
経営コンサルティングは提供の範囲が広く、説明が抽象的になります。
抽象的な説明は、他社と区別がつかないため比較の土俵に乗りません。
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目次
目次
- 何でもできると言うと、誰からも選ばれない
- 説明が抽象的になる理由
- どの軸で絞るかを決める
- 4つの軸
- 方法論を、どこまで公開するか
- 公開しない場合
- 費用の根拠を、どう示すか
- 総額だけを示すことの問題
- 実績を出せない制約の中で、信頼をどう作るか
- 実績以外で判断される要素
- 大手との比較で、どこに立つか
- 比較の基準をずらす
- 絞り込みの検討が空回りする場面
- 社内で出る強み
- 絞る軸を決めるまでの段取り
- 分類で見えること
- よくある質問
- まとめ
経営コンサルティングは提供の範囲が広く、説明が抽象的になります。
抽象的な説明は、他社と区別がつかないため比較の土俵に乗りません。
何でもできると言うと、誰からも選ばれない
経営コンサルティングは提供の範囲が広く、説明が抽象的になります。
抽象的な説明は、他社と区別がつかないため比較の土俵に乗りません。
差別化の議論が、支援の質や実績の話に向かうと、抽象的な結論になります。
先に確認するのは、何をする会社として認識されているかです。
説明が抽象的になる理由
経営の課題は、業種によっても規模によっても違います。
幅広く対応できることを示そうとすると、説明が一般的になります。
成長を支援する、課題を解決する、組織を変える。
これらの言葉は、どの会社も使っています。
選ぶ側の状況
経営者が相談先を探すとき、自分の課題に近い会社を探します。
一般的な説明からは、自分の課題に合うかが判断できません。
結果として、紹介で名前が挙がった相手だけが検討されます。
説明の抽象度と、相手の判断
| 説明の仕方 | 相手の受け取り方 | 比較の土俵に乗るか |
|---|---|---|
| 経営全般を支援する | 何をするか分からない | 乗らない |
| 特定の領域に絞る | 自分の課題と近いか判断できる | 乗る |
| 特定の業種に絞る | 業界の事情が分かるか判断できる | 乗る |
| 特定の規模に絞る | 体制が合うか判断できる | 乗る |
| 特定の局面に絞る | いまの状況に合うか判断できる | 乗る |
| 方法論を示す | 進め方が想像できる | 乗る |
絞ることへの抵抗
絞ると、対象外の相談が来なくなります。
実際には対応できる領域まで、狭く見られることを懸念します。
ただし、幅広く見られている状態では、そもそも候補に入っていません。候補に入ることが先になります。
どの軸で絞るかを決める
領域、業種、規模、局面の4つが主な軸になります。
どれか1つで絞れば、説明が具体的になります。
絞る軸には、いくつかの選択肢があります。
すべてで絞る必要はありません。
4つの軸
扱う経営の領域で絞る。
支援する業種で絞る。
企業の規模で絞る。
企業が置かれた局面で絞る。
絞る軸と、向いている会社
| 軸 | 絞り方の例 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 領域 | 特定の経営機能に限る | 専門性が明確 | 対象が広くなりやすい |
| 業種 | 特定の産業に限る | 業界の知見が深い | 業界の景気に左右される |
| 規模 | 従業員数や売上で限る | 体制が合っている | 成長すると外れる |
| 局面 | 事業承継や再建などの状況 | 経験が特定の局面に集中 | 需要の波がある |
| 複数の組み合わせ | 領域と規模など | 対象が明確になる | 対象が小さくなりすぎる |
| 絞らない | 幅広く対応 | 紹介が十分にある | 新規の候補に入りにくい |
実績から決める
絞る軸は、希望ではなく実績から決めます。
過去3年の支援先を、業種、規模、領域、局面で分類します。
偏りがある軸が、自社の実態です。
偏りがない場合
どの軸でも偏りがない場合、絞る根拠がありません。
そのときは、最も成果が出た案件の共通点を探します。
うまくいった案件に共通する条件が、絞る軸の候補になります。
絞っても対応範囲は変えない
対外的な説明を絞ることと、実際に受ける案件を限定することは別です。説明を絞っても、他の相談が来れば受けられます。
方法論を、どこまで公開するか
進め方を示すと、真似されることを懸念する声が出ます。
実際には、進め方を知っても実行できないため、公開の効果のほうが大きくなります。
コンサルティングの差別化で、方法論を示すかどうかは判断が分かれます。
公開しない場合
何をするかが分からないため、相手は判断できません。
面談で説明することになりますが、面談に至る前に候補から外れます。
公開する場合の懸念
他社に真似される。
顧客が自社で実行してしまう。
実際に起きること
進め方を知っても、実行には経験が要ります。
公開した内容を見て、この会社は分かっていると判断されるほうが多くなります。
公開の範囲の判断
| 内容 | 公開するか | 理由 |
|---|---|---|
| 課題の捉え方 | する | 考え方が伝わる |
| 進め方の全体像 | する | 判断の材料になる |
| 各段階で何をするか | する | 具体性が信頼につながる |
| 使う道具や様式 | 一部する | 実物は面談で |
| 判断の基準 | する | 専門性が伝わる |
| 支援先の固有の内容 | しない | 守秘の対象 |
守秘の線引き
支援先の名前や、支援先が特定される内容は公開できません。
方法論と考え方の部分を抜き出して公開します。
許可のない実績を、社名を伏せた形でも具体的に書くことはできません。
公開の形
記事、資料、セミナー、書籍。同じ内容でも、形によって届く相手が違います。書籍は信頼の形成に効きますが、時間と費用がかかります。
費用の根拠を、どう示すか
高い理由を実績や専門性で説明すると、比較のしようがありません。
何に対する費用かを内訳で示すと、判断ができる形になります。
コンサルティングの費用は、相手から見て根拠が分かりにくいものです。
総額だけを示すことの問題
月額いくら、期間いくらという提示だけでは、何に対する費用か分かりません。
比較の対象が他社の総額だけになり、安いほうが選ばれます。
内訳で示す
誰が、何時間、何をするか。
この内訳があると、費用の構造が分かります。
費用の説明に含める要素
| 要素 | 示す内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 関わる人 | 誰が担当するか | 力量の判断ができる |
| 関与の時間 | 月に何時間か | 費用の根拠が分かる |
| 行う作業 | 各段階で何をするか | 価値が見える |
| 成果物 | 何が残るか | 具体性が出る |
| 期間 | いつからいつまでか | 計画が立つ |
| その後の関わり | 終了後どうなるか | 不安が減る |
成果報酬の扱い
成果に連動した報酬の形を求められることがあります。
成果の定義が難しく、外部要因の影響も受けます。
採用する場合は、何をもって成果とするかを厳密に決めます。
成果を保証する表現には注意が要ります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
値引きを求められたとき
期間を短くする、関与する人数を減らす、範囲を絞る。条件を変えて総額を下げる形にすると、単価の水準を守れます。単価を下げると、次の案件でも基準になります。
実績を出せない制約の中で、信頼をどう作るか
支援先の社名が出せなくても、考え方の質は示せます。
何を書いているかが、実績の代わりになります。
コンサルティングでは、守秘の制約で実績を公開できないことが多くあります。
実績以外で判断される要素
書いている内容の質。
話している内容の具体性。
面談での質問の的確さ。
関わる人の経歴。
実績の代わりになる材料を、項目ごとに見ていきます。
方法論の解説については、効果は考え方が伝わる、準備の負担は中くらい。
業界や課題に関する見解については、効果は専門性が伝わる、準備の負担は中くらい。
よくある誤解の指摘については、効果は経験の深さが伝わる、準備の負担は小さい。
判断の基準の提示については、効果は実務が伝わる、準備の負担は小さい。
担当者の経歴と専門については、効果は人物が伝わる、準備の負担は小さい。
公開できる範囲での支援の類型については、効果は規模感が伝わる、準備の負担は確認が要る。
よくある誤解を書く
その領域で、多くの会社が間違えていること。
これを書くと、経験の深さが伝わります。
一般的な解説より、実務から出た内容のほうが効きます。
担当者を出す
会社としての説明だけでなく、誰がいるかを示します。
経歴、専門の領域、これまでに扱った課題の種類。
無形のサービスでは、人の情報が判断の材料になります。
公開の許可を取る努力を続ける
支援が終わった段階で、公開の許可を依頼します。業種と課題の種類だけでも、公開できれば材料になります。契約の段階で条件に入れる形もあります。
大手との比較で、どこに立つか
規模と実績では勝てないため、同じ土俵で比べられないようにします。
対象の絞り込みと、誰が担当するかの明示が、その手段になります。
経営コンサルティングの市場には、規模の大きい会社があります。
同じ基準で比べられると、不利になります。
比較の基準をずらす
規模の大きい会社では、提案した人と実際に担当する人が違うことがあります。
担当者を明示することは、この点での違いになります。
比較の軸と、立ち位置の作り方を、項目ごとに見ていきます。
体制の規模については、規模の大きい会社は大きい、小規模の会社は小さい、示し方は必要な人数で足りることを示す。
実績の数については、規模の大きい会社は多い、小規模の会社は少ない、示し方は類似の課題での深さを示す。
担当者については、規模の大きい会社は提案者と異なることがある、小規模の会社は提案者が担当、示し方は誰が来るかを明示。
費用については、規模の大きい会社は高い、小規模の会社は相対的に低い、示し方は内訳で価値を示す。
意思決定の速さについては、規模の大きい会社は時間がかかる、小規模の会社は速い、示し方は対応の速さを示す。
関与の深さについては、規模の大きい会社は案件による、小規模の会社は深く関われる、示し方は関与の時間を示す。
価格の安さを訴えない
費用の低さを前面に出すと、その基準で選ばれます。
次に、より安い相手が現れると外れます。
価格ではなく、関与の深さで説明します。
大手と組む選択肢
競合するのではなく、大手の案件に参加する形もあります。特定の領域での専門性があれば、成立します。この経路を持つかどうかも、事業の判断になります。
絞り込みの検討が空回りする場面
社内で考えた強みは、顧客の選定理由と合っていないことがあります。
既存の顧客に、なぜ選んだかを聞くところから始めます。
差別化の検討は、社内の議論で進められることが多くなります。
社内で出る強み
経験が豊富、実行まで伴走する、現場を見る。
これらは、多くのコンサルティング会社が言っています。
顧客から見ると区別がつきません。
差別化の検討で起きる空回りを、項目ごとに見ていきます。
社内の会議で強みを決めるについては、起きることは抽象的な言葉になる、代わりの進め方は既存顧客に選定理由を聞く。
絞らずに幅広さを示すについては、起きることは候補に入らない、代わりの進め方は1つの軸で絞る。
方法論を公開しないについては、起きることは判断されない、代わりの進め方は考え方を公開する。
実績がないので訴求できないについては、起きることは何も出せない、代わりの進め方は見解と方法論で代替する。
価格で勝負するについては、起きることはより安い相手に外れる、代わりの進め方は関与の深さで説明する。
大手と同じ基準で比べられるについては、起きることは不利になる、代わりの進め方は担当者を明示する。
選定理由の聞き方
担当したコンサルタントが聞くと、良い答えしか返りません。
別の人が、改善のための確認として聞く形にします。
5社に聞けば、共通する理由が見えます。
断られた理由も聞く
提案したが決まらなかった相手に、理由を聞きます。
聞きにくい相手ではありますが、材料としては価値があります。
費用の問題なのか、進め方の問題なのかで、打ち手が変わります。
外部に相談するときの確認
差別化の検討を外部に相談する場合、無形のサービスを扱った経験があるかを確認します。商品の特徴を整理する手法だけでは、人の力量で判断される場面に効きません。
絞る軸を決めるまでの段取り
過去の支援先を分類して、偏りを見ることからです。
希望ではなく実績から絞る軸を決めると、説明に無理がなくなります。
絞る軸を希望で決めると、実績が伴わず説得力が出ません。
絞る軸を決めるまでの手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去3年の支援先を業種と規模と領域で分類する、関わる人は管理部門・マーケティング、期間の目安は2週間。
2については、やることは既存顧客5社に選定の理由を聞く、関わる人はマーケティング、期間の目安は1か月。
3については、やることは決まらなかった案件3件の理由を確認する、関わる人はコンサルタント、期間の目安は3週間。
4については、やることは絞る軸を1つ決める、関わる人は経営、期間の目安は3週間。
5については、やることは方法論の公開の範囲を決める、関わる人は経営・コンサルタント、期間の目安は3週間。
6については、やることは費用の内訳の説明の様式を作る、関わる人は経営、期間の目安は2週間。
分類で見えること
業種に偏りがある、規模に偏りがある、特定の局面が多い。
どれかの偏りが見つかります。
その偏りが、自社の実態です。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
過去3年の支援先が28社で、製造業が11社、うち従業員100人から500人が8社だとします。
この規模の製造業が全体の29%を占めています。
この層に絞った説明に変えた場合、問い合わせの件数は減ります。
一方で、面談に進む比率と提案に進む比率が上がるかを見ます。
選ばれ方の変化を見る数字を、項目ごとに見ていきます。
問い合わせの件数については、見る頻度は月次、何が分かるかは絞り込みの影響。
絞った対象からの問い合わせ比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは訴求の届き方。
面談から提案に進む比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは相談の質。
提案から受注に至る比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは説明の効き方。
決まらなかった理由のうち費用の比率については、見る頻度は半期、何が分かるかは価格の説明の効果。
紹介以外の経路からの受注については、見る頻度は半期、何が分かるかは候補に入る機会。
件数が減ることを先に共有する
絞ると、問い合わせは減ります。
減ることを社内で先に共有しておかないと、減少自体が問題として扱われます。
半年から1年の取り組みとして計画する
聞き取りから説明の変更、その効果の確認まで、半年はかかります。
四半期で成果を求めると、途中で止まります。
選ばれる理由の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の説明を見てもらうところから始められます。訴求の組み立てごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
何を絞れば差別化できますか
領域、業種、規模、局面の4つが主な軸です。希望ではなく、過去3年の支援先を分類して偏りがある軸を選ぶと、説明に無理がありません。
絞ると対応できる相談が減りませんか
対外的な説明を絞ることと、実際に受ける案件を限定することは別です。幅広く見られている状態では、そもそも候補に入っていないことのほうが問題になります。
方法論を公開すると真似されませんか
進め方を知っても実行には経験が要ります。公開した内容を見てこの会社は分かっていると判断されるほうが多く、公開しないと判断の材料がありません。
守秘で実績が出せません
方法論の解説、その領域でよくある誤解の指摘、判断の基準の提示、担当者の経歴。これらが実績の代わりになります。実務から出た内容ほど効きます。
費用が高いと言われます
総額だけを示すと他社の総額との比較になります。誰が月に何時間関わり、各段階で何をするかの内訳を示すと、何に対する費用かが判断できる形になります。
まとめ
- 経営コンサルティングは提供の範囲が広く、説明が抽象的になります。抽象的な説明は、他社と区別がつかないため比較の土俵に乗りません
- 領域、業種、規模、局面の4つが主な軸になります。どれか1つで絞れば、説明が具体的になります
- 進め方を示すと、真似されることを懸念する声が出ます。実際には、進め方を知っても実行できないため、公開の効果のほうが大きくなります
- 高い理由を実績や専門性で説明すると、比較のしようがありません。何に対する費用かを内訳で示すと、判断ができる形になります
- 支援先の社名が出せなくても、考え方の質は示せます。何を書いているかが、実績の代わりになります
- 規模と実績では勝てないため、同じ土俵で比べられないようにします。対象の絞り込みと、誰が担当するかの明示が、その手段になります
- 社内で考えた強みは、顧客の選定理由と合っていないことがあります。既存の顧客に、なぜ選んだかを聞くところから始めます
- 過去の支援先を分類して、偏りを見ることからです。希望ではなく実績から絞る軸を決めると、説明に無理がなくなります