
収益の源が複数あり、それぞれ性質が違うからです。
継続して入る管理の収入と、一回きりの仲介の手数料を同じ指標で追うと、どちらの判断もできなくなります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 不動産会社の集客で、全社共通の指標が置けない理由
- 同じ指標で追うと、判断が歪む
- 収益の源ごとに、指標の性質がどう違うか
- 事業ごとの指標の形
- 店舗の商圏という単位で、数字をどう置くか
- 商圏ごとの違いを、数字に織り込む
- 繁忙期に集中する需要を、目標の置き方にどう織り込むか
- 月ごとの比重を、先に決める
- 複数の事業を持つ会社で、追う数字を3つに絞る
- 3つの組み合わせ
- 目標を達成しても利益が増えないとき、どこを見るか
- 疑う場所
- 広告の表現の制約が、指標の置き方に与える影響
- 確認が要る領域
- 不動産会社の指標を組み直す進め方
- 店舗ごとの条件を、文書にする
- よくある質問
- まとめ
収益の源が複数あり、それぞれ性質が違うからです。
継続して入る管理の収入と、一回きりの仲介の手数料を同じ指標で追うと、どちらの判断もできなくなります。
不動産会社の集客で、全社共通の指標が置けない理由
収益の源が複数あり、それぞれ性質が違うからです。
継続して入る管理の収入と、一回きりの仲介の手数料を同じ指標で追うと、どちらの判断もできなくなります。
不動産会社の多くは、複数の事業を同時に持っています。
賃貸の仲介、賃貸の管理、売買の仲介、改修の工事。
店舗によっては、駐車場の管理や保険の取り扱いも加わります。
これらは収益の入り方が違います。
仲介は成約したときに一度だけ入ります。
管理は契約が続く限り毎月入ります。
同じ指標で追うと、判断が歪む
反響件数という一つの数字で全社を見ると、どの事業のための反響かが分かりません。
入居者を探す反響と、管理を任せたいオーナーからの相談では、一件の価値が桁違いに違います。
それを合算した件数を目標にすると、価値の小さい件数を集める方向に動きます。
不動産会社で全社共通の指標が置けない理由
| 理由 | 内容 | 起きること |
|---|---|---|
| 収益の入り方が違う | 継続と一回性が混在する | 一件の価値が揃わない |
| 顧客の種類が違う | 入居者とオーナーと買主 | 同じ集客では届かない |
| 繁忙の時期が違う | 事業ごとに山が別 | 月次の比較が噛み合わない |
| 店舗の商圏が違う | 扱う物件も競合も違う | 全社平均が実態を表さない |
| 供給の制約が違う | 管理戸数と案内の枠 | 上限の意味が異なる |
指標は、事業ごとに置き直す
全社で一つの指標を置こうとする議論は、合意しやすく見えます。しかし、その指標で現場が動かないため、結局は使われません。事業ごとに指標を置き、全社では収益の合計だけを見る形が実務に合います。
収益の源ごとに、指標の性質がどう違うか
継続して入る収入は積み上げの指標で、一回性の収入は流量の指標で追います。
管理の受託は累計の戸数、仲介は月ごとの成約件数が中心になります。
継続して入る収入と一回性の収入では、追うべき数字の形が違います。
片方は積み上がった残高で見て、もう片方は期間あたりの流量で見ます。
事業ごとの指標の形
収益の源ごとの指標の性質
| 事業 | 収益の入り方 | 中心に置く指標 |
|---|---|---|
| 賃貸の仲介 | 成約ごとに一回 | 月ごとの成約件数 |
| 賃貸の管理 | 契約が続く限り毎月 | 受託している戸数の推移 |
| 売買の仲介 | 成約ごとに一回 | 月ごとの成約と手数料 |
| 改修と原状回復 | 工事ごとに一回 | 受注件数と施工の枠の充足 |
| 更新にともなう収入 | 更新ごとに定期的 | 更新の時期と継続率 |
管理の戸数は、解約も含めて見る
受託した戸数だけを追うと、解約された分が見えません。
新規に受託した戸数と、解約された戸数を並べて、純増を見ます。
純増がゼロの状態で新規だけを報告すると、事業が伸びているように見えます。
仲介は、繁忙期の枠が上限になる
賃貸の仲介では、成約の件数が案内できる枠に制約されます。反響を増やしても、案内する人の時間が足りなければ成約は増えません。この上限を把握しないまま件数の目標を置くと、達成できない目標になります。
店舗の商圏という単位で、数字をどう置くか
店舗ごとに目標を置き、全社では合計だけを見ます。
商圏によって競合も物件の量も違うため、全社一律の水準を当てはめると現場が納得しません。
不動産会社の集客は、店舗の商圏で完結します。
来店できる範囲に住んでいる人、あるいはその地域に住みたい人が対象です。
この範囲は、駅や沿線の単位になります。
商圏ごとの違いを、数字に織り込む
店舗の商圏を単位にした数字の置き方
| 要素 | 店舗ごとに違うもの | 目標への織り込み方 |
|---|---|---|
| 競合の数 | 同じ駅にある同業の店舗数 | 獲得の難易度に反映する |
| 物件の量 | 扱える物件の数 | 成約の上限に反映する |
| 価格帯 | 地域の相場 | 一件あたりの収益に反映する |
| 住民の動き | 入れ替わりの多さ | 需要の量に反映する |
| 店舗の人数 | 案内できる枠 | 成約の上限に反映する |
全社平均が、どの店舗にも当てはまらない
全社の平均で目標を置くと、条件のよい店舗は楽に達成し、厳しい店舗は届きません。
どちらの店舗も、その目標を自分のものとして扱いません。
店舗ごとに条件を織り込んだ目標にすることで、初めて機能します。
店舗間の比較は、率で行う
絶対の件数で比較すると、規模の大きい店舗が常に上位になります。反響から来店に至る割合、来店から成約に至る割合といった率で比較します。率であれば、規模の違う店舗の間でも学び合えます。
繁忙期に集中する需要を、目標の置き方にどう織り込むか
年間の目標を12で割らず、月ごとの比重を変えて置きます。
賃貸では年度の切り替わりに需要が集中するため、平均で割った目標は毎月外れます。
賃貸の分野では、年度の切り替わりに向けて需要が集中します。
進学と就職と転勤が重なる時期に、探す人が一斉に動きます。
その前後の時期は、同じ体制でも成約が大きく減ります。
月ごとの比重を、先に決める
繁忙期の集中を織り込む目標の置き方
| 時期 | 需要の状態 | 目標の置き方 |
|---|---|---|
| 年度の切り替わりに向かう時期 | 来店と案内が集中する | 年間の相当部分をここに置く |
| 切り替わりの直後 | 急速に落ち着く | 目標を大きく下げる |
| 初夏から夏 | 動きが少ない | 管理の受託や体制の整備に充てる |
| 秋 | 転勤の動きが出る | 中程度の目標を置く |
| 年末 | 問い合わせが落ちる | 翌期の準備に充てる |
閑散期の目標を、別の事業に置く
賃貸の仲介が動かない時期に、同じ指標で目標を置いても意味がありません。
その時期は、管理の受託やオーナーへの提案に目標を移します。
事業を複数持っていることの利点は、この時期の使い方に出ます。
繁忙期の上限を、事前に計算する
繁忙期には、案内できる枠が上限になります。一人が一日に何件案内できるかから、店舗としての上限を出します。その上限を超える反響を集めても、対応できずに失います。
複数の事業を持つ会社で、追う数字を3つに絞る
来店の件数、管理の純増戸数、店舗ごとの収益の3つです。
仲介の成約は来店から決まり、継続の収入は管理の戸数で決まります。
指標を増やすと、現場でどれを優先するかの判断ができなくなります。
3つに絞ると、会議での議論の順番が決まります。
3つの組み合わせ
不動産会社で目標に置く3つの指標を、項目ごとに見ていきます。
流量については、指標は来店の件数、見ているものは仲介の成約の母数があるか。
積み上げについては、指標は管理の純増戸数、見ているものは継続の収入が伸びているか。
採算については、指標は店舗ごとの収益と集客費の比率、見ているものは事業として成り立っているか。
参考については、指標は案内の枠の充足率、見ているものは上限に達していないか。
来店を、仲介の中心指標にする
問い合わせの件数は、掲載している物件の内容に左右されます。
来店まで進んだ件数は、店舗の対応が表れます。
自社の働きが反映される段階に指標を置くことで、改善の材料になります。
管理の純増を、全社の指標にする
管理の戸数は、店舗をまたいで積み上がる数字です。
ここが伸びていれば、繁忙期に左右されない収入が増えます。
全社で追う指標として、最も適した性質を持ちます。
残りの数字は、異常を見つけるために置く
問い合わせの件数、案内の件数、成約率。これらは目標にはしませんが、急に動いたときに原因を探す入口になります。目標を置く数字と、見るだけの数字を分けます。
目標を達成しても利益が増えないとき、どこを見るか
一件あたりの収益が落ちているか、対応の費用が増えています。
件数の目標だけを置くと、収益の小さい案件を集めても達成できてしまいます。
来店も成約も目標に届いているのに、利益が増えない状態があります。
このとき、件数以外の場所で何かが起きています。
疑う場所
利益が増えないときに疑う場所を、項目ごとに見ていきます。
達成については、成約は達成、利益は増えない、考えられる原因は一件あたりの収益が下がっている。
達成については、成約は未達、利益は増えない、考えられる原因は案内の枠が足りていない。
未達については、成約は達成、利益は増える、考えられる原因は質の高い層に絞れている。
達成については、成約は達成、利益は減った、考えられる原因は集客の費用が増えている。
未達については、成約は未達、利益は減った、考えられる原因は商圏の需要が落ちている。
一件あたりの収益が落ちる原因
条件のよくない物件を数多く扱うと、一件の手数料が下がります。
値引きの条件で集客すると、同じ成約でも収益が減ります。
件数の目標だけを置くと、この方向に動きます。
対応の費用を、見落とさない
案内の回数が増えると、人の時間が消費されます。
一件の成約までに何回案内しているかを記録すると、効率が見えます。
広告の費用だけを集客費として扱うと、この部分が抜けます。
管理の解約を、確認する
管理の戸数が純増していない場合、新規の受託が解約で相殺されています。解約の理由を集計すると、どこに問題があるかが分かります。新規だけを追うと、この問題が見えません。
広告の表現の制約が、指標の置き方に与える影響
掲載できる内容に注意が必要な領域があるため、訴求の工夫だけでは件数が伸びにくくなります。
その分、来店してからの歩留まりに指標を寄せる必要があります。
不動産の広告では、表示の内容に注意が必要な領域があります。
取り扱いのない物件の掲載、成約済みの情報の残置、条件の表示の仕方。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
この制約は、同じ商圏の同業にも等しくかかります。
訴求の工夫で差をつけにくい市場になるため、件数の目標だけを追う設計が機能しません。
確認が要る領域
不動産会社で表現の確認が要る領域を、項目ごとに見ていきます。
掲載している物件の状況については、注意すべき点は取り扱いと空室の状況の更新、代わりに示せるものは更新の頻度と体制。
費用に関する表示については、注意すべき点は条件の明示、代わりに示せるものは費用の内訳の説明。
設備や条件の記載については、注意すべき点は実態との一致、代わりに示せるものは確認できる情報の範囲。
管理の提案の内容については、注意すべき点は効果に関する表現、代わりに示せるものは対応の範囲の説明。
他社との比較については、注意すべき点は根拠の確認、代わりに示せるものは自社が示せる事実。
更新の速さが、そのまま指標になる
物件の状況を更新する速さは、表示の正確さに直結します。
同時に、問い合わせの無駄を減らします。
更新にかかる時間を指標として置くと、両方が改善します。
歩留まりに指標を寄せる
入口で差をつけにくい市場では、来店してからの対応が結果を分けます。来店から案内、案内から成約の割合を指標に置きます。これらは自社の働きが直接表れるため、改善の対象になります。
不動産会社の指標を組み直す進め方
事業ごとに収益と件数を分けて集計するところから始めます。
合算されたままでは、どの事業のどこが詰まっているかが見えません。
指標の設計は、集計の形を変える作業から始まります。
新しい目標を決める前に、現状を分けて見られる状態を作ります。
不動産会社の指標を組み直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは反響と成約を事業ごとに分けて集計する、期間の目安は3週間。
2については、やることは店舗ごとに商圏の条件を整理する、期間の目安は2週間。
3については、やることは管理の戸数を新規と解約に分けて出す、期間の目安は2週間。
4については、やることは案内の枠の上限を店舗ごとに計算する、期間の目安は2週間。
5については、やることは目標に置く3つの指標を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは月ごとの比重を決め、繁忙期を織り込む、期間の目安は2週間。
店舗ごとの条件を、文書にする
商圏の競合の数、扱える物件の量、店舗の人数。
これらを記録しておくと、翌期の目標を置くときに使えます。
記録がないと、毎年の目標が前年比だけで決まります。
毎月確認する数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
店舗の案内の枠が月に80件、実際の案内が50件なら充足率は62%です。
この状態で反響を増やしても、枠に余裕があるうちは成約が伸びる余地があります。
不動産会社の集客で毎月見る数字を、項目ごとに見ていきます。
来店の件数については、見る頻度は毎月、判断の目安は店舗ごとに目標と比べる。
管理の純増戸数については、見る頻度は毎月、判断の目安は新規と解約を並べて見る。
案内の枠の充足率については、見る頻度は毎月、判断の目安は上限に達していないか。
来店から成約までの割合については、見る頻度は毎月、判断の目安は対応が機能しているか。
店舗ごとの収益と集客費の比率については、見る頻度は四半期、判断の目安は採算が合っているか。
定義を文書にして残す
来店とは何を数えるのか、管理の解約に何を含めるのか。
この定義を文書にしないと、店舗ごとに数え方が変わります。
変更する場合は、過去の数字も同じ定義で集計し直します。
不動産会社の指標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。事業ごとの集客の設計から見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
全社で共通のKPIを置けませんか
収益の入り方も顧客の種類も繁忙の時期も事業ごとに違うため、一つの指標では現場が動きません。事業ごとに指標を置き、全社では収益の合計だけを見る形が実務に合います。
管理の戸数はどう追いますか
新規に受託した戸数と解約された戸数を並べ、純増で見てください。新規だけを報告すると、解約で相殺されていても事業が伸びているように見えます。
賃貸の仲介で、反響を増やせば成約は増えますか
案内できる枠が上限になるため、枠を超えた反響は対応できずに失われます。一人が一日に何件案内できるかから店舗の上限を計算し、その範囲で反響の目標を置いてください。
店舗ごとに目標を変えてよいですか
商圏によって競合も物件の量も違うため、全社一律の水準は現場が納得しません。店舗ごとに条件を織り込んだ目標にし、店舗間の比較は件数ではなく率で行ってください。
年間の目標を12で割って月次の目標にしてよいですか
賃貸では年度の切り替わりに需要が集中するため、平均で割った目標は毎月外れます。月ごとの比重を先に決め、閑散期は管理の受託など別の事業に目標を移してください。
まとめ
- 収益の源が複数あり、それぞれ性質が違うからです。継続して入る管理の収入と、一回きりの仲介の手数料を同じ指標で追うと、どちらの判断もできなくなります
- 継続して入る収入は積み上げの指標で、一回性の収入は流量の指標で追います。管理の受託は累計の戸数、仲介は月ごとの成約件数が中心になります
- 店舗ごとに目標を置き、全社では合計だけを見ます。商圏によって競合も物件の量も違うため、全社一律の水準を当てはめると現場が納得しません
- 年間の目標を12で割らず、月ごとの比重を変えて置きます。賃貸では年度の切り替わりに需要が集中するため、平均で割った目標は毎月外れます
- 来店の件数、管理の純増戸数、店舗ごとの収益の3つです。仲介の成約は来店から決まり、継続の収入は管理の戸数で決まります
- 一件あたりの収益が落ちているか、対応の費用が増えています。件数の目標だけを置くと、収益の小さい案件を集めても達成できてしまいます
- 掲載できる内容に注意が必要な領域があるため、訴求の工夫だけでは件数が伸びにくくなります。その分、来店してからの歩留まりに指標を寄せる必要があります
- 事業ごとに収益と件数を分けて集計するところから始めます。合算されたままでは、どの事業のどこが詰まっているかが見えません