
検索からの流入と、広告の管理の仕方の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
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目次
目次
- 2026年のECサイトで、前提が変わったのはどこか
- 市場全体の状況
- 検索流入の減少に、どう備えるのか
- 計画に織り込む方法
- 広告の自動化が進むことは、ECに何をもたらすのか
- 商品データの整備で見るところ
- 媒体の統合や仕様の変更に、どう対応するのか
- 新しい配信面を試すかどうか
- 計測と同意の扱いは、どう変わったのか
- 対応の進め方
- 2026年の予算は、どう組めばいいのか
- 備えの枠を守る方法
- 環境変化への対応を外部に相談するとき、何を確認するのか
- 社内で持つ判断
- 2026年のECの打ち手は、何から着手すればいいのか
- 四半期ごとに確認すること
- よくある質問
- まとめ
検索からの流入と、広告の管理の仕方の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
2026年のECサイトで、前提が変わったのはどこか
検索からの流入と、広告の管理の仕方の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
2026年に入って、ECの集客の前提が2つ変わりました。
検索からの流入の減り方と、広告の管理の枠組みです。
検索については、順位を維持していても流入が減る状況が観測されています。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。
同じ調査では、日本の予測CTR24.1%に対して実測は9.0%でした。
流入の減少を、施策の失敗として扱わない整理が必要になります。
広告については、自動化の範囲が広がりました。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、2026年9月以降は新規のDSAキャンペーンを作成できない形になっています。
管理の単位が変わると、商品群ごとの配分の管理も難しくなります。
ECのように商品数が多い事業では、この影響が大きくなります。
市場全体の状況
広告費の全体は伸びています。
電通の「2025年 日本の広告費」では、総広告費が8兆623億円で前年比105.1%、インターネット広告費が4兆459億円で110.8%でした。
構成比は50.2%となり、初めて過半数を超えています。
電通デジタルの詳細分析では、運用型が2兆9,352億円で構成比88.7%でした。
投下が増えている環境では、同じ枠の競争も強まります。
効率の悪化を、自社の運用だけの問題として扱わない視点が要ります。
2026年に変わったのは検索流入の減り方と、広告の管理の枠組みです。どちらも計画の前提として扱ってください。
検索流入の減少に、どう備えるのか
流入の構成を型番と用途で分け、用途側の減少を前提に置きます。
そのうえで、指名と再購入の比率を上げる計画に切り替えます。
検索流入の減少は、一様には起きません。
型番で探す流入と、用途で探す流入で影響が違います。
影響が大きいのは、用途で探す流入です。
条件から候補を絞る作業が、検索結果の外で終わることが増えます。
備えの第一歩は、流入の構成を分けて把握することです。
分けていないと、減少の規模も見積もれません。
見積もりができたら、減少を前提に置いた計画を作ります。
用途側の流入が一定割合減った場合に、どれだけの売上が影響を受けるかを出します。
そのうえで、指名と再購入の比率を上げる計画に切り替えます。
どちらも検索の経路の変化を受けにくい流入です。
ただし業種による差もあります。
博報堂DYグループONEの2026年2月時点の集計では、AI Overviewsの表示率は保険や化粧品やクレジットカードで高く、通信や人材やファッションでは低下していました。
流入の種類ごとの影響と備え
| 流入の種類 | 影響 | 備えの方向 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 用途で探す検索 | 大きい | 情報の整備と比較の場 | 1年以上 |
| 型番で探す検索 | 小さい | 商品情報の正確さ | 継続 |
| 指名検索 | 受けにくい | 体験と認知の投資 | 1年以上 |
| 再購入 | 受けない | 購入後の設計 | 半年以上 |
| モールと外部の掲載 | 別の要因 | 掲載条件の確認 | 四半期 |
計画に織り込む方法
減少を計画に織り込むときは、率で置きます。
用途側の流入が年間で一定割合減る前提を、計画の数字に反映します。
置いた率は、四半期ごとに実績と比べます。
実績が前提より悪ければ、備えの投資を前倒しします。
この前提を経営と共有しておくと、未達の議論が変わります。
運用の問題と外部環境の変化を、分けて話せるようになります。
流入を型番と用途で分け、用途側の減少を率で計画に織り込みます。前提を経営と先に共有してください。
広告の自動化が進むことは、ECに何をもたらすのか
商品群ごとの配分を、管理画面の構造で制御しにくくなります。
制御の手段が、渡す情報と条件の設計に移ります。
広告の自動化が進むと、配信先や入札の細かい制御は減ります。
代わりに、何を渡すかが成果を決めるようになります。
ECの場合、渡す情報の中心は商品のデータです。
商品名、価格、在庫、画像、説明の質が配信の結果に直結します。
このため、投資の対象が運用から商品データの整備に移ります。
整備は一度で終わらず、継続の作業になります。
もう1つが、条件の設計です。
商品群ごとの上限や、配信対象の範囲を条件として与える形になります。
条件が曖昧だと、自動化は売れやすい商品に寄ります。
売れやすい商品は、多くの場合いちばん粗利が薄い商品です。
そのため、粗利に基づく条件の設計が以前より重要な位置を占めます。
運用の技術よりも、条件を作る側の情報が成果を決めます。
商品データの整備で見るところ
商品データで最初に見るのは、欠けている項目です。
価格や在庫が正しく反映されていない商品は、配信の対象から外れます。
次に見るのが、説明の内容です。
用途が書かれていない商品は、条件からの照合に使われにくくなります。
3番目が、画像です。
複数の角度や使用の場面が揃っているかを確認します。
自動化が進むと、渡す情報と条件が成果を決めます。粗利に基づく条件の設計を、運用の技術より優先してください。
媒体の統合や仕様の変更に、どう対応するのか
変更の一覧を四半期ごとに確認し、影響のあるものだけを計画に入れます。
すべてに対応しようとすると、他の作業が止まります。
媒体の仕様は継続的に変わります。
LINEヤフーでは2025年9月25日に統合が発表され、2026年4月1日にリリースされました。
基盤はYahoo!広告ディスプレイ広告で、LINE広告のみを利用していた企業はYahoo!の計測タグの新規設置が必須となっています。
検索クエリーマッチングは2026年9月14日に提供が完了し、オプトイン方式です。
2026年9月30日には、LINE VOOMが終了しています。
こうした変更のすべてに対応する必要はありません。
対応の判断は、自社の投下額に対する影響で行います。
影響が小さい媒体の変更は、記録だけにとどめます。
新しい選択肢も増えています。
OpenAIのChatGPT広告は2026年2月9日に米国でテストが始まり、同年8月11日に本格稼働となりました。
日本での表示開始は2026年6月19日、セルフサーブの開放は6月29日ごろです。
表示対象はFreeとGoプランの成人ログインユーザーのみで、CPMはデフォルトで約60ドル、CPCの推奨は3から5ドルとされています。
2026年の主な変更と、確認すること
| 変更 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 検索広告の自動化 | 新規DSAの作成停止 | 商品データの整備状況 |
| 媒体の統合 | 計測タグの新規設置が必要な場合がある | 計測の欠損の有無 |
| 新しい配信面 | 対象や課金の仕様が従来と異なる | 試す枠の有無 |
| 同意の扱い | 広告データ共有の条件が変わった | 同意モードの実装 |
| 計測の環境 | 一部の技術が終了 | 代替の計測の設計 |
新しい配信面を試すかどうか
新しい配信面は、条件を確認してから判断します。
ChatGPT広告では、カスタムオーディエンスに25,000件以上のマッチが必要とされています。
日予算は7日平均で最大2倍まで、地域は日本では都道府県単位です。
代理店専用のコンソールはありません。
こうした条件が自社の運用に合うかを確認してから、試す枠を判断してください。
条件が合わない場合、試すこと自体が負担になります。
変更は四半期ごとに一覧で確認し、投下額への影響が大きいものだけを計画に入れてください。
計測と同意の扱いは、どう変わったのか
同意の設定が、広告データの共有の可否を直接決める形になりました。
計測の前提が変わるため、設定の確認が必要です。
計測の環境は、2026年に入って整理が進みました。
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になっています。
Googleシグナルは、レポート上のディメンションの表示可否のみを制御します。
同意モードを実装していない場合、ad_storageはgrantedが既定として扱われます。
この変更は、設定の状態によって計測の結果が変わることを意味します。
自社の設定がどうなっているかを、まず確認してください。
関連する技術の動きもあります。
Googleは2025年10月17日に、Privacy Sandbox関連技術の大半を終了すると発表しました。
CHIPSなど一部は存続します。
計測の設計を組み直す場合は、この前提で行うことになります。
制度の側も動いています。
2026年4月7日に個人情報保護法の改正法案が閣議決定されましたが、施行日は未確認です。
対応の進め方
計測と同意の扱いは、制度側の運用が変わる領域です。
条文や施行の時期を前提に設計すると、後から組み直しになります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
自治体で運用が異なる制度がある場合は、自治体の窓口で確認してください。
社内では、誰が確認の責任を持つかを決めておきます。
決めていないと、変更に気づかないまま計測が欠損します。
同意の設定が広告データ共有の可否を直接決める形になりました。自社の設定を確認し、確認の責任者を決めてください。
2026年の予算は、どう組めばいいのか
外部環境の変化に備える枠を、獲得の枠とは別に確保します。
獲得の枠だけで組むと、備えの投資が毎期削られます。
2026年の予算の傾向は、増加が中心です。
Comexposium Japanが2025年12月5日から19日に行った調査では、2026年の予算増が38.5%で前年比6.2ポイントの増加、横ばいが50.5%でした。
同じ調査では、AI導入済みまたは準備中が80.7%でした。
Macbee Planetが2025年12月5日から12日に行った調査では、予算増はBtoCが61.3%、BtoBが52.3%です。
削減の対象としては、BtoCでイベントや展示会が42.9%、CRMやリテンションが40.7%挙げられていました。
リテンションの削減は、ECでは再購入の母数に直接効きます。
この環境で予算を組むとき、獲得の枠だけで組むと備えの投資が入りません。
備えの枠を別に確保してください。
備えの枠に入るのは、商品データの整備、比較の情報、指名を増やす認知の施策です。
どれも短期の効率では説明できない投資です。
2026年の予算で分ける枠
| 枠 | 内容 | 評価の期間 | 削らない条件 |
|---|---|---|---|
| 獲得 | 新規顧客の獲得 | 四半期 | 目標の件数 |
| 再購入 | 既存顧客の購入回数 | 半期 | 期間内の粗利 |
| 備え | 情報の整備と認知 | 1年以上 | 中間の数字の進捗 |
| 滞留処理 | 在庫の現金化 | 対象期間 | 回収できた金額 |
| 予備 | 変更への対応 | 随時 | 使途を四半期で判断 |
備えの枠を守る方法
備えの枠は、比率ではなく金額で確保します。
比率で置くと、全体の予算が動くたびに削られます。
確保する根拠は、用途側の流入の減少の見積もりです。
減少の規模が金額で出ていれば、備えの規模も説明できます。
中間の数字を四半期で報告してください。
進捗が説明できない枠は、次の期で削られます。
備えの枠を獲得の枠とは別に金額で確保します。中間の数字を四半期で報告して、進捗を説明してください。
環境変化への対応を外部に相談するとき、何を確認するのか
提案が自社の流入の実態に基づいているかを確認します。
変化の一覧を並べただけの提案では、優先順位が決められません。
環境の変化への対応を外部に相談すると、変更の一覧が提示されます。
一覧は有用ですが、自社への影響の大きさは示されません。
確認すべきは、自社の流入と投下の構成に基づく分析です。
どの変更が自社にどれだけ効くかを、数字で示してもらいます。
この分析には、自社のデータを渡す必要があります。
渡さずに提案を求めると、一般論にとどまります。
次に確認するのが、対応の優先順位の根拠です。
すべてに対応する提案は、実行できません。
投下額への影響が大きい順に並べてもらってください。
並べ方の根拠が説明できる相手が適しています。
Testifyの調査では、代理店への不満として経営層の56.3%が「費用が成果に見合わない」を挙げていました。
一覧だけの提案は、この不満につながります。
社内で持つ判断
外部に任せられるのは、変更の把握と対応の実行です。
どの変更に対応するかの優先順位は、社内で決めます。
判断には、自社の投下の構成と商品群ごとの粗利が必要です。
どちらも社内にしかない情報です。
四半期ごとに、変更の一覧と自社への影響を確認する場を設けてください。
場がないと、変更に気づくのが遅れます。
提案は自社の流入と投下の構成に基づくものを求めます。どの変更に対応するかの優先順位は社内で決めてください。
2026年のECの打ち手は、何から着手すればいいのか
流入の構成を型番と用途で分けるところからです。
どこが減るかが分からないと、備えの規模も決まりません。
最初にやるのは、検索経由の流入の分類です。
型番と用途で分け、それぞれの推移を前年と比べます。
次に、用途側の流入が減った場合の売上への影響を見積もります。
見積もりが、備えの枠の規模の根拠になります。
その後、計測と同意の設定を確認します。
設定の状態によって、広告データの共有の可否が変わります。
あわせて、商品データの整備状況を確認します。
価格と在庫の反映、用途の説明、画像の充実度が対象です。
最後に、備えの枠を金額で確保し、中間の数字を決めます。
中間の数字がないと、進捗を説明できません。
2026年のECの打ち手に着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 検索流入を型番と用途で分類する | マーケティング | 2週間 |
| 2 | 用途側が減った場合の影響を見積もる | マーケと経理 | 1週間 |
| 3 | 計測と同意の設定を確認する | マーケとシステム | 2週間 |
| 4 | 商品データの整備状況を確認する | 商品部とマーケ | 3週間 |
| 5 | 備えの枠を金額で確保する | 経営 | 2週間 |
| 6 | 四半期ごとに変更と影響を確認する場を作る | マーケ責任者 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
検索経由の流入が月20万で用途側が12万、そこからの売上が月4,000万円である場合、3割減で1,200万円の影響になります。
この金額に対して、備えの枠をいくら置くかを判断します。
見積もりがないと、枠の額に根拠が作れません。
着手から枠の確保までは、全体で8週間前後が目安です。
商品データの整備は、これとは別に継続の作業になります。
四半期ごとに確認すること
四半期ごとに確認するのは、流入の構成の変化と媒体の変更の一覧です。
2つを同じ場で見ると、対応の優先順位が決まります。
あわせて、備えの枠の中間の数字も並べます。
進捗が説明できれば、次の期でも枠は残ります。
この場の記録は残してください。
記録がないと、翌期の計画で同じ議論を最初から行うことになります。
着手点は流入の構成の分類と、減少した場合の影響の見積もりです。四半期ごとに変化と変更を同じ場で確認してください。
ECサイトで2026年の環境変化への備えに迷う場合は、無料相談で現状の構成を見てもらうところから始められます。
流入と予算の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
検索からの流入が減っているのは、自社の施策の問題ですか
順位を維持していても流入が減る状況が観測されています。Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。まず流入を型番と用途で分けて、どちらが減っているかを確認してください。
広告の自動化が進むと、ECは何を変えるべきですか
投資の対象が運用から商品データの整備と条件の設計に移ります。価格と在庫の反映、用途の説明、画像の充実度を確認してください。条件が曖昧だと自動化は売れやすい商品に寄り、それは多くの場合いちばん粗利の薄い商品です。
媒体の仕様変更には、すべて対応すべきですか
すべてに対応しようとすると他の作業が止まります。四半期ごとに変更の一覧を確認し、自社の投下額への影響が大きいものだけを計画に入れてください。影響が小さい媒体の変更は、記録だけにとどめます。
計測の設定で確認すべきことは何ですか
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になりました。同意モードを実装していない場合、ad_storageはgrantedが既定として扱われます。制度側の運用が変わる領域のため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
2026年の予算は、どう組めばいいですか
獲得の枠とは別に、備えの枠を金額で確保してください。比率で置くと全体の予算が動くたびに削られます。備えの枠に入るのは商品データの整備、比較の情報、指名を増やす認知の施策で、いずれも中間の数字を四半期で報告します。
まとめ
- 検索からの流入と、広告の管理の仕方の2つです。どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります
- 流入の構成を型番と用途で分け、用途側の減少を前提に置きます。そのうえで、指名と再購入の比率を上げる計画に切り替えます
- 商品群ごとの配分を、管理画面の構造で制御しにくくなります。制御の手段が、渡す情報と条件の設計に移ります
- 変更の一覧を四半期ごとに確認し、影響のあるものだけを計画に入れます。すべてに対応しようとすると、他の作業が止まります
- 同意の設定が、広告データの共有の可否を直接決める形になりました。計測の前提が変わるため、設定の確認が必要です
- 外部環境の変化に備える枠を、獲得の枠とは別に確保します。獲得の枠だけで組むと、備えの投資が毎期削られます
- 提案が自社の流入の実態に基づいているかを確認します。変化の一覧を並べただけの提案では、優先順位が決められません
- 流入の構成を型番と用途で分けるところからです。どこが減るかが分からないと、備えの規模も決まりません