
出願の負担が小さい方式に件数が集まり、入学者数が変わらないまま数字だけが伸びます。
資料請求も一括の請求が中心になり、参加への転換が下がります。
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目次
目次
- 大学で資料請求と志願者の件数を追うと、何が起きるのか
- 発送の費用を費用に含める
- 大学で有効な資料請求の条件は、どう決めるのか
- 条件に合わない請求を切り捨てない
- 学部の希望が定まっていない層は、どう扱うのか
- 学部名の分かりにくさを補う
- 件数を増やす施策は、学内に何を起こすのか
- 受け入れの上限を先に出す
- 志願者の質が落ちた兆候は、どの数字で分かるのか
- 当日の内容が原因かを切り分ける
- 志願者の質を上げるために、広報の側で何ができるのか
- オンラインの枠を位置づける
- 入試の方式の設計は、志願者の質にどう関わるのか
- 方式の設計に広報を関与させる
- 大学の募集でリードの定義は、どこから決めるのか
- よくある質問
- まとめ
出願の負担が小さい方式に件数が集まり、入学者数が変わらないまま数字だけが伸びます。
資料請求も一括の請求が中心になり、参加への転換が下がります。
大学で資料請求と志願者の件数を追うと、何が起きるのか
出願の負担が小さい方式に件数が集まり、入学者数が変わらないまま数字だけが伸びます。
資料請求も一括の請求が中心になり、参加への転換が下がります。
募集の成果として最も共有されやすいのが、資料請求と志願者の件数です。
どちらも年度内に確定し、前年度との比較もしやすい数字です。
この2つを目標に置くと、増やす方法が先に見つかります。
資料請求は一覧の媒体の掲載を厚くすれば増えます。
志願者数は、出願の負担が小さい方式を増やせば伸びます。
同じ人が複数の方式に出願するためです。
どちらの増やし方も、入学者数を動かしません。
数字だけが伸びる状態になります。
さらに、一括の請求が増えると発送の費用が比例して増えます。
届かない相手への発送が増え、実質の費用は見かけより高くなります。
この2つの副作用が同時に起きると、効率の判断ができなくなります。
件数は伸び、見かけの獲得コストは下がり、入学者は変わりません。
発送の費用を費用に含める
資料請求の獲得コストを広告費だけで計算すると、実態から離れます。
印刷と発送の費用が、件数に比例して発生するためです。
この2つを含めた数字で、経路別に比較してください。
含めると、一括の請求の効率の見え方が変わります。
含めた数字を経営に出すと、件数を追う判断が変わります。
含めない数字だけで議論していると、件数の増加が成果に見えます。
資料請求と志願者の件数は、入学者数と連動しません。印刷と発送の費用を含め、延べと実人数を分けて見てください。
大学で有効な資料請求の条件は、どう決めるのか
オープンキャンパスの参加に至った人が共通して持つ条件を、記録から抜き出します。
条件は3つまでに絞り、請求の時点で判定できる項目にしてください。
有効の定義を、理想の志願者像から作らないでください。
実際に参加と出願に至った人の記録から、共通する条件を抜き出します。
抜き出す手順は、過去3年の請求者を項目ごとに分類することです。
分類したあとに、参加率が明らかに高い組み合わせを探します。
多くの場合、効いてくるのは請求の経路と学年です。
自校のサイトから請求した人は、大学名を選んでいます。
学年も判定に使えます。
高校3年の請求は、その年の出願につながる可能性が高くなります。
3つ目として、希望する学部が特定されているかどうかが使えます。
学部まで選んでいる請求は、検討が進んでいます。
条件を4つ以上にすると、判定が複雑になり運用が続きません。
3つに絞り、請求の時点で取れる項目だけで判定してください。
大学で有効な資料請求を判定する条件
| 判定の項目 | 取り方 | 参加に近い側 | 合わない請求の扱い |
|---|---|---|---|
| 請求の経路 | 流入の記録 | 自校サイトからの請求 | 参加の案内を軽く送る |
| 学年 | 請求時の選択 | 高校3年 | 高校2年は翌年度の対象 |
| 希望する学部 | 請求時の選択 | 学部まで特定 | 分野の案内に切り替える |
| 居住する地域 | 請求時の入力 | 通学と下宿の圏内 | 遠方は住まいの情報を添える |
| 興味のある入試の方式 | 請求時の選択 | 早い時期の方式 | 方式別の案内を分ける |
条件に合わない請求を切り捨てない
有効の定義を作ると、条件に合わない請求を無視する運用に流れます。
高校2年の請求は、翌年度の対象として残ります。
そのため、条件に合わない請求は別の経路に回してください。
翌年度の案内の対象として、記録を残します。
この層への接点が、翌年の参加者数を支えます。
切り捨てると、毎年ゼロから集め直すことになります。
有効の定義は参加に至った人の記録から作ります。条件は3つまでに絞り、合わない請求は翌年度の対象として残してください。
学部の希望が定まっていない層は、どう扱うのか
学部ではなく、関心の方向で分けて案内します。
学部名で選ばせると、名称から内容が想像できない層が漏れます。
資料請求の時点で、学部が定まっている人ばかりではありません。
分野の方向だけが決まっている層が、一定の割合を占めます。
この層に学部名で選ばせると、選べません。
学部の名称から、学ぶ内容が想像できないことがあるためです。
そのため、請求のフォームには関心の方向の項目を置いてください。
学部名と並列ではなく、別の項目として置きます。
関心の方向で分けると、案内の内容を変えられます。
複数の学部にまたがる案内を送る形になります。
この層は、参加までの距離が学部を決めている層より遠くなります。
一方で、参加したあとの出願率は低くありません。
そのため、切り捨てずに育成の対象としてください。
参加の案内を、複数の学部の日程で送る形が有効です。
学部名の分かりにくさを補う
近年、学部や学科の名称が多様になっています。
名称から学ぶ内容が読み取りにくい場合があります。
この状態では、一覧の媒体でも選ばれません。
名称の横に、何を学ぶかの一文が要ります。
一文は、卒業後の方向ではなく学ぶ内容で書いてください。
方向の記述には表現の制約があるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認します。
学部が定まっていない層には、関心の方向で分けて案内します。学部名から内容が読み取れない場合は、一文の説明を添えてください。
件数を増やす施策は、学内に何を起こすのか
発送の作業と、オープンキャンパスの受け入れの負荷が増えます。
教員の協力で回している接点では、件数の増加がそのまま負荷になります。
資料請求の件数が増えると、発送の作業が比例して増えます。
封入と発送を学内で行っている場合、事務の負荷が直接増えます。
参加者数が増えると、オープンキャンパスの受け入れが重くなります。
この事業では、当日の模擬授業や相談に教員が関わります。
教員の関与には限りがあります。
授業や研究を持っており、開催日に割ける人数は決まっています。
人数を超えて参加者を集めると、一人あたりの対応が薄くなります。
薄くなると、参加からの出願率が下がります。
つまり、件数を増やす施策が出願率を下げる形で戻ってきます。
この関係は、件数だけを見ていると気づけません。
そのため、参加者数の目標は受け入れの枠と合わせて置いてください。
枠を超える目標は、質の低下として跳ね返ります。
大学で件数を増やしたときに学内に起きること
| 増える件数 | 直接の負荷 | 質への影響 | 先に決めること |
|---|---|---|---|
| 資料請求 | 封入と発送の作業 | なし | 外部への委託の範囲 |
| 参加予約 | 当日の受け入れ人数 | 一人あたりの対応が薄まる | 開催あたりの上限 |
| 学部別の相談 | 教員の時間 | 相談の質が落ちる | 相談の枠と担当 |
| 出願 | 入試事務の処理 | なし | 処理の体制 |
| 合格者への連絡 | 連絡の件数 | 手続率に影響 | 連絡の担当と回数 |
受け入れの上限を先に出す
開催あたりの受け入れ人数は、学部ごとに違います。
実験や実習の設備を使う学部ほど、上限が小さくなります。
上限を先に出してから、目標の参加者数を置いてください。
上限を超える目標は、開催の回数を増やすしかありません。
回数を増やす場合は、教員の関与も増えます。
この調整を前年度のうちに行ってください。
件数の増加は発送と受け入れの負荷になります。参加者数の目標は、開催あたりの受け入れの上限と合わせて置いてください。
志願者の質が落ちた兆候は、どの数字で分かるのか
請求から参加への転換率と、参加からの出願率の2つです。
どちらも年度内に確定するため、入学を待つ必要がありません。
質の低下を入学者数で把握しようとすると、判断が1年遅れます。
年度内に手を打つには、もっと手前の数字が要ります。
最も早く動くのは、請求から参加への転換率です。
一括の請求の比率が上がると、この率が下がります。
次に動くのが、参加からの出願率です。
当日の対応の薄まりや、参加者の検討の浅さが現れます。
この2つを経路別に並べると、原因が特定できます。
経路によって転換率が大きく違えば、請求の質の問題です。
ただし、この2つは年度によっても動きます。
前の年度の同じ時期と比べる形にしてください。
比較のためには、週単位の記録が要ります。
日程がずれるため、週の番号で並べます。
当日の内容が原因かを切り分ける
参加からの出願率が落ちたとき、原因は2つに分かれます。
参加者の検討が浅いか、当日の内容が合っていないかです。
切り分けには、経路別の出願率を見ます。
すべての経路で落ちていれば、当日の内容に原因があります。
特定の経路だけで落ちていれば、その経路の請求の質の問題です。
この切り分けをせずに当日の内容を変えると、効果が出ません。
質の低下は請求から参加への転換率と、参加からの出願率に出ます。経路別に並べると、請求の質か当日の内容かを切り分けられます。
志願者の質を上げるために、広報の側で何ができるのか
請求の入口で関心の方向と学年を取り、案内の内容を分けます。
全員に同じ資料を送る運用が、転換率を下げる最大の要因になります。
広報の側で質に効くのは、配信の対象だけではありません。
請求のあとに何を送るかが、参加への転換を決めます。
全員に同じ資料を送ると、どの相手にも半端な内容になります。
学部まで決めている人には詳しすぎず、方向で迷っている人には難しすぎます。
そのため、請求の時点で関心の方向と学年を取ってください。
この2つがあれば、案内を分けられます。
分ける単位は、学部の群と学年の2軸で足ります。
細かく分けすぎると、制作と発送の運用が続きません。
もう1つが、参加の案内のタイミングです。
請求の直後に次の開催日を案内すると、転換率が上がります。
案内が遅れると、他大学の日程が先に埋まります。
請求から案内までの期間を、運用の指標として管理してください。
大学で請求から参加への転換を上げる打ち手
| 打ち手 | 効く場所 | 測る数字 | 運用の負荷 |
|---|---|---|---|
| 関心の方向と学年で案内を分ける | 資料の内容 | 経路別の参加率 | 制作が増える |
| 請求の直後に日程を案内する | 案内の時期 | 請求から案内までの日数 | 自動化で吸収できる |
| 保護者向けの情報を添える | 学費と住まいの不安 | 同伴参加の率 | 印刷が増える |
| オンラインの参加枠を用意する | 遠方と日程の制約 | 遠方からの参加率 | 運営の設計が要る |
| 学部ごとの体験の内容を示す | 参加の動機 | 参加予約の率 | 学部との調整 |
オンラインの枠を位置づける
オンラインの開催は、来校の代わりにはなりません。
施設や雰囲気を伝えられないためです。
一方で、遠方の層と日程の合わない層には有効です。
来校の前段階として位置づけると、機能します。
オンラインの参加者が、後から来校しているかを追ってください。
追わないと、来校の代替として扱われて出願率が下がります。
請求の時点で関心の方向と学年を取り、案内を分けてください。請求から案内までの日数を管理すると、転換率が上がります。
入試の方式の設計は、志願者の質にどう関わるのか
出願の負担が小さい方式ほど、併願が増えて手続率が下がります。
方式を増やす判断は、広報の数字だけでなく手続率の見込みと合わせて行ってください。
入試の方式の設計は、入試の部署が担います。
一方で、志願者の質には直接影響します。
出願の負担が小さい方式は、志願者数を伸ばします。
同時に、併願の比率も上がります。
併願が増えると、手続率が下がります。
同じ合格者数でも、入学者数が減ります。
そのため、方式を増やす判断には手続率の見込みが要ります。
志願者数の増加だけで判断すると、合格者数の設計が狂います。
もう1つの影響が、広報の接点との関係です。
早い時期の方式は、オープンキャンパスの参加と直接つながります。
年明けの方式は、参加していない層も出願します。
この層への接点は、検索と一覧の媒体が中心になります。
方式の設計に広報を関与させる
方式の設計を入試の部署だけで決めると、接点の設計と合いません。
早い時期の方式を増やすなら、参加の枠も増やす必要があります。
そのため、方式の設計の議論に広報を入れてください。
接点の枠と、必要な費用が同時に判断できます。
議論の時期は、前年度の秋が目安です。
方式の確定から募集の準備まで、時間が必要になります。
出願の負担が小さい方式ほど手続率が下がります。方式の設計の議論に広報を入れ、接点の枠と費用を同時に判断してください。
大学の募集でリードの定義は、どこから決めるのか
過去3年の請求者を、経路と学年と関心の方向で分類するところからです。
分類の結果が出れば、有効の条件は自動的に決まります。
定義づくりの作業は、議論ではなく集計から始まります。
理想の志願者像を話し合っても、判定に使える条件は出てきません。
最初にやるのは、過去3年の請求と参加と出願の記録を1つの表にすることです。
請求の時点で取った項目が残っているかを、この段階で確認します。
項目が足りていない場合は、まず記録を始めてください。
1年ぶん溜まれば、暫定の条件は出せます。
大学で募集のリードの定義づくりの着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 請求と参加と出願の記録を3年ぶんまとめる | 広報と入試 | 1か月 |
| 2 | 経路と学年と関心の方向ごとに参加率を出す | 広報 | 2週間 |
| 3 | 参加率の差が大きい条件を3つまで選ぶ | 広報責任者 | 1週間 |
| 4 | 定義を入試と学部と合意する | 広報と入試と学部 | 2週間 |
| 5 | 条件に合わない請求の扱いを決める | 広報 | 1週間 |
| 6 | 印刷と発送を含めた費用を出す形を作る | 広報と財務 | 2週間 |
数字は説明のための仮の値です。
請求1万件のうち、自校サイトからが2千件で参加率が30%、一括請求が8千件で参加率が6%なら、参加者数はそれぞれ600人と480人です。
件数では一括請求が4倍でも、参加者数は自校サイトのほうが多くなります。
ここに印刷と発送の費用を加えると、1人あたりの費用の差はさらに開きます。
この比較を一度示すと、件数の議論が構成の議論に変わります。
示さないかぎり、件数の多い経路が評価され続けます。
定義は毎年見直してください。
入試の方式や媒体の仕組みが変われば、参加に近い条件も変わります。
定義は議論ではなく集計から作ります。参加率の差が大きい条件を選び、印刷と発送を含めた費用で経路を比べてください。
大学の募集でリードの質の定義に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
請求から参加までの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
志願者数を増やす施策は成果になりますか
出願の負担が小さい方式を増やせば志願者数は伸びますが、同じ人が複数の方式に出願するため入学者数は変わりません。延べと実人数を分けて持ち、方式別の手続率と合わせて見てください。
有効な資料請求はどう判定しますか
過去3年の請求者を経路と学年と関心の方向で分類し、参加率の差が大きい条件を3つまで選びます。多くの場合、請求の経路と学年、希望する学部の特定の有無が効きます。請求の時点で取れる項目だけで判定してください。
学部が決まっていない層はどう扱いますか
学部名ではなく関心の方向で分けて案内してください。学部の名称から学ぶ内容が読み取れないことがあるため、名称で選ばせると漏れます。参加までの距離は遠くなりますが、参加後の出願率は低くありません。
参加者を増やすと出願率が下がるのはなぜですか
オープンキャンパスの当日は教員が模擬授業や相談に関わるため、受け入れ人数に上限があります。上限を超えて集めると一人あたりの対応が薄まり、出願率が下がります。目標は受け入れの上限と合わせて置いてください。
資料請求の獲得コストはどう計算しますか
広告費に印刷と発送の費用を加えてください。この2つは件数に比例して発生するため、含めないと一括請求の効率が実態より良く見えます。含めた数字で経路別に比較すると、件数を追う判断が変わります。
まとめ
- 出願の負担が小さい方式に件数が集まり、入学者数が変わらないまま数字だけが伸びます。資料請求も一括の請求が中心になり、参加への転換が下がります
- オープンキャンパスの参加に至った人が共通して持つ条件を、記録から抜き出します。条件は3つまでに絞り、請求の時点で判定できる項目にしてください
- 学部ではなく、関心の方向で分けて案内します。学部名で選ばせると、名称から内容が想像できない層が漏れます
- 発送の作業と、オープンキャンパスの受け入れの負荷が増えます。教員の協力で回している接点では、件数の増加がそのまま負荷になります
- 請求から参加への転換率と、参加からの出願率の2つです。どちらも年度内に確定するため、入学を待つ必要がありません
- 請求の入口で関心の方向と学年を取り、案内の内容を分けます。全員に同じ資料を送る運用が、転換率を下げる最大の要因になります
- 出願の負担が小さい方式ほど、併願が増えて手続率が下がります。方式を増やす判断は、広報の数字だけでなく手続率の見込みと合わせて行ってください
- 過去3年の請求者を、経路と学年と関心の方向で分類するところからです。分類の結果が出れば、有効の条件は自動的に決まります