
ここを共有すると、件数と速度の議論が同じ場所でできます。
申込への率を共有指標にする意味
申込に進むかどうかは、集めた層と、面談の中身の両方で決まります。
マーケティング単独の指標にすると、営業の提案の質が議論から外れます。
営業単独の指標にすると、質の低いリードを集めた責任が問われません。
契約件数は共有指標にしない
契約には、物件の在庫と金融機関の審査が関わります。
両部門で動かせない要素が大きいため、共有指標としては機能しません。
結果として見る数字と、目標として追う数字を分けます。
マーケティングと営業が共有する不動産投資の指標
| 指標 | マーケが動かす部分 | 営業が動かす部分 | 共有に向くか |
|---|---|---|---|
| 資料請求の件数 | 配信と訴求 | ほぼない | 向かない |
| 面談の実施件数 | 供給する件数 | 接触と日程の設定 | 向く |
| 面談から申込への率 | 集める層の条件 | 提案の中身 | 向く |
| 契約件数 | 間接的 | 提案と交渉 | 向かない |
| 審査の承認率 | 対象の層の条件 | 事前の確認 | 一部向く |
リードの所有権を、誰が持つのか
接触中のリードは営業が持ち、動きが止まったリードは部門に戻します。
戻す基準を決めていないと、営業個人の手元でリードが滞留します。
リードの所有権が曖昧な組織では、獲得したリードの半分以上が誰にも触られない状態になります。
所有しているつもりの営業がいて、動いていないだけです。
滞留を見つける仕組みを作る
一定期間接触の記録がないリードを、自動的に一覧に出します。
一覧に出たリードは、担当を変えるか、部門の保留に戻します。
これを人の判断に任せると、動きません。
戻すことが不利にならないようにする
戻したリードから後で契約が出たとき、元の担当の成績がゼロになる設計だと、誰も戻しません。
一定の割合を残すか、戻した件数自体を評価に入れます。
部門が持つ保留の層を資産として扱う
戻ってきたリードは、追加の獲得費がかかりません。
定期的な情報提供を続けて、条件が変わったときに営業へ戻します。
ここが機能すると、新規の獲得だけに頼らない状態になります。
不動産投資のリードの所有権の決め方
| 状態 | 所有する場所 | 移す条件 |
|---|---|---|
| 配布の直後 | 営業 | 期限内に接触がなければ別の担当へ |
| 接触して検討中 | 営業 | 一定期間動きがなければ部門へ |
| 時期が先と判明 | 部門の保留 | 本人が示した時期の前に営業へ |
| 条件が合わない | 部門の保留 | 扱える範囲が変わったら営業へ |
| 接触がつかない | 部門の保留 | 手段を変えて再試行する |
営業からの情報が戻ってこない問題を、どう解くか
入力する項目を減らし、選択式にします。
自由記述で丁寧に書かせようとするほど、入力そのものが止まります。
広告の改善には、面談で何が起きたかの情報が必要です。
その情報を持っているのは営業だけです。
必要な項目は5つまでに絞る
すべてを記録しようとすると、どれも埋まりません。
広告の判断に使う項目だけに絞ります。
使わない項目を集めても、入力の負担が増えるだけです。
入力の時点を決める
面談の直後に入力する運用にします。
週末にまとめて入力する形にすると、記憶が薄れて精度が落ちます。
面談の記録が完了するまで、次のリードを配らないという運用にしている会社もあります。
戻した情報が何に使われたかを見せる
入力した内容が何も返ってこないと、入力は続きません。
どの訴求を止めたか、どの配信先を除外したかを営業に共有します。
自分の入力が配られるリードを変えたと分かれば、入力は続きます。
営業から戻す情報の項目を、項目ごとに見ていきます。接触できたかについては、形式は選択式、広告の判断への使い道は入口ごとの体制の評価。面談の実施と辞退については、形式は選択式、広告の判断への使い道は日程の置き方の改善。資金の条件の確認結果については、形式は選択式、広告の判断への使い道は対象とする層の見直し。検討の時期については、形式は選択式、広告の判断への使い道は保留に回す判断。断られた理由については、形式は選択式、広告の判断への使い道は訴求と配信先の見直し。
会議の設計で、何を決めておくか
議題ごとに、決める人と決める期限を先に置きます。
情報の共有だけで終わる会議を続けても、連携は改善しません。
マーケティングと営業の定例会議は、多くの場合で報告の場になっています。
数字を読み上げて終わります。
週次と月次で扱う内容を分ける
週次では件数と速度だけを見ます。
質の数字は母数が足りず、週次で議論すると方針が毎週変わります。
月次で質と配分を扱います。
決まらない議題を持ち越さない
その場で決められない議題は、誰がいつまでに決めるかを記録して閉じます。
持ち越しが続く議題は、そもそも会議で決められない性質の話です。
経営の判断が要るものは、別の場所に上げます。
不動産投資のマーケティングと営業の会議の設計を、項目ごとに見ていきます。
週次については、扱う内容は件数、接触の速度、配布の残り、決めることは翌週の配布量と体制の調整。
月次については、扱う内容は質の数字、入口ごとの成果、決めることは訴求と配信先の変更。
月次については、扱う内容は保留の層の状況、決めることは戻す対象と時期。
四半期については、扱う内容は獲得した月ごとの進捗、決めることは予算の配分の見直し。
四半期については、扱う内容は定義と運用の点検、決めることはルールの改定。
営業の責任者が出ない会議にしない
担当者だけの会議にすると、決めた内容が営業組織に反映されません。配布のルールや評価に関わる話は、責任者が同席する場で決めます。
評価と報酬の設計が、連携の成否を決める
契約件数だけで評価すると、面談の記録も保留への引き渡しも起きません。
評価の対象を変えないまま運用のルールだけを作っても、定着しません。
連携の仕組みが定着しない理由の多くは、評価の設計にあります。
評価されない行動は続きません。
記録の入力を評価に含める
面談の記録の入力率を、評価の一部に入れます。
比率は小さくても構いません。
評価の対象になっているという事実が、運用を動かします。
保留に戻したリードの扱いを決める
戻したリードから後日契約が出たときの成績の配分を、先に決めます。
決めていないと、戻す判断が個人の損得で左右されます。
マーケティング側の評価も見直す
獲得件数だけで評価されていると、質の低い件数を出す動機が残ります。
面談の実施件数と申込への率を、マーケティング側の評価にも入れます。
評価の設計が不動産投資の連携に与える影響を、項目ごとに見ていきます。契約件数だけについては、営業に起きることは記録も引き渡しもしない、連携への影響は情報が戻らない。面談の実施件数を含めるについては、営業に起きることは接触の速度が上がる、連携への影響は供給と体制の議論ができる。記録の入力率を含めるについては、営業に起きることは面談後の入力が進む、連携への影響は広告の改善が回る。保留への引き渡しを含めるについては、営業に起きることは滞留が減る、連携への影響は過去リードが資産になる。獲得件数だけでマーケを評価については、営業に起きることは質の低い件数が増える、連携への影響は対立が続く。
不動産投資の連携を立て直す手順
配布のルールと有効リードの定義を文書にすることからです。
仕組みを作る前に評価の話を始めると、議論が動かなくなります。
連携の改善は、順番を間違えると止まります。
負担の小さいものから先に決めます。
不動産投資のマーケティングと営業の連携を立て直す順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは有効リードの定義を文書にして両部門で合意する、期間の目安は3週間。
2については、やることは配布の上限と引き取りの期限を決める、期間の目安は2週間。
3については、やることは営業が戻す項目を5つに絞って選択式にする、期間の目安は2週間。
4については、やることは滞留しているリードを一覧に出す仕組みを作る、期間の目安は3週間。
5については、やることは共有指標を面談の実施件数と申込率に置く、期間の目安は2週間。
6については、やることは評価への反映を責任者と合意する、期間の目安は4週間。
最初の3か月は数字を評価に使わない
新しい定義で集計を始めた直後は、記録の抜けが多くあります。
その数字で評価を始めると、現場が数字を作りにいきます。
最初の期間は実態の把握に使い、評価への反映はそのあとにします。
連携の状態を数字で見る
数字は説明のための仮の値です。
月に500件配布して接触の記録が残っているのが300件なら、200件は所有されたまま動いていません。
この200件を減らす作業が、新しい広告を増やすより先に効きます。
不動産投資の連携の状態を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
配布に対する接触の記録の比率については、頻度は毎週、判断の目安は記録のない件数がどれだけあるか。
引き取りの期限を超えた件数については、頻度は毎週、判断の目安は配布のルールが守られているか。
面談の記録の入力率については、頻度は毎月、判断の目安は情報が戻っているか。
部門の保留に戻った件数については、頻度は毎月、判断の目安は滞留が解消されているか。
保留から営業に戻した件数については、頻度は四半期、判断の目安は資産が使われているか。
定義を変えたら過去も数え直す
有効リードの定義を変えた場合、前後の比較ができなくなります。
過去のデータも新しい定義で数え直してから、議論を始めます。
マーケティングと営業の連携が動かない場合は、無料相談で現状の流れを一緒に確認するところから始められます。配布と評価の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
不動産投資でリードの質をめぐる対立が毎月起きます
有効リードの定義が文書になっていないことが原因です。定義をそろえ、面談の実施件数と申込への率を両部門の共有指標に置くと、感覚のぶつけ合いではなく数字の議論になります。
契約件数を共有指標にしてはいけませんか
契約には物件の在庫と金融機関の審査が関わり、両部門で動かせない要素が大きくなります。結果として見る数字にとどめ、目標として追うのは面談の実施件数と申込への率にします。
営業が面談の記録を入力してくれません
項目が多すぎることが原因です。広告の判断に使う5つに絞り、選択式にします。入力の結果どの訴求を止めたかを共有すると、入力が続くようになります。
リードが営業の手元で止まっています
一定期間接触の記録がないリードを自動で一覧に出し、担当を変えるか部門の保留に戻します。戻したリードから契約が出たときの成績の配分を先に決めておかないと、誰も戻しません。
連携のルールを作っても定着しません
評価の設計が変わっていないためです。面談の実施件数と記録の入力率を評価に少しでも含めると運用が動きます。比率は小さくても構いません。
まとめ
- 一件あたりの粗利が大きく、成果に連動した報酬の比率が高い組織ほど、リードの質をめぐる対立が強く出ます。配られたリードの良し悪しが、営業個人の収入に直結するからです
- 件数の話、質の話、速度の話は別々の問題です。一度の会議で3つを同時に議論すると、結論が出ません
- 面談の実施件数と、面談から申込への率の2つです。どちらか一方の部門の指標にすると、押しつけ合いが起きます
- 接触中のリードは営業が持ち、動きが止まったリードは部門に戻します。戻す基準を決めていないと、営業個人の手元でリードが滞留します
- 入力する項目を減らし、選択式にします。自由記述で丁寧に書かせようとするほど、入力そのものが止まります
- 議題ごとに、決める人と決める期限を先に置きます。情報の共有だけで終わる会議を続けても、連携は改善しません
- 契約件数だけで評価すると、面談の記録も保留への引き渡しも起きません。評価の対象を変えないまま運用のルールだけを作っても、定着しません
- 配布のルールと有効リードの定義を文書にすることからです。仕組みを作る前に評価の話を始めると、議論が動かなくなります