
名刺も面談の記録も、担当したコンサルタントが持っています。
会社としての記録がないため、誰がどこと関係を持っているかが分かりません。
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目次
目次
- コンサルティング会社の顧客情報は、個人の手元に散らばっている
- 記録されていないもの
- 何のために集めるかを、1つに決める
- 最初の目的の候補
- 入力される記録の設計
- 入力の負担を数字で見る
- 守秘の制約と、記録の範囲
- 記録してよいものと、よくないもの
- 接点の一覧を、どう作るか
- 集める対象
- 道具を選ぶ前に、確認すること
- 規模に合った選択
- 記録の整備で、行き詰まりやすいところ
- 過去を遡らない
- 関係の記録を、どこから始めるか
- 記録してよい範囲の文書化
- よくある質問
- まとめ
名刺も面談の記録も、担当したコンサルタントが持っています。
会社としての記録がないため、誰がどこと関係を持っているかが分かりません。
コンサルティング会社の顧客情報は、個人の手元に散らばっている
名刺も面談の記録も、担当したコンサルタントが持っています。
会社としての記録がないため、誰がどこと関係を持っているかが分かりません。
顧客データという言葉から想像される仕組みは、取引の記録を扱うものです。
コンサルティングでは、取引よりも関係の記録が中心になります。
記録されていないもの
誰と誰が知り合いか。
過去にどういう相談を受けたか。
なぜその案件が決まらなかったか。
誰からの紹介で来たか。
これらは、担当者の記憶と個人のファイルの中にあります。
記録がないことで起きること
退職や異動で、関係が消えます。
同じ相手に複数の人から連絡が行きます。
過去に断った相手に、また同じ提案をします。
コンサルティング会社に散らばっている情報
| 情報 | どこにあるか | 会社として使えるか |
|---|---|---|
| 名刺 | 個人の手元 | 使えない |
| 面談の記録 | 個人のメモ | 使えない |
| 提案書 | 個人のファイルか共有 | 一部使える |
| 契約の記録 | 管理部門 | 使える |
| 紹介元の情報 | 個人の記憶 | 使えない |
| セミナーの参加者 | 開催ごとのファイル | 一部使える |
| 断った理由 | 記録されていない | 使えない |
集めることの意味
情報を集める目的は、監視ではありません。誰かが辞めても関係が残る状態を作ることです。この説明を先にしないと、協力が得られません。
何のために集めるかを、1つに決める
全部を記録する計画にすると、入力されずに終わります。
過去の相談の再掘り起こしか、紹介元の把握か、どちらかから始めます。
記録の範囲を広く取ると、入力の負担が増えて続きません。
最初の目的の候補
過去に相談があったが依頼に至らなかった相手に、再度接触する。
誰からの紹介でどれだけの案件が生まれたかを把握する。
セミナーの参加者の中から、相談につながる相手を見つける。
目的別に必要な記録
| 目的 | 必要な記録 | 入力する人 | 着手までの期間 |
|---|---|---|---|
| 過去の相談の再掘り起こし | 相談の内容と時期、進まなかった理由 | 面談した人 | 1か月 |
| 紹介元の把握 | 誰からの紹介か | 受けた人 | 2週間 |
| セミナーからの掘り起こし | 参加履歴と関心の領域 | 運営の担当 | 1か月 |
| 関係者の重複の防止 | 誰がどこと接点を持つか | 全員 | 3か月 |
| 既存顧客の状況の把握 | 担当者の異動、事業の変化 | 担当した人 | 継続 |
| 提案の履歴の共有 | 過去の提案の内容 | 提案した人 | 3か月 |
紹介元の記録から始める形
項目が1つで済みます。
新しい案件が来たときに、誰からの紹介かを記録するだけです。
1年続ければ、紹介の構造が見えます。
過去の相談の再掘り起こし
1年前に相談があり、その時点では時期が合わなかった相手。
状況が変わっていることがあります。
記録があれば、連絡する相手の一覧が作れます。
1つ目が動いてから2つ目に進む
同時に複数の記録を求めると、どれも埋まりません。1つが定着してから、次の項目を足します。
入力される記録の設計
項目が多いと書かれません。
面談の後に5分で終わる形にして、選択式を中心にします。
記録が溜まらない理由は、入力の負担にあります。
入力の負担を数字で見る
面談1件につき15分の入力を求めると、月に20件なら5時間です。
稼働単価が時間あたり2万円なら、月に10万円の費用です。
数字は説明のための仮の値です。
この費用を認識すると、項目を絞る判断になります。
記録の項目の設計
| 項目 | 入力の形 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 面談の日付と相手 | 自動または選択 | ほぼゼロ |
| 相談の内容 | 自由記述で3行 | 2分 |
| 提案に進むかどうか | 選択 | 10秒 |
| 進まない場合の理由 | 選択肢から選ぶ | 10秒 |
| 次の接触の時期 | 選択 | 10秒 |
| 紹介元 | 選択または記述 | 30秒 |
自由記述を1つに絞る
相談の内容だけを自由記述にします。
他は選択式にすると、5分で終わります。
入力の場所を1か所にする
複数の場所に記録を求めると、どこにも溜まりません。
既に使っている道具の中に項目を足す形が続きます。
入力した人に返す
記録した内容が、自分の仕事に役立つ形にします。過去の相談の一覧が見られる、紹介元への報告が楽になる。返るものがないと、入力は止まります。
守秘の制約と、記録の範囲
支援先の内部情報は、記録の対象にしません。
記録するのは接点と関係であって、支援の中身ではありません。
コンサルティングでは、支援先の内部情報を扱います。
この情報の扱いには制約があります。
記録してよいものと、よくないもの
会社名、担当者、面談の日付、相談のテーマの区分。
これらは記録できます。
支援先の財務の詳細、人事の情報、開示されていない経営の判断。
これらは、社内の共有の範囲を限定します。
記録の対象と、扱い
| 情報 | 記録するか | アクセスの範囲 |
|---|---|---|
| 会社名と担当者 | する | 全員 |
| 面談の日付と経路 | する | 全員 |
| 相談のテーマの区分 | する | 全員 |
| 提案の有無と理由 | する | 全員 |
| 支援の具体的な内容 | 限定する | 担当者と経営 |
| 支援先の内部の情報 | 記録しない | 該当なし |
契約での取り決めを確認する
支援先との契約に、情報の扱いに関する条項があります。
記録の設計を行う前に、その内容を確認します。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
退職時の扱いを決めておく
コンサルタントが退職する際、顧客の情報をどう扱うか。
この取り決めがないと、後から問題になります。
入社時と退職時の取り決めを、あらかじめ整えます。
個人の情報の扱い
名刺やセミナーの参加者の情報は、取得時の説明の範囲で使います。連絡に使う場合、その旨を取得時に伝えているかを確認します。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
接点の一覧を、どう作るか
名刺とセミナーの参加者を集めるところから始めます。
数百件から千件規模の一覧ができれば、連絡できる相手が見えます。
既にある接点の数を把握していない会社が多くあります。
集める対象
過去の名刺。
セミナーや勉強会の参加者。
講演を聞いた人の情報。
過去の相談者。
支援が終わった顧客の担当者。
接点の一覧に含める情報を、項目ごとに見ていきます。
会社名と氏名については、集めやすさは集めやすい、使い道は識別。
役職については、集めやすさは集めやすい、使い道は対象の判断。
連絡先については、集めやすさは集めやすい、使い道は連絡。
接点の種類については、集めやすさは記録が要る、使い道は関係の強さの判断。
最後に接触した時期については、集めやすさは記録が要る、使い道は連絡の優先度。
関心のある領域については、集めやすさは聞く必要がある、使い道は内容の選択。
一覧にするだけで見えること
数百件の接点があるのに、年に数回しか連絡していない状態が見えます。
接触していない相手が、実は多いことが分かります。
重複を整理する
同じ人が複数回名刺交換をしていることがあります。
会社名と氏名で整理します。
完璧を目指さず、明らかな重複だけを処理します。
連絡してよいかを確認する
古い名刺の情報を使う場合、取得時の状況によっては連絡が適切でない場合があります。判断に迷う場合は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
道具を選ぶ前に、確認すること
顧客数が数百社の事業に、大規模な仕組みは要りません。
何人が何を入力するかを決めてから、必要な機能が決まります。
顧客管理の道具の導入が、記録の改善として提案されます。
規模に合った選択
支援先が年に20社から50社という規模なら、扱う情報の量は限られます。
表計算の仕組みで足りる場合があります。
道具を選ぶ前に決めることを、項目ごとに見ていきます。
何の判断に使うかについては、決めないとどうなるかは集めただけで使われない。
誰が入力するかについては、決めないとどうなるかは入力されない。
入力の項目は何個かについては、決めないとどうなるかは多いと埋まらない。
誰が見られるかについては、決めないとどうなるかは守秘の問題が起きる。
既存の道具とどうつなぐかについては、決めないとどうなるかは二重入力になる。
誰が点検するかについては、決めないとどうなるかは数か月で実態と離れる。
機能の多さで選ばない
多機能な仕組みは、設定と運用に手間がかかります。
少人数の組織では、その手間が負担になります。
いま必要なことができるかで選びます。
契約の管理と、関係の記録を分ける
契約と請求の管理は、管理部門の仕組みで行われています。
関係の記録は、コンサルタントが入力するものです。
同じ仕組みに入れると、どちらの都合にも合わなくなることがあります。
外部に相談するときの確認
顧客管理の設計を外部に相談する場合、案件数が少なく単価が高い事業の前提を理解しているかを確認します。大量の見込み客を扱う前提の設計は、この事業には過剰になります。
記録の整備で、行き詰まりやすいところ
完璧な記録を作ってから使おうとすると、いつまでも始まりません。
不完全なまま使い始めて、使いながら埋めていく順序にします。
記録の整備は、終わりが見えない作業になりがちです。
過去を遡らない
過去のすべての面談を記録に起こす作業は、現実的ではありません。
今日からの記録を始め、過去は必要になったものだけ遡ります。
記録の整備で起きる行き詰まりを、項目ごとに見ていきます。
過去の分が終わらないについては、原因は全件を対象にしている、抜け方は今日から始める。
入力されず空欄が増えるについては、原因は返るものがない、抜け方は使い道を先に見せる。
個人が情報を出さないについては、原因は評価への影響を懸念、抜け方は評価との関係を明示する。
記録が古くなるについては、原因は点検の担当がいない、抜け方は四半期ごとの確認。
道具を入れたが使われないについては、原因は目的が決まっていない、抜け方は目的を1つに絞る。
守秘の懸念で止まるについては、原因は範囲が不明確、抜け方は記録する範囲を文書にする。
評価との関係を明示する
記録が評価に使われると思われると、情報が出てきません。
記録は評価に使わないことを、先に明示します。
使う場合は、どう使うかを明示します。
情報を出さない人への対応
協力しない人を責めても進みません。記録がないことで何が起きているかを、事実として示します。同じ相手に複数から連絡が行った件数など。
関係の記録を、どこから始めるか
紹介元を記録することからです。
項目が1つで済み、1年続ければ受注の構造が見えます。
記録の整備は、項目を1つに絞って始めると定着します。
記録の整備を進める作業の並びを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは記録する目的を1つに決める、関わる人は経営、期間の目安は2週間。
2については、やることは記録してよい範囲を文書にする、関わる人は経営・法務、期間の目安は3週間。
3については、やることは新しい案件で紹介元を記録し始める、関わる人は全員、期間の目安は継続。
4については、やることは名刺とセミナー参加者を一覧にする、関わる人は管理部門、期間の目安は1か月。
5については、やることは面談後の記録の項目を6つに決める、関わる人は経営・コンサルタント、期間の目安は2週間。
6については、やることは四半期ごとの点検の担当を決める、関わる人は管理部門、期間の目安は1週間。
記録してよい範囲の文書化
何を記録し、誰が見られ、退職時にどうするか。
この3つを1枚にまとめます。
文書があると、記録への抵抗が小さくなります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
名刺とセミナー参加者を集めた結果、重複を除いて680件の接点があったとします。
そのうち、過去1年に連絡した相手が90件だけだとします。
残る590件は、接点がありながら放置されている相手です。
月に1回の情報の送付を始めるだけで、接点が維持されます。
記録の状態を見る数字を、項目ごとに見ていきます。
接点の一覧の件数については、見る頻度は四半期、何が分かるかは関係の総量。
過去1年に連絡した比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは接点の維持の状況。
紹介元が記録された案件の比率については、見る頻度は四半期、何が分かるかは記録の定着。
面談後の記録が入力された比率については、見る頻度は月次、何が分かるかは運用の状況。
記録を使って連絡した件数については、見る頻度は四半期、何が分かるかは活用されているか。
点検で修正した件数については、見る頻度は四半期、何が分かるかは記録の劣化。
使われた回数を測る
記録の精度より、使われた回数を見ます。
使われていないなら、精度を上げても意味がありません。
1年目は記録を作る年にする
1年目に成果を求めず、記録が溜まる状態を作ります。
2年目から、その記録を使った活動を始めます。
顧客の記録の扱いで判断に迷う場合は、無料相談で現状の情報の持ち方を見てもらうところから始められます。接点の管理ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
顧客の記録は何から始めればいいですか
紹介元を記録することからです。項目が1つで済み、新しい案件が来たときに誰からの紹介かを書くだけで、1年後には受注の構造が見えます。
コンサルタントが記録を入力してくれません
項目が多いことと、入力しても返るものがないことが原因です。自由記述を1つに絞って5分で終わる形にし、過去の相談の一覧が見られるなどの利点を作ってください。
守秘の制約で記録できません
記録するのは接点と関係であって、支援の中身ではありません。会社名、担当者、面談の日付、相談のテーマの区分までと範囲を文書にすれば、抵抗が減ります。
どんな仕組みを導入すべきですか
支援先が年に数十社という規模なら、表計算の仕組みで足りる場合があります。機能の多さではなく、いま必要なことができるかで選んでください。
過去の名刺を使って連絡してもいいですか
取得時にどう説明していたかによります。連絡に使うことを伝えていない場合や判断に迷う場合は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
まとめ
- 名刺も面談の記録も、担当したコンサルタントが持っています。会社としての記録がないため、誰がどこと関係を持っているかが分かりません
- 全部を記録する計画にすると、入力されずに終わります。過去の相談の再掘り起こしか、紹介元の把握か、どちらかから始めます
- 項目が多いと書かれません。面談の後に5分で終わる形にして、選択式を中心にします
- 支援先の内部情報は、記録の対象にしません。記録するのは接点と関係であって、支援の中身ではありません
- 名刺とセミナーの参加者を集めるところから始めます。数百件から千件規模の一覧ができれば、連絡できる相手が見えます
- 顧客数が数百社の事業に、大規模な仕組みは要りません。何人が何を入力するかを決めてから、必要な機能が決まります
- 完璧な記録を作ってから使おうとすると、いつまでも始まりません。不完全なまま使い始めて、使いながら埋めていく順序にします
- 紹介元を記録することからです。項目が1つで済み、1年続ければ受注の構造が見えます