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大学のマーケティングKPIの決め方|何を指標に置くべきか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約13分
大学のマーケティングKPIの決め方|何を指標に置くべきか

募集の単位が学部学科に分かれ、入試の方式ごとに歩留まりが違うからです。
全学の志願者数を1つの目標に置くと、どの学部の何が足りないかが見えません。

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募集の単位が学部学科に分かれ、入試の方式ごとに歩留まりが違うからです。
全学の志願者数を1つの目標に置くと、どの学部の何が足りないかが見えません。

大学のKPIが、全学で一本にまとまらないのはなぜか

募集の単位が学部学科に分かれ、入試の方式ごとに歩留まりが違うからです。
全学の志願者数を1つの目標に置くと、どの学部の何が足りないかが見えません。

大学のKPIが、全学で一本にまとまらないのはなぜか

大学の募集は、学部学科という複数の単位で同時に進みます。
定員も、入試の方式も、歩留まりも単位ごとに違います。

全学の志願者数を目標に置くと、この差が平均に埋もれます。
志願者が集まる学部と集まらない学部が、合計では区別できません。

さらに、入試の方式ごとに歩留まりが大きく違います。
早い時期の方式で合格した人と、一般の選抜で合格した人では、入学手続の率が別です。

方式を混ぜた合格率や手続率は、実務では使えません。
方式ごとに分けないと、必要な合格者数を設計できません。

もう1つの理由が、組織の分かれ方です。
広報は志願者の母数を、入試は合格と手続を見ています。

2つの部署が別の数字を見ているため、全学の指標が置かれないまま進みます。
置かれないと、予算の議論も部署ごとに分かれます。

志願者数を全学の目標に置く弊害

志願者数は、全学で最も共有しやすい数字です。
そのため、目標として置かれやすくなります。

ただし、志願者数は入試の方式の設計で動きます。
併願のしやすい方式を増やせば、同じ人が複数回出願します。

その結果、志願者数は伸びても入学者数は変わりません。
目標としては機能しない数字になります。

募集の単位が学部学科に分かれ、方式ごとに歩留まりが違うため、全学の志願者数は目標として機能しません。

大学の募集で逆算の起点は、どこに置くのか

学部学科ごとの入学定員に置きます。
そこから方式別の手続率、合格率、参加率の順に割り戻してください。

大学の募集で逆算の起点は、どこに置くのか

逆算を全学で行うと、実務では使えません。
定員が学部学科ごとに決まっているためです。

ある学科が定員を超えて集まっても、他の学科の不足は埋められません。
全学の入学者数が目標に届いていても、定員の管理の上では問題が残ります。

そのため、起点は学部学科ごとの入学定員に置きます。
そこから入学手続の率、合格の率、出願からの流れへと順に割り戻します。

この順で降ろすとき、方式ごとに分ける必要があります。
方式によって手続の率が大きく違うためです。

方式別に必要な合格者数が出れば、必要な出願数も決まります。
出願数から、必要なオープンキャンパスの参加者数と資料請求数が出ます。

率は過去3年の実績から、学科と方式の組み合わせで出してください。
単年では件数が少なく、振れが大きくなります。

大学で学部学科の定員から逆算する経路

段階出す数字割り算の中身主に動かす部署
1学科ごとの入学目標定員と充足の方針経営と学部
2方式別の必要な合格者数入学目標 ÷ 方式別の手続率入試
3方式別の必要な出願数合格者数 ÷ 方式別の合格率入試
4必要な参加者数出願数 ÷ 参加からの出願率広報と学部
5必要な資料請求数参加者数 ÷ 参加率広報

併願と手続率の読み

合格した人がすべて入学するわけではありません。
併願している人は、他大学の結果を見て判断します。

そのため、手続率を方式と学科の組み合わせで持つ必要があります。
この率が読めていないと、合格者数の設計ができません。

手続率は、年によっても動きます。
競合の入試の日程や定員の変更が影響するためです。

逆算の起点は学部学科ごとの入学定員です。率は学科と入試の方式の組み合わせで、過去3年から出してください

入試の方式ごとに、何が変わるのか

検討の時期、併願の状況、手続率のすべてが変わります。
方式を混ぜた数字で判断すると、必要な合格者数を読み誤ります。

入試の方式ごとに、何が変わるのか

入試の方式は、検討の時期によって分かれます。
早い時期の方式は、夏から秋にかけて出願が始まります。

この時期に出願する層は、志望が固まっていることが多くなります。
そのため、手続の率が高くなる傾向があります。

一方で、年明けの方式は併願が中心になります。
複数の大学に出願し、結果を見てから判断します。

この層の手続率は低くなります。
同じ合格者数でも、入学者数が大きく変わります。

方式ごとに接点の作り方も違います。
早い時期の方式には、オープンキャンパスの参加が直接つながります。

年明けの方式には、参加していない層も出願します。
この層への接点は、検索と一覧の媒体が中心になります。

大学で入試の方式ごとに変わるもの

方式の時期出願する層の状態併願の多さ手続率の傾向主な接点
早い時期の方式志望が固まっている少ない高いオープンキャンパス
秋の推薦の方式高校の関与がある中程度高い高校の進路指導
年明けの一般の方式併願が中心多い低い検索と一覧の媒体
共通の試験を使う方式出願の負担が小さい最も多い最も低い検索と一覧の媒体
後期の方式他校の結果を受けた判断中程度中程度検索と直接の問い合わせ

方式の設計が数字を動かす

入試の方式を増やすと、志願者数は増えます。
同じ人が複数の方式に出願するためです。

増えた志願者数を成果として扱うと、判断を誤ります。
入学者数が変わらないまま、志願者数だけが伸びます。

そのため、志願者数は延べと実人数の両方で持ってください。
実人数で見ないと、母数の変化が分かりません。

方式ごとに検討の時期と手続率が違います。志願者数は延べと実人数の両方で持ち、方式を混ぜた率で判断しないでください。

広報と入試で、どこまで指標を分けるのか

広報は出願までの母数、入試は出願以降の歩留まりを持ちます。
そのうえで、学科別の入学者数を共通の指標に置いてください。

広報と入試で、どこまで指標を分けるのか

広報と入試は、別の部署として動いています。
それぞれが動かせる範囲も違います。

広報が動かせるのは、資料請求、参加者数、出願までの母数です。
入試が動かせるのは、方式の設計、合格者数、手続の促進です。

この2つを別々の目標で管理すると、全体の数字がつながりません。
広報は母数を、入試は手続率を達成しても、入学者数が足りないことがあります。

そのため、学科別の入学者数を共通の指標に置いてください。
どちらか一方の努力では動かない数字です。

置くときは、内訳も同時に共有します。
方式別の出願数、合格者数、手続率の3つです。

この3つがあれば、どこが落ちたかがその場で分かります。
共有がないと、部署ごとの説明で終わります。

共通の指標を置く場を作る

共通の指標は、両部署の責任者が同じ場で決める必要があります。
片方が決めた指標は、もう片方に受け入れられません。

決める場には、経営の側も入ってください。
定員の管理と収入に直結する数字だからです。

決めた内容は文書に残します。
異動がある組織のため、口頭の合意は消えます。

広報は出願までの母数、入試は出願以降の歩留まりを持ちます。学科別の入学者数を共通の指標に置いてください。

学部の教員との関係で、指標はどう扱うのか

学部別の数字を学部に返し、目標は学部と合意して置きます。
本部が一方的に置いた目標は、学部の協力が得られません。

学部の教員との関係で、指標はどう扱うのか

募集の活動には、学部の教員が関わります。
オープンキャンパスの模擬授業や、高校での出張講義が該当します。

これらの活動は、教員の本務ではありません。
協力が得られなければ、接点そのものが作れません。

そのため、目標は学部と合意して置いてください。
本部が一方的に置いた目標は、協力の動機になりません。

合意のためには、学部別の数字を学部に返す必要があります。
自分の学部の充足と歩留まりが見えていなければ、判断できません。

返す周期は、募集の年度に合わせて年に数回です。
出願の時期と、手続の時期が節目になります。

返す内容は、方式別の出願数と手続率、そして前年度との比較です。
この3つがあれば、学部の側でも打ち手が考えられます。

教員の協力を数字に反映する

教員の協力は、時間として記録されないことが多くあります。
記録がないと、負荷の議論ができません。

模擬授業や出張講義の回数と時間を記録してください。
記録があると、目標の妥当性が判断できます。

この記録は、接点を増やす判断にも使えます。
負荷の上限を超えている状態では、回数を増やせません。

目標は学部と合意して置き、学部別の数字を返してください。教員の協力の時間を記録すると、目標の妥当性が判断できます。

全学のKPIは、いくつに絞るのか

量と質と効率を1つずつ、3つに収めます。
学部ごとの数字は内訳として持ち、全学の指標は増やさないでください。

全学のKPIは、いくつに絞るのか

関わる部署が多い組織では、指標が増えます。
広報、入試、学部、経営がそれぞれ見たい数字を持ち込むためです。

置くのは、量、質、効率の3つです。
量は参加者数、質は参加からの出願率、効率は入学者1人あたりの募集の費用になります。

量を資料請求ではなく参加者数にする理由は、一括請求の影響を避けるためです。
参加は本人が時間を使う行動で、意思が伴います。

質の指標を広報だけに持たせると、対立が起きます。
参加からの出願は、当日の内容と学部の関わり方で変わるためです。

効率の指標には、学部ごとに上限を置いてください。
学費と在籍年数が学部で違えば、払える上限も違います。

学部ごとの数字は、全学の指標の内訳として持ちます。
全学の指標そのものを増やすと、優先順位がつきません。

大学で全学のKPIと内訳の持ち方

種類全学で置く指標内訳として持つもの主に持つ部署
オープンキャンパスの参加者数学部別と学年別広報
参加からの出願率学部別と方式別広報と学部の共有
効率入学者1人あたりの募集の費用学部別広報と経営
共通学科別の入学者数方式別の出願と手続率広報と入試の共有
監視延べと実人数の志願者数方式別入試

指標を増やさない仕組み

期中に指標を増やしたいという要望は必ず出ます。
受ける枠を先に作っておいてください。

監視の枠で受け、しきい値を決めて共有だけ行います。
未達でも原因の特定までは求めません。

この線引きを年度の初めに文書にしておくと、指標が増える動きを止められます。
文書がないと、毎年増え続けます。

全学のKPIは量と質と効率の3つです。学部ごとの数字は内訳として持ち、全学の指標そのものは増やさないでください。

志願者数は伸びているのに入学者が足りないときは、何を見るのか

延べと実人数の差と、方式別の手続率を見ます。
方式を増やして延べの志願者が伸びている場合、実人数は変わっていません。

志願者数は伸びているのに入学者が足りないときは、何を見るのか

志願者数が伸びているのに入学者が足りない状態は、この事業で起こりやすい形です。
志願者数が延べで数えられているためです。

最初に見るのは、延べと実人数の差です。
同じ人が複数の方式に出願していれば、延べだけが伸びます。

実人数が横ばいなら、母数は変わっていません。
この場合、広報の側の課題として扱う必要があります。

次に見るのが、方式別の手続率です。
併願の多い方式の比率が上がっていれば、同じ合格者数でも入学者は減ります。

3つ目が、学科別の内訳です。
全学で足りていても、特定の学科で大きく不足していることがあります。

この3つを分けずに報告すると、打ち手が決まりません。
どこで落ちているかで、対応する部署が変わります。

手続率が落ちた年の扱い

手続率は、競合の動きで年ごとに動きます。
自校の施策だけでは説明できません。

そのため、前年度との差だけでなく3年の推移を見てください。
単年の変動と傾向を分ける必要があります。

3年続けて下がっている場合は、構造の問題です。
競合の設置や定員の変更を確認してください。

志願者数は延べと実人数の差から見ます。方式別の手続率と学科別の内訳を分けないと、打ち手が決まりません。

大学の募集のKPI設計は、どの順で進めるのか

学科と方式の組み合わせで、過去3年の歩留まりを出すところからです。
率が分からないと、必要な合格者数も参加者数も設計できません。

大学の募集のKPI設計は、どの順で進めるのか

KPI設計の作業の大半は、指標を選ぶことではありません。
学科と方式の組み合わせごとの率を、学内から集める作業です。

最初に集めるのは、学科別と方式別の出願、合格、手続の件数です。
3年ぶん並べると、率と年ごとの振れが分かります。

この集計は、入試の部署が持つ記録から出せます。
広報の記録とつなぐ必要はありません。

大学の募集のKPI設計の着手順

順番やること関わる人期間の目安
1学科と方式ごとの出願と合格と手続を3年ぶん出す入試2週間
2組み合わせごとの率を計算する入試と広報1週間
3学科の定員から必要な参加者数まで逆算する広報と入試と経営2週間
4志願者数を延べと実人数に分けて集計する入試1週間
5全学のKPIを量と質と効率の3つに絞って合意する広報と入試と学部1か月
6学部別の数字を返す形と周期を決める広報1週間

数字は説明のための仮の値です。
ある学科の定員が100人で、方式別の手続率が早い時期の方式で85%、一般の方式で30%とします。

早い時期の方式で40人を確保するなら合格者は約47人、一般の方式で60人を確保するなら合格者は200人になります。
同じ入学者数でも、必要な合格者数は方式で4倍以上違います。

この経路を学科ごとに1枚にすると、予算と方式の議論がその場で進みます。
1枚がないと、議論が前年比の増減に戻ります。

逆算の結果、必要な参加者数が現状の受け入れの枠を超えることもあります。
そのときは開催の回数か規模を増やすか、方式の設計を見直す判断になります。

着手点は指標の選定ではなく、学科と方式の組み合わせごとの3年分の集計です。率が揃えば、逆算は数週間で終わります。

大学の募集のKPIの置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。
募集の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

志願者数を全学の目標にしてよいですか

目標としては機能しません。入試の方式を増やせば同じ人が複数回出願するため、延べの志願者数は伸びても入学者数は変わりません。志願者数は延べと実人数の両方で持ち、監視の指標として扱ってください。

逆算はどこから始めますか

学部学科ごとの入学定員からです。そこから入学手続の率、合格の率の順に割り戻しますが、方式によって手続率が大きく違うため必ず方式別に分けてください。率は学科と方式の組み合わせで、過去3年から出します。

広報と入試で指標をどう分けますか

広報は出願までの母数、入試は出願以降の歩留まりを持ちます。そのうえで学科別の入学者数を共通の指標に置いてください。どちらか一方の努力では動かない数字のため、両部署が中身を一緒に見る動機が生まれます。

学部の教員の協力をどう得ますか

目標を学部と合意して置き、学部別の数字を返してください。本部が一方的に置いた目標は協力の動機になりません。模擬授業や出張講義の回数と時間を記録すると、目標の妥当性と負荷の上限が判断できます。

志願者は増えたのに入学者が足りないのはなぜですか

延べと実人数の差、方式別の手続率、学科別の内訳の3つを分けて見てください。方式を増やして延べだけが伸びている場合、母数は変わっていません。併願の多い方式の比率が上がると、同じ合格者数でも入学者は減ります。

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まとめ

  • 募集の単位が学部学科に分かれ、入試の方式ごとに歩留まりが違うからです。全学の志願者数を1つの目標に置くと、どの学部の何が足りないかが見えません
  • 学部学科ごとの入学定員に置きます。そこから方式別の手続率、合格率、参加率の順に割り戻してください
  • 検討の時期、併願の状況、手続率のすべてが変わります。方式を混ぜた数字で判断すると、必要な合格者数を読み誤ります
  • 広報は出願までの母数、入試は出願以降の歩留まりを持ちます。そのうえで、学科別の入学者数を共通の指標に置いてください
  • 学部別の数字を学部に返し、目標は学部と合意して置きます。本部が一方的に置いた目標は、学部の協力が得られません
  • 量と質と効率を1つずつ、3つに収めます。学部ごとの数字は内訳として持ち、全学の指標は増やさないでください
  • 延べと実人数の差と、方式別の手続率を見ます。方式を増やして延べの志願者が伸びている場合、実人数は変わっていません
  • 学科と方式の組み合わせで、過去3年の歩留まりを出すところからです。率が分からないと、必要な合格者数も参加者数も設計できません