
商品名では探されても、店名で探される理由がないからです。
同じ商品を他店でも買える以上、店を覚える必要が生まれません。
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目次
目次
- ECサイトで指名検索が増えないのは、なぜなのか
- 指名が増えないことの影響
- 指名検索を、どう分けて測るのか
- 数字を目標に置くかどうか
- 店を覚えてもらう理由は、どこで作るのか
- 記憶に残る接点を作る
- 認知の施策は、どう設計するのか
- 効果が出ているかの確認
- 指名検索への広告出稿は、続けるべきか
- 全体の平均から分けて見る
- 指名が増えたとき、何が変わるのか
- 下がった費用の使い道
- 外部と一緒に進めるとき、何を任せるのか
- 社内で進める体験の改善
- ECで指名を増やす取り組みは、何から始めるのか
- 進捗の確認の頻度
- よくある質問
- まとめ
商品名では探されても、店名で探される理由がないからです。
同じ商品を他店でも買える以上、店を覚える必要が生まれません。
ECサイトで指名検索が増えないのは、なぜなのか
商品名では探されても、店名で探される理由がないからです。
同じ商品を他店でも買える以上、店を覚える必要が生まれません。
ECの利用者は、商品を探して購入します。
探す対象は商品であり、店ではありません。
購入した後も、店の名前を覚える必要はありません。
次に同じ商品が欲しければ、また商品名で探せば足ります。
この構造では、指名検索は自然には増えません。
増やすには、店を覚える理由を作る必要があります。
理由になるのは、その店でしか得られないものです。
品揃えの編集、納期の速さ、購入後の体験がそれにあたります。
自社企画の商品も理由になります。
他店では買えないため、商品名と店名が結びつきます。
逆に、仕入れ品だけを扱う事業では理由が作りにくくなります。
価格で選ばれている間は、店名は記憶に残りません。
指名が増えないことの影響
指名が少ない状態は、獲得の費用が下がらないことを意味します。
毎回、競争の激しい枠で新規を取り続けることになります。
加えて、外部環境の変化に弱くなります。
検索の経路が変われば、流入がそのまま減ります。
指名の比率は、事業の安定度を示す数字でもあります。
経営への報告に含める価値のある指標です。
ECでは商品が探され、店は探されません。指名を増やすには、店を覚える理由を作る必要があります。
指名検索を、どう分けて測るのか
店名と、自社企画の商品名を分けて測ります。
この2つは増え方も増やし方も違います。
指名検索を1つの数字で見ると、何が効いたかが分かりません。
分ける単位は、店名と自社企画の商品名です。
店名での検索は、店そのものが記憶されている証拠になります。
再購入や、他人への紹介から生まれます。
自社企画の商品名での検索は、その商品の認知を示します。
広告や記事での露出から生まれることが多くなります。
この2つは、増やす手段が違います。
店名は購入後の体験、商品名は露出の量が主な要因です。
測るときは、月次で並べて前年の同月と比べます。
季節の変動があるため、前月比では判断できません。
あわせて、指名経由の購入率も見てください。
検索数が増えても購入率が下がっていれば、名前だけが知られている状態です。
指名検索を分けて測る単位
| 単位 | 示すもの | 主な増加の要因 | 見る頻度 |
|---|---|---|---|
| 店名 | 店が記憶されている | 購入後の体験と紹介 | 月次 |
| 自社企画の商品名 | その商品の認知 | 広告と記事の露出 | 月次 |
| 店名と商品の組み合わせ | 購入の意図が強い | 過去の購入 | 月次 |
| 指名経由の購入率 | 名前と実態の一致 | 体験と情報の整合 | 月次 |
| 指名の流入の比率 | 外部環境への耐性 | 全体の構成 | 四半期 |
数字を目標に置くかどうか
指名の検索数は、直接動かせる数字ではありません。
そのため、目標として置くと未達のときに打ち手が出ません。
置くのは進捗の確認としてです。
認知の施策を打ったときに、数か月遅れて動くことを確認します。
目標に置くのは、指名の流入の比率のほうが適しています。
比率であれば、一般の流入の構成も含めて判断できます。
指名は店名と自社企画の商品名に分けて測ります。検索数は目標ではなく、進捗の確認に使ってください。
店を覚えてもらう理由は、どこで作るのか
購入後の体験と、品揃えの編集の2つで作ります。
広告の露出だけでは、店名は記憶に残りません。
店名が記憶されるのは、良い体験があったときです。
納期どおりに届き、梱包に問題がなく、問い合わせの対応が速い場合です。
これらは、購入前には伝わりません。
そのため、広告で伝えて覚えてもらうことはできません。
覚えてもらうのは2回目の購入の場面です。
前回の体験が良ければ、次は店名で探されます。
この経路を作るには、初回の体験の質を確保する必要があります。
質が確保されていない状態で認知の投資をしても、戻ってきません。
もう1つが、品揃えの編集です。
その用途の商品を探すならこの店、という位置づけができると店名で探されます。
編集は、扱う商品を絞ることでも作れます。
広く浅く扱うと、どの用途でも思い出されません。
記憶に残る接点を作る
購入後の接点として使えるのは、配送の通知と同梱物です。
どちらも確実に届き、費用もほとんどかかりません。
同梱物には、店の特徴を1つだけ書きます。
複数書くと、どれも記憶に残りません。
会員向けの配信も接点になります。
ただし頻度が高すぎると、解除されて接点そのものが失われます。
店を覚える理由は購入後の体験と品揃えの編集で作ります。広告の露出だけでは記憶に残りません。
認知の施策は、どう設計するのか
広く届けるのではなく、特定の用途と結びつける形で設計します。
名前だけを広げても、探される理由にはなりません。
認知の施策は、到達の数で評価されることが多くあります。
ただし到達しただけでは、後から探されません。
探されるのは、必要が生じたときに思い出される場合です。
思い出されるには、名前と用途が結びついている必要があります。
そのため、認知の施策では用途を先に決めます。
その用途で最初に思い出される状態を目標にします。
用途を絞ると、届ける相手も絞られます。
費用が下がり、効果の測定もしやすくなります。
測定は、その用途に関する検索での指名の割合で行います。
全体の指名数では、施策の効果が埋もれます。
施策の期間は1年以上を見てください。
数か月では、認知の変化が検索の行動に現れません。
認知の施策を設計するときの項目
| 項目 | 決める内容 | 測る方法 |
|---|---|---|
| 対象の用途 | 1つに絞る | 用途に関する検索での指名の割合 |
| 届ける相手 | その用途の需要がある層 | 到達の数ではなく重複到達 |
| 伝える内容 | 用途と店名の結びつき | 想起の調査か検索の変化 |
| 期間 | 1年以上 | 四半期ごとの推移 |
| 予算 | 固定額で先に確保 | 残額では置かない |
効果が出ているかの確認
認知の施策の効果は、途中の数字で確認します。
用途に関する検索での指名の割合が、最も直接的な数字です。
この割合が動かない場合、伝える内容に問題があります。
用途と店名が結びついていないか、伝える相手がずれています。
到達の数だけが増えている場合も、同じ状態です。
到達を増やす前に、内容を見直してください。
認知は用途を1つに絞って設計します。効果は到達の数ではなく、その用途の検索での指名の割合で確認してください。
指名検索への広告出稿は、続けるべきか
自然検索で上位が安定していれば、段階的に減らせます。
ただし他店が自社の店名で出稿している場合は、残す判断になります。
指名検索への出稿は、獲得単価が最も低く出ます。
そのため、全体の平均を良く見せる効果があります。
ただし出稿を止めても、自然検索から一定の流入は残ります。
残る量は、自然検索の順位と他店の出稿状況で決まります。
判断の方法は、段階的に下げて影響を測ることです。
一度に止めると、影響の大きさが分かりません。
測るときは、指名経由の総流入と購入数で見ます。
広告経由だけを見ると、自然検索に移った分が見えません。
他店が自社の店名で出稿している場合、止めると枠を取られます。
その場合は、残す判断になります。
確認は、実際に自社の店名で検索して広告枠を見る方法が早いやり方です。
定期的に確認する担当を決めておいてください。
全体の平均から分けて見る
指名の出稿を含めたままアカウント全体の獲得単価を見ると、実態より良く見えます。
新規獲得の状況が分からなくなります。
指名は別の枠として分け、新規獲得だけの単価を出してください。
この分離をしていない場合、新規の実態が2倍近く悪いことがあります。
外部に運用を任せている場合も、同じ分離を求めます。
分けた数字で評価しないと、指名で平均を作る動きが出ます。
指名への出稿は段階的に下げて影響を測ります。アカウント全体の平均からは必ず分けて見てください。
指名が増えたとき、何が変わるのか
獲得の費用が下がり、外部環境の変化に強くなります。
一方で、指名が増えた分だけ新規の探索が減っていないかの確認が要ります。
指名が増えると、同じ売上を作るための広告費が下がります。
指名経由の獲得単価は、一般の検索より低いからです。
下がった分を、新規の探索に回すか利益に残すかを決めます。
決めないと、翌期の予算でそのまま削られます。
もう1つの変化が、外部環境への耐性です。
検索の経路が変わっても、名前で探される流入は残ります。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。
一般の検索からの流入が減る局面で、指名の比率は事業の安定度に直結します。
注意が必要なのは、指名が増えて新規が減っている場合です。
既存の顧客が戻ってきているだけで、母数は増えていません。
この状態は、新規顧客数と指名の流入を並べると分かります。
両方を同じ表で見てください。
指名が増えたときに確認する数字
| 数字 | 確認の内容 | 問題がある場合 |
|---|---|---|
| 指名の流入の比率 | 外部環境への耐性 | 低いままなら施策が効いていない |
| 新規顧客数 | 母数が増えているか | 減っていれば探索が細っている |
| 指名経由の購入率 | 名前と実態の一致 | 下がれば期待とのずれ |
| 一般の検索からの流入 | 探索の入口 | 減り続けていれば対策が要る |
| 獲得単価の全体 | 指名を除いた実態 | 分離していないと見えない |
下がった費用の使い道
指名が増えて広告費が下がった場合、その分の使い道を先に決めます。
何も決めないと、翌月には別の配信に吸収されます。
新規の探索に回す場合は、枠として確保します。
成果が出るまでの期間が長いため、短期の効率では説明できません。
利益に残す場合は、経営に報告してください。
報告がないと、翌期の予算で元に戻されます。
指名が増えたら、新規顧客数と並べて母数が増えているかを確認します。下がった費用の使い道を先に決めてください。
外部と一緒に進めるとき、何を任せるのか
露出の設計は任せられますが、体験の改善は社内で行います。
指名の増加は、広告の成果としては測りにくい領域です。
指名を増やす取り組みのうち、外部に任せられるのは露出の設計です。
用途と結びつける内容の企画や、届ける相手の設計が含まれます。
一方で、購入後の体験の改善は社内の業務です。
納期、梱包、問い合わせの対応は、外部では変えられません。
この切り分けをせずに委託すると、露出だけが増えます。
露出が増えても、体験が伴わなければ指名にはつながりません。
評価の設計も難しくなります。
指名の増加は数か月から1年遅れて現れるため、短期の契約では測れません。
そのため、認知の施策を委託する場合は期間を1年以上で設計します。
途中の評価は、用途に関する検索での指名の割合で行います。
この指標を契約に書いておかないと、到達の数で評価することになります。
到達の数は、費用を増やせば伸びる数字です。
社内で進める体験の改善
体験の改善は、返品と問い合わせの件数から着手します。
どちらも増えていれば、どこかに問題があります。
問い合わせの内容を分類すると、原因の部署が分かります。
納期に関するものが多ければ、物流側の課題です。
改善の効果は、再購入率で確認します。
再購入率が上がれば、店名で探される可能性も上がります。
露出の設計は外部に任せられますが、体験の改善は社内の業務です。評価は用途に関する検索での指名の割合で行ってください。
ECで指名を増やす取り組みは、何から始めるのか
店名と自社企画の商品名を分けて、現状の検索数を測るところからです。
現状が分からないと、どちらを増やすべきかも決まりません。
最初にやるのは、指名検索の現状の把握です。
店名での検索数と、自社企画の商品名での検索数を分けて出します。
次に、指名経由の流入が全体に占める比率を出します。
この比率が、外部環境への耐性を示す数字になります。
その後、購入後の体験の状態を確認します。
返品率、問い合わせの件数、納期の遵守率が対象です。
体験に問題がある場合は、認知の施策より先に改善します。
改善しないまま露出を増やしても、戻ってきません。
最後に、認知の施策の対象となる用途を1つ決めます。
その用途での指名の割合を、進捗の数字として追います。
ECで指名を増やす取り組みに着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 店名と商品名で検索数を分けて出す | マーケティング | 1週間 |
| 2 | 指名経由の流入の比率を出す | マーケティング | 1週間 |
| 3 | 返品と問い合わせと納期の状態を確認する | 顧客対応と物流 | 2週間 |
| 4 | 体験の課題を改善する | 関係部門 | 3か月以上 |
| 5 | 認知の対象となる用途を1つ決める | マーケ責任者と経営 | 2週間 |
| 6 | 用途での指名の割合を四半期で追う | マーケティング | 継続 |
数字は説明のための仮の値です。
指名経由の流入が全体の8%である場合、一般の検索が3割減ると全体の流入は2割以上落ちます。
指名が25%であれば、同じ減少でも全体への影響は小さくなります。
この差が、比率を上げる理由になります。
着手から認知の施策の開始までは、全体で16週間前後が目安です。
体験の改善に時間がかかる場合は、その分だけ後ろにずれます。
進捗の確認の頻度
指名の数字は、月次で記録し四半期で評価します。
月ごとの変動が大きく、単月では判断できません。
評価の際は、前年の同じ四半期と比べてください。
季節の変動を除かないと、施策の効果が見えません。
1年たっても動かない場合は、用途の選び方か伝える内容を見直します。
露出の量を増やす前に、内容の確認を行ってください。
着手点は店名と商品名を分けた現状の把握です。体験に問題がある場合は、認知の施策より先に改善してください。
ECサイトで指名を増やす進め方に迷う場合は、無料相談で現状の構成を見てもらうところから始められます。
体験と露出の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
ECで指名検索が増えないのはなぜですか
利用者が探しているのは商品であり、店ではないからです。同じ商品を他店でも買えるなら、店名を覚える必要が生まれません。品揃えの編集、納期の速さ、購入後の体験、自社企画の商品のいずれかで、覚える理由を作る必要があります。
指名検索は1つの数字で見てよいですか
店名と自社企画の商品名に分けてください。店名は購入後の体験と紹介から増え、商品名は広告や記事の露出から増えます。増やす手段が違うため、まとめて見ると何が効いたかが分かりません。
指名キーワードへの広告出稿は止めるべきですか
自然検索で上位が安定していれば段階的に減らせます。ただし他店が自社の店名で出稿している場合は残す判断になります。いずれの場合も、アカウント全体の獲得単価からは指名を分離して、新規獲得だけの数字を出してください。
認知の施策はどう設計すればいいですか
対象の用途を1つに絞り、その用途で最初に思い出される状態を目標にしてください。名前だけを広く届けても、必要が生じたときに探されません。効果は到達の数ではなく、その用途に関する検索での指名の割合で確認します。
指名が増えたら、何を確認すればいいですか
新規顧客数と並べて、母数が増えているかを確認してください。既存の顧客が戻ってきているだけで新規が減っている場合があります。あわせて、指名が増えて下がった広告費の使い道を先に決めておきます。
まとめ
- 商品名では探されても、店名で探される理由がないからです。同じ商品を他店でも買える以上、店を覚える必要が生まれません
- 店名と、自社企画の商品名を分けて測ります。この2つは増え方も増やし方も違います
- 購入後の体験と、品揃えの編集の2つで作ります。広告の露出だけでは、店名は記憶に残りません
- 広く届けるのではなく、特定の用途と結びつける形で設計します。名前だけを広げても、探される理由にはなりません
- 自然検索で上位が安定していれば、段階的に減らせます。ただし他店が自社の店名で出稿している場合は、残す判断になります
- 獲得の費用が下がり、外部環境の変化に強くなります。一方で、指名が増えた分だけ新規の探索が減っていないかの確認が要ります
- 露出の設計は任せられますが、体験の改善は社内で行います。指名の増加は、広告の成果としては測りにくい領域です
- 店名と自社企画の商品名を分けて、現状の検索数を測るところからです。現状が分からないと、どちらを増やすべきかも決まりません