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ECサイトのマーケティング組織の作り方

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約13分
ECサイトのマーケティング組織の作り方

商品軸と媒体軸のどちらで組んでも、もう一方の視点が抜けるからです。
どちらかに統一するのではなく、抜ける側を補う仕組みを置く必要があります。

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商品軸と媒体軸のどちらで組んでも、もう一方の視点が抜けるからです。
どちらかに統一するのではなく、抜ける側を補う仕組みを置く必要があります。

ECサイトのマーケティング組織が、うまく機能しなくなるのはなぜか

商品軸と媒体軸のどちらで組んでも、もう一方の視点が抜けるからです。
どちらかに統一するのではなく、抜ける側を補う仕組みを置く必要があります。

ECサイトのマーケティング組織が、うまく機能しなくなるのはなぜか

ECのマーケティング組織は、大きく2つの組み方に分かれます。
商品カテゴリで割る形と、媒体や機能で割る形です。

商品軸で組むと、カテゴリごとの採算は見えます。
一方で、同じ媒体に別々の担当が同時に出稿する状態になります。

媒体軸で組むと、配信の効率は上がります。
一方で、商品ごとの粗利や在庫の事情が運用に反映されません。

どちらの形にも欠点があり、片方に統一しても解決しません。
多くの会社が組織図を作り直しては元に戻すのは、このためです。

必要なのは、抜ける側を補う役割を明示的に置くことです。
商品軸なら媒体の重複を見る役割、媒体軸なら商品の採算を見る役割です。

この役割を兼務で置くと、忙しい時期に機能しません。
担当を明示し、見る数字と権限を決めてください。

組織の形より先に決めること

組織の形を議論する前に、決めるべきことが2つあります。
予算の配分を誰が決めるかと、在庫の情報を誰が持つかです。

この2つが曖昧なまま形だけ変えると、同じ問題が再現します。
配分の権限がない担当に採算の責任を持たせても、判断ができません。

在庫の情報も同じです。
情報が届かない担当に、欠品の回避は求められません。

商品軸と媒体軸のどちらにも欠点があります。形を変える前に、予算の配分権限と在庫情報の流れを決めてください。

商品軸と媒体軸は、どう組み合わせるのか

予算の配分を商品軸、実行を媒体軸に置くのが実務的です。
配分の権限と実行の裁量を、別の軸に持たせる形になります。

商品軸と媒体軸は、どう組み合わせるのか

組み合わせの基本は、どちらの軸に何の権限を置くかです。
両方に同じ権限を持たせると、衝突が日常化します。

予算の配分は、商品軸に置きます。
カテゴリごとの粗利と在庫を知っている側が決めるほうが、判断が早くなります。

実行は媒体軸に置きます。
同じ媒体への出稿を1か所に集めると、重複と非効率が減ります。

この分け方だと、商品軸の担当は媒体の運用に口を出しません。
出す代わりに、枠の額と許容獲得単価という形で条件を渡します。

媒体軸の担当は、渡された条件の中で実行します。
条件が実行不能な場合は、その旨を返す責任を持ちます。

この往復を月次で回すと、権限の衝突が減ります。
どちらが正しいかではなく、条件が合うかどうかの話になるからです。

商品軸と媒体軸の役割分担

項目商品軸の担当媒体軸の担当
決めること枠の額と許容獲得単価媒体の配分と配信の設計
持つ数字カテゴリ別の粗利と在庫媒体別の効率と配信量
判断の頻度四半期と月次週次
上位への報告カテゴリの採算全体の配信効率
やらないこと配信の設定値引きと商品の選定

条件が実行不能なときの扱い

商品軸が置いた許容獲得単価で、必要な件数が取れないことがあります。
このとき媒体軸が黙って単価を超えると、採算が崩れます。

超える前に返す運用を、最初に決めてください。
返された商品軸は、単価を上げるか件数を下げるかを判断します。

判断の期限も決めておきます。
返してから判断までが長いと、その間の投下が止まります。

予算の配分は商品軸、実行は媒体軸に置きます。条件が実行不能なときに返す運用を、先に決めてください。

新規獲得と再購入は、同じ組織で見るべきか

分けたほうが機能します。
評価の期間も使う手段も違うため、同じ担当が持つと短期の効率に寄ります。

新規獲得と再購入は、同じ組織で見るべきか

新規獲得と再購入は、同じ顧客を扱う連続した活動です。
ただし評価の時間軸がまったく違います。

新規は投下した月に結果が出ます。
再購入は、数か月から1年の期間で結果が出ます。

同じ担当が両方を持つと、月次で評価しやすい新規に寄ります。
再購入の施策は、効果が見えるまでの期間が長いため後回しになります。

分けると、再購入側は自分の時間軸で計画を持てます。
同梱物や会員の設計など、数か月かけて効く施策に着手できます。

分ける単位は、人ではなく予算と指標です。
人員が少ない場合でも、枠と評価だけは分けてください。

分けたうえで、月次に両者が同じ表を見る場を置きます。
新規の入口商品が変われば、再購入の動きも変わるからです。

人数が少ない組織での分け方

担当が数人しかいない場合、役割を分けきれないことがあります。
その場合は、時間の配分を先に決める形にします。

週のうち何日を再購入に使うかを決め、記録します。
記録がないと、新規の対応に時間が吸われます。

四半期ごとに、実際の時間配分を確認してください。
計画と実績が大きくずれていれば、体制の議論に戻します。

新規と再購入は評価の時間軸が違うため、予算と指標を分けてください。人数が少ない場合は時間配分を決めて記録します。

サイトの改善は、誰が持つのか

広告の担当ではなく、購入までの全段階を見る担当が持ちます。
広告の担当が持つと、着地ページの改善だけに範囲が狭まります。

サイトの改善は、誰が持つのか

サイトの改善は、広告の付随業務として扱われがちです。
着地ページの改善が広告の成果に直結するためです。

ただし購入完了までの離脱は、着地ページ以外でも起きます。
カート、配送方法の選択、決済の各段階が含まれます。

これらの改善は、物流や情報システムとの調整が必要です。
広告の担当が兼務で持つと、調整の時間が取れません。

購入までの全段階を見る担当を置くと、範囲が広がります。
段階別の離脱を記録し、改善の優先順位を決める役割です。

この担当は、商品軸にも媒体軸にも属しません。
両方に横串を通す位置に置く必要があります。

権限としては、改善項目の優先順位を決める権限を持たせます。
実装の指示権限まで持たせると、情報システム側と衝突します。

サイト改善を持つ役割の設計

項目設計
所属商品軸と媒体軸から独立
持つ数字段階別の通過率と流入1件あたり粗利
決めること改善項目の優先順位
決めないこと実装の方法と時期
連携先物流と情報システムと商品部
報告の頻度月次

優先順位を決める材料

優先順位は、段階ごとの離脱人数と実行期間で決めます。
率だけで決めると、通過する人数の少ない段階に労力が向かいます。

実行期間の長い改修は、先に着手して並行で進めます。
短い項目を先に片付けると、長い項目がいつまでも始まりません。

この判断には、商品群ごとの粗利が必要になります。
改善の効果額を金額で出すためです。

サイト改善は、購入までの全段階を見る独立した担当が持ちます。優先順位の決定権は持たせ、実装の指示権限は渡さないでください。

外部に任せる範囲は、組織のどこで線を引くのか

実行は外に出せますが、配分の判断は社内に残します。
配分を外に出すと、粗利と在庫の事情が反映されなくなります。

外部に任せる範囲は、組織のどこで線を引くのか

外部に任せる範囲の議論は、業務の切り分けから始まります。
切り分けの基準は、社内の情報がないと判断できるかどうかです。

媒体の配信設計や入札の運用は、外部でもできます。
商品群への配分は、粗利と在庫の情報がないとできません。

そのため、配分は社内に残すのが基本の線になります。
残すには、商品群ごとの粗利率を社内で持っている必要があります。

粗利率が経理にしかない状態では、マーケティング部門も判断できません。
組織の設計として、粗利の情報が届く経路を作ってください。

もう1つ社内に残すのが、入口商品の選定です。
どの商品で新規を取るかは、その後の再購入に直結します。

この2つを残せば、実行の大半は外に出せます。
出したうえで、条件と記録の形式を決めておきます。

外部と社内の接点を誰が持つか

外部との接点は、1か所に集めてください。
商品軸の担当が個別に指示を出すと、実行が矛盾します。

接点を持つのは媒体軸の担当か、専任の窓口です。
窓口が受けた依頼を整理して、外部に渡す形になります。

窓口が不在だと、外部は誰の指示を優先するかを判断できません。
判断を外部に委ねた時点で、社内の意図は反映されなくなります。

実行は外に出し、配分と入口商品の選定は社内に残します。外部との接点は1か所に集めてください。

評価の設計は、どう組むのか

役割ごとに、自分の判断で動く数字だけを評価に使います。
動かせない数字を評価に入れると、他部門への要求だけが増えます。

評価の設計は、どう組むのか

評価の設計で最初に確認するのは、その数字が担当の判断で動くかどうかです。
動かない数字を評価に入れると、打ち手が他部門への依頼になります。

商品軸の担当は、カテゴリの粗利と在庫消化で評価します。
どちらも配分と入口商品の選定で動く数字です。

媒体軸の担当は、条件の中で確保した件数で評価します。
獲得単価そのものではなく、上限の内側で取れた件数です。

再購入の担当は、期間内の購入回数と粗利で評価します。
値引きで数字を作れないよう、粗利を必ず入れます。

サイト改善の担当は、流入1件あたりの粗利で評価します。
完了率だけにすると、値引きによる改善が成果に見えます。

全社の売上は、誰の評価にも単独では入れません。
複数の部門の合算で動くため、個別の判断とつながりません。

役割ごとの評価に使う数字

役割評価に使う数字使わない数字
商品軸の担当カテゴリ粗利と在庫消化媒体別の獲得単価
媒体軸の担当条件内で確保した件数カテゴリの粗利
再購入の担当期間内の購入回数と粗利新規の獲得件数
サイト改善の担当流入1件あたり粗利購入完了率の単独値
責任者全社の粗利と新規顧客数セッション数

評価の期間を役割ごとに変える

評価の期間も、役割によって変えます。
新規側は四半期、再購入側は半期が目安になります。

サイト改善は、改修の期間が長いため半期以上にします。
月次で評価すると、期間の長い改修に着手しなくなります。

期間を変えることは、報告の頻度を変えることではありません。
報告は月次で行い、評価だけを役割ごとの期間で行います。

評価には、その役割の判断で動く数字だけを使います。評価の期間も役割ごとに変え、報告の頻度とは分けてください。

組織を変えるとき、何が失敗の原因になるのか

権限を動かさずに、箱の名前だけを変えることです。
配分の権限と情報の流れが変わらなければ、判断の仕方も変わりません。

組織を変えるとき、何が失敗の原因になるのか

組織変更が機能しない最も多い理由は、権限が動いていないことです。
担当の名称と所属だけが変わり、決裁の経路は同じままです。

経路が同じなら、判断のスピードも内容も変わりません。
変わったのは報告の宛先だけということになります。

2つ目の理由が、情報の流れを設計していないことです。
粗利と在庫の情報が届かない担当に、採算の責任を持たせても機能しません。

3つ目が、評価の設計を後回しにすることです。
評価が旧来のままだと、新しい役割に沿った行動が取られません。

4つ目が、移行の期間を置かないことです。
期の途中で切り替えると、前後の数字が比較できなくなります。

切り替えは期の変わり目に合わせ、1四半期の並行期間を置いてください。
並行期間があれば、運用の不具合を修正できます。

変更の効果をいつ確認するか

組織変更の効果は、変更から2四半期後に確認します。
1四半期では、運用の混乱と成果の変化を区別できません。

確認するのは、判断にかかる日数です。
配分の変更や欠品時の切り替えが、以前より早く決まっているかを見ます。

数字の改善より先に、判断の速度が変わります。
速度が変わっていなければ、権限が動いていない可能性があります。

組織変更は権限と情報の流れを動かさなければ機能しません。効果は2四半期後に、判断にかかる日数で確認してください

ECのマーケティング組織は、何から作り直せばいいのか

予算の配分権限がどこにあるかを確認するところからです。
権限の所在が分かれば、組織の形は自動的に絞られます。

ECのマーケティング組織は、何から作り直せばいいのか

最初にやるのは、現状の権限の確認です。
枠の額、媒体の配分、入口商品の選定を、実際に誰が決めているかを書き出します。

書き出すと、決裁の経路と組織図がずれていることが見つかります。
ずれている部分が、変更の対象になります。

次に、粗利と在庫の情報がどこまで届いているかを確認します。
届いていない担当に責任を持たせる設計は、この時点で外します。

その後、配分を商品軸、実行を媒体軸に置く形で役割を定義します。
定義には、決めることと決めないことの両方を書きます。

最後に、評価に使う数字を役割ごとに決めます。
動かせない数字が入っていないかを、定義の段階で確認してください。

ECのマーケティング組織を作り直す順番

順番やること関わる人期間の目安
1現状の決裁経路を書き出すマーケ責任者2週間
2粗利と在庫の情報の到達点を確認する経理と物流2週間
3配分と実行の役割を定義するマーケ責任者と経営2週間
4サイト改善を持つ役割を置くマーケ責任者1週間
5役割ごとの評価指標を決める人事と経営2週間
6期の変わり目に切り替え並行期間を置く全体3か月

数字は説明のための仮の値です。
担当が5人の組織であれば、商品軸2人、媒体軸1人、再購入1人、サイト改善1人という配置が1つの形になります。

人数が3人であれば、サイト改善を商品軸の担当が兼務します。
兼務する場合も、使う時間の割合を決めて記録してください。

着手から切り替えまでは、全体で10週間前後が目安です。
期の変わり目に合わせるため、前の期の後半から準備を始めます。

切り替え後の3か月で見ること

切り替え後の3か月は、成果ではなく運用を見ます。
条件の受け渡しや、欠品時の切り替えが設計どおり動いているかを確認します。

動いていない箇所は、たいてい情報が届いていない箇所です。
権限の問題か情報の問題かを切り分けて、どちらかを直します。

3か月の時点で成果が出ていなくても、設計を戻さないでください。
戻すと、次の変更が通らなくなります。

着手点は現状の決裁経路の書き出しです。粗利と在庫の情報が届く範囲を確認してから、役割を定義してください

ECサイトのマーケティング組織の作り方に迷う場合は、無料相談で現状の体制を見てもらうところから始められます。
役割と外注の範囲ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

ECのマーケティングは、商品軸と媒体軸のどちらで組むべきですか

どちらか一方に統一しても解決しません。予算の配分を商品軸、実行を媒体軸に置き、抜ける側を補う役割を明示的に置いてください。商品軸なら媒体の重複を見る役割、媒体軸なら商品の採算を見る役割が必要になります。

新規獲得と再購入は同じ担当が持ってよいですか

分けたほうが機能します。新規は投下した月に結果が出て、再購入は数か月から1年で結果が出ます。同じ担当が持つと月次で評価しやすい新規に寄り、再購入の施策が後回しになります。人数が少ない場合は時間配分を決めて記録してください。

サイトの改善は広告の担当が兼務してもよいですか

兼務にすると、着地ページの改善だけに範囲が狭まります。購入完了までの離脱はカートや配送方法の選択でも起きるため、全段階を見る独立した担当を置いてください。優先順位の決定権は持たせ、実装の指示権限は渡しません。

外部に任せる範囲は、どこで線を引けばいいですか

社内の情報がないと判断できない業務を社内に残してください。媒体の配信設計や入札の運用は外部でもできますが、商品群への配分と入口商品の選定は粗利と在庫の情報が要ります。外部との接点は1か所に集めます。

組織を変えても状況が変わらないのはなぜですか

権限が動いていないことが最も多い原因です。担当の名称と所属だけが変わり、決裁の経路が同じままなら判断も変わりません。効果は2四半期後に、配分の変更や欠品時の切り替えにかかる日数で確認してください。

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まとめ

  • 商品軸と媒体軸のどちらで組んでも、もう一方の視点が抜けるからです。どちらかに統一するのではなく、抜ける側を補う仕組みを置く必要があります
  • 予算の配分を商品軸、実行を媒体軸に置くのが実務的です。配分の権限と実行の裁量を、別の軸に持たせる形になります
  • 分けたほうが機能します。評価の期間も使う手段も違うため、同じ担当が持つと短期の効率に寄ります
  • 広告の担当ではなく、購入までの全段階を見る担当が持ちます。広告の担当が持つと、着地ページの改善だけに範囲が狭まります
  • 実行は外に出せますが、配分の判断は社内に残します。配分を外に出すと、粗利と在庫の事情が反映されなくなります
  • 役割ごとに、自分の判断で動く数字だけを評価に使います。動かせない数字を評価に入れると、他部門への要求だけが増えます
  • 権限を動かさずに、箱の名前だけを変えることです。配分の権限と情報の流れが変わらなければ、判断の仕方も変わりません
  • 予算の配分権限がどこにあるかを確認するところからです。権限の所在が分かれば、組織の形は自動的に絞られます