
同じ教室に、通う目的も期間もまったく違う受講者が混ざっているからです。
全体の平均で指標を置くと、どのセグメントの実態とも合わない数字になります。
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目次
目次
- 英会話スクールのKPIが、ひとつにまとまらない理由
- 期間の差が極端に大きい
- 目的のセグメントで分けて逆算する
- セグメントを三つか四つに絞る
- レッスンの枠という上限から考える
- 平日の夜と土日に集中する
- 前払いと月謝で、売上の見え方が変わる
- 入金と提供のずれ
- 個人と法人を、同じ指標で見ない
- 決裁の構造が違う
- KPIをいくつに絞るか
- セグメントは三つまでにする
- 入会数は届いているのに在籍が横ばいのとき
- 構成の偏りを見る
- 英会話スクールのKPI設計は、どこから着手するか
- 確認する数字を決める
- よくある質問
- まとめ
同じ教室に、通う目的も期間もまったく違う受講者が混ざっているからです。
全体の平均で指標を置くと、どのセグメントの実態とも合わない数字になります。
英会話スクールのKPIが、ひとつにまとまらない理由
同じ教室に、通う目的も期間もまったく違う受講者が混ざっているからです。
全体の平均で指標を置くと、どのセグメントの実態とも合わない数字になります。
英会話スクールの受講者は、幼児から社会人、高齢者まで広がります。
通う理由も、趣味、仕事、試験、渡航前の準備とさまざまです。
この幅の広さが、他の教育事業との違いを作っています。
期間の差が極端に大きい
渡航前の準備で3か月だけ通う人と、趣味で5年続ける人が同じ在籍者です。
この二人を平均すると、どちらの実態も表さない数字になります。
平均在籍月数という指標が、意味を持ちにくくなります。
単価の構造も違う
週1回のグループレッスンと、短期集中のマンツーマンでは、月あたりの支払いが大きく違います。
月謝で払う人と、回数のまとまりを前払いする人が混在します。
英会話スクールで受講者の目的が分かれる形
| 目的 | 主な年齢層 | 通う期間の傾向 | 単価の傾向 |
|---|---|---|---|
| 子どもの習い事 | 幼児から小学生 | 長い | 月謝で一定 |
| 趣味と日常会話 | 成人全般 | 長いが波がある | 月謝で一定 |
| 仕事で使う英語 | 成人 | 中程度 | やや高い |
| 試験の対策 | 学生と成人 | 短い | 期間を区切って高い |
| 渡航や赴任の準備 | 成人 | 短い | 集中して高い |
| 学校の学習の補助 | 小中学生 | 学年による | 月謝で一定 |
全体の平均で目標を置くと何が起きるか
在籍数だけを追うと、長く続く層を集めるほど数字が良くなります。売上で追うと、短期で高単価の層に寄ります。どちらか一方に寄ると、教室の枠の使い方が偏ります。
目的のセグメントで分けて逆算する
セグメントごとに、必要な入会数も許容できる獲得費用も違います。
分けずに逆算すると、短期の層を集めすぎて在籍が積み上がりません。
逆算の出発点は、事業として何を増やしたいかです。
在籍数を増やしたいのか、今期の売上を増やしたいのかで、集めるべき層が変わります。
セグメントを三つか四つに絞る
目的ごとに細かく分けると、管理できなくなります。
期間と単価の組み合わせで、三つか四つにまとめます。
英会話スクールで目的セグメント別に逆算する経路
| 順番 | 出す数字 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1 | セグメント別に増やしたい在籍数 | 事業の方針から決める |
| 2 | セグメント別の想定在籍期間 | 過去の実績から出す |
| 3 | 必要な入会数 | 在籍数の目標と離脱の見込みから |
| 4 | 必要なカウンセリング数 | 入会数を入会率で割る |
| 5 | 必要な体験参加数 | カウンセリング数を移行率で割る |
| 6 | 必要な問い合わせ数 | 体験参加数を実施率で割る |
率がセグメントで違う
試験対策で来た人は、目的が明確なので入会までが速くなります。
趣味で検討している人は、比較の期間が長くなります。
同じ率を全体に当てはめると、必要な問い合わせ数の見積もりが狂います。
数字で確認してみる
数字は説明のための仮の値です。趣味の層で在籍を100人増やしたいとして、年間の離脱が40人なら、必要な入会は140人です。入会率が40パーセントならカウンセリング350件、体験からの移行率が70パーセントなら体験500件が必要になります。
レッスンの枠という上限から考える
講師の時間と教室の枠が、受け入れられる人数を決めます。
枠を超えた入会は、希望の曜日に入れず短期で離脱します。
英会話スクールの受け入れ能力は、在籍者数ではなく枠の数で決まります。
しかも希望が集中する時間帯が決まっています。
平日の夜と土日に集中する
社会人は平日の夜か土日にしか通えません。
子どもは夕方に集中します。
教室に空きがあっても、この時間帯が埋まっていれば受け入れられません。
英会話スクールでレッスンの枠の上限になるもの
| 上限になるもの | 逼迫する時間帯 | 短期で増やせるか |
|---|---|---|
| 講師の稼働時間 | 平日18時以降と土日 | 採用次第で一部可能 |
| 教室の部屋数 | 同じ時間帯 | 増やせない |
| グループの定員 | レベル別に分かれる | 増やせない |
| レベル別のクラスの数 | 受講者の分布による | 組み替えで一部可能 |
| オンラインの同時接続の枠 | 夜間 | 比較的増やしやすい |
| カウンセリングの対応時間 | 体験の集中する時期 | 人員次第 |
希望の時間に入れないと離脱する
入会しても、希望の曜日と時間に空きがなければ、通いにくい枠で始めることになります。
この状態の受講者は、数か月で離脱しやすくなります。
枠の状況を見ずに入会数だけを追うと、離脱が増えます。
枠の空きをセグメントごとに見る
平日の日中は空いていて、夜は埋まっている。この状態なら、日中に通える層を増やす方向の目標になります。全体の空き枠だけでは、この判断ができません。
前払いと月謝で、売上の見え方が変わる
回数のまとまりを前払いで受け取ると、入金と提供の時期がずれます。
入金額をKPIにすると、実際の受講の進み方が見えなくなります。
英会話スクールの料金には、月ごとに払う形と、回数をまとめて前払いする形があります。
この二つが混在すると、売上の数字の意味が変わります。
入金と提供のずれ
前払いを受け取った時点では、レッスンはまだ提供していません。
受講が進むにつれて、提供が完了していきます。
入金の額だけを見ると、実際の稼働と一致しません。
英会話スクールで前払いと月謝で売上の見え方が変わる点
| 項目 | 月謝の場合 | 前払いの場合 |
|---|---|---|
| 入金の時期 | 毎月 | 契約時にまとまって |
| 提供との関係 | ほぼ一致する | ずれる |
| 離脱の見え方 | 支払いが止まる | 受講が止まっても入金済み |
| 未消化の扱い | 発生しない | 残りの回数が残る |
| KPIへの影響 | 在籍数で追える | 入金額と受講数を分ける必要 |
| 継続の判断 | 毎月の継続 | まとまりの終わりに判断 |
受講の進み方を別に見る
前払いの受講者が実際に通っているかは、入金の数字には出ません。
受講の消化率を別の指標として持ちます。
通わなくなったまま残っている受講者は、次の契約に進みません。
追加購入の時期を把握する
前払いのまとまりが終わる時期は、継続の判断が起きる時期です。この時期が分かれば、事前に働きかけができます。
個人と法人を、同じ指標で見ない
決める人も検討の期間もまったく違います。
法人の商談を個人の入会と同じ数字に混ぜると、どちらの進捗も読めません。
英会話スクールには、個人の受講者と、企業が従業員のために契約する形があります。
この二つは別の事業として扱うほうが、数字が読めます。
決裁の構造が違う
個人は本人が決めます。
子どもの場合は保護者が決めます。
法人は人事や研修の担当者が起案し、予算の承認を経ます。
英会話スクールで個人と法人で異なる指標を、項目ごとに見ていきます。
決める人については、個人は本人または保護者、法人は人事と決裁者。
検討の期間については、個人は数日から数週間、法人は数か月。
契約の単位については、個人は一人、法人は複数人。
更新の時期については、個人は随時、法人は年度単位。
必要な資料については、個人は料金と時間割、法人は提案書と実施報告。
指標については、個人は入会数と在籍数、法人は契約社数と受講者数。
法人は年度の単位で動く
企業の研修予算は年度で組まれます。
検討が始まる時期も、契約の時期も、年度に紐づきます。
個人の需要の山とは別の周期です。
混ぜると進捗が読めなくなる
法人の1件が個人の数十人分になることがあります。同じ入会数という数字に混ぜると、月次の進捗が法人の1件で大きく動きます。
KPIをいくつに絞るか
セグメントごとに量と質を1つずつ、全体で効率を1つです。
セグメントを増やしすぎると、指標の数が管理できなくなります。
セグメント別に指標を持つと、数が増えます。
増えすぎると、どれも見られなくなります。
セグメントは三つまでにする
目的のセグメントを三つに絞り、それぞれに量と質の指標を置きます。
効率の指標は全体で一つ持ちます。
英会話スクールのKPIの組み合わせを、項目ごとに見ていきます。
セグメントごとの量については、指標は体験参加数、見るものは母数が足りているか。
セグメントごとの質については、指標は体験からの入会率、見るものは目的が合っているか。
全体の効率については、指標は入会1件あたりの獲得費用、見るものは採算が合っているか。
枠の状況については、指標は時間帯別の充足率、見るものは受け入れられるか。
継続については、指標は3か月後の受講の継続率、見るものは定着しているか。
法人については、指標は契約社数と受講者数、見るものは別枠で管理。
継続の指標を最初から入れる
入会数だけを追うと、通いにくい枠での入会が増えます。
3か月後の継続率を並べて置くことで、これを防ぎます。
残りの数字はモニタリングにする
問い合わせ件数、資料請求数、サイトの訪問数。これらは目標にせず、異常に気づくための数字として見ます。
入会数は届いているのに在籍が横ばいのとき
短期で終わるセグメントばかり集めています。
入会数は積み上がっても、同じ速さで離脱しているためです。
入会数の目標を達成しているのに在籍が横ばいという状態は、英会話スクールでよく起きます。
セグメントの構成を見ると原因が分かります。
構成の偏りを見る
短期で終わる目的の層は、獲得しやすく単価も高くなります。
広告の効率だけで判断すると、この層に寄ります。
数字の動きから読む英会話スクールの詰まりを、項目ごとに見ていきます。
達成については、在籍数は増えない、受講の継続は短期層が多い、起きていることはセグメントの構成が偏っている。
達成については、在籍数は増えない、受講の継続は継続が落ちている、起きていることは希望の枠に入れていない。
達成については、在籍数は増える、受講の継続は良好、起きていることは想定どおり。
未達については、在籍数は増える、受講の継続は良好、起きていることは質の高い層に絞れている。
達成については、在籍数は減る、受講の継続は前払いの未消化が多い、起きていることは通わなくなった受講者が残っている。
達成については、在籍数は増えない、受講の継続は法人の解約、起きていることは法人の更新が止まっている。
枠に入れているかを確かめる
入会した受講者が、希望の曜日と時間に入れているか。
入れていない受講者の割合が高いと、数か月後に離脱が出ます。
セグメントの構成比を目標に含める
在籍を増やしたいなら、長く続く層の入会数を別に目標として持ちます。全体の入会数だけでは、構成が管理できません。
英会話スクールのKPI設計は、どこから着手するか
過去の受講者を目的と期間で分けることからです。
セグメントの実態が分からないと、逆算の前提が作れません。
KPIの設計は、現状の受講者の構成を把握するところから始まります。
多くのスクールでは、目的別の記録が残っていません。
英会話スクールのKPI設計の着手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去2年の受講者を目的と年齢層で分類する、期間の目安は3週間。
2については、やることはセグメント別の在籍期間と月あたりの収入を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは時間帯別のレッスン枠の充足率を出す、期間の目安は2週間。
4については、やることはセグメント別の体験からの入会率を出す、期間の目安は2週間。
5については、やることは増やしたいセグメントと目標の在籍数を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることはセグメント別の量と質の指標を設定する、期間の目安は1週間。
確認する数字を決める
量の数字は週次、率と単価は月次、構成比は四半期で見ます。
英会話スクールで継続して確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
セグメント別の体験参加数については、見る頻度は毎週、考え方は母数の進捗。
時間帯別の枠の充足率については、見る頻度は毎週、考え方は受け入れられるか。
入会1件あたりの獲得費用については、見る頻度は毎月、考え方は採算。
体験からの入会率については、見る頻度は毎月、考え方は目的が合っているか。
3か月後の受講の継続率については、見る頻度は毎月、考え方は定着しているか。
セグメントの構成比については、見る頻度は四半期、考え方は在籍が積み上がる構成か。
上達に関する表現を指標にしない
上達の度合いを広告や案内で断定的に示すことはできません。
成果に関する表現の可否は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
架空の受講者の声や、裏づけのない実績を使うことはできません。
定義を文書にして残す
体験、カウンセリング、入会、休会、退会の定義を一枚にまとめます。
スタッフの入れ替わりがある事業なので、定義が口伝えだと数字の意味が変わります。
英会話スクールのKPIをどこに置くか判断に迷う場合は、無料相談で現状の受講者の構成を整理するところから始められます。指標の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
英会話スクールのKPIは全体で一つにできますか
通う目的も期間も大きく違う受講者が混在するため、全体の平均ではどのセグメントの実態とも合いません。目的のセグメントを三つ程度に絞り、それぞれに量と質の指標を置いてください。
在籍数と売上のどちらを追うべきですか
在籍数を追うと長く続く層に寄り、売上を追うと短期で高単価の層に寄ります。どちらを増やしたいかを事業の方針として先に決め、セグメント別の入会数に落としてください。
入会数は達成しているのに在籍が増えません
短期で終わるセグメントに偏っているか、希望の曜日と時間に入れていない受講者が多いかのどちらかです。セグメントの構成比と時間帯別の枠の充足率を確かめてください。
前払いの売上はKPIに使えますか
入金と提供の時期がずれるため、入金額だけでは実際の受講の進み方が分かりません。受講の消化率を別の指標として持ち、通わなくなった受講者を把握してください。
法人の契約は個人の入会と同じ数字で見てよいですか
決める人も検討の期間も更新の周期も違うため、別枠で管理してください。法人の1件が個人の数十人分になることがあり、混ぜると月次の進捗が読めなくなります。
まとめ
- 同じ教室に、通う目的も期間もまったく違う受講者が混ざっているからです。全体の平均で指標を置くと、どのセグメントの実態とも合わない数字になります
- セグメントごとに、必要な入会数も許容できる獲得費用も違います。分けずに逆算すると、短期の層を集めすぎて在籍が積み上がりません
- 講師の時間と教室の枠が、受け入れられる人数を決めます。枠を超えた入会は、希望の曜日に入れず短期で離脱します
- 回数のまとまりを前払いで受け取ると、入金と提供の時期がずれます。入金額をKPIにすると、実際の受講の進み方が見えなくなります
- 決める人も検討の期間もまったく違います。法人の商談を個人の入会と同じ数字に混ぜると、どちらの進捗も読めません
- セグメントごとに量と質を1つずつ、全体で効率を1つです。セグメントを増やしすぎると、指標の数が管理できなくなります
- 短期で終わるセグメントばかり集めています。入会数は積み上がっても、同じ速さで離脱しているためです
- 過去の受講者を目的と期間で分けることからです。セグメントの実態が分からないと、逆算の前提が作れません