
獲得の費用の上がり方と、計測の環境の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
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目次
目次
- 2026年のD2Cで、前提が変わったのはどこか
- 検索からの流入も変わっている
- 獲得の費用が上がる中で、D2Cは何を変えるのか
- 上昇の要因を分解する
- 広告の自動化が進むことは、D2Cに何をもたらすのか
- 制作の体制を先に考える
- 新しい配信面は、試すべきか
- 試す枠をどう確保するか
- 計測と同意の扱いは、D2Cにどう効くのか
- 変更の時期を記録に残す
- 2026年のD2Cの予算は、どう組めばいいのか
- 継続の枠を守る方法
- 環境の変化への対応を外部に相談するとき、何を確認するのか
- 社内で持つ判断
- 2026年のD2Cの打ち手は、何から着手すればいいのか
- 四半期ごとに確認すること
- よくある質問
- まとめ
獲得の費用の上がり方と、計測の環境の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
2026年のD2Cで、前提が変わったのはどこか
獲得の費用の上がり方と、計測の環境の2つです。
どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります。
2026年に入って、D2Cの獲得の前提が2つ変わりました。
広告の枠の競争と、計測の仕組みです。
競争については、投下の総量が増えています。
電通の「2025年 日本の広告費」では、インターネット広告費が4兆459億円で前年比110.8%、構成比は50.2%で初めて過半数を超えました。
電通デジタルの詳細分析では、媒体費が3兆3,093億円で前年比111.8%、運用型が2兆9,352億円で構成比88.7%でした。
同じ枠に投じられる額が増えれば、獲得の費用も上がります。
計測については、同意の扱いが整理されました。
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になっています。
この変化は、設定の状態によって計測の結果が変わることを意味します。
自社の設定を確認しないまま、数字の変化を運用の問題として扱わないでください。
検索からの流入も変わっている
検索については、順位を維持していても流入が減る状況が観測されています。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。
同じ調査では、日本の予測CTR24.1%に対して実測は9.0%でした。
課題から探す段階の流入が減れば、知られる機会も減ります。
これらの変化は、同時に起きています。
1つずつ対応するのではなく、計画の前提としてまとめて置いてください。
2026年に変わったのは獲得の費用の上がり方と、計測の環境です。計画の前提としてまとめて置いてください。
獲得の費用が上がる中で、D2Cは何を変えるのか
投下を減らす前に、回収を早める設計に手をつけます。
費用の上昇は外部要因でも起きるため、削減が最初の手とは限りません。
獲得の費用は、競合の投下や配信面の飽和で上がります。
自社の運用が悪化していなくても、上がることがあります。
この状況で最初に検討するのは、回収を早めることです。
回収が早まれば、同じ費用でも投下を続けられます。
回収を早める手段は3つです。
初回の価格の見直し、定期への引き上げの改善、継続の回数を伸ばす設計です。
このうち引き上げの改善は、費用がほとんどかかりません。
同梱物と案内の時期の調整で着手できます。
投下を減らす判断は、これらを検討した後になります。
減らせば件数は落ち、翌期の母数も減ります。
ただし回収が期限内に終わらない獲得は、減らす判断になります。
費用の上昇を、そのまま受け入れる必要はありません。
獲得の費用が上がったときの手順
| 順序 | やること | 費用 | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|
| 1 | 上昇の要因を費用と購入率に分解する | なし | 2週間 |
| 2 | 引き上げの案内の時期を見直す | 小さい | 3か月 |
| 3 | 初回の価格と定期の条件を見直す | なし | 3か月 |
| 4 | 経路ごとの回収月数で配分を変える | なし | 3か月 |
| 5 | 回収が終わらない経路の投下を減らす | なし | 即時 |
上昇の要因を分解する
費用の上昇は、クリックの費用と購入率のどちらかで起きます。
分けて見ないと、打ち手が決まりません。
クリックの費用が上がっているなら、外部の要因が主です。
購入率が下がっているなら、訴求か着地の設計に原因があります。
この分解を月次で行い、要因を記録してください。
記録がないと、翌年の計画で同じ議論を繰り返します。
費用の上昇には、投下の削減より先に回収を早める手を検討します。上昇の要因は費用と購入率に分解してください。
広告の自動化が進むことは、D2Cに何をもたらすのか
訴求の質が成果をより強く決めるようになります。
配信の調整で動く幅が小さくなり、作る側の投資が重みを持ちます。
広告の自動化が進むと、配信先や入札の細かい制御は減ります。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、2026年9月以降は新規のDSAキャンペーンを作成できない形になっています。
制御の幅が小さくなると、残る差は何を渡すかになります。
D2Cの場合、渡すものの中心は訴求と素材です。
商品が少ないため、訴求の違いがそのまま成果の違いになります。
この構造は、自動化が進むほど強まります。
そのため、投資の対象が運用から制作に移ります。
制作は一度で終わらず、継続の作業になります。
もう1つが、条件の設計です。
経路とオファーごとの上限を条件として与える形になります。
条件が曖昧だと、自動化は取りやすい獲得に寄ります。
取りやすいのは、強いオファーと指名検索です。
制作の体制を先に考える
自動化が進む前提では、制作の量と速度が制約になります。
月に何本作れるかが、検証の回数を決めます。
体制を先に考えずに配信の面だけを増やすと、素材が古いまま配信が続きます。
古い素材は、効率の悪化として現れます。
制作の体制には、表現の確認の工程も含めてください。
確認で滞ると、制作を早くしても意味がありません。
自動化が進むと、訴求の質が成果をより強く決めます。投資の対象を運用から制作に移してください。
新しい配信面は、試すべきか
条件を確認してから判断します。
D2Cの運用に合わない仕様であれば、試すこと自体が負担になります。
新しい配信面は、継続して増えています。
OpenAIのChatGPT広告は2026年2月9日に米国でテストが始まり、同年8月11日に本格稼働となりました。
日本での表示開始は2026年6月19日、セルフサーブの開放は6月29日ごろです。
表示対象はFreeとGoプランの成人ログインユーザーのみとされています。
課金の仕様も従来と異なります。
CPMはデフォルトで約60ドル、CPCの推奨は3から5ドルとされています。
配信の条件にも制約があります。
カスタムオーディエンスは25,000件以上のマッチが必要で、日予算は7日平均で最大2倍まで、地域は日本では都道府県単位です。
代理店専用のコンソールはありません。
こうした条件が自社の運用に合うかを確認してから、試す枠を判断してください。
条件が合わない場合、試すこと自体が負担になります。
試す前に、撤退の条件も決めておきます。
新しい配信面を試す前に確認すること
| 確認項目 | 見る内容 | 合わない場合の扱い |
|---|---|---|
| 課金の仕様 | 想定の獲得単価に収まるか | 試さない |
| 配信の条件 | 対象の指定が自社に合うか | 対象を変えて検討 |
| 必要なデータ量 | 手元のデータで足りるか | 蓄積を待つ |
| 運用の体制 | 誰が運用するか | 外部との分担を決める |
| 撤退の条件 | いつどの数字で判断するか | 開始前に決める |
試す枠をどう確保するか
新しい配信面を試す費用は、獲得の枠から出さないでください。
出すと、既存の獲得が減ります。
試す枠は、予備として確保した額から出します。
枠がない場合は、試す規模を小さくします。
試す期間は、購入の周期の1倍以上を取ります。
短すぎると、継続が起きる前に判断することになります。
新しい配信面は課金と配信の条件を確認してから判断します。試す枠は獲得の枠から出さないでください。
計測と同意の扱いは、D2Cにどう効くのか
集団ごとの比較の前提が変わります。
設定の変更の前後で、数字が連続しなくなることがあります。
D2Cは、獲得した集団ごとの比較で判断します。
比較の前提は、同じ方法で計測されていることです。
計測の仕組みが変われば、前後の数字が連続しなくなります。
連続していない数字を比べると、施策の効果を誤って判断します。
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になりました。
Googleシグナルは、レポート上のディメンションの表示可否のみを制御します。
同意モードを実装していない場合、ad_storageはgrantedが既定として扱われます。
自社の設定の状態を、まず確認してください。
関連する技術の動きもあります。
Googleは2025年10月17日に、Privacy Sandbox関連技術の大半を終了すると発表しました。
CHIPSなど一部は存続します。
計測の設計を組み直す場合は、この前提で行うことになります。
変更の時期を記録に残す
計測の設定を変えたときは、その時期を記録に残してください。
記録があれば、数字の変化を設定の変更と切り分けられます。
記録の場所は、集団の定義と同じ場所にします。
別の場所に書くと、後から突き合わせができません。
制度の側も動いています。
2026年4月7日に個人情報保護法の改正法案が閣議決定されましたが、施行日は未確認です。
制度側の運用が変わる領域のため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
計測の仕組みが変わると、集団ごとの比較の前提も変わります。設定を変えた時期を記録に残してください。
2026年のD2Cの予算は、どう組めばいいのか
獲得の枠とは別に、継続と備えの枠を金額で確保します。
獲得の枠だけで組むと、回収を早める投資が毎期削られます。
2026年の予算の傾向は、増加が中心です。
Comexposium Japanが2025年12月5日から19日に行った調査では、2026年の予算増が38.5%で前年比6.2ポイントの増加、横ばいが50.5%でした。
Macbee Planetが2025年12月5日から12日に行った調査では、予算増はBtoCが61.3%、BtoBが52.3%です。
削減の対象としては、BtoCでイベントや展示会が42.9%、CRMやリテンションが40.7%挙げられていました。
リテンションの削減は、D2Cでは回収に直結します。
継続の施策を削ると、回収月数が伸びて獲得の上限も下がります。
そのため、継続の枠は獲得とは別に金額で確保してください。
比率で置くと、全体の予算が動くたびに削られます。
もう1つが、備えの枠です。
課題を扱う情報の整備や、名前と課題を結びつける露出が入ります。
どちらも短期の効率では説明できません。
固定額として先に確保する形になります。
2026年のD2Cの予算で分ける枠
| 枠 | 内容 | 評価の期間 | 削らない条件 |
|---|---|---|---|
| 獲得 | 新規の獲得 | 四半期 | 条件内での件数 |
| 継続 | 引き上げと継続の施策 | 半期 | 回収月数の維持 |
| 備え | 情報の整備と露出 | 1年以上 | 中間の数字の進捗 |
| 制作 | 素材の企画と制作 | 四半期 | 検証の回数 |
| 予備 | 新しい配信面と変更への対応 | 随時 | 使途を四半期で判断 |
継続の枠を守る方法
継続の枠は、効果が見えるまでの期間が長くなります。
そのため、短期の効率で比較されると削られます。
守る方法は、回収月数を評価の指標にすることです。
回収が早まっていれば、枠は機能しています。
四半期ごとに回収月数を報告してください。
進捗が説明できない枠は、次の期で削られます。
継続と備えの枠を金額で確保します。継続の枠は回収月数を指標にして、四半期ごとに報告してください。
環境の変化への対応を外部に相談するとき、何を確認するのか
提案が自社の獲得と継続の実態に基づいているかを確認します。
変化の一覧を並べただけの提案では、優先順位が決められません。
環境の変化への対応を外部に相談すると、変更の一覧が提示されます。
一覧は有用ですが、自社への影響の大きさは示されません。
確認すべきは、自社の獲得の構成と継続の実態に基づく分析です。
どの変更が自社にどれだけ効くかを、数字で示してもらいます。
この分析には、自社のデータを渡す必要があります。
渡さずに提案を求めると、一般論にとどまります。
次に確認するのが、対応の優先順位の根拠です。
すべてに対応する提案は、実行できません。
投下額への影響が大きい順に並べてもらってください。
並べ方の根拠が説明できる相手が適しています。
Testifyの調査では、代理店への不満として経営層の56.3%が「費用が成果に見合わない」を挙げていました。
一覧だけの提案は、この不満につながります。
社内で持つ判断
外部に任せられるのは、変更の把握と対応の実行です。
どの変更に対応するかの優先順位は、社内で決めます。
判断には、集団ごとの回収月数と継続率が必要です。
どちらも社内にしかない情報です。
四半期ごとに、変更の一覧と自社への影響を確認する場を設けてください。
場がないと、変更に気づくのが遅れます。
提案は自社の獲得と継続の実態に基づくものを求めます。優先順位の判断は社内で行ってください。
2026年のD2Cの打ち手は、何から着手すればいいのか
集団ごとの回収月数が、この1年でどう動いたかを確認するところからです。
動いていれば、その原因を外部要因と自社の設計に分けます。
最初にやるのは、集団ごとの回収月数の推移の確認です。
1年前に獲得した集団と、直近の集団を比べます。
回収が遅くなっていれば、原因を分けます。
獲得単価が上がったのか、継続率が下がったのかです。
次に、獲得単価の上昇をクリックの費用と購入率に分解します。
費用が上がっているなら外部要因、購入率が下がっているなら設計の問題です。
その後、計測の設定と同意の扱いを確認します。
設定の変更が数字に影響していないかを見ます。
最後に、継続と備えの枠を金額で確保します。
確保の根拠は、回収月数を戻すために必要な投資です。
2026年のD2Cの打ち手に着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 集団ごとの回収月数の推移を確認する | マーケと経理 | 2週間 |
| 2 | 獲得単価の上昇を費用と購入率に分解する | マーケティング | 1週間 |
| 3 | 計測の設定と同意の扱いを確認する | マーケとシステム | 2週間 |
| 4 | 引き上げの案内の時期を見直す | マーケティング | 3週間 |
| 5 | 継続と備えの枠を金額で確保する | 経営 | 2週間 |
| 6 | 四半期ごとに変更と影響を確認する場を作る | マーケ責任者 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
1年前の集団の回収が5か月、直近の集団が8か月であれば、3か月伸びています。
獲得単価が8,000円から1万円に上がり、2回目の到達率が50%から42%に下がっているなら、両方が原因です。
どちらか一方だけを直しても、回収は戻りません。
着手から枠の確保までは、全体で8週間前後が目安です。
施策の効果が出るまでは、これとは別に3か月以上かかります。
四半期ごとに確認すること
四半期ごとに確認するのは、集団ごとの回収月数と媒体の変更の一覧です。
2つを同じ場で見ると、対応の優先順位が決まります。
あわせて、継続と備えの枠の中間の数字も並べます。
進捗が説明できれば、次の期でも枠は残ります。
この場の記録は残してください。
記録がないと、翌期の計画で同じ議論を最初から行うことになります。
着手点は集団ごとの回収月数の推移です。原因を獲得単価と継続率に分けてから、打ち手を決めてください。
D2Cブランドで2026年の環境変化への備えに迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
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よくある質問
獲得の費用が上がっているのは、自社の運用の問題ですか
投下の総量が増えている環境では、外部要因でも上がります。電通の調査ではインターネット広告費が前年比110.8%で、構成比も初めて過半数を超えました。まずクリックの費用と購入率に分解して、要因を切り分けてください。
費用が上がったら、投下を減らすべきですか
減らす前に、回収を早める手を検討してください。初回の価格の見直し、引き上げの改善、継続の回数を伸ばす設計の3つです。ただし回収が期限内に終わらない経路の投下は、減らす判断になります。
広告の自動化が進むと、D2Cは何を変えるべきですか
投資の対象を運用から制作に移してください。配信の調整で動く幅が小さくなり、訴求の質が成果をより強く決めます。あわせて経路とオファーごとの上限を条件として与えないと、取りやすい獲得に寄ります。
新しい配信面は試すべきですか
課金と配信の条件を確認してから判断してください。対象の指定や必要なデータ量が自社に合わない場合、試すこと自体が負担になります。試す枠は獲得の枠から出さず、撤退の条件も開始前に決めます。
2026年の予算は、どう組めばいいですか
獲得の枠とは別に、継続と備えの枠を金額で確保してください。継続の施策を削ると回収月数が伸び、獲得の上限も下がります。継続の枠は回収月数を評価の指標にして、四半期ごとに報告します。
まとめ
- 獲得の費用の上がり方と、計測の環境の2つです。どちらも運用の工夫では戻らない変化で、計画の前提として扱う必要があります
- 投下を減らす前に、回収を早める設計に手をつけます。費用の上昇は外部要因でも起きるため、削減が最初の手とは限りません
- 訴求の質が成果をより強く決めるようになります。配信の調整で動く幅が小さくなり、作る側の投資が重みを持ちます
- 条件を確認してから判断します。D2Cの運用に合わない仕様であれば、試すこと自体が負担になります
- 集団ごとの比較の前提が変わります。設定の変更の前後で、数字が連続しなくなることがあります
- 獲得の枠とは別に、継続と備えの枠を金額で確保します。獲得の枠だけで組むと、回収を早める投資が毎期削られます
- 提案が自社の獲得と継続の実態に基づいているかを確認します。変化の一覧を並べただけの提案では、優先順位が決められません
- 集団ごとの回収月数が、この1年でどう動いたかを確認するところからです。動いていれば、その原因を外部要因と自社の設計に分けます