
入会は増えても、在籍が増えない状態が続きます。
退会と同じ数だけ入会しても、収入は前年と同じままです。
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目次
目次
- 月会費で成り立つ事業で、追う数字を入会数に置くとどうなるのか
- 入会と退会は別の担当が見ていることが多い
- 在籍者数と会費の単価を、どう組み合わせて置くのか
- 会員種別ごとに分けて見る
- 利用していない在籍者を、指標のどこに置くのか
- 比率が上がることの意味
- 店舗ごとの上限は、何で決まるのか
- 上限に達したときの打ち手
- 入会が特定の月に集中することを、指標にどう織り込むのか
- 集中する月に上限を超えないか確かめる
- 期の途中で会費の体系を変えたとき、未達をどう読むのか
- 変更の記録を残す
- 外部に運用を預けるとき、どの指標を渡すのか
- 報告で見るのは件数ではなく差し引き
- フィットネスクラブの指標は、何から手をつければいいのか
- よくある質問
- まとめ
入会は増えても、在籍が増えない状態が続きます。
退会と同じ数だけ入会しても、収入は前年と同じままです。
月会費で成り立つ事業で、追う数字を入会数に置くとどうなるのか
入会は増えても、在籍が増えない状態が続きます。
退会と同じ数だけ入会しても、収入は前年と同じままです。
この事業の収入は、在籍している人の数と会費の単価で決まります。
入会の件数は、在籍を増やすための入力の一つにすぎません。
入会数を目標に置くと、退会の側が見えなくなります。
月に百人入会しても、百人退会していれば在籍は動きません。
在籍が動かない月が続くと、収入も動きません。
それでも入会数の目標は達成されているという報告が出ます。
この状態は、数字を見ている限り健全に見えます。
見えない場所で、獲得の費用だけが積み上がります。
追うべきなのは、入会と退会の差し引きです。
差し引きが目標に届いているかで、事業の状態が分かります。
入会と退会は別の担当が見ていることが多い
入会は集客の担当、退会は店舗の現場が見ていることが多いものです。
別々に見ていると、差し引きを誰も見ていない状態になります。
差し引きを一つの数字として置き、同じ場で見てください。
置くだけで、会話が変わります。
差し引きが動かない理由が、入会の不足なのか退会の増加なのかも分かれます。
分かれれば、打ち手も分かれます。
追うべきなのは入会数ではなく、入会と退会の差し引きです。別々の担当が見ている状態では、差し引きを誰も見ていません。
在籍者数と会費の単価を、どう組み合わせて置くのか
掛け合わせた月々の収入に束ねます。
在籍だけを追うと、安い会員種別に寄せて数を作る動きが出ます。
在籍者数だけを目標に置くと、達成の手段は会費の安い種別を増やすことに寄ります。
数は増えても、収入は伸びません。
一方で単価だけを目標に置くと、在籍が減ります。
安い種別を減らせば、その層は他所に移ります。
そのため、二つを掛け合わせた月々の収入に束ねてください。
どちらが動いても、この数字は動きます。
束ねた数字であれば、安い種別を増やす判断の是非がその場で判定できます。
増えた人数が単価の下がり分を上回れば、数字は上がります。
さらに、会費以外の収入も分けて見ます。
物販、レッスン、施設の追加利用といった収入です。
在籍を軸に指標を組み立てる段階
| 段階 | 置く数字 | 動かす手段 | 主に見る担当 |
|---|---|---|---|
| 1 | 在籍者数と会費の単価を掛けた月々の収入 | 会員種別の設計 | 経営と本部 |
| 2 | 入会と退会の差し引き | 集客と継続の施策 | 集客と店舗 |
| 3 | 会費以外を含めた一人あたりの月々の収入 | 館内での案内 | 店舗の現場 |
| 4 | 獲得にかけた費用を引いた後の収入 | 経路の構成 | 集客の担当 |
会員種別ごとに分けて見る
会員種別が複数ある場合、束ねた数字だけでは中身が見えません。
種別ごとに、在籍者数と単価を並べてください。
並べると、どの種別が増えてどの種別が減っているかが分かります。
安い種別だけが増えている状態は、単価の下落として先に現れます。
種別ごとの在籍の推移は、四半期に一度で足ります。
月ごとに見ると、季節の動きに紛れます。
目標は在籍者数と会費の単価を掛けた月々の収入に束ねてください。中身は、会員種別ごとに四半期で分けて見ます。
利用していない在籍者を、指標のどこに置くのか
在籍者数に含めたうえで、別に比率として出します。
含めないと収入と合わなくなり、出さないと退会の予兆を見落とします。
在籍しているが来館していない会員は、どのクラブにも一定数います。
この層は、会費としては収入になっています。
そのため、在籍者数からは外せません。
外すと、収入の数字と合わなくなります。
一方で、この層は退会の候補でもあります。
利用していない状態が続けば、いずれ会費を止めます。
そのため、在籍者数とは別に比率として出してください。
一定の期間に来館がなかった人の比率です。
期間の長さは、クラブの利用の頻度に合わせます。
週に数回来る層が中心なら、一か月で線を引けます。
比率が上がることの意味
この比率が上がっている月は、収入としては変わりません。
変わるのは、翌期以降の退会の見込みです。
比率の上昇に気づけるのは、毎月出している場合だけです。
出していないと、退会が増えてから気づくことになります。
比率が上がった原因は、施設の混雑か、提供の内容か、生活の変化です。
原因の切り分けには、来館の記録と聞き取りが要ります。
利用していない在籍者は在籍者数に含めたうえで、来館のない人の比率として毎月出してください。退会の予兆はここに先に現れます。
店舗ごとの上限は、何で決まるのか
設備の数と、混雑する時間帯の収容で決まります。
在籍者数の上限を置かずに集客を続けると、退会が増えます。
在籍者数には上限があります。
上限を決めるのは、設備の数と、混雑する時間帯に受け入れられる人数です。
この上限は、店舗の面積ではありません。
最も混雑する時間帯に、何人が無理なく利用できるかで決まります。
上限を超えて在籍が増えると、混雑が起きます。
混雑が続くと、既存の会員の来館が減り、退会につながります。
つまり、集客を続けることが退会を増やす局面があります。
この局面に入っているかを、先に確かめてください。
確かめ方は、時間帯ごとの来館者数と設備の稼働です。
稼働が一定の水準を超える時間帯が増えていれば、上限に近づいています。
在籍の上限を決める材料
| 材料 | 見る単位 | 上限に近いときの兆候 |
|---|---|---|
| 混雑する時間帯の来館者数 | 曜日と時間帯ごと | 待ちが発生する |
| 主要な設備の稼働 | 時間帯ごと | 順番待ちが常態化する |
| 更衣とロッカーの数 | 時間帯ごと | 空きが無くなる |
| スタジオの定員 | 開催ごと | 抽選や早期の締め切り |
| 受付の対応の余裕 | 時間帯ごと | 説明の時間が取れない |
上限に達したときの打ち手
上限に達した場合、集客を増やす先は同じ層ではありません。
混雑していない時間帯に来られる層に、対象を移します。
時間帯を限った会員種別があれば、この移動は設計できます。
無ければ、種別の設計から検討することになります。
もう一つの打ち手は、設備の増設か新店です。
どちらも投資の判断になるため、上限の数字が根拠として要ります。
在籍の上限は、混雑する時間帯の収容で決まります。上限に近づいたら、集客の対象を空いている時間帯に来られる層へ移してください。
入会が特定の月に集中することを、指標にどう織り込むのか
月ごとの目標を均さず、季節の形に合わせて置きます。
均した目標を置くと、集中する月の達成が他の月の不足を隠します。
入会の件数は、年の中で大きく偏ります。
生活の区切りに合わせて、特定の月に集まります。
この偏りを無視して月ごとの目標を均すと、判断を誤ります。
集中する月に大きく超過し、他の月は届かないという形が続きます。
月ごとの目標は、過去の実績の形に合わせて置いてください。
前年の月ごとの構成比を使えば、形は作れます。
そのうえで、集中する月の準備は数か月前から始めます。
集中する月に広告を出しても、検討はその前から始まっています。
同じことが退会にも当てはまります。
退会も特定の月に集まるため、差し引きの形も偏ります。
集中する月に上限を超えないか確かめる
入会が集中する月は、混雑も同時に起きます。
上限を超える入会を受けると、既存の会員の退会が増えます。
そのため、集中する月の入会の目標にも上限を置いてください。
上限は、混雑する時間帯の収容から決まります。
上限に達した場合は、時間帯を限った種別へ誘導します。
誘導の設計がないと、受けるか断るかの二択になります。
月ごとの目標は均さず、過去の実績の形に合わせて置いてください。集中する月の入会にも、混雑からくる上限を置きます。
期の途中で会費の体系を変えたとき、未達をどう読むのか
変更の前に入会した層と、後に入会した層を分けて読みます。
全体の平均だけを見ると、体系の変更の影響が集客の成果に紛れます。
会費の体系を変えると、在籍者数と単価の両方が動きます。
このとき全体の数字だけを見ても、どちらの影響が出たのかが分かりません。
読み方の手順は決まっています。
まず、変更の前に入会した層と後に入会した層を分けます。
分けたうえで、それぞれの在籍の推移と単価を比べます。
後の層の単価が上がって在籍が減っていれば、体系の変更の影響です。
次に、前の層の退会が増えていないかを見ます。
既存の会員に体系の変更が及んだ場合、ここに出ます。
この二段の読み方をしないと、体系の判断と集客の成果が混ざります。
混ざったまま翌期の計画を作ると、同じ判断を繰り返します。
変更の記録を残す
会費の体系を変えた事実と、その理由を記録に残してください。
記録がないと、翌年に同じ判断をするときの材料がありません。
残す項目は、変更の時期、対象の種別、変更の幅、想定した影響です。
四つあれば、後から読み返せます。
想定した影響と実際の差も、半年後に追記します。
この追記が、次の判断の精度を上げます。
会費の体系を変えたら、変更の前後で入会した層を分けて読んでください。変更の記録と、想定との差の追記を残します。
外部に運用を預けるとき、どの指標を渡すのか
入会後に何か月続いた人の比率と、店舗ごとの在籍の上限を渡します。
入会の件数だけを渡すと、すぐ辞める層が積み上がります。
外部に渡す数字が入会の件数と獲得の単価だけだと、判断が件数に寄ります。
件数は増やせますが、続くかどうかは見られません。
渡すべきなのは、入会後に何か月続いたかの比率です。
この数字があると、続かない層を集める訴求が数字に出ます。
渡す時期は、入会の三か月後と六か月後の二つで足ります。
それより細かくすると、双方の手間が増えます。
外部に渡す指標と、渡さない場合に起きること
| 渡す指標 | 渡す頻度 | 渡さないと起きること |
|---|---|---|
| 入会後三か月の継続の比率 | 月ごと | すぐ辞める層が積み上がる |
| 入会後六か月の継続の比率 | 月ごと | 訴求の行きすぎに気づけない |
| 店舗ごとの在籍の上限 | 月ごと | 混雑した店舗に集客が続く |
| 会員種別ごとの在籍 | 四半期ごと | 安い種別に寄る |
| 入会と退会の差し引き | 月ごと | 達成しても在籍が増えない |
もう一つ渡すのが、店舗ごとの在籍の上限です。
上限に近い店舗に集客を厚くしても、退会が増えるだけです。
上限の状況を共有していない委託先は、すべての店舗に同じ配分で出します。
月に一度、店舗ごとの余裕を渡す仕組みを決めてください。
報告で見るのは件数ではなく差し引き
毎月の報告で件数と獲得の単価だけを見ていると、在籍が増えていなくても達成に見えます。
入会と退会の差し引きを、同じ表に並べてください。
退会は委託先の責任ではありません。
それでも並べる理由は、集めた層の質が退会に出るためです。
三か月後の継続の比率を経路別に並べると、この関係が見えます。
見えると、配分の判断が変わります。
外部に渡すのは入会後の継続の比率と、店舗ごとの在籍の上限です。報告では、入会と退会の差し引きを同じ表に並べてください。
フィットネスクラブの指標は、何から手をつければいいのか
入会と退会を同じ表に並べるところからです。
差し引きが見えないうちは、どの指標を置いても判断に使えません。
最初にやるのは、指標を選ぶことではありません。
入会と退会を、同じ表に月ごとに並べることです。
並べると、差し引きの推移が見えます。
この推移が、事業の状態そのものです。
次に、在籍者数と会費の単価を種別ごとに並べます。
どの種別が増えてどの種別が減っているかが分かります。
三つ目に、来館のない在籍者の比率を出します。
出し始めれば、翌月から推移が追えます。
四つ目が、店舗ごとの在籍の上限です。
混雑する時間帯の収容から、店舗ごとに置きます。
最後に、未達のときに何を見直すかを先に決めます。
決めておかないと、未達のたびに入会の件数を増やす話に戻ります。
フィットネスクラブの指標を置くまでの順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 入会と退会を同じ表に月ごとに並べる | 集客と店舗の担当 | 二週間 |
| 2 | 在籍者数と単価を種別ごとに並べる | 本部の担当 | 二週間 |
| 3 | 来館のない在籍者の比率を出す | 店舗の担当 | 二週間 |
| 4 | 混雑する時間帯の収容から上限を置く | 店舗の責任者 | 三週間 |
| 5 | 月ごとの目標を実績の形に合わせて置く | 経営と本部 | 二週間 |
| 6 | 未達のときに見直す順番を決めて記録する | 経営と集客の責任者 | 一週間 |
置いた後に見るのは、月次では差し引きと来館のない在籍者の比率、四半期では種別ごとの在籍と単価です。
週次で見るのは、見学の件数と混雑する時間帯の来館者数だけにします。
入会の件数を目標から外すことに抵抗が出る場合は、差し引きと並べて出してください。
並べれば、二つの数字の差そのものが議論の材料になります。
着手点は指標の選定ではなく、入会と退会を同じ表に並べることです。差し引きが見えれば、次に置く指標は自然に決まります。
フィットネスクラブの指標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
集客と継続の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
入会数を目標にしてはいけませんか
目標には置かず、入会と退会の差し引きを置いてください。同じ数だけ退会していれば在籍は動かず、収入も動きません。入会は集客、退会は店舗が別々に見ていると、差し引きを誰も見ていない状態になります。
在籍者数だけを目標にできますか
できません。安い会員種別を増やせば数は作れますが、収入は伸びません。在籍者数と会費の単価を掛けた月々の収入に束ね、中身は種別ごとに四半期で分けて見てください。
利用していない会員はどう扱いますか
在籍者数には含めたうえで、一定の期間に来館がなかった人の比率として毎月出してください。収入としては続いていますが、退会の予兆はここに先に現れます。
在籍者数に上限はありますか
あります。最も混雑する時間帯に無理なく利用できる人数が上限です。超えると混雑が起き、既存の会員の来館が減って退会につながります。集客を続けることが退会を増やす局面があります。
入会が特定の月に集中します
月ごとの目標を均さず、過去の実績の形に合わせて置いてください。集中する月の準備は数か月前から始めます。集中する月の入会にも、混雑からくる上限を置いておきます。
まとめ
- 入会は増えても、在籍が増えない状態が続きます。退会と同じ数だけ入会しても、収入は前年と同じままです
- 掛け合わせた月々の収入に束ねます。在籍だけを追うと、安い会員種別に寄せて数を作る動きが出ます
- 在籍者数に含めたうえで、別に比率として出します。含めないと収入と合わなくなり、出さないと退会の予兆を見落とします
- 設備の数と、混雑する時間帯の収容で決まります。在籍者数の上限を置かずに集客を続けると、退会が増えます
- 月ごとの目標を均さず、季節の形に合わせて置きます。均した目標を置くと、集中する月の達成が他の月の不足を隠します
- 変更の前に入会した層と、後に入会した層を分けて読みます。全体の平均だけを見ると、体系の変更の影響が集客の成果に紛れます
- 入会後に何か月続いた人の比率と、店舗ごとの在籍の上限を渡します。入会の件数だけを渡すと、すぐ辞める層が積み上がります
- 入会と退会を同じ表に並べるところからです。差し引きが見えないうちは、どの指標を置いても判断に使えません