
売上ではなく、一時間あたりの粗利で束ねます。
所要時間も原価も違うメニューを金額だけで並べると、伸ばすべきものを見誤ります。
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目次
目次
- メニューごとに採算が違う事業で、全体の数字をどう束ねるか
- 一時間あたりの粗利で並べ直す
- 担当者ごとの継続率を、指標に置くべきか
- 担当者別に何を測るか
- 都度の来店とコースの契約を、同じ表でどう扱うか
- 収益の発生の仕方が違う
- 客単価の幅が広いとき、平均値をどこまで信じるか
- 分布の形を見る
- 言える範囲が限られる領域で、指標に何を持ち込まないか
- 社内で見る数字と外に出す数字を分ける
- 体験の件数は増えているのに売上が動かない場合
- 三つの数字を並べる
- 期の途中で、メニューの組み替えに合わせて指標を動かすか
- 分類を変えた記録を残す
- 指標の束ね方を、どの順で決めるか
- 三つに絞るときの組み合わせ
- よくある質問
- まとめ
売上ではなく、一時間あたりの粗利で束ねます。
所要時間も原価も違うメニューを金額だけで並べると、伸ばすべきものを見誤ります。
メニューごとに採算が違う事業で、全体の数字をどう束ねるか
売上ではなく、一時間あたりの粗利で束ねます。
所要時間も原価も違うメニューを金額だけで並べると、伸ばすべきものを見誤ります。
この事業では、扱うメニューの数が多くなります。
顔まわりの施術、体への施術、疲れをほぐす内容、それぞれに所要時間と原価と価格の組み合わせが違います。
売上の大きさだけで並べると、時間を多く使うメニューが上位に来ます。
一時間あたりの粗利で並べ直す
メニューごとの粗利を、そのメニューに要する時間で割ります。
出てきた値が、そのメニューが一つの枠でいくら生むかを表します。
この順に並べ替えると、売上の順とは違う並びになります。
メニューを比べるときの見方
| 見方 | 何が上位に来るか | 見落とすもの |
|---|---|---|
| 売上の大きさ | 単価の高いメニュー | 所要時間の長さ |
| 件数の多さ | 単価の低いメニュー | 採算の薄さ |
| 粗利の総額 | 件数と単価の両方 | 枠の消費量 |
| 一時間あたりの粗利 | 枠あたりの生産性 | 継続への寄与 |
| 継続につながる割合 | 入口になるメニュー | 単体の採算 |
入口になるメニューは別に扱う
採算が薄くても、そこから他のメニューに広がるものがあります。
このメニューを一時間あたりの粗利だけで評価すると、削る判断になります。
入口として扱うメニューを先に決め、評価の基準を分けます。
物販の売上をどこに数えるか
来店の場で化粧品などを販売する場合、その売上をどのメニューに帰属させるかを決めます。帰属を決めないと、メニューごとの採算が比べられません。施術を受けた枠に紐づける形が扱いやすい形です。
担当者ごとの継続率を、指標に置くべきか
置きます。
担当者との関係で継続が決まる事業では、この数字が最も早く事業の変調を知らせます。
この事業では、誰が施術するかで継続が変わります。
同じメニューでも、担当者によって次回の来店率が違います。
この差を測っていないと、変調の原因が分かりません。
担当者別に何を測るか
施術を受けた人のうち、次回の予約をその場で入れた割合。
三か月以内に再来した割合。
この二つを担当者別に持ちます。
担当者別に持つ数字
| 数字 | 求め方 | 読み方 |
|---|---|---|
| 次回予約の設定率 | その場で予約した人 ÷ 施術人数 | 関係の強さ |
| 三か月以内の再来率 | 再来人数 ÷ 施術人数 | 継続の実績 |
| 指名での来店の割合 | 指名 ÷ 担当した人数 | 信頼の蓄積 |
| 一人あたりの平均単価 | 売上 ÷ 担当した人数 | 提案の内容 |
| 担当した人数 | 期間の実人数 | 経験の量 |
評価に直結させない
担当者別の数字を人事の評価に直結させると、数字を良く見せる動きが起きます。
無理な提案や、継続しにくい人を避ける動きです。
数字は改善のために見るものとして扱い、評価には別の形で反映します。
差の原因を分解する
継続率の差は、技術の差だけではありません。担当した人の属性、時間帯、経験の年数でも変わります。差が出ている担当者の接客の進め方を観察して、何が違うのかを言葉にします。
都度の来店とコースの契約を、同じ表でどう扱うか
分けて数えます。
都度の来店は毎回が判断の機会で、コースは契約時に判断が終わっています。
この事業では、都度の支払いとまとまった回数の契約が併存することがあります。
この二つは、収益の発生の仕方も、離脱の起き方も違います。
収益の発生の仕方が違う
都度の来店は、来店した時点で収益になります。
コースの契約は、先に金額を受け取り、施術が進んだ分が収益になります。
同じ表で売上として合算すると、収益の実態が見えません。
都度とコースの違い
| 項目 | 都度の来店 | コースの契約 |
|---|---|---|
| 収益になる時点 | 来店のたび | 施術が進んだ分 |
| 離脱の起き方 | 来店しなくなる | 消化が止まる |
| 判断の機会 | 毎回 | 契約の時点 |
| 数字の見方 | 来店の回数 | 消化の進み |
| 打ち手 | 次回予約の設定 | 枠の確保 |
都度の来店の継続をどう測るか
前回の来店からの経過日数の分布を見ます。
想定の間隔を超えた人の数が、離脱の予兆になります。
コースのように残り回数が見えないため、この形で把握します。
都度からコースへの移行を測る
都度で来ていた人がコースを契約した割合を測ります。この割合が高い担当者の進め方が、他の担当者の参考になります。
客単価の幅が広いとき、平均値をどこまで信じるか
平均は使わず、分布で見ます。
この事業では一回の支払いが数千円から数万円まで広がるため、平均が実態を表しません。
客単価の平均は、扱いやすい数字です。
一方で、分布が広い事業では、平均に該当する人がほとんどいないことが起きます。
分布の形を見る
支払いの金額を帯に分けて、それぞれの人数を数えます。
低い帯と高い帯に山が二つある形が出ることがあります。
この場合、平均はその谷の位置を指しています。
単価の帯ごとに見る項目
| 帯 | 見る項目 | 打ち手の方向 |
|---|---|---|
| 低い帯 | 来店の頻度 | 頻度を維持する |
| 中くらいの帯 | 上の帯への移行率 | 提案の設計 |
| 高い帯 | 継続の期間 | 関係の維持 |
| コース契約者 | 消化の進み | 枠の確保 |
| 物販を伴う人 | 物販の比率 | 在庫と提案 |
帯ごとに打ち手が違う
低い帯の人に高額のメニューを提案しても、離れるだけです。
来店の頻度を維持する方が事業への寄与が大きくなります。
帯ごとに何を目指すかを分けます。
平均を使う場面を限定する
平均は、前年との比較や予算の見積もりには使えます。個別の打ち手を決める場面では使いません。
言える範囲が限られる領域で、指標に何を持ち込まないか
施術の効果の程度を表す数字を、社外に出す指標として持ち込みません。
何がどこまで言えるかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
この領域は、広告で表現できる内容に制約があります。
制約は表現だけでなく、社内で置く指標の作り方にも影響します。
社内で見る数字と外に出す数字を分ける
満足度、継続の割合、来店の頻度。
これらは社内の改善のために測る価値があります。
同じ数字を訴求に使えるかどうかは別の判断です。
どこまで出せるかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
記録や画像の扱いを先に決める
施術の前後の記録や利用者の声を集める仕組みを作ってから掲載の可否を確かめると、集めた後で使えないことが分かります。
集める前に、何をどういう形なら扱えるのかを確認してください。
指標として扱うときの線引きを、項目ごとに見ていきます。
施術後の満足度については、社内で測るは測ってよい、社外の訴求に使うは掲載可否を事前に確認。
継続している人の割合については、社内で測るは測ってよい、社外の訴求に使うは掲載可否を事前に確認。
施術の効果の程度については、社内で測るは測り方から慎重に設計、社外の訴求に使うは断定する形では扱わない。
利用者の声については、社内で測るは収集の前に確認、社外の訴求に使うは掲載可否を事前に確認。
価格と回数の実績については、社内で測るは測ってよい、社外の訴求に使うは表示の条件を事前に確認。
確認の窓口を一つにする
広告の原稿を誰が確認するかが決まっていないと、店舗ごとに判断が分かれます。本部に窓口を置き、そこを通らない原稿は出さない運用にします。
体験の件数は増えているのに売上が動かない場合
体験から継続への転換か、担当者の配置のどちらかで止まっています。
体験の件数、継続の契約数、担当者別の再来率の三つを並べると切り分けられます。
体験のメニューは、来店の入口として機能します。
件数が増えても売上が動かないなら、その先で止まっています。
三つの数字を並べる
体験の件数、体験から継続に進んだ件数、担当者別の再来率。
この三つの動きの組み合わせで、原因が分かれます。
体験と継続の数字の組み合わせを、項目ごとに見ていきます。
増えたについては、継続への転換は維持、担当者別の再来率は維持、起きていることは想定どおり。
増えたについては、継続への転換は下がった、担当者別の再来率は維持、起きていることは来店する層が変わった。
増えたについては、継続への転換は下がった、担当者別の再来率は下がった、起きていることは担当者の配置が合っていない。
増えたについては、継続への転換は維持、担当者別の再来率は下がった、起きていることは新しい担当者に偏っている。
横ばいについては、継続への転換は下がった、担当者別の再来率は下がった、起きていることは接客の質が落ちている。
担当者の配置が原因になる場合
体験の件数が増えると、経験の浅い担当者に割り当てられる比率が上がります。
その結果、継続に進む割合が下がります。
件数を増やす前に、担当できる人員の状況を確認します。
来店する層が変わっている場合
体験の価格を下げたり訴求を広げたりすると、継続しにくい層の比率が上がります。この場合は、担当者の問題ではなく集客の設計の問題です。
期の途中で、メニューの組み替えに合わせて指標を動かすか
目標値と追う指標は動かさず、メニューの分類だけを条件つきで動かします。
分類を変えるときは、過去の数字も新しい分類で集計し直します。
この事業では、メニューの追加や廃止が期の途中で起きます。
そのたびに指標を変えると、期を通した比較ができなくなります。
期中に動かしてよい対象を、項目ごとに見ていきます。
全社の目標値については、動かしてよいかは動かさない、動かすときの条件は事業方針の変更があった場合のみ。
追う指標の種類については、動かしてよいかは動かさない、動かすときの条件は期をまたいで変更する。
メニューの分類については、動かしてよいかは条件つきで動かす、動かすときの条件は過去分を再集計する。
店舗ごとの配分については、動かしてよいかは動かしてよい、動かすときの条件は人員の増減があったとき。
担当者別の集計の単位については、動かしてよいかは動かしてよい、動かすときの条件は異動があったとき。
参考として見る数字については、動かしてよいかは動かしてよい、動かすときの条件は随時入れ替える。
分類を変えた記録を残す
どのメニューをどの分類に入れたか、いつ変更したかを記録します。
記録がないと、数か月後に数字が動いた理由が分かりません。
新しいメニューを既存と混ぜない
追加したメニューの数字を既存と合算すると、既存の動きが見えなくなります。
一定期間は別の枠で集計します。
未達のときに何を見直すかを先に決める
目標を動かさない代わりに、未達のときの対応を期初に合意します。メニューの構成を変えるのか、担当できる人員を増やすのか、集客を増やすのか。
指標の束ね方を、どの順で決めるか
メニューごとの所要時間と原価を出すことからです。
この二つが出ていないと、一時間あたりの粗利が計算できません。
指標を組む作業の大半は、今あるメニューの採算を数えることです。
数え終わってから、何を追うかを決めます。
指標を決める進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることはメニューごとの所要時間と原価を出す、期間の目安は三週間。
2については、やることは一時間あたりの粗利を並べ替える、期間の目安は一週間。
3については、やることは担当者別の次回予約率と再来率を出す、期間の目安は三週間。
4については、やることは都度とコースを分けて集計できるようにする、期間の目安は三週間。
5については、やることは単価の分布を帯に分けて出す、期間の目安は二週間。
6については、やることは追う数字を三つに絞って店舗と合意する、期間の目安は二週間。
三つに絞るときの組み合わせ
量、継続、採算をそれぞれ一つずつ置きます。
数字は説明のための仮の値です。
たとえば体験の来店が月百二十件、継続への転換が四割なら継続は四十八件です。
一時間あたりの粗利が五千円のメニューと八千円のメニューでは、同じ枠でも生む金額が違います。
メニューを横断して毎月見る数字を、項目ごとに見ていきます。
体験の来店件数については、見る頻度は毎週、判断に使う場面は集客の投入量。
その場で次回予約を入れた割合については、見る頻度は毎週、判断に使う場面は関係の状態。
体験から継続への転換率については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は接客と集客の一致。
一時間あたりの粗利については、見る頻度は毎月、判断に使う場面はメニューの構成。
担当者別の三か月以内の再来率については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は配置の判断。
単価の帯ごとの人数については、見る頻度は四半期、判断に使う場面は提案の設計。
週次で見るのは量と予約だけ
率や採算の数字は、週単位では母数が足りず振れます。
週次で見るのは来店件数と次回予約の割合にとどめます。
定義を文書にして引き継ぐ
メニューをどう分類するか、物販をどこに数えるか、再来をどう定義するか。
文書がないと、担当者が変わった時点で数字の意味が変わります。
追う数字の束ね方が定まらない場合は、無料相談で現状の集計の形を見てもらうところから始められます。指標の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
メニューが多いとき、何を基準に比べればいいですか
売上ではなく一時間あたりの粗利です。所要時間も原価も違うメニューを金額だけで並べると、時間を多く使うメニューが上位に来ます。ただし他のメニューへの入口になるものは別に扱ってください。
担当者ごとの数字を指標にしてよいですか
置いてください。担当者との関係で継続が決まる事業では、次回予約の設定率と三か月以内の再来率が最も早く変調を知らせます。ただし人事の評価に直結させると、数字を良く見せる動きが起きます。
客単価の平均はどこまで使えますか
前年との比較や予算の見積もりには使えますが、個別の打ち手の判断には使えません。支払いの幅が広い事業では、平均に該当する人がほとんどいないことが起きます。帯に分けた分布で見てください。
体験の件数は増えているのに売上が動きません
体験から継続への転換率と、担当者別の再来率を並べてください。件数が増えると経験の浅い担当者への割り当て比率が上がり、継続に進む割合が下がります。集客の訴求を広げた影響のこともあります。
メニューを入れ替えたとき、指標はどうしますか
目標値と追う指標は動かさず、メニューの分類だけを条件つきで動かしてください。分類を変えるときは過去の数字も新しい分類で集計し直し、変更の内容と日付を記録します。
まとめ
- 売上ではなく、一時間あたりの粗利で束ねます。所要時間も原価も違うメニューを金額だけで並べると、伸ばすべきものを見誤ります
- 置きます。担当者との関係で継続が決まる事業では、この数字が最も早く事業の変調を知らせます
- 分けて数えます。都度の来店は毎回が判断の機会で、コースは契約時に判断が終わっています
- 平均は使わず、分布で見ます。この事業では一回の支払いが数千円から数万円まで広がるため、平均が実態を表しません
- 施術の効果の程度を表す数字を、社外に出す指標として持ち込みません。何がどこまで言えるかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください
- 体験から継続への転換か、担当者の配置のどちらかで止まっています。体験の件数、継続の契約数、担当者別の再来率の三つを並べると切り分けられます
- 目標値と追う指標は動かさず、メニューの分類だけを条件つきで動かします。分類を変えるときは、過去の数字も新しい分類で集計し直します
- メニューごとの所要時間と原価を出すことからです。この二つが出ていないと、一時間あたりの粗利が計算できません