大学のマーケティング組織の作り方

学部が独自に募集の活動を行い、全学とは別の予算と制作を持つからです。
二重になっている状態に気づかないまま、毎年同じ形が続きます。
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目次
目次
- 大学の広報機能が、全学と学部で二重になるのはなぜか
- 二重になっていることに気づく方法
- 全学に集める機能と、学部に残す機能をどう分けるのか
- 学部の当事者意識を保つ
- 全学の広報に、どんな役割が要るのか
- 学部との交渉をどう成立させるか
- 学部にどこまで裁量を残すのか
- 学部の要望をどう集約するか
- 職員の異動がある組織で、知見をどう残すのか
- 引き継ぎの単位を決める
- 学内の決裁の経路は、募集にどう影響するのか
- 決裁の日数を記録する
- 大学の広報で外部との分担は、どこで線を引くのか
- 表現の確認を学内に残す
- 大学の広報組織は、どこから作り始めるのか
- よくある質問
- まとめ
学部が独自に募集の活動を行い、全学とは別の予算と制作を持つからです。
二重になっている状態に気づかないまま、毎年同じ形が続きます。
大学の広報機能が、全学と学部で二重になるのはなぜか
学部が独自に募集の活動を行い、全学とは別の予算と制作を持つからです。
二重になっている状態に気づかないまま、毎年同じ形が続きます。
大学には、全学の広報の部署と、学部ごとの広報の担当が並存します。
学部には独自の予算があり、案内やサイトを別に作ることがあります。
この構造は、学部の専門性を活かす面では機能します。
学ぶ内容を説明できるのは、学部の教員だからです。
一方で、同じ目的の費用が二重に出ます。
学部の案内の制作費が、全学と学部の両方から出ている場合です。
さらに、伝える内容が揃いません。
全学のサイトと学部のサイトで、学費や入試の情報が違うことがあります。
情報が違うと、検討している人が判断できません。
どちらが正しいかを確認する手間が発生し、その時点で離脱します。
もう1つの問題が、数字の集計です。
学部が独自に運用している経路の数字が、全学に集まりません。
二重になっていることに気づく方法
二重の状態は、予算書を並べても見えません。
帰属が違うため、別の費用として扱われます。
見えるようにするには、目的で分類してください。
資料請求の獲得、参加の獲得、出願の促進、認知の4つで並べます。
分類すると、同じ目的に複数の予算が使われている箇所が見えます。
見えれば、翌年度の編成で調整できます。
全学と学部で広報が二重になるのは、予算と制作が別だからです。目的で分類しないと、二重の状態は見えません。
全学に集める機能と、学部に残す機能をどう分けるのか
数字の設計と外部の窓口を全学に集め、学ぶ内容の説明を学部に残します。
分ける基準は、学部の専門性が必要かどうかです。
機能を分ける基準は、人数ではありません。
学部の専門性が必要かどうかです。
専門性が必要なのは、学ぶ内容の説明と、当日の体験の設計です。
これらは学部の教員でなければ作れません。
専門性が不要なのは、数字の設計、外部との窓口、制作の進行です。
これらは全学に集めたほうが、質と効率の両方が上がります。
集めることで、学部ごとの比較ができるようになります。
比較ができると、配分の議論が数字に基づいて行えます。
一方で、集めすぎると学部の当事者意識が下がります。
募集は本部の仕事という認識になり、当日の対応が薄くなります。
そのため、学部には内容の設計と記録を必ず残してください。
この2つが学部にあると、当事者として関わる理由が残ります。
大学で全学に集める機能と学部に残す機能
| 機能 | 専門性の要否 | 置く場所 | 移すときの注意 |
|---|---|---|---|
| 学科別の目標と逆算 | 不要 | 全学 | 学部の合意が前提 |
| 外部との窓口と契約 | 不要 | 全学 | 学部の要望を集約 |
| 制作の進行と形式の統一 | 不要 | 全学 | 内容の監修は学部 |
| 経路別の数字の集計 | 不要 | 全学 | 定義を三者で合意 |
| 学ぶ内容の説明 | 必要 | 学部 | 表現の確認は全学 |
| 当日の体験の設計 | 必要 | 学部 | 枠と人数は全学が管理 |
| 相談の記録 | 必要 | 学部 | 形式は全学が指定 |
学部の当事者意識を保つ
機能を全学に集めると、学部の関心が下がることがあります。
下がると、当日の対応の質に出ます。
保つ方法は、学部別の数字を学部に返すことです。
自分の学部の充足と手続率が見えていれば、関心は続きます。
返す周期は、出願の時期と手続の時期の年に数回で足ります。
節目に返すほうが、日常的に返すより見られます。
学部の専門性が必要な機能だけを学部に残し、それ以外は全学に集めます。学部別の数字を返すことで、当事者意識を保ってください。
全学の広報に、どんな役割が要るのか
数字を設計して検証する役割と、制作の進行と形式を統一する役割です。
どちらも学部には置けない役割になります。
全学の広報に必要な役割は、3つに整理できます。
数字の設計、制作の進行、外部の窓口です。
数字の役割は、学科と方式の組み合わせで歩留まりを集計し、逆算して目標を置きます。
この役割がいないと、目標が前年比で決まります。
制作の進行の役割は、全学と学部の制作物の形式を揃えます。
形式が揃っていないと、どの資料が最新かが分かりません。
外部の窓口は、契約と評価を一元的に管理します。
学部ごとに契約していると、条件も評価も比較できません。
この3つは、規模によっては1人が兼ねることもできます。
人数より、学部と交渉できる立場にあるかが重要になります。
立場がないと、学部の独自の活動を把握できません。
把握できなければ、全学の数字も出せません。
学部との交渉をどう成立させるか
学部に機能を移してもらうには、交渉が要ります。
交渉の材料は、学部にとっての利点です。
利点として示せるのは、制作の負担の軽減と、費用の効率です。
全学で発注を束ねれば、1件あたりの制作費が下がります。
同時に、学部の裁量が残ることも示してください。
内容の設計が学部に残ることを明示すれば、抵抗が下がります。
全学の役割は数字の設計、制作の進行、外部の窓口の3つです。学部と交渉できる立場にあることが、機能の前提になります。
学部にどこまで裁量を残すのか
学ぶ内容の説明と、当日の体験の設計に裁量を残します。
目標と予算の配分は全学で決め、その中で学部が運用する形にしてください。
裁量の範囲を決めないと、学部ごとに募集の形が分かれます。
分かれると、全学での比較ができなくなります。
一方で、裁量をすべて奪うと当事者意識が下がります。
当日の対応が形だけになり、出願率が落ちます。
分け方は、決めるものと運用するものです。
目標と予算の配分は全学で決めます。
学ぶ内容の説明と、当日の体験の設計は学部に残します。
専門性が必要な領域だからです。
同時に、記録の形式と制作物の形式は全学が指定してください。
形式がばらばらだと、集計も比較もできません。
内容は学部、形式は全学という分け方が、この組織では機能します。
逆にすると、内容が一般的になり学部の特徴が消えます。
大学で学部に残す裁量の範囲
| 領域 | 決める場所 | 運用する場所 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 学科別の目標 | 全学 | 学部が達成を負う | 学部の合意が前提 |
| 予算の配分 | 全学 | 学部が使途を提案 | 充足の進捗で見直す |
| 学ぶ内容の説明 | 学部 | 学部 | 表現の確認は全学 |
| 当日の体験の設計 | 学部 | 学部 | 枠と人数は全学が管理 |
| 記録と制作物の形式 | 全学 | 学部が入力と提供 | 形式は統一する |
| 外部との契約 | 全学 | 全学 | 学部の要望を集約 |
学部の要望をどう集約するか
外部との契約を全学に集めると、学部の要望が届きにくくなります。
届かないと、制作物が学部の実態と合いません。
集約の場を、年に2回設けてください。
翌年度の設計の時期と、募集期の前が適した時期です。
この場で出た要望を記録し、反映の可否を返してください。
返さないと、要望が出なくなります。
目標と予算は全学で決め、学ぶ内容と当日の設計は学部に残します。内容は学部、形式は全学という分け方が機能します。
職員の異動がある組織で、知見をどう残すのか
判断の記録を、年度と理由ごとに1か所に残します。
数字の記録だけでは、なぜその判断をしたかが残りません。
大学では、職員の異動が定期的に起きます。
異動のたびに、前年度の判断の経緯が失われます。
残すべきなのは、実績の数字だけではありません。
どの判断を、どんな理由で行ったかの記録です。
記録する対象は4つに絞れます。
定義の合意、学部別の上限、配分の変更、表現の可否の判断です。
この4つを1か所にまとめ、年度と理由を添えて残します。
場所を分けると、次の担当者がたどれません。
記録の形式は、文章で構いません。
整った資料にしようとすると、作る手間で続かなくなります。
更新の頻度は、判断が起きたときだけです。
年度の終わりにまとめて書くと、細部が失われます。
引き継ぎの単位を決める
担当が異動するとき、引き継ぐのは業務ではなく判断の前提です。
業務の手順は、年次の暦に沿えば覚えられます。
前提とは、学部別の上限をどう出したか、定義を誰と合意したか、表現の可否をどう判断したかです。
この3つを渡せば、判断の再現ができます。
引き継ぎの資料は、この記録をそのまま使えます。
別に作ると、内容がずれます。
残すのは数字ではなく判断の記録です。定義の合意、学部別の上限、配分の変更、表現の可否の4つを1か所に集めてください。
学内の決裁の経路は、募集にどう影響するのか
判断から実行までの日数が延び、募集の時期に間に合わなくなります。
決裁の範囲を先に広げておかないと、期中の対応ができません。
大学の決裁の経路は、一般の企業より長くなることがあります。
関わる会議体が多く、開催の間隔も決まっているためです。
この構造では、判断から実行までの日数が延びます。
募集の山の時期に、対応が間に合いません。
対応するには、決裁の範囲を先に広げておく方法があります。
一定の金額までは現場の判断で動かせる形にします。
範囲を決めるのは、年度の編成の時点です。
その都度の決裁では、判断の時期を過ぎます。
もう1つが、決裁にかかる日数を記録することです。
記録があると、範囲を広げる交渉の材料になります。
記録するのは、判断の起点から実行までの日数です。
案件ごとに記録すると、どこで滞留しているかが見えます。
大学で決裁の経路が募集に影響する場面
| 場面 | 必要な判断 | 遅れたときの影響 | 先に決めておくこと |
|---|---|---|---|
| 期中の予算の組み替え | 学部間の移動 | 時期を逃す | 移動できる範囲 |
| 追加の開催 | 会場と人員の確保 | 告知が間に合わない | 開催の予備の枠 |
| 制作の追加 | 費用の支出 | 募集期に間に合わない | 年間の本数の確保 |
| 外部との契約の変更 | 契約の締結 | 運用が止まる | 変更の手続の期間 |
| 表現の確認 | 内容の可否 | 制作が遅れる | 確認の担当と期限 |
決裁の日数を記録する
決裁にかかる日数は、感覚では議論できません。
案件ごとに、起点と実行の日付を記録してください。
記録が溜まると、平均と最長が出ます。
この2つがあると、範囲を広げる交渉ができます。
記録は、募集の判断に関わる案件だけで足ります。
すべての案件を記録すると、作業が続きません。
決裁の経路が長いと、募集の時期に間に合いません。移動できる範囲を年度の編成で決め、決裁の日数を記録してください。
大学の広報で外部との分担は、どこで線を引くのか
学科別の数字を使う判断を学内に残し、それ以外を外に出します。
学部ごとに契約している場合は、全学での窓口の一本化が先になります。
外部との分担が曖昧だと、同じ作業を二重に行うことが起きます。
学部ごとに別の外部に委託している場合、特に起きやすくなります。
線を引く基準は、学科別の数字を使うかどうかです。
定員、充足、方式別の歩留まりを使う判断は学内に残ります。
外に出せるのは、渡した前提の中で完結する作業です。
配信の設定、制作、集計の作業が該当します。
ただし、この線引きの前に窓口の一本化が要ります。
学部ごとに契約していると、条件も評価も比較できません。
一本化には、学内の合意に時間がかかります。
契約の更新の時期に合わせて、段階的に進めてください。
一本化のあとに、分担を文書にします。
文書には、外部に渡す情報も書きます。
表現の確認を学内に残す
募集の訴求には、教育の内容や卒業後の方向に関する記述が入ります。
どこまで書けるかは掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
確認の判断は、学内に置いてください。
外部に委ねると、学内の基準と合わない表現が出ます。
判断の記録を1か所に残すと、次の制作で同じ確認を繰り返さずに済みます。
学部ごとに制作する組織では、この記録が特に効きます。
線引きの基準は学科別の数字を使うかどうかです。学部ごとに契約している場合は、窓口の一本化が先になります。
大学の広報組織は、どこから作り始めるのか
全学と学部の募集に関わる費用と活動を、1枚に書き出すところからです。
二重になっている箇所が見えないと、機能の仕分けができません。
組織づくりの最初の一歩は、体制図ではありません。
いま誰が何をしているかを、1枚に書き出す作業です。
書き出すのは、全学と学部の募集に関わる活動と費用です。
目的で分類すると、二重の箇所が見えます。
見えたあとに、機能の仕分けに入ります。
学部の専門性が必要かどうかで分けます。
大学の広報組織を作る着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 全学と学部の募集の活動と費用を書き出す | 全学の広報と学部 | 1か月 |
| 2 | 目的で分類して二重の箇所を出す | 全学の広報 | 2週間 |
| 3 | 専門性の要否で機能を仕分ける | 全学の広報と学部と経営 | 1か月 |
| 4 | 各役割が持つ指標と共通指標を決める | 三者の責任者 | 1か月 |
| 5 | 判断の記録を残す場所と項目を決める | 全学の広報 | 1週間 |
| 6 | 1年後に効果を判断する基準を決める | 経営と広報の責任者 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
全学の募集の費用が1億円で、学部の独自の費用が合計3千万円あるとします。
このうち同じ目的に使われている重複が2千万円あれば、統合で費用の余地が生まれます。
余地を認知の枠に回すか、不足する学部に回すかの判断ができます。
変更のあとに見る数字は、4つに絞れます。
設計と検証に使えた時間、決裁から実行までの日数、判断の記録の件数、そして学科別の入学者数です。
この4つを年に2回の資料に固定すると、組織の議論が人数の話に戻りません。
戻るのは、効果を測る数字が用意されていないときです。
体制の見直しは年度ごとに行ってください。
異動で人員が変われば、置ける機能も変わります。
着手点は体制図ではなく、全学と学部の活動と費用の書き出しです。二重の箇所が見えてから、機能の仕分けに進んでください。
大学の広報組織の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の体制を見てもらうところから始められます。
役割の分担ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
全学と学部で広報が二重になっています
予算の帰属ではなく目的で分類してください。資料請求の獲得、参加の獲得、出願の促進、認知の4つで並べると、同じ目的に複数の予算が使われている箇所が見えます。見えれば、翌年度の編成で調整できます。
全学と学部でどう機能を分けますか
学部の専門性が必要かどうかで分けてください。学ぶ内容の説明と当日の体験の設計は学部に残し、数字の設計、外部との窓口、制作の進行は全学に集めます。記録と制作物の形式は全学が指定します。
全学の広報にはどんな役割が必要ですか
数字を設計して検証する役割、制作の進行と形式を統一する役割、外部の窓口の3つです。規模によっては1人が兼ねられますが、学部と交渉できる立場にあることが機能の前提になります。
決裁に時間がかかって募集の時期に間に合いません
年度の編成の時点で、現場の判断で動かせる範囲を決めてください。あわせて、判断の起点から実行までの日数を案件ごとに記録します。記録が溜まると、範囲を広げる交渉の材料になります。
異動が多い組織で知見をどう残しますか
判断の記録を1か所に残してください。残すのは定義の合意、学部別の上限、配分の変更、表現の可否の4つで、年度と理由を添えます。業務の手順は覚えられますが、判断の前提は渡さないと再現できません。
まとめ
- 学部が独自に募集の活動を行い、全学とは別の予算と制作を持つからです。二重になっている状態に気づかないまま、毎年同じ形が続きます
- 数字の設計と外部の窓口を全学に集め、学ぶ内容の説明を学部に残します。分ける基準は、学部の専門性が必要かどうかです
- 数字を設計して検証する役割と、制作の進行と形式を統一する役割です。どちらも学部には置けない役割になります
- 学ぶ内容の説明と、当日の体験の設計に裁量を残します。目標と予算の配分は全学で決め、その中で学部が運用する形にしてください
- 判断の記録を、年度と理由ごとに1か所に残します。数字の記録だけでは、なぜその判断をしたかが残りません
- 判断から実行までの日数が延び、募集の時期に間に合わなくなります。決裁の範囲を先に広げておかないと、期中の対応ができません
- 学科別の数字を使う判断を学内に残し、それ以外を外に出します。学部ごとに契約している場合は、全学での窓口の一本化が先になります
- 全学と学部の募集に関わる費用と活動を、1枚に書き出すところからです。二重になっている箇所が見えないと、機能の仕分けができません