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受注が増えても対応する人がいなければ、案件は断ることになります。
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目次
目次
- 稼働の上限がある事業では、リード数を目標にできない
- 供給が先に詰まる
- 紹介経由を、指標にどう組み込むか
- 紹介は結果であって、操作できない
- マーケティングの貢献を、どこで切り出すか
- 最初の接点だけで判断しない
- 受注までの期間を、どう指標に織り込むか
- 期間が長くなる理由
- 案件の大きさが揃わないことへの対処
- 件数目標が招くこと
- 指標をいくつ置くかと、誰が見るか
- 3つの役割
- 指標を置くときに、間違えやすいこと
- 紹介と広告を同じ基準で比べない
- 指標の組み立てを、どこから始めるか
- 2年分を対象にする理由
- よくある質問
- まとめ
コンサルティングの供給量は、人の時間で決まります。
受注が増えても対応する人がいなければ、案件は断ることになります。
稼働の上限がある事業では、リード数を目標にできない
コンサルティングの供給量は、人の時間で決まります。
受注が増えても対応する人がいなければ、案件は断ることになります。
マーケティングのKPIを設計するとき、多くの事業ではリード数を増やす方向に目標を置きます。
人が稼働の上限になる事業では、この前提が成り立ちません。
供給が先に詰まる
コンサルタントが10人いて、1人が同時に3件を担当できるなら、進行できる案件は30件です。
その状態で問い合わせが月に50件来ても、受けられません。
断った相手との関係は、次の機会にも影響します。
KPIの役割が変わる
供給に制約がある事業では、マーケティングの役割は件数を最大化することではありません。
必要な件数を、必要な時期に、必要な質で確保することになります。
多すぎることも、目標未達と同じ問題になります。
稼働の状態と、マーケティングに求められること
| 稼働の状態 | 空いている人数 | マーケティングの役割 | 追うべき数字 |
|---|---|---|---|
| 余力が大きい | 多い | 件数を増やす | 相談件数 |
| 標準 | 少しある | 質を上げる | 受注率 |
| 逼迫している | ほぼない | 単価の高い案件に絞る | 平均受注額 |
| 完全に埋まっている | いない | 次の期に向けた接点を作る | 接点の蓄積 |
| 採用の直後 | 増える見込み | 事前に需要を作る | 先行の相談件数 |
| 契約の終了が重なる | 急に空く | 短期で埋める | 短期で始まる案件 |
期をまたいだ見通しが必要になる
3か月後に何人分の空きが出るかを見て、いま何件の相談を作るかを決めます。案件が終わる時期は、契約の期間から分かります。この見通しがないと、埋まっているときに集め、空いてから動くという逆の動きになります。
紹介経由を、指標にどう組み込むか
紹介は受注の中心ですが、直接は操作できません。
紹介を増やす活動と、紹介が起きた件数を分けて記録します。
コンサルティングの受注経路として、紹介と評判が中心にある会社は多くあります。
この経路を指標にどう扱うかが、KPI設計の分かれ目になります。
紹介は結果であって、操作できない
紹介が何件来たかは、結果の数字です。
紹介を10件にしようと決めても、直接には動かせません。
動かせるのは、紹介を依頼した回数、既存の顧客との接点の回数、紹介者に情報を提供した回数です。
紹介に関する数字の分け方
| 数字 | 操作できるか | 扱い |
|---|---|---|
| 紹介の依頼を行った件数 | できる | 活動の指標にする |
| 既存顧客との定例の実施回数 | できる | 活動の指標にする |
| 紹介者に渡した情報の回数 | できる | 活動の指標にする |
| 紹介を受けた件数 | できない | 結果の指標にする |
| 紹介からの受注件数 | できない | 結果の指標にする |
| 紹介元の企業数の広がり | できない | 結果の指標にする |
紹介の前に、思い出される必要がある
紹介は、誰かが自社を思い出したときに起きます。
接点が途切れると、思い出される機会が減ります。
接点を維持する活動の量を、活動の指標として記録します。
紹介とマーケティングを対立させない
紹介で取れているから広告は不要という議論が出ます。
紹介を受けた相手も、社名を検索して会社を確認します。
そのときに情報が整っていなければ、紹介の効果が落ちます。
紹介の受け皿としての役割を、マーケティングの指標に含めます。
マーケティングの貢献を、どこで切り出すか
最初の接点がどこかで判断すると、紹介が全部を持っていきます。
検討の過程で何に触れたかを記録して、複数の接点を認めます。
コンサルティングの受注では、複数の接点が重なっています。
紹介を受け、社名を検索し、記事を読み、セミナーに参加し、その後に問い合わせる。
最初の接点だけで判断しない
最初の接点を紹介とすると、その後の記事やセミナーの貢献が消えます。
逆に最後の接点で判断すると、紹介の価値が消えます。
問い合わせ時に複数選択で聞く
どこで知ったかを1つ選ばせると、実態が分かりません。
複数の選択肢から当てはまるものをすべて選んでもらう形にします。
接点の記録の方法
| 方法 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| 問い合わせ時に複数選択で聞く | 関わった接点の組み合わせ | 回答されないことがある |
| 初回面談で経緯を聞く | 検討の流れ | 記録が残らないことがある |
| サイトの閲覧履歴を見る | 問い合わせ前の行動 | 企業単位では一部のみ |
| 紹介元に確認する | 紹介の経緯 | 関係次第 |
| セミナーの参加履歴と照合する | 接点の有無 | 参加時の情報が必要 |
| 受注後に振り返る | 決め手になったもの | 時間が経つと曖昧になる |
初回面談で聞く
問い合わせの後の初回面談で、どういう経緯で連絡したかを聞きます。
この会話は自然に行われるため、負担がありません。
聞いた内容を記録する場所を決めておきます。
記録の項目を3つに絞る
知ったきっかけ、その後に見たもの、連絡しようと思った理由。この3つなら、面談の担当者が短く記録できます。
受注までの期間を、どう指標に織り込むか
最初の接触から契約まで、半年から数年かかることがあります。
今期のリードが今期の売上にならない前提で、指標の期間を設計します。
経営に関わる支援は、相手の経営計画や予算の周期に合わせて決まります。
相談を受けてから契約までの期間が長くなります。
期間が長くなる理由
経営者が課題を自覚してから、外部に頼むと決めるまでに時間がかかります。
社内で誰かに相談し、他社とも話し、予算を確保します。
この過程が、数か月から年単位になります。
相談から契約までの段階
| 段階 | 相手がしていること | 期間の目安 | 自社ができること |
|---|---|---|---|
| 課題の自覚 | 問題を認識する | 数か月から数年 | 考え方の提示 |
| 情報収集 | 解決の方法を調べる | 数か月 | 方法論の発信 |
| 相談先の検討 | 誰に頼むかを考える | 数か月 | 信頼の形成 |
| 初回の接触 | 話を聞いてみる | 1か月 | 面談の設定 |
| 提案と検討 | 中身と費用を検討 | 1か月から3か月 | 提案の質 |
| 社内の承認 | 予算と体制を確保 | 1か月から数か月 | 説明の材料の提供 |
数字は説明のための仮の値です。
発生時点で計上する
問い合わせが発生した時点で計上し、契約は遅れて確認します。
発生の四半期を起点にして、6か月後と12か月後の契約率を追います。
期の評価と、活動の評価を分ける
売上の目標は年度で締めます。マーケティングの活動は、その年度の売上ではなく翌年度以降に効きます。この点を経営と先に合意しておかないと、活動が過小評価されます。
案件の大きさが揃わないことへの対処
一度の診断と、年単位の常駐支援では金額が10倍以上違います。
件数だけの目標を置くと、小さい案件を集める動きになります。
コンサルティングの案件は、金額の幅が大きくなります。
件数目標が招くこと
件数を目標にすると、短期で決まる小さな案件を優先する動きが出ます。
小さい案件も稼働を使うため、大きな案件を受ける余地が減ります。
件数は達成しても、売上と利益が伸びません。
案件の型と、指標での扱いを、項目ごとに見ていきます。
単発の診断や調査については、金額は小さい、稼働の使い方は短期に集中、指標での扱いは件数で見る。
期間を区切った実行支援については、金額は中くらい、稼働の使い方は数か月継続、指標での扱いは金額で見る。
年単位の継続支援については、金額は大きい、稼働の使い方は長期に固定、指標での扱いは金額と継続で見る。
定期的な助言については、金額は中くらい、稼働の使い方は薄く長く、指標での扱いは継続率で見る。
研修や講演については、金額は小さい、稼働の使い方は短時間、指標での扱いは接点として見る。
共同での事業運営については、金額は大きい、稼働の使い方は人員を固定、指標での扱いは個別に管理。
金額を含めた目標にする
件数ではなく、想定金額の合計を目標にします。
提案前の段階では、案件の型ごとの平均で概算します。
小さい案件の扱いを決める
単発の診断は、その後の継続につながる入口になります。
一方で、稼働を使うわりに利益が薄くなります。
継続につながる比率を測り、その比率が一定以下なら受け方を見直します。
案件の型ごとに受注率が違う
小さい案件は決まりやすく、大きい案件は時間がかかります。全体の受注率を1つの数字で見ると、案件の構成が変わっただけで数字が動きます。型ごとに分けて見ます。
指標をいくつ置くかと、誰が見るか
3つに絞り、量と質と時期の3つの役割を持たせます。
稼働に上限がある事業では、時期の指標が要ります。
指標を多く置くと、優先順位がつきません。
一方で、コンサルティングでは他業種にない観点が必要になります。
3つの役割
量の指標として、相談の件数。
質の指標として、提案に進んだ比率。
時期の指標として、3か月後に着手できる案件の数。
時期の指標を置く理由
稼働に空きが出る時期に、着手できる案件がなければ売上が落ちます。
逆に埋まっている時期に案件が集中しても、受けられません。
時期の一致を見る指標が要ります。
3つの指標の組み合わせを、項目ごとに見ていきます。
量については、指標は相談の件数、見る頻度は月次、使う場面は接点の量が足りているか。
質については、指標は提案に進んだ比率、見る頻度は月次、使う場面は相談の中身が合っているか。
時期については、指標は3か月後に着手できる案件数、見る頻度は月次、使う場面は稼働との一致。
補助については、指標は紹介の依頼を行った回数、見る頻度は月次、使う場面は活動量の確認。
補助については、指標は想定金額の合計、見る頻度は四半期、使う場面は事業への寄与。
補助については、指標は契約の継続率、見る頻度は四半期、使う場面は既存の維持。
経営に説明するときの形
経営が知りたいのは、稼働率と売上の見通しです。
マーケティングの指標を、この2つにつなげて示します。
相談件数が何件あれば、3か月後の稼働がどうなるか。
責任の範囲を分ける
契約に至るかどうかは、提案とシニアの面談で決まります。マーケティングの責任は、提案に進む相談を作るところまでです。ここを曖昧にすると、評価ができません。
指標を置くときに、間違えやすいこと
費用対効果を短期で求めると、紹介以外の経路が育ちません。
紹介の効率が高いため、他の経路は必ず見劣りします。
紹介中心の事業でマーケティングの指標を置くとき、比較の仕方で判断を誤ります。
紹介と広告を同じ基準で比べない
紹介からの受注は、獲得の費用がほぼかかりません。
広告からの受注と単価を比べれば、広告が劣ります。
この比較で広告を止めると、紹介が細ったときに代わりがなくなります。
指標の設計で起きる間違いを、項目ごとに見ていきます。
紹介と広告を同じ単価で比べるについては、起きることは広告が止まる、代わりの進め方は経路ごとに役割を分ける。
件数だけを目標にするについては、起きることは小さい案件が増える、代わりの進め方は金額を含めて見る。
最初の接点だけで貢献を判断するについては、起きることは複数の接点が評価されない、代わりの進め方は複数選択で記録する。
稼働を考えずに件数を増やすについては、起きることは断る案件が増える、代わりの進め方は時期の指標を置く。
契約までの期間を無視するについては、起きることは活動が過小評価される、代わりの進め方は発生時点で計上する。
全体の受注率を1つで見るについては、起きることは案件構成の変化が見えない、代わりの進め方は型ごとに分ける。
断った案件も記録する
稼働が埋まっていて断った案件を記録します。
記録がないと、機会の損失が見えません。
断った件数が続くなら、採用か稼働の配分の議論になります。
外部に相談するときの確認
指標の設計を外部に相談する場合、稼働に上限がある事業の前提を理解しているかを確認します。件数を増やす提案だけが出てくる場合、この前提が入っていません。
指標の組み立てを、どこから始めるか
過去の受注が、どういう経路と期間で決まったかを1件ずつ確認することからです。
その記録がないと、目標の根拠が作れません。
指標を決める前に、実績の構造を把握します。
案件の数が多くないため、1件ずつ確認できます。
指標を組み立てる作業の並びを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去2年の受注を1件ずつ経路で分類する、関わる人は営業・マーケティング、期間の目安は3週間。
2については、やることは初回接触から契約までの期間を出す、関わる人は営業、期間の目安は2週間。
3については、やることは案件の型ごとに金額と稼働の使い方を整理する、関わる人は経営・コンサルタント、期間の目安は2週間。
4については、やることは3か月後の稼働の空きを予測する仕組みを作る、関わる人は経営・管理部門、期間の目安は1か月。
5については、やることは追う指標を3つに絞って合意する、関わる人は経営、期間の目安は2週間。
6については、やることは問い合わせ時と初回面談での記録の項目を決める、関わる人はマーケティング、期間の目安は2週間。
2年分を対象にする理由
契約までの期間が長いため、1年では母数が足りません。
2年分あれば、経路と期間の傾向が見えます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
年間の受注が18件で、紹介が11件、検索からが4件、セミナーからが2件、その他が1件だとします。
紹介が61%を占めている状態です。
コンサルタントが12人で、1人あたり同時に2.5件、平均の契約期間が8か月なら、年間に着手できる案件は約45件です。
18件なら余力があり、件数を増やす余地があります。
定点で確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
相談の件数と経路の内訳については、見る頻度は月次、何が分かるかは接点の量と依存の度合い。
提案に進んだ比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは相談の質。
3か月後に着手できる案件数については、見る頻度は月次、何が分かるかは稼働との一致。
稼働の空きの見込みについては、見る頻度は月次、何が分かるかは供給の余力。
断った案件の件数と理由については、見る頻度は四半期、何が分かるかは機会の損失。
契約までの平均期間については、見る頻度は半期、何が分かるかは期ずれの大きさ。
断った理由を分類する
稼働が埋まっていた、対象の領域が違った、規模が合わなかった。
理由が分かれば、次の打ち手が決まります。
記録の担当を決める
案件ごとの記録は、誰かが責任を持たないと残りません。
面談を行った人が、その日のうちに3項目を書く形にします。
指標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で受注の構造を一緒に整理するところから始められます。数字の見方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
コンサルティング会社のKPIは何を置けばいいですか
相談の件数、提案に進んだ比率、3か月後に着手できる案件数の3つです。稼働に上限があるため、件数だけでなく時期が合っているかを見る指標が要ります。
紹介が中心なのでマーケティングの指標が作れません
紹介を受けた件数は結果の数字で操作できません。紹介の依頼を行った回数や既存顧客との接点の回数を活動の指標として分けて記録してください。
紹介と広告のどちらが効率的ですか
同じ基準では比べられません。紹介は獲得費用がほぼかからないため必ず有利に出ます。経路ごとに役割を分け、紹介が細ったときの代わりを育てる観点で見ます。
契約までの期間が長く、年度内に成果が出ません
問い合わせが発生した時点で計上し、契約は6か月後と12か月後に遅れて確認する形にしてください。この扱いを経営と期初に合意しておきます。
件数を増やしても受けられる人がいません
3か月後に空く稼働の見込みを予測して、その時期に着手できる案件を作る形に変えてください。断った案件の件数と理由を記録すると、採用の議論の材料になります。
まとめ
- コンサルティングの供給量は、人の時間で決まります。受注が増えても対応する人がいなければ、案件は断ることになります
- 紹介は受注の中心ですが、直接は操作できません。紹介を増やす活動と、紹介が起きた件数を分けて記録します
- 最初の接点がどこかで判断すると、紹介が全部を持っていきます。検討の過程で何に触れたかを記録して、複数の接点を認めます
- 最初の接触から契約まで、半年から数年かかることがあります。今期のリードが今期の売上にならない前提で、指標の期間を設計します
- 一度の診断と、年単位の常駐支援では金額が10倍以上違います。件数だけの目標を置くと、小さい案件を集める動きになります
- 3つに絞り、量と質と時期の3つの役割を持たせます。稼働に上限がある事業では、時期の指標が要ります
- 費用対効果を短期で求めると、紹介以外の経路が育ちません。紹介の効率が高いため、他の経路は必ず見劣りします
- 過去の受注が、どういう経路と期間で決まったかを1件ずつ確認することからです。その記録がないと、目標の根拠が作れません