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不動産売買のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約13分
不動産売買のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

一件あたりの手数料が取引ごとに大きく違い、平均から上限を出しにくいからです。
根拠が出せないため、前年の実績に増減率をかける決め方に落ち着きます。

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一件あたりの手数料が取引ごとに大きく違い、平均から上限を出しにくいからです。
根拠が出せないため、前年の実績に増減率をかける決め方に落ち着きます。

不動産売買の広告予算が、前年比の議論で終わる理由

一件あたりの手数料が取引ごとに大きく違い、平均から上限を出しにくいからです。
根拠が出せないため、前年の実績に増減率をかける決め方に落ち着きます。

不動産売買の広告予算が、前年比の議論で終わる理由

売買仲介の広告予算は、他の業種に比べて根拠が示しにくい性質があります。
一件の取引で得られる手数料が、物件の価格と担当の範囲で大きく変わるためです。
平均値を出しても、実際の一件はその平均から離れていることが普通です。

その結果、予算の議論は前年いくら使ったかという話から始まります。
売上が伸びた年は増やし、落ちた年は減らす。
この決め方は、市場の状況と自社の在庫の状態を一切織り込んでいません。

前年比で決めると、在庫の変化に反応できない

売買仲介で翌期の成約を決めるのは、いま預かっている物件の数です。
媒介契約が細っている年に前年並みの予算を組むと、買いの集客に回した費用が空回りします。
逆に在庫が積み上がっている年に予算を据え置くと、販売の機会を逃します。

不動産売買の予算が前年比で決まってしまう経路

段階そこで起きること結果
一件の手数料が取引ごとに違う平均から上限が出しにくい計算での根拠づけを諦める
成約までの期間が長い当期の費用対効果が測れない当期の数字で説明できない
在庫の状況が期中で変わる年初の前提が途中で崩れる期中の組み替えができない
店舗ごとに商圏が違う全社で一律の単価が出ない全社平均で丸めてしまう

上限と配分は、別の問題として扱う

いくらまで使えるかという上限の話と、その金額をどこに配るかという配分の話は別です。この2つを同時に議論すると、どちらも決まりません。先に上限を出し、そのあとで配分を決めます。

一件の粗利から、集客費の上限をどう出すのか

取引の経路ごとに平均の手数料を出し、そこから直接かかる人件費を引いた額を基準にします。
全社の平均ではなく、経路ごとに分けることで上限が現実的な幅に収まります。

一件の粗利から、集客費の上限をどう出すのか

上限の計算では、まず一件から残る額を確定させます。
仲介の原価は、担当者の人件費と、物件の販売にかかる費用が中心です。
これらを引いたあとに、集客に回せる枠が決まります。

経路ごとに分けて計算する

売主側だけを担当した取引と、売主と買主の両方を担当した取引では、入る額が倍近く違います。
全社の平均で計算すると、どちらの経路にも合わない数字になります。
経路ごとに平均を出し、それぞれの上限を計算します。

不動産売買で集客費の上限を出す計算

順番出す数字考え方
1経路ごとの平均手数料過去12か月の実績を経路で分類して平均を取る
2一件あたりの直接費担当者の人件費と販売活動の費用
3一件から残る額平均手数料から直接費を引く
4許容できる集客費の比率残る額のうち集客に回す割合を決める
5一件あたりの上限残る額に比率をかける
6期の総額必要な成約件数に一件あたりの上限をかける

比率は経営と合意して決める

残った額のうち何割を集客に回すかは、計算では出ません。
成長を優先するのか、利益の確保を優先するのかという方針で決まります。
ここを経営と合意しておくと、期中の増減の議論が短くなります。

数字は説明のための仮の値です。
経路ごとの平均手数料が150万円、直接費が60万円なら、残るのは90万円です。
このうち3割を集客に回すと決めれば、一件あたりの上限は27万円になります。

上限は目標ではなく、越えてはいけない線

上限いっぱいまで使う必要はありません。下回っている状態で件数が足りているなら、それが最も望ましい形です。上限は、使い切る目標ではなく判断の基準として扱います。

売りの獲得と、買いの集客に、どう配分するか

数か月先に成約させたい件数から逆算して、先に売りの獲得へ配ります。
在庫がなければ買いの集客は成立しないため、順番を逆にすると費用が無駄になります。

売りの獲得と、買いの集客に、どう配分するか

配分の議論では、買いの集客のほうが分かりやすい成果を出します。
問い合わせがすぐに立ち、件数として見えるためです。
一方で売りの獲得は、媒介契約になるまでの期間が長く、成果が遅れて出ます。

この見え方の差で、短期の判断を続けると買いに偏っていきます。
気づいたときには在庫が細り、翌期の成約が落ちます。

在庫の目標から、売りの予算を先に確保する

数か月先に必要な成約件数を決め、そこから逆算して必要な媒介契約の件数を出します。
その件数を取るための費用を、先に確保します。
残った枠を買いの集客に配ります。

売りと買いへの配分の考え方

対象決める順番判断の材料
売りの獲得先に決める数か月先に必要な成約件数から逆算する
買いの集客あとで決めるいま預かっている物件の数と種類
既存の顧客への追客固定枠で持つ接触済みの顧客の件数
認知への投資残余で決める商圏内での指名検索の状況

預かっている物件の種類で、買いの配分を変える

同じ在庫でも、価格帯や地域によって買い手の集め方が変わります。
売れ行きが鈍い物件に費用を寄せるのか、動きやすい物件を早く回すのか。
ここは営業の判断と揃えて決めます。

追客の枠を、変動させない

一度接触した顧客への継続的な接触は、費用が小さく効果が遅れて出ます。期中の削減でここが真っ先に切られることが多く、数期あとに効いてきます。固定の枠として持ち、月次の判断から外します。

物件情報サイトへの掲載費を、予算のどこに置くか

広告費とは別の枠で管理します。
掲載をやめるという判断がほぼ取れない固定費に近い性質があり、運用型の広告と同じ枠で比較すると判断を誤ります。

物件情報サイトへの掲載費を、予算のどこに置くか

売買仲介では、物件の情報を掲載する外部の媒体が集客の中心にあります。
買い手の多くがそこから探すため、掲載をやめる選択が実質的に取れません。
この性質は、増減の判断ができる運用型の広告とは別物です。

同じ広告費の枠に入れて比較すると、削減の議論のたびに掲載費が候補に挙がります。
しかし実際には削れないため、議論が空回りします。

性質で分けて管理する

不動産売買の集客費用の性質による分類

費用の種類性質判断の頻度
物件情報の掲載費事業の前提に近い固定費年に一度の見直し
運用型の広告増減が自由月次で調整
売却の相談を集める費用在庫を作る投資四半期で見直し
店舗や看板などの地域の接点商圏に紐づく固定費出店の判断と一体
既存の顧客への接触効果が遅れて出る継続費固定枠で維持

掲載費の中で、何を変えられるかを把握する

掲載そのものはやめられなくても、掲載する物件の数や表示の形は選べることがあります。
掲載の枠ごとに、反響の件数と成約への寄与を分けて記録します。
この記録がないと、条件の交渉の材料も持てません。

依存の度合いを、数字で経営に示す

反響のうち何割が外部の媒体からかを、毎期記録します。比率が上がり続けている場合、掲載の条件が変わったときの影響が大きくなります。予算の議論では、この比率を経営に共有しておきます。

異動の時期に合わせて、月ごとの配分をどう作るか

年度の切り替わりに向けて動く需要と、その手前の検討の期間を分けて配分します。
成約の月に費用を寄せると、その需要を作る時期を逃します。

異動の時期に合わせて、月ごとの配分をどう作るか

住まいの購入と売却は、年度の切り替わりや進学の時期に合わせて動く部分があります。
決済の時期から逆算すると、相談が始まるのはその数か月前です。
費用を成約が多い月に寄せると、意思決定が終わったあとに広告を出すことになります。

決済の時期から逆算して配分する

不動産売買の月別の需要の動き方を、項目ごとに見ていきます。
年度の切り替わりに向かう時期については、起きていることは相談と内見が集中する、配分の考え方は直前ではなく手前に厚く置く。
切り替わりの直後については、起きていることは動きが落ち着く、配分の考え方は売りの相談を集める時期に充てる。
夏の時期については、起きていることは検討が一度止まりやすい、配分の考え方は情報を整える時期に充てる。
秋から年末については、起きていることは翌年の動きに向けた検討が始まる、配分の考え方は買いの集客を戻す。
年末年始については、起きていることは問い合わせが落ちる、配分の考え方は翌期の準備と整備に充てる。

売りの集客は、季節の影響が違う

住み替えや相続をきっかけにした売却の相談は、購入ほど時期に集中しません。
一年を通じて一定の配分を維持するほうが、在庫が安定します。
購入の季節性に引っ張られて売りの費用を削らないようにします。

月次の配分は、期初に固定しない

季節の波は年によってずれます。月ごとの金額を期初に決め切ると、ずれたときに動かせません。四半期の総額を決め、月ごとの配分は直前に確定させます。

仲介の予算を経営に通すときに、1枚で示すこと

手数料の目標と、そこから逆算した必要件数、在庫と消化のそれぞれに配る額を1枚に並べます。
上限の計算根拠と、未達になる条件を同時に出すと、議論が短くなります。

仲介の予算を経営に通すときに、1枚で示すこと

予算の説明で通りにくいのは、金額の大きさではなく根拠の弱さです。
何をいくらで何件取るつもりかが示されていれば、金額の議論は短くなります。

1枚に載せる内容

経営に示す不動産売買の予算の1枚を、項目ごとに見ていきます。
期の目標については、示す内容は手数料の総額と、必要な成約件数。
在庫の計画については、示す内容は必要な媒介契約の件数と、そのための費用。
消化の計画については、示す内容は購入側で必要な進行件数と、そのための費用。
上限の根拠については、示す内容は経路ごとの平均手数料から上限を出した計算。
掲載費の扱いについては、示す内容は固定費に近い枠として別に示す。
未達の条件については、示す内容はどの歩留まりが下がると目標に届かないか。

未達の条件を先に出す

達成する前提だけを示すと、未達のときに説明ができません。
媒介契約から成約に至る割合がどこまで下がると届かなくなるかを、あらかじめ示します。
経営が最も知りたいのは、何が起きたら危ないかという点です。

役職によって、聞きたいことが違う

Testifyが2026年5月に実施した調査では、代理店への不満の内容が役職で分かれていました。経営層は費用が成果に見合わないという指摘が56.3%、マーケティング責任者は成果不振の説明が不十分という指摘が53.1%でした。経営には費用と成果の関係を、責任者には数字が動かなかったときの説明を用意します。

仲介の予算が削られたときに、どの順で減らすのか

効果が早く戻るものから減らし、在庫を作る費用は最後まで残します。
売りの獲得を先に削ると、削減の影響が数か月遅れて成約の減少として現れます。

仲介の予算が削られたときに、どの順で減らすのか

期中の削減が決まったとき、削る順番を先に決めていないと、その場で判断することになります。
そのときは必ず、成果が見えにくい費用から削られます。
売買仲介では、それが在庫を作る費用です。

削る順番を、期初に決めておく

不動産売買で予算を減らす順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、削る対象は新しい媒体の試験的な出稿、影響が出るまでの時間は即時。
2については、削る対象は認知を目的とした広告、影響が出るまでの時間は数か月。
3については、削る対象は買いの集客の上積み分、影響が出るまでの時間は数週間。
4については、削る対象は物件情報の掲載の枠の追加分、影響が出るまでの時間は翌月。
5については、削る対象は売りの相談を集める費用、影響が出るまでの時間は数か月遅れて成約に出る。
6については、削る対象は既存の顧客への接触、影響が出るまでの時間は年単位で効いてくる。

削減の影響を、四半期で報告する

削った月の数字だけを見ると、影響が出ていないように見えます。
売買では効果が遅れるため、削減の判断は四半期で振り返ります。
この振り返りを予定に入れておくと、削りすぎを戻せます。

削らずに配分を変える選択肢

総額を減らさずに、売りと買いの配分を変えるだけで採算が改善することがあります。在庫が余っているときは買いへ、細っているときは売りへ寄せます。削減の議論の前に、この組み替えを検討します。

不動産売買の予算編成を組み立てる手順

過去の取引を経路別に分類し、一件から残る額を出すところから始めます。
この数字がないと、上限も配分も決められません。

不動産売買の予算編成を組み立てる手順

予算編成の作業の大半は、過去の実績を使える形に整えることです。
分類ができていない状態で金額の議論に入ると、前年比に戻ります。

不動産売買の予算編成を進める順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去12か月の成約を経路別に分類する、期間の目安は2週間。
2については、やることは経路ごとの平均手数料と直接費を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは集客に回す比率を経営と合意する、期間の目安は2週間。
4については、やることは翌期に必要な媒介契約の件数を逆算する、期間の目安は1週間。
5については、やることは売りと買いの配分を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは削減が発生したときの順番を決めておく、期間の目安は1週間。

掲載費を先に切り出す

固定費に近い掲載の費用を、最初に別枠へ移します。
残った金額が、実際に判断できる予算です。
この切り分けをしないまま配分を議論すると、動かせない金額まで机上で動かすことになります。

執行のなかで見る数字

不動産売買の予算の執行で見る数字を、項目ごとに見ていきます。
媒介契約の件数と、そこにかけた費用については、見る頻度は毎月、判断の目安は在庫の計画に対して足りているか。
購入側で進行した件数と、その費用については、見る頻度は毎月、判断の目安は在庫の消化が進んでいるか。
外部の媒体からの反響の比率については、見る頻度は四半期、判断の目安は依存が上がっていないか。
手数料総額に対する集客費用の比率については、見る頻度は四半期、判断の目安は上限の範囲に収まっているか。
削減を実施した場合の成約への影響については、見る頻度は四半期、判断の目安は削りすぎていないか。

期中の組み替えの条件を決めておく

在庫がどこまで増えたら買いへ寄せるか、どこまで減ったら売りへ戻すか。
この条件を数字で決めておくと、毎月の会議で判断できます。
条件がないと、組み替えの提案そのものが出てきません。

不動産売買の予算の根拠づくりで迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。集客の費用の配分ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

広告費の上限はどう計算しますか

取引の経路ごとに平均手数料を出し、担当者の人件費などの直接費を引いた額を基準にします。その残った額のうち何割を集客に回すかを経営と合意し、必要な成約件数をかけて期の総額を出します。

売りと買い、どちらに先に予算を配りますか

売りの獲得が先です。預かった物件がなければ買いの集客が成立しないためです。数か月先に必要な成約件数から逆算して、媒介契約を取るための費用を先に確保します。

物件情報サイトの掲載費も広告予算に含めますか

別枠で管理してください。掲載をやめる判断が実質的に取れない固定費に近い性質があり、増減が自由な運用型の広告と同じ枠で比較すると削減の議論が空回りします。

予算を削られたとき、何から減らせばよいですか

効果が早く戻るものからです。売りの相談を集める費用と既存顧客への接触は、削った影響が数か月から年単位で遅れて出るため、最後まで残します。

月ごとの配分は期初に決めるべきですか

四半期の総額だけを決め、月ごとの配分は直前に確定させてください。季節の波は年によってずれるため、期初に固定すると動かせなくなります。

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お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 一件あたりの手数料が取引ごとに大きく違い、平均から上限を出しにくいからです。根拠が出せないため、前年の実績に増減率をかける決め方に落ち着きます
  • 取引の経路ごとに平均の手数料を出し、そこから直接かかる人件費を引いた額を基準にします。全社の平均ではなく、経路ごとに分けることで上限が現実的な幅に収まります
  • 数か月先に成約させたい件数から逆算して、先に売りの獲得へ配ります。在庫がなければ買いの集客は成立しないため、順番を逆にすると費用が無駄になります
  • 広告費とは別の枠で管理します。掲載をやめるという判断がほぼ取れない固定費に近い性質があり、運用型の広告と同じ枠で比較すると判断を誤ります
  • 年度の切り替わりに向けて動く需要と、その手前の検討の期間を分けて配分します。成約の月に費用を寄せると、その需要を作る時期を逃します
  • 手数料の目標と、そこから逆算した必要件数、在庫と消化のそれぞれに配る額を1枚に並べます。上限の計算根拠と、未達になる条件を同時に出すと、議論が短くなります
  • 効果が早く戻るものから減らし、在庫を作る費用は最後まで残します。売りの獲得を先に削ると、削減の影響が数か月遅れて成約の減少として現れます
  • 過去の取引を経路別に分類し、一件から残る額を出すところから始めます。この数字がないと、上限も配分も決められません