経営コンサルの商談化率を上げる|引き渡しの設計を変える

経営者は、目の前にいる人の力量で会社を判断します。
若手が窓口になる設計にすると、その後の提案がどれだけ良くても届きません。
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目次
目次
- 初回の面談に誰が出るかで、結果がほぼ決まる
- 無形のサービスで判断されるもの
- 面談の前に、何を聞いておくか
- 聞く内容
- 面談で、何を話すか
- 相手が知りたいこと
- 決裁に関わる人が出てこない場合
- 伝言で失われるもの
- 提案に進む前に、案件を選ぶ
- 提案を出す基準
- 複数社で比較されているときの進め方
- 比較されている前提で組み立てる
- 提案が進まないときに、疑う場所
- 上流から順に確認する
- 面談から提案までの設計を、どう変えるか
- 事前の確認から始める理由
- よくある質問
- まとめ
経営者は、目の前にいる人の力量で会社を判断します。
若手が窓口になる設計にすると、その後の提案がどれだけ良くても届きません。
初回の面談に誰が出るかで、結果がほぼ決まる
経営者は、目の前にいる人の力量で会社を判断します。
若手が窓口になる設計にすると、その後の提案がどれだけ良くても届きません。
問い合わせから提案までの過程で、最も結果を左右するのは初回の面談です。
その面談に誰が出るかが、設計の中心になります。
無形のサービスで判断されるもの
経営に関わる支援には、事前に見せられる実物がありません。
相手が判断の材料にするのは、目の前の人との会話です。
的確な質問が来るか、自社の状況を短時間で理解するか。
シニアの時間が制約になる
的確な面談ができる人は、社内に数人しかいません。
その人たちは、既存の案件で稼働しています。
すべての初回面談に出ることはできません。
面談に出る人と、その後の違い
| 面談に出る人 | 相手の受け止め | 提案に進む確率 | 使われる時間 |
|---|---|---|---|
| 経験のあるコンサルタント | 判断の材料になる | 高い | 貴重 |
| 若手のコンサルタント | 力量が読めない | 中くらい | 確保しやすい |
| 営業の担当者 | 商品の説明になる | 低い | 確保しやすい |
| 2名での同席 | 説明と判断の両方 | 高い | 2人分 |
| オンラインでシニアが短時間同席 | 判断の材料になる | 中くらいから高い | 少ない |
| 書面と資料のみ | 判断できない | 低い | ほぼ不要 |
全件に出さずに、質を保つ方法
シニアが全件に出られないなら、出る案件を選ぶ仕組みが要ります。選ぶには、事前に情報が要ります。事前の情報収集の設計が、面談の設計になります。
面談の前に、何を聞いておくか
事前に3つから5つの質問に答えてもらうと、誰が出るべきかが判断できます。
回答の有無自体が、検討の段階を示します。
問い合わせを受けてすぐに面談を設定すると、当日まで中身が分かりません。
事前の確認を1往復入れます。
聞く内容
いま何に困っているか。
いつまでに何を実現したいか。
社内で誰と話しているか。
過去に外部を使った経験はあるか。
聞き方
事前に確認する項目と、聞き方
| 項目 | 聞き方 | 分かること |
|---|---|---|
| 課題の中身 | いま最も困っていることを教えてください | 提案の焦点 |
| 時期 | いつまでに何を実現したいですか | 検討の段階 |
| 社内の状況 | この件はどなたと検討されていますか | 決裁の道筋 |
| 過去の経験 | 以前に外部の支援を使われたことはありますか | 進め方の期待 |
| 面談の参加者 | 当日はどなたがご参加されますか | 同席者の確認 |
| 規模の想定 | どの程度の体制を想定されていますか | 費用の議論の準備 |
メールで聞くか、電話で聞くか
メールで送ると、回答に時間がかかります。
電話で15分話すほうが、多くが分かります。
相手の負担も、実際には電話のほうが小さくなることがあります。
回答がない場合の扱い
回答がないまま面談を設定すると、当日に情報がありません。回答がない場合は、若手が出るか、面談の前に短い電話を入れます。回答しない相手は、検討の段階が浅いことが多くなります。
面談で、何を話すか
自社の紹介から始めると、相手の課題を聞く時間がなくなります。
最初の40分を相手の話に使い、自社の説明は最後にします。
初回の面談で、会社紹介の資料を最初から説明する形がよく見られます。
この順序が、提案に進む確率を下げます。
相手が知りたいこと
相手が知りたいのは、自社の課題が解決できるかどうかです。
コンサルティング会社の沿革や実績の一覧は、その判断には直接つながりません。
60分の配分
初回面談の時間の配分
| 時間 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 最初の5分 | 面談の目的と進め方の確認 | 期待を揃える |
| 5分から45分 | 相手の状況と課題を聞く | 理解を示す |
| 45分から55分 | 理解した内容の整理と、進め方の案 | 価値を渡す |
| 55分から60分 | 次の段取りの確認 | 前に進める |
| 面談後 | 当日中に整理した内容を送る | 記憶に残す |
聞くだけで終わらせない
聞いて終わると、話を聞いてもらったという印象しか残りません。
聞いた内容をその場で整理して返します。
この整理の質が、力量の判断材料になります。
提案するかどうかを、その場で確認する
面談の最後に、提案を作るかどうかを確認します。
持ち帰って検討しますという返答のまま終わると、その後が進みません。
提案を作る場合の期間と内容を、その場で決めます。
当日中に送る
面談で整理した内容を、当日中に文書で送ります。相手が社内で共有する材料になります。翌日以降になると、社内の議論が先に進んでしまいます。
決裁に関わる人が出てこない場合
担当者との面談だけでは、社内で内容が伝わりません。
経営者の同席を求めるか、社内で説明できる資料を渡すかのどちらかが要ります。
経営に関わる支援は、最終的に経営者が決めます。
その人が面談に出ていない場合、伝言で判断されることになります。
伝言で失われるもの
担当者が理解した内容が、経営者に同じ形で伝わることはありません。
特に、なぜその進め方が良いのかという理由の部分が落ちます。
費用だけが残って、高いという判断になります。
決裁者が出ない場合の対応
| 状況 | 対応 | 効果 |
|---|---|---|
| 担当者が窓口になっている | 社内で使える資料を渡す | 伝言の精度が上がる |
| 経営者が忙しい | 短時間の同席を提案する | 判断の材料になる |
| 社内で検討が始まっていない | 担当者と共に社内の提案を作る | 味方になってもらう |
| 担当者に権限がない | 決裁の道筋を確認する | 次の段取りが決まる |
| 複数の部門が関わる | 関係者の同席を求める | 議論が一度で済む |
| 経営者が乗り気でない | 担当者経由では進まない | 別の接点を探す |
社内で使える資料の形
面談で整理した課題と、進め方の案を1枚にまとめます。
その1枚が、担当者の社内説明の資料になります。
長い資料は、社内で読まれません。
担当者を味方にする
担当者は、社内で提案を通す当事者です。
その人が社内で説明しやすい形を作ることが、受注につながります。
担当者の立場を理解した対応が要ります。
進まない場合の見極め
経営者に届かないまま数か月が経つ場合、その案件は動きません。追いかけ続けるより、情報の提供に切り替えます。
提案に進む前に、案件を選ぶ
提案書の作成には、数十時間かかることがあります。
すべての相談に提案を出すと、稼働が消えます。
提案を作る作業は、コンサルティングそのものに近い工数がかかります。
選ばずに出すと、受注しなかった分が損失になります。
提案を出す基準
時期と予算の目処があること。
自社の得意な領域であること。
実行する体制が相手側にあること。
提案を出すかどうかの判断を、項目ごとに見ていきます。
時期の目処については、満たしている場合は提案を出す、満たしていない場合は情報の提供に切り替える。
予算の想定については、満たしている場合は提案を出す、満たしていない場合は概算を先に提示する。
領域の適合については、満たしている場合は提案を出す、満たしていない場合は他を紹介するか断る。
相手の実行体制については、満たしている場合は提案を出す、満たしていない場合は体制づくりを含めた提案にする。
競合の状況については、満たしている場合は条件次第、満たしていない場合は勝てる理由があるか確認。
稼働の空きについては、満たしている場合は提案を出す、満たしていない場合は着手時期をずらす提案。
概算を先に出す
正式な提案の前に、概算の規模を伝えます。
金額が大きく外れていれば、その時点で分かります。
数十時間をかけた後に金額で外れる事態を避けられます。
断る判断を早くする
自社の領域から外れる相談は、早く断ります。
丁寧に検討してから断ると、双方の時間が無駄になります。
断る際に、考え方だけでも伝えると関係が残ります。
提案にかけた時間を記録する
案件ごとに、提案にかけた時間を記録します。受注しなかった案件の合計時間が、選別の必要性を示します。
複数社で比較されているときの進め方
費用の比較になると、無形のサービスでは差が見えません。
進め方の違いと、誰が担当するかで判断してもらう形に持ち込みます。
コンサルティングの選定では、複数社に提案を求めることがあります。
比較されている前提で組み立てる
他社も同じ課題を聞き、同じような提案を出します。
違いが出るのは、課題の捉え方と、誰が担当するかです。
比較の場面で差がつく要素を、項目ごとに見ていきます。
課題の捉え方については、差がつくかは大きくつく、示し方は相手が気づいていない論点を出す。
進め方の具体性については、差がつくかはつく、示し方は最初の1か月の動きを詳しく書く。
担当する人については、差がつくかは大きくつく、示し方は誰が何時間関わるかを明示。
費用については、差がつくかはつくが不利になりやすい、示し方は総額ではなく内訳で説明。
過去の実績については、差がつくかはつくが制約がある、示し方は公開できる範囲で示す。
その後の関わり方については、差がつくかはつく、示し方は支援の終わり方を示す。
担当者を明示する
提案書に会社名だけを書くと、誰が来るか分かりません。
担当する人と、その人が月に何時間関わるかを明示します。
無形のサービスでは、この情報が判断の材料になります。
実績の示し方
守秘の制約で、支援先の社名を出せないことがあります。
業種と規模と、取り組んだ課題の種類だけを示す形になります。
許可のない実績を、社名を伏せた形でも具体的に書くことはできません。
費用を内訳で説明する
総額だけを示すと、他社との比較で金額の大小になります。関わる人数、期間、想定する稼働時間の内訳を示します。内訳があると、何に対する費用かが分かります。
提案が進まないときに、疑う場所
提案の中身より、面談の設計と事前の確認を先に疑います。
同じ相談でも、誰が出てどう聞いたかで結果が変わります。
提案に進まない、あるいは提案しても決まらないとき、原因を探す順序があります。
上流から順に確認する
提案が進まないときの確認の順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、確認することは事前の確認を行っているか、確認の方法は面談前のやり取りを見る。
2については、確認することは面談に誰が出ているか、確認の方法は担当者別に結果を集計する。
3については、確認することは面談の時間の使い方、確認の方法は面談の記録を読む。
4については、確認することは当日中に整理を送っているか、確認の方法は送付の記録を見る。
5については、確認することは決裁者に届いているか、確認の方法は面談の参加者を確認。
6については、確認することは提案の内容、確認の方法は提案書を読み返す。
担当者別に集計する
同じような相談でも、面談に出た人によって結果が違います。
その差は、聞き方と整理の仕方にあります。
提案に進む比率の高い人のやり方を、記録して共有します。
面談の記録を残す
誰が出て、何を聞き、何を返したか。
この記録がないと、差の原因が分かりません。
短い項目でよいので、記録を残す形を作ります。
外部に相談するときの確認
面談から提案までの設計を外部に相談する場合、無形のサービスの販売を扱った経験があるかを確認します。商品の説明を改善する提案だけでは、力量で判断される場面に効きません。
面談から提案までの設計を、どう変えるか
事前の確認を1往復入れることからです。
情報がないまま面談を設定している状態を変えると、誰が出るかの判断ができます。
設計の変更は、小さいところから始めます。
事前の確認は、今週からでも始められます。
面談の設計を変える作業の並びを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去1年の面談と提案の結果を担当者別に集計する、関わる人はマーケティング、期間の目安は2週間。
2については、やることは事前に確認する質問を4つ決める、関わる人は経営・コンサルタント、期間の目安は1週間。
3については、やることは問い合わせ後の連絡の手順を決める、関わる人はマーケティング、期間の目安は1週間。
4については、やることは面談の時間の配分を決めて共有する、関わる人はコンサルタント、期間の目安は2週間。
5については、やることは面談後に送る整理の様式を作る、関わる人はコンサルタント、期間の目安は2週間。
6については、やることは提案を出すかどうかの基準を決める、関わる人は経営、期間の目安は3週間。
事前の確認から始める理由
費用がかからず、今週から始められます。
結果が1か月で見えます。
効果が確認できれば、次の変更が進めやすくなります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
年間の問い合わせが60件、面談が45件、提案が14件、受注が6件だとします。
事前の確認を入れることで面談が32件に減り、提案が16件、受注が8件になったとします。
面談が13件減った分、コンサルタントの時間が約39時間浮いています。
その時間を提案の質に使えば、受注率がさらに上がります。
面談から提案までの状態を見る数字を、項目ごとに見ていきます。
問い合わせから面談に進んだ比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは事前の絞り込みの機能。
面談から提案に進んだ比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは面談の質。
担当者別の提案に進む比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかはやり方の差。
面談後の整理を当日中に送った比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは対応の速さ。
決裁者が同席した比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは届き方。
提案にかけた時間の合計については、見る頻度は四半期、何が分かるかは稼働への影響。
当日中に送る比率を測る
整理した内容を当日中に送れているかを測ります。
この1つの数字で、対応の速さが分かります。
記録を短くする
記録の項目を増やすと、書かれなくなります。
6項目程度に絞り、選択式を中心にします。
相談から提案までの進め方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の流れを見てもらうところから始められます。受け渡しの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
初回の面談には誰が出るべきですか
経営者は目の前の人の力量で会社を判断します。経験のあるコンサルタントが出る案件を選ぶ必要があるため、事前の確認で誰が出るかを判断できる仕組みを作ります。
面談の前に何を確認すればいいですか
課題の中身、時期、社内で誰と検討しているか、過去に外部を使った経験があるか。この4つです。回答の有無自体が検討の段階を示します。
面談で何から話せばいいですか
会社紹介からではなく、相手の話を聞くことからです。60分なら最初の40分を相手に使い、聞いた内容をその場で整理して返す形にすると、力量が伝わります。
経営者が面談に出てきません
担当者が社内で使える1枚の資料を渡してください。伝言では、なぜその進め方が良いのかという理由が落ちて、費用だけが残ります。
すべての相談に提案を出すべきですか
提案書の作成には数十時間かかります。時期と予算の目処、領域の適合、相手の実行体制を確認し、概算を先に提示してから正式な提案に進む形にしてください。
まとめ
- 経営者は、目の前にいる人の力量で会社を判断します。若手が窓口になる設計にすると、その後の提案がどれだけ良くても届きません
- 事前に3つから5つの質問に答えてもらうと、誰が出るべきかが判断できます。回答の有無自体が、検討の段階を示します
- 自社の紹介から始めると、相手の課題を聞く時間がなくなります。最初の40分を相手の話に使い、自社の説明は最後にします
- 担当者との面談だけでは、社内で内容が伝わりません。経営者の同席を求めるか、社内で説明できる資料を渡すかのどちらかが要ります
- 提案書の作成には、数十時間かかることがあります。すべての相談に提案を出すと、稼働が消えます
- 費用の比較になると、無形のサービスでは差が見えません。進め方の違いと、誰が担当するかで判断してもらう形に持ち込みます
- 提案の中身より、面談の設計と事前の確認を先に疑います。同じ相談でも、誰が出てどう聞いたかで結果が変わります
- 事前の確認を1往復入れることからです。情報がないまま面談を設定している状態を変えると、誰が出るかの判断ができます