
志願者の総数を追うことから、自校を第一志望にする層を増やすことへの転換です。
母集団が構造的に減る以上、他校との奪い合いの中で選ばれる理由を明確にする必要があります。
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目次
目次
- 18歳人口が減る中で、大学の募集は何を変えるべきか
- 併願と第一志望
- 高校生と保護者と高校教員に、それぞれ何を届けるのか
- 三者の関心
- どんな言葉で検索して、大学が探されているのか
- 学部から探す検索
- 学費と下宿の費用を、どう説明すればいいのか
- 四年間の総額
- オープンキャンパスと総合型選抜の時期を、どう設計するか
- 早期化している
- 就職の実績を、どう示せばいいのか
- 就職率の計算方法
- 高校との関係は、どう作ればいいのか
- 高校訪問の役割
- 限られた予算で、何から着手すればいいのか
- 着手の順番
- よくある質問
- まとめ
志願者の総数を追うことから、自校を第一志望にする層を増やすことへの転換です。
母集団が構造的に減る以上、他校との奪い合いの中で選ばれる理由を明確にする必要があります。
18歳人口が減る中で、大学の募集は何を変えるべきか
志願者の総数を追うことから、自校を第一志望にする層を増やすことへの転換です。
母集団が構造的に減る以上、他校との奪い合いの中で選ばれる理由を明確にする必要があります。
18歳人口は、減っています。
これは構造的な変化で、施策で覆せるものではありません。
その中で、志願者数を維持しようとすると、他校から奪うことになります。
併願と第一志望
志願者数には、併願が含まれます。
併願で受けた学生は、他に受かればそちらに行きます。
志願者数が多くても、入学者数につながるとは限りません。
見るべき数字
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 志願者数 | 受けた人の数、併願を含む |
| 受験者数 | 実際に受けた人の数 |
| 合格者数 | 合格を出した人の数 |
| 入学手続者数 | 実際に入学した人の数 |
| 歩留まり率 | 合格者のうち入学した割合 |
歩留まりが落ちている場合
合格を出しても入学しない。
これは、第一志望にされていないことを意味します。
この状態で志願者数を増やしても、入学者は増えません。
第一志望を増やすには
第一志望にされるには、他校との違いが明確である必要があります。
学べる内容。
卒業後の進路。
立地と環境。
学費。
その大学でしかできない経験。
総合型選抜という変化
総合型選抜や学校推薦型選抜の比率が上がっています。
これらは、早い時期に決まります。
早期に接触して、第一志望にしてもらう流れが重要になっています。
高校生と保護者と高校教員に、それぞれ何を届けるのか
高校生は学部の内容と大学生活、保護者は学費と就職、高校教員は進路指導の材料を見ています。
同じ資料では、三者のどれにも十分に届きません。
三者の関心
三者が見ているもの
| 対象 | 関心 | 判断の材料 |
|---|---|---|
| 高校生 | 何を学ぶか、キャンパスの雰囲気、部活やサークル | 動画、在学生の様子、学部の内容 |
| 保護者 | 学費、就職、下宿の費用、安全 | 費用の総額、奨学金、就職の実績 |
| 高校教員 | 生徒に勧められるか、指導の材料 | 入試の難易度、これまでの進学実績 |
高校生に届けるもの
学部で何を学ぶのかが、伝わっていないことが多いです。
学部の名前から、学ぶ内容が想像できない場合があります。
特に、新しい名称の学部では顕著です。
一年から四年で何を学ぶか。
どんな授業があるか。
卒業論文や研究は何をするか。
卒業生はどこに就職しているか。
保護者に届けるもの
学費の総額です。
そして、自宅から通えない場合の生活費です。
入学金、授業料、施設費。
四年間の総額。
下宿する場合の家賃と生活費の目安。
この情報がないと、保護者は判断できません。
高校教員に届けるもの
高校の進路指導の教員は、生徒に大学を勧める立場です。
入試の制度と難易度。
これまでの進学の実績。
入学後の学生の状況。
奨学金の制度。
高校訪問と、教員向けの説明会が経路になります。
三者に同時に届ける場面
オープンキャンパスは、三者のうち高校生と保護者が来る場面です。それぞれに向けたプログラムを用意してください。
どんな言葉で検索して、大学が探されているのか
学部名 大学と大学名 評判が中心です。
学部の内容から探す段階と、特定の大学を調べる段階で、必要な情報が違います。
学部から探す検索
心理学 学べる 大学情報系 大学 地域名看護 大学 地域名経営学部 何を学ぶ。
学びたい分野から、大学を探す段階です。
大学名での検索
大学名 評判大学名 就職大学名 学費大学名 偏差値。
候補に入っている大学を調べる段階です。
検索の型と対応
| 型 | 検索の例 | 段階 |
|---|---|---|
| 分野 | 心理学 学べる 大学 | 学部を探している |
| 職業 | 管理栄養士 大学 | 職業から逆算している |
| 大学名 | 大学名 評判 | 候補に入っている |
| 入試 | 大学名 総合型選抜 | 受験を検討している |
| 学費 | 大学 学費 平均 | 費用を調べている |
| 下宿 | 大学 一人暮らし 費用 | 進学の条件を調べている |
学部の内容を説明する
学部の名前だけでは、何を学ぶか分かりません。
特に、複合的な名称の学部では、想像できないことが多いです。
国際◯◯学部総合◯◯学部。
何を学ぶのか、どんな授業があるのか。
これを説明してください。
評判の検索
大学名 評判で出てくる情報を確認してください。
口コミサイト、掲示板、在学生や卒業生の投稿。
否定的な内容がある場合、その理由を確認してください。
大学が管理できない情報ですが、志願者は必ず読みます。
職業からの検索
◯◯になるにはという検索があります。
その職業に就くために必要な資格や学部を説明すると、その段階で見つかります。そして、自校がその条件を満たすことを示せます。
学費と下宿の費用を、どう説明すればいいのか
四年間の総額と、自宅通学と下宿で何が違うかを示すことです。
地方から進学する場合、学費より生活費が判断を左右することがあります。
四年間の総額
学費の示し方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入学金 | 入学時に一度 |
| 授業料 | 年度ごと |
| 施設費、実験実習費 | 学部によって差がある |
| 四年間の総額 | 最も重要な数字 |
| 学部ごとの差 | 理系と文系、医療系で大きく違う |
下宿の費用
自宅から通えない場合、生活費がかかります。
家賃。
食費。
光熱費。
通学の費用。
大学の周辺の家賃の目安を示している大学は、多くありません。
示すと、保護者が判断できます。
下宿の費用の示し方を、項目ごとに見ていきます。
家賃については、説明のための仮の値(月額)は40,000円から70,000円。
食費については、説明のための仮の値(月額)は30,000円から40,000円。
光熱費と通信費については、説明のための仮の値(月額)は15,000円から20,000円。
その他については、説明のための仮の値(月額)は20,000円から30,000円。
ここに出した数字は、説明のための仮の値です。
大学の所在地の実際の相場に置き換えてください。
学生寮
学生寮があるなら、その情報は重要です。
費用、部屋の様子、食事の有無、入寮の条件。
下宿の費用を抑えられることは、大きな判断材料になります。
奨学金と支援制度
奨学金の種類、申し込みの時期、対象になる条件。
授業料の減免の制度。
大学独自の支援。
これらは制度で定められており、変更されることがあります。
掲載時点の最新の公式情報で確認するよう促す形にしてください。
地方からの志願者
地方から都市部の大学へ、あるいはその逆。
どちらの流れでも、生活費が判断を左右します。
地方の大学が都市部から学生を集める場合、生活費の安さが訴求になります。
オープンキャンパスと総合型選抜の時期を、どう設計するか
総合型選抜が早期化しているため、オープンキャンパスの時期と出願の時期が近くなっています。
夏の来場から秋の出願までの流れを、あらかじめ設計しておく必要があります。
早期化している
総合型選抜や学校推薦型選抜の比率が上がり、早い時期に進路が決まる学生が増えています。
夏にオープンキャンパスに参加し、秋に出願する。
この流れが短くなっています。
年間の流れを、項目ごとに見ていきます。
4月から6月については、高校生の動きは進路を考えはじめる、大学がやることは情報の整備、高校訪問。
7月から8月については、高校生の動きはオープンキャンパス、大学がやることは来場の受け入れ、個別相談。
9月から10月については、高校生の動きは総合型選抜の出願、大学がやることは出願の支援、説明会。
11月から12月については、高校生の動きは学校推薦型選抜、大学がやることは—。
1月から3月については、高校生の動きは一般選抜、大学がやることは—。
オープンキャンパスの位置づけ
夏のオープンキャンパスが、出願の直前になります。
来場した日に、出願を検討してもらう必要があります。
説明を聞いて帰るだけでは、間に合いません。
総合型選抜の説明
総合型選抜は、制度が分かりにくいです。
何が評価されるのか。
何を準備すればいいのか。
いつ出願するのか。
併願できるのか。
この説明をしている大学と、していない大学があります。
高校2年への接触
進路の検討は、高校2年から始まります。
高校2年向けのプログラムを用意する大学があります。
早い段階で接触すると、第一志望になりやすくなります。
来場後の連絡
来場した高校生に、連絡を続けてください。
入試の日程、出願の締め切り、追加の説明会。情報として価値のある連絡にしてください。
就職の実績を、どう示せばいいのか
就職率の数字より、実際の就職先と、学部ごとの傾向を示すことです。
就職率は分母の取り方で変わるため、根拠を明示しない数字は判断材料になりません。
就職率の計算方法
就職率には、複数の計算方法があります。
卒業生全体に対する割合。
就職希望者に対する割合。
この違いで、数字が大きく変わります。
根拠を示す
数字を出すなら、次のことを書いてください。
いつの卒業生か。
卒業生は何名か。
就職を希望したのは何名か。
就職したのは何名か。
進学したのは何名か。
就職先を示す
就職の実績の示し方を、項目ごとに見ていきます。
就職率98%については、判断材料になるかは分母が分からない。
学部ごとの就職先の一覧については、判断材料になるかはなる。
業種別の内訳については、判断材料になるかはなる。
主な就職先の企業名については、判断材料になるかはなる。
資格を要する職への就職率については、判断材料になるかは専門的な学部では重要。
学部ごとに示す
大学全体の数字ではなく、学部ごとに示してください。
志願者が知りたいのは、自分が行く学部の卒業生がどうなったかです。
資格を要する職
看護、医療、教育、福祉。
資格を要する職に就くための学部では、資格の取得率と、その職に就いた人数が重要です。
表示の規制
学校の広告や表示には、規制が関わることがあります。
誤認させる表示、根拠のない数字。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
高校との関係は、どう作ればいいのか
高校訪問と、卒業生の状況の報告です。
進路指導の教員は、これまでの卒業生がどうなったかを見て、生徒に勧めるかを判断します。
高校訪問の役割
高校の進路指導の教員に、大学の情報を届ける機会です。
入試の制度。
学部の内容。
奨学金。
これまでの進学の実績。
卒業生の状況を報告する
その高校から進学した学生が、どうなっているか。
これが、最も重要な情報です。
きちんと通っているか。
成績はどうか。
就職はどうなったか。
高校教員が知りたいことを、項目ごとに見ていきます。
入学後の学生の状況については、なぜ知りたいかは勧めてよかったか。
退学の状況については、なぜ知りたいかは生徒が続けられるか。
就職の状況については、なぜ知りたいかは進路として妥当か。
奨学金の制度については、なぜ知りたいかは家庭の状況に応じた案内。
入試の傾向については、なぜ知りたいかは指導の材料。
継続的な関係
一度訪問して終わりではありません。
継続的に訪問し、情報を届けてください。
そして、その高校の出身者の状況を報告してください。
教員向けの説明会
複数の高校の教員を集めた説明会を開く方法があります。
効率的に情報を届けられ、教員同士の情報交換も生まれます。
在学生を活用する
その高校の出身の在学生が、母校を訪問する形があります。
教員にとっては、卒業生の状況が直接分かります。高校生にとっては、身近な先輩の話が聞けます。
限られた予算で、何から着手すればいいのか
学部の内容が分かる情報、学費と生活費の総額、学部ごとの就職の実績。
この三つが先です。
志願者数を追う前に、第一志望にされる理由を明確にする必要があります。
着手の順番
優先順位を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは学部で何を学ぶかを具体的に示す、理由は学部名だけでは伝わらない。
2については、やることは四年間の学費と生活費の総額、理由は保護者の判断材料。
3については、やることは学部ごとの就職の実績、理由は最も見られる情報。
4については、やることは高校との関係づくり、理由は継続的な経路。
5については、やることはオープンキャンパスの設計、理由は出願までの流れ。
6については、やることは総合型選抜の説明、理由は早期に決める層に届く。
7については、やることは広告、理由は受け皿が整ってから。
歩留まりを先に見る
合格を出しても入学しない状態なら、志願者を増やしても入学者は増えません。
なぜ第一志望にされていないのか。
他校と比べて何が足りないのか。
ここを確認してください。
学部ごとに設計する
学部によって、集まり方が違います。
そして、志願者の関心も違います。
大学全体の情報だけでなく、学部ごとの情報を整えてください。
動画の活用
高校生は、動画で判断します。
キャンパスの様子。
授業の様子。
在学生の話。
研究の紹介。
長いものは見られません。
短いものを複数用意してください。
構造的な減少を前提にする
18歳人口は減り続けます。
志願者数を維持することが、そもそも難しい状況です。
この前提で、定員の規模、学部の構成、大学の位置づけを見直す必要がある場合もあります。集客の施策だけでは解けない問題です。
よくある質問
志願者数は維持できているのに、入学者が増えません。
併願で受けられているだけで、第一志望にされていない可能性があります。合格者のうち入学した割合を確認してください。この割合が低いなら、他校と比べて選ばれる理由が不足しています。志願者を増やす施策より、選ばれる理由を明確にすることが先です。
学部の名前から学ぶ内容が伝わりません。
学部の名前だけで判断されると、候補から外れます。一年から四年で何を学ぶか、どんな授業があるか、卒業論文で何をするか、卒業生がどこに就職しているか。これを具体的に書いてください。学部の名称が複合的なほど、説明が必要です。
就職率をどう示せばいいですか。
数字だけでなく、根拠を示してください。いつの卒業生か、何名中何名か、分母は卒業生全体か就職希望者か。あわせて、学部ごとの就職先と業種別の内訳を示してください。志願者が知りたいのは、自分が行く学部の卒業生がどうなったかです。
地方の大学ですが、都市部から学生が来ません。
生活費の差が判断材料になります。大学周辺の家賃の相場、学生寮の有無と費用、生活にかかる金額の目安を示してください。都市部で下宿するより費用が抑えられることは、保護者にとって大きな判断材料です。
高校訪問で何を伝えればいいですか。
その高校から進学した学生がどうなっているかです。きちんと通っているか、成績はどうか、就職はどうなったか。これが、教員が次の生徒に勧めるかの判断材料になります。入試の制度や学部の説明だけでは、他大学と変わりません。
まとめ
- 志願者の総数を追うことから、自校を第一志望にする層を増やすことへの転換です。母集団が構造的に減る以上、他校との奪い合いの中で選ばれる理由を明確にする必要があります
- 高校生は学部の内容と大学生活、保護者は学費と就職、高校教員は進路指導の材料を見ています。同じ資料では、三者のどれにも十分に届きません
- 学部名 大学と大学名 評判が中心です。学部の内容から探す段階と、特定の大学を調べる段階で、必要な情報が違います
- 四年間の総額と、自宅通学と下宿で何が違うかを示すことです。地方から進学する場合、学費より生活費が判断を左右することがあります
- 総合型選抜が早期化しているため、オープンキャンパスの時期と出願の時期が近くなっています。夏の来場から秋の出願までの流れを、あらかじめ設計しておく必要があります
- 就職率の数字より、実際の就職先と、学部ごとの傾向を示すことです。就職率は分母の取り方で変わるため、根拠を明示しない数字は判断材料になりません
- 高校訪問と、卒業生の状況の報告です。進路指導の教員は、これまでの卒業生がどうなったかを見て、生徒に勧めるかを判断します
- 学部の内容が分かる情報、学費と生活費の総額、学部ごとの就職の実績。この三つが先です。志願者数を追う前に、第一志望にされる理由を明確にする必要があります