経営コンサルのマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

コンサルタントが案件を進めながら次の案件も取るため、活動に波ができます。
稼働が埋まっている時期は営業が止まり、空いてから慌てて動くことになります。
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目次
目次
- 売る人と届ける人が同じ組織で起きること
- 波が生まれる仕組み
- 相談が放置される構造を、どう解くか
- 一次対応で行うこと
- 誰の案件かをめぐる衝突
- 個人に紐づく案件
- コンサルタントに、どこまで発信を求めるか
- 執筆を求めることの重さ
- 会議で何を話すかを、決め直す
- 参加しなくなる理由
- 案件の終わりが、次の接点になる
- 終わった後に何もしない場合
- 連携の話で、取り違えられやすいこと
- 入力されない理由
- 組織の中の流れを、どう組み直すか
- 遅れた相談を数える理由
- よくある質問
- まとめ
コンサルタントが案件を進めながら次の案件も取るため、活動に波ができます。
稼働が埋まっている時期は営業が止まり、空いてから慌てて動くことになります。
売る人と届ける人が同じ組織で起きること
コンサルタントが案件を進めながら次の案件も取るため、活動に波ができます。
稼働が埋まっている時期は営業が止まり、空いてから慌てて動くことになります。
営業の専任者を置かず、コンサルタントが案件の獲得も担う組織は多くあります。
この構造が、マーケティングとの関係を難しくします。
波が生まれる仕組み
案件が忙しい時期は、目の前の支援に集中します。
新しい相談に対応する時間が取れません。
案件が終わる頃に余裕が生まれ、営業を始めます。
そのときには、次の案件までに数か月の空白ができています。
マーケティング側から見た状態
マーケティングが相談を作っても、対応されない時期があります。
対応されない相談は、他社に流れます。
その経験が重なると、マーケティングの活動そのものが疑われます。
稼働の波と、両者の状態
| 時期 | コンサルタントの状態 | マーケティングの状態 | 起きること |
|---|---|---|---|
| 案件の立ち上がり | 最も忙しい | 通常の活動 | 相談が放置される |
| 案件の中盤 | 安定 | 通常の活動 | 対応がまちまち |
| 案件の終盤 | 余裕が出る | 通常の活動 | 急に営業が活発になる |
| 案件の切れ目 | 手が空く | 在庫がない | 慌てて活動を求められる |
| 次の立ち上がり | 忙しくなる | 作った相談が残る | また放置される |
波を前提にした設計にする
波をなくすことはできません。波があることを前提に、誰が相談に対応するかを決めます。
相談が放置される構造を、どう解くか
一次対応を担う人を、コンサルタントとは別に置きます。
その人が日程の調整と事前の確認を担えば、稼働の波の影響を受けません。
相談への一次対応を、案件を担当しているコンサルタントが行う設計に無理があります。
一次対応で行うこと
問い合わせへの返信。
事前の確認の質問。
面談の日程の調整。
誰が面談に出るかの調整。
これらは、コンサルティングの経験がなくてもできます。
一次対応を誰が担うか
| 担当 | 向いている状況 | 限界 |
|---|---|---|
| マーケティングの担当者 | 問い合わせが一定数ある | 専門的な質問に答えられない |
| 管理部門の担当者 | 問い合わせが少ない | 内容の判断ができない |
| 若手のコンサルタント | 育成を兼ねる | 稼働との両立 |
| 案件のない期間のコンサルタント | 人員に余裕がある | 時期によって変わる |
| 持ち回り | 人数が少ない | 基準がばらつく |
| 外部への委託 | 問い合わせが多い | 会社の理解が要る |
専門的な質問への対応
一次対応の担当者が答えられない質問が来ます。
その場で答えず、確認して折り返す形にします。
24時間以内に折り返す約束であれば、相手は待ちます。
誰が面談に出るかの調整
事前の確認の結果をもとに、誰が出るかを決めます。この判断は、週に一度の短い会議で行う形が回ります。毎回個別に相談すると、調整に時間がかかります。
誰の案件かをめぐる衝突
紹介で来た相談と、マーケティングで来た相談で、扱いが変わることがあります。
帰属の決まりがないと、同じ相談に複数が関わる状態が起きます。
コンサルタント個人に紹介が来る事業では、案件の帰属が問題になります。
個人に紐づく案件
コンサルタントが個人の人脈から取ってきた案件。
会社のサイト経由で来た相談。
この2つの扱いが違う組織があります。
扱いが違うことの影響
個人の案件が評価される仕組みだと、会社経由の相談への優先度が下がります。
マーケティングが作った相談が後回しになります。
案件の帰属をめぐる状況
| 状況 | 起きること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 個人の人脈からの案件 | その人が担当する | 評価での扱い |
| サイト経由の相談 | 担当が決まらない | 割り振りの決まり |
| 過去の顧客からの再依頼 | 以前の担当が担う | 担当が退職した場合 |
| 紹介元が既存顧客 | 紹介を受けた人が担う | 紹介元への報告 |
| 複数が接点を持っている | 重複して連絡が行く | 情報の共有の場 |
| セミナーからの相談 | 登壇者が担当する | 登壇者が忙しい場合 |
割り振りの決まりを作る
サイト経由の相談を誰が担当するかを、事前に決めます。
領域で分ける、持ち回りにする、事前の確認の内容で決める。
どれでもよいので、決まりがあることが要点になります。
評価での扱いを揃える
個人の人脈から取った案件と、会社経由の案件の評価を揃えます。揃っていないと、会社経由の相談が軽く扱われます。経営が判断する事項になります。
コンサルタントに、どこまで発信を求めるか
書くことを求めると、稼働の時間が減ります。
話してもらった内容を他の人が文章にする形にすると、負担が小さくなります。
コンサルティング会社の発信は、コンサルタント自身の知見が源になります。
その協力をどう引き出すかが、マーケティングの中心的な仕事になります。
執筆を求めることの重さ
記事1本を書くのに、数時間かかります。
稼働単価が時間あたり2万円なら、8時間で16万円です。
この費用を認識せずに依頼すると、協力が得られません。
知見を引き出す方法と、負担
| 方法 | コンサルタントの負担 | 得られるもの |
|---|---|---|
| 執筆を依頼する | 数時間から十数時間 | 本人の言葉だが続かない |
| 30分の聞き取りを行う | 30分 | 記事の素材 |
| 案件の振り返りに同席する | 通常業務の中 | 考え方の背景 |
| 過去の提案書を見せてもらう | ほぼなし | 論点の整理 |
| 社内の勉強会を記録する | 通常業務の中 | 体系的な内容 |
| 講演の内容を文章にする | ほぼなし | 完成度の高い素材 |
既にあるものを使う
提案書、社内の勉強会の資料、講演のために作った資料。
これらは既に作られています。
新しく作ってもらうより、既存のものを使うほうが早く進みます。
守秘の制約があるため、支援先が特定される内容は使えません。
考え方と方法論の部分だけを抜き出します。
成果を本人に返す
書いた内容がどれだけ読まれ、どんな相談につながったかを伝えます。
自分の知見が案件を生んだと分かれば、次の協力が得やすくなります。
発信を評価に含める
執筆や登壇を評価の対象に含めるかどうかは、経営の判断です。含めないと、稼働を優先する判断が合理的になります。
会議で何を話すかを、決め直す
数字の報告会にすると、コンサルタントが参加しなくなります。
個別の相談をどう進めるかの場にすると、参加する理由が生まれます。
マーケティングの定例会議に、コンサルタントが出席しなくなることがあります。
議題の性質が原因です。
参加しなくなる理由
流入数やCVRの報告は、コンサルタントの仕事に直接関係しません。
稼働が忙しい時期に、関係の薄い会議には出なくなります。
参加する理由を作る
いま来ている相談を、誰がどう進めるか。
この議題なら、参加する理由があります。
会議の組み立てを、項目ごとに見ていきます。
頻度については、設計は週に1回、理由は相談への対応の速さを保つ。
時間については、設計は20分、理由は忙しい時期でも出られる。
参加者については、設計は一次対応の担当と、当番のコンサルタント、理由は全員を求めない。
議題については、設計は今週の相談の割り振り、理由は即座に判断が要る。
別の場については、設計は月に1回、施策の振り返り、理由は数字の議論はここで。
記録については、設計は誰がどの相談を担当するか、理由は後から追える。
週次と月次を分ける
相談の割り振りは週次で20分。
施策の振り返りは月次で45分。
性質の違う議題を、同じ会議に入れません。
当番制にする
全員が毎週出る必要はありません。当番を決めて、その人が判断します。当番が判断できない案件だけ、他に相談します。
案件の終わりが、次の接点になる
支援が終わった顧客が、次の紹介元になります。
終わり方の設計が、その後の受注経路を作ります。
コンサルティングの契約は、いずれ終わります。
終わったときの扱いが、次につながるかを決めます。
終わった後に何もしない場合
契約が終わると、連絡が途切れます。
1年後には、日常の業務の中で忘れられています。
紹介の機会があっても、思い出されません。
契約終了後の接点の作り方を、項目ごとに見ていきます。
定期的な情報の送付については、頻度は月に1回、担当はマーケティング。
半年後の状況確認については、頻度は1回、担当は担当したコンサルタント。
年に1回の面談については、頻度は年に1回、担当は担当したコンサルタント。
セミナーへの案内については、頻度は開催のたび、担当はマーケティング。
紹介の依頼については、頻度は関係が良好なとき、担当は担当したコンサルタント。
新しい取り組みの共有については、頻度は随時、担当はマーケティング。
担当したコンサルタントが行う接点
終了後の連絡は、担当した人が行うほうが自然です。
ただし、その人が忙しければ止まります。
マーケティングが継続的な接点を担い、節目だけ担当者が出る形にします。
紹介を依頼する時期
支援の成果が出た直後が、最も依頼しやすい時期です。
契約の終了時ではなく、成果が見えた時点で依頼します。
この時期を逃すと、依頼しにくくなります。
依頼の仕方を決めておく
誰に、どのタイミングで、どう依頼するか。個人の判断に任せると、依頼されないまま終わります。手順として決めておきます。
連携の話で、取り違えられやすいこと
仕組みを導入すれば情報が集まるという考え方が、最も多い誤りです。
コンサルタントの入力の負担を減らさない限り、記録は溜まりません。
案件の管理の仕組みを入れる判断が、連携の改善として出てきます。
入力されない理由
コンサルタントは、支援先での業務で時間を使っています。
社内の入力作業は、優先度が低くなります。
入力しても自分に返ってくるものがなければ、続きません。
連携で起きる取り違えを、項目ごとに見ていきます。
仕組みを入れれば記録が溜まるについては、実際に起きることは空欄が増える、代わりの進め方は入力の項目を3つに絞る。
会議を増やせば連携が進むについては、実際に起きることは出席率が下がる、代わりの進め方は週20分の割り振りだけにする。
コンサルタントに執筆を求めるについては、実際に起きることは続かない、代わりの進め方は聞き取りから文章にする。
全員に同じ役割を求めるについては、実際に起きることはできる人だけが負担する、代わりの進め方は当番制にする。
数字で説得しようとするについては、実際に起きることは関心を持たれない、代わりの進め方は案件の話から入る。
紹介に頼れば広告は不要については、実際に起きることは紹介が細ると打つ手がない、代わりの進め方は両方を維持する。
入力の項目を3つに絞る
面談の結果、提案の有無、進まない場合の理由。
この3つなら、5分で入力できます。
項目が多いほど、入力されません。
外部に任せる場合の確認
連携の設計を外部に相談する場合、営業の専任者がいない組織を扱った経験があるかを確認します。営業部門とマーケティング部門が分かれている前提の提案は、この構造には合いません。
組織の中の流れを、どう組み直すか
相談への一次対応を誰が担うかを決めることからです。
ここが決まらないと、他の改善が効きません。
連携の改善は、役割の指定から始まります。
仕組みや会議は、その後になります。
連携を組み直す作業の並びを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去1年で対応が遅れた相談を数える、関わる人はマーケティング、期間の目安は2週間。
2については、やることは一次対応を担う人を決める、関わる人は経営、期間の目安は2週間。
3については、やることはサイト経由の相談の割り振りの決まりを作る、関わる人は経営、期間の目安は3週間。
4については、やることは週20分の割り振りの会議を始める、関わる人は関係者、期間の目安は継続。
5については、やることは記録する項目を3つに決める、関わる人はマーケティング、期間の目安は1週間。
6については、やることは契約終了後の接点の手順を決める、関わる人は経営・マーケティング、期間の目安は1か月。
遅れた相談を数える理由
放置された件数が分からないと、役割を決める必要性が伝わりません。
問い合わせの日付と初回の返信の日付を並べれば、すぐに出ます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
年間の相談が54件で、返信まで3営業日を超えたものが19件だとします。
19件のうち面談に進んだのが4件、3営業日以内の35件のうち面談に進んだのが26件なら、対応の遅れが結果に効いていることが示せます。
この比較は、日付を並べるだけで出せます。
連携の状態を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
問い合わせから初回返信までの日数については、見る頻度は週次、何が分かるかは一次対応が機能しているか。
面談の日程が決まるまでの日数については、見る頻度は週次、何が分かるかは調整の速さ。
担当が決まるまでの日数については、見る頻度は週次、何が分かるかは割り振りの決まりの機能。
記録が入力された比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは運用の定着。
契約終了後に接点を持った顧客の比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは次の経路づくり。
紹介の依頼を行った件数については、見る頻度は四半期、何が分かるかは活動量。
返信までの日数を週次で見る
この数字を毎週見る担当を1人決めます。
見ているだけで、日数は短くなります。
半年かけて定着させる
役割の変更は、数か月で定着しません。
四半期ごとに運用の状況を確認して、調整します。
案件の受け渡しで判断に迷う場合は、無料相談で現状の流れを見てもらうところから始められます。役割の分け方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
コンサルタントが忙しくて相談が放置されます
一次対応をコンサルタントとは別の人が担う形にしてください。返信、事前の確認、日程の調整は、コンサルティングの経験がなくてもできます。
サイト経由の相談を誰が担当するか毎回もめます
割り振りの決まりを事前に作ってください。領域で分ける、持ち回りにする、事前確認の内容で決める。どれでもよいので、決まりがあることが要点になります。
コンサルタントが記事を書いてくれません
執筆を依頼すると数時間かかり、稼働単価で換算すると大きな費用になります。30分の聞き取りをして他の人が文章にする形か、既存の提案書や講演資料を使ってください。
マーケティングの会議に出てもらえません
数字の報告会になっていることが原因です。今週来た相談を誰がどう進めるかを議題にした週20分の会議と、月1回の施策の振り返りを分けてください。
契約が終わった顧客との関係が切れてしまいます
成果が見えた時点で紹介を依頼し、終了後はマーケティングが月1回の情報提供を担い、半年後と年1回は担当したコンサルタントが接点を持つ形にします。
まとめ
- コンサルタントが案件を進めながら次の案件も取るため、活動に波ができます。稼働が埋まっている時期は営業が止まり、空いてから慌てて動くことになります
- 一次対応を担う人を、コンサルタントとは別に置きます。その人が日程の調整と事前の確認を担えば、稼働の波の影響を受けません
- 紹介で来た相談と、マーケティングで来た相談で、扱いが変わることがあります。帰属の決まりがないと、同じ相談に複数が関わる状態が起きます
- 書くことを求めると、稼働の時間が減ります。話してもらった内容を他の人が文章にする形にすると、負担が小さくなります
- 数字の報告会にすると、コンサルタントが参加しなくなります。個別の相談をどう進めるかの場にすると、参加する理由が生まれます
- 支援が終わった顧客が、次の紹介元になります。終わり方の設計が、その後の受注経路を作ります
- 仕組みを導入すれば情報が集まるという考え方が、最も多い誤りです。コンサルタントの入力の負担を減らさない限り、記録は溜まりません
- 相談への一次対応を誰が担うかを決めることからです。ここが決まらないと、他の改善が効きません