
入口が一つしかないからです。
計画が固まった発注者も、相場を知りたいだけの相手も、同じフォームから届きます。
件数だけを追うと、後者が増えていることに気づけません。
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目次
目次
- 建設会社の引合に、買えない相手が混ざる理由
- 混ざっているものの中身
- 建設会社の場合、有効な引合の条件を、誰が決めるのか
- 三者がそれぞれ違うものを見ている
- 建設会社の場合、件数の目標が、引合の中身を壊していく過程
- 起きる順番
- 規模と時期の情報を、どこで取るか
- フォームで聞くのは四つまで
- 自社の得意から外れた引合を、どう扱うか
- 抱えることの損失
- 建設会社の場合、質の高い引合だけを増やす方法はあるのか
- 情報の出し方で層が変わる
- 建設会社の場合、引合の中身を、社内でどう共有するか
- 共有する単位を揃える
- 建設会社が引合の定義を作り直す進め方
- 最初は条件を緩めに置く
- よくある質問
- まとめ
入口が一つしかないからです。
計画が固まった発注者も、相場を知りたいだけの相手も、同じフォームから届きます。
件数だけを追うと、後者が増えていることに気づけません。
建設会社の引合に、買えない相手が混ざる理由
入口が一つしかないからです。
計画が固まった発注者も、相場を知りたいだけの相手も、同じフォームから届きます。
件数だけを追うと、後者が増えていることに気づけません。
建設会社のサイトに届く相談は、性質が大きく違うものが同じ形で並びます。
これを一つの数字にした時点で、質の議論ができなくなります。
混ざっているものの中身
予算と時期が決まっている発注者。
概算だけ知りたい相手。
相見積の当て馬として声をかけてきた相手。
同業からの下請の打診。
資材や設備の売り込み。
この五つが、同じ問い合わせ件数に入っています。
件数が増えると、現場の負担が増える
問い合わせが増えると、一次対応と現地調査の手間が増えます。
現地調査は営業だけでは完結せず、工務や積算の時間を使います。
質の低い引合が増えると、社内の限られた人手がそこに吸われます。
集客の担当が件数を誇っているときに、現場が疲弊していることがあります。
見積を出すこと自体に原価がかかる
概算であっても、積算には工数がかかります。
図面を引いて数量を拾う段階まで進めば、実質的な原価が発生します。
無償で出した見積が相見積の比較材料にだけ使われると、その工数は回収できません。
建設会社に届く引合の性質の違い
| 引合の種類 | 予算の有無 | 決定までの期間 | 社内で使う工数 | 指標での扱い |
|---|---|---|---|---|
| 計画が固まった発注 | ある | 数か月 | 大きい | 有効として数える |
| 概算の把握が目的 | 未定 | 不明 | 中程度 | 条件付きで数える |
| 相見積の当て馬 | 他社で内定 | 短い | 大きい | 除外したい |
| 同業からの下請打診 | 元請の枠 | 短い | 小さい | 別枠で数える |
| 売り込みと営業 | なし | なし | 小さい | 除外する |
質の定義を、件数の目標より先に決める
件数の目標を置いてから質を議論すると、定義が甘くなります。先に何を有効とするかを決めてから、その数で目標を置きます。
建設会社の場合、有効な引合の条件を、誰が決めるのか
営業と工務と積算の三者で決めます。
マーケティングが単独で決めると、現場で受け取れない条件になります。
質の定義は、受け取る側が決めます。
渡す側が決めた定義は、渡した後で機能しません。
三者がそれぞれ違うものを見ている
営業は、決裁者に会えるかどうかを見ます。
工務は、工期と現場の条件が自社で回せるかを見ます。
積算は、図面や仕様の情報が揃っているかを見ます。
この三つが揃って初めて、受けられる引合になります。
有効な引合の条件を、三者でどう分担するか
| 見る部署 | 確認する条件 | 確認できる時期 | 欠けているときの扱い |
|---|---|---|---|
| 営業 | 決裁の権限と予算の有無 | 一次対応 | 追加で聞き取る |
| 工務 | 着工時期と現場の条件 | 現地調査 | 時期をずらす提案をする |
| 積算 | 仕様と数量の情報 | 見積依頼 | 概算のみで返す |
| 経営 | 与信と取引の可否 | 契約前 | 条件を変える |
| 全体 | 自社の得意な工種か | 一次対応 | 断るか協力会社に回す |
条件を三段階にする
すべてを満たすものだけを有効にすると、対象が少なくなりすぎます。
満たす、条件付き、対象外の三段階にします。
条件付きのものを、どう扱うかを決めておくのが実務の肝になります。
断る基準を明文化する
自社の得意な工種から外れた相談、対応エリアの外、着工時期が枠と合わない案件。
これらを断る基準を文書にしておくと、営業ごとの判断のばらつきが消えます。
断ること自体を悪いことにしない空気を作ります。
断らずに抱えた案件が、社内の工数を最も食います。
定義を変えたら、過去に遡って揃える
期中に有効の定義を変えると、前後の比較ができなくなります。変えるなら、過去のデータも新しい定義で数え直します。
建設会社の場合、件数の目標が、引合の中身を壊していく過程
配信を広げれば件数は取れます。
ただし取れるのは、予算も時期も決まっていない層です。
件数の目標が置かれると、達成する方法は決まっています。
広く出すことです。
起きる順番
最初に、対象を広げます。
次に、入力の項目を減らします。
次に、入口を増やします。
資料請求や費用の目安といった、決めていない層でも押せる入口を作ります。
件数は増えます。
同時に、現地調査に進む比率が落ちます。
落ちたことに気づくまでに時間がかかる
現地調査から受注までに数か月かかるため、質の悪化は遅れて現れます。
半年後に受注が落ちたときには、原因が配信の広げ方にあったことが分からなくなっています。
件数と中身の動きから何が起きているかを読む
| 引合の件数 | 現地調査に進む比率 | 受注高 | 起きていること |
|---|---|---|---|
| 増えた | 維持 | 増える | 想定どおり |
| 増えた | 低下 | 変わらない | 決めていない層が増えた |
| 減った | 上昇 | 変わらない | 条件を絞れている |
| 増えた | 維持 | 変わらない | 見積の後で負けている |
| 減った | 低下 | 落ちる | 訴求か対象がずれている |
現地調査に進んだ比率を、同時に見る
件数と並べて、現地調査に進んだ比率を毎月見ます。
この二つを並べておけば、広げすぎたことにその月のうちに気づけます。
目標を金額側に持つと、副作用が出にくい
件数ではなく想定金額の合計を目標にすると、小口を大量に集めても達成しません。目標の形を変えるだけで、現場の行動が変わります。
規模と時期の情報を、どこで取るか
フォームで全部を聞こうとしないことです。
入力の項目を増やすほど、条件の良い相手ほど離脱します。
質の判定には情報が要ります。
一方で、情報を求めるほど入口が狭くなります。
フォームで聞くのは四つまで
建物の用途、おおよその規模、工事の区分、着工の希望時期。
この四つがあれば、金額帯への割り振りができます。
予算の金額そのものを聞くと、答えたくない相手が多く、離脱の原因になります。
残りは一次対応で聞く
決裁の権限、他社への相談の有無、図面や仕様書の有無。
これらは電話や返信のやり取りで聞きます。
フォームで聞くよりも、聞ける情報の質が上がります。
情報を取る場所の使い分け
| 情報の種類 | 取る場所 | 取れない場合の代替 |
|---|---|---|
| 建物の用途と規模 | フォーム | 一次対応で聞く |
| 着工の希望時期 | フォーム | 一次対応で聞く |
| 工事の区分 | フォーム | 相談の文面から推定する |
| 決裁の権限 | 一次対応 | 現地調査で確認する |
| 他社への相談の有無 | 一次対応 | 聞かない選択もある |
| 図面と仕様の有無 | 一次対応 | 概算のみで返す |
| 与信の情報 | 契約前 | 経理に確認する |
入口ごとに集まる層が違う
工事の実績を見て問い合わせた相手と、費用の目安のページから問い合わせた相手では、検討の段階が違います。
どのページから来たかを記録しておくと、一次対応の仕方を変えられます。
聞かない選択も持つ
条件の良い発注者ほど、問い合わせの前に多くの情報を見ています。その相手に入力の手間をかけさせると、他社に流れます。金額帯の高い案件を狙う入口だけは、項目を少なくして電話番号を目立たせる形もあります。
自社の得意から外れた引合を、どう扱うか
断るか、協力会社に回すかを決めておきます。
抱えたまま放置するのが最も損失になります。
問い合わせのうち一定数は、自社では受けられない内容です。
この扱いを決めていない会社が多くあります。
抱えることの損失
返事を先延ばしにしているあいだ、社内の誰かが気にし続けます。
発注者の側も待ち続けます。
最終的に断ると、その相手は二度と戻ってきません。
受けられない理由を三つに分ける
工種が合わない。
エリアが遠い。
時期が枠と合わない。
このうち時期だけは、後ろにずらせば受けられることがあります。
受けられない引合の扱い方を、項目ごとに見ていきます。
工種が自社の範囲外については、すぐ断るかは断る、代替の対応は協力会社を紹介する、記録するかはする。
対応エリアの外については、すぐ断るかは断る、代替の対応は同業を紹介することもある、記録するかはする。
着工時期が枠と合わないについては、すぐ断るかは断らない、代替の対応は後ろの時期を提案する、記録するかはする。
規模が小さすぎるについては、すぐ断るかは条件付き、代替の対応はまとめて受ける提案をする、記録するかはする。
規模が大きすぎるについては、すぐ断るかは条件付き、代替の対応は共同企業体の可否を確認する、記録するかはする。
紹介した相手との関係を記録する
協力会社や同業に回した案件は、記録しておきます。
逆の立場で回してもらえることがあります。
建設会社の商圏では、この往復が新しい取引の入口になります。
断った件数を、経営の数字として見る
断った案件の金額の合計を四半期ごとに出します。この額が大きいなら、対応できる範囲を広げるか、施工の枠を増やす判断の材料になります。断りが積み上がっていることに気づかないまま、集客の予算を増やす議論が始まることがあります。
建設会社の場合、質の高い引合だけを増やす方法はあるのか
入口の作り方で、集まる層は変えられます。
ただし総量は減ります。
質を上げれば件数は減ります。
この交換関係を先に受け入れたうえで、どちらに寄せるかを決めます。
情報の出し方で層が変わる
実績の詳細、工法の説明、施工の体制。
こうした情報を厚く出すと、比較して検討している層が集まります。
費用の目安や概算のシミュレーションを前面に出すと、まだ決めていない層が集まります。
どちらが良いかは、施工の枠の状態で変わります。
入口の設計と、集まる層の関係を、項目ごとに見ていきます。
実績と工法を詳しく出すについては、集まる層は比較している発注者、件数は少ない、現地調査に進む比率は高い。
施工体制と有資格者を出すについては、集まる層は規模の大きい発注者、件数は少ない、現地調査に進む比率は高い。
費用の目安を出すについては、集まる層は検討の初期、件数は多い、現地調査に進む比率は低い。
資料請求を置くについては、集まる層は情報収集、件数は多い、現地調査に進む比率は低い。
電話番号を目立たせるについては、集まる層は急いでいる発注者、件数は少ない、現地調査に進む比率は高い。
枠の状態で入口を切り替える
現場に余力があるときは、件数の取れる入口を開けます。
枠が埋まってきたら、実績と体制を前面に出す入口に寄せます。
入口の設計を固定しない運用にすると、施工側の状況に合わせられます。
除外の設定より、訴求の設計が効く
配信の側で細かく除外を積み上げるより、何を見せるかを変えるほうが層は動きます。
見せている情報が費用の話ばかりなら、費用で選ぶ相手が集まります。
表現に注意が要る領域を確認する
工事の実績や価格の表示、施工の期間や品質に関する表現には、誤認を招かない配慮が必要です。何が言えて何が言えないかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。自治体で運用が異なる制度は、自治体の窓口で確認してください。
建設会社の場合、引合の中身を、社内でどう共有するか
月次で、件数ではなく内訳を出します。
内訳が共有されていないと、営業と集客の議論が感情の話になります。
質の議論が噛み合わないのは、双方が違う数字を見ているからです。
共有する単位を揃える
営業は個別の案件を見ています。
集客の担当は月次の集計を見ています。
この二つをつなぐには、金額帯と入口別の内訳が要ります。
月次で共有する引合の内訳を、項目ごとに見ていきます。
金額帯別については、数える単位は件数と想定金額、並べて見る数字は現地調査に進んだ比率、議論に使う場面は配信の重点。
入口別については、数える単位は件数、並べて見る数字は現地調査に進んだ比率、議論に使う場面はページの良し悪し。
工種別については、数える単位は件数と想定金額、並べて見る数字は受けられたかどうか、議論に使う場面は対応範囲の見直し。
エリア別については、数える単位は件数、並べて見る数字は移動の負担、議論に使う場面は商圏の設定。
断った理由別については、数える単位は件数と想定金額、並べて見る数字は理由の内訳、議論に使う場面は枠と体制の判断。
良かった案件を名指しで共有する
数字だけでは、どういう引合が良いのかが伝わりません。
四半期に一度、受注に至った案件がどの入口から来たかを具体的に共有します。
これがあると、集客の担当が何を作るべきかを判断できます。
悪かった案件も同じ場で扱う
受けられなかった案件、見積の後で負けた案件。
これを共有する場がないと、営業側に不満だけが溜まります。
責める場にしないための進め方
数字を出す目的は、どこを直すかを決めることです。誰の責任かを決める場にすると、翌月から情報が出てこなくなります。議事の最初に、決めることを一つだけ挙げてから始めます。
建設会社が引合の定義を作り直す進め方
過去一年の受注案件を逆にたどるところからです。
受注につながった引合に共通する条件が、有効の定義になります。
定義は机上で作らず、実績から抜き出します。
建設会社で引合の定義を作る進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去一年の受注案件の入口を洗い出す、関わる部署は営業、期間の目安は二週間。
2については、やることは受注に至った引合の共通条件を抜き出す、関わる部署は営業とマーケティング、期間の目安は一週間。
3については、やることは工務と積算が受けられる条件を確認する、関わる部署は工務と積算、期間の目安は二週間。
4については、やることは有効と条件付きと対象外の三段階に整理する、関わる部署は全体、期間の目安は一週間。
5については、やることは断る基準を文書にする、関わる部署は営業と経営、期間の目安は一週間。
6については、やることはフォームの項目を四つに絞る、関わる部署はマーケティング、期間の目安は一週間。
7については、やることは月次で内訳を共有する場を作る、関わる部署は全体、期間の目安は継続。
最初は条件を緩めに置く
厳しく定義すると、有効な引合がほとんどなくなります。
最初は緩めに置いて、三か月ごとに絞り込みます。
定義を運用してから確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
有効な引合の件数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は配信量の増減。
有効な引合の想定金額については、見る頻度は月次、分けて見る軸は金額帯、判断に使う場面は目標への進捗。
現地調査に進んだ比率については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は入口の設計の良し悪し。
見積後の決定率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は工種別、判断に使う場面は提案と価格の妥当性。
断った案件の金額については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は理由別、判断に使う場面は対応範囲と枠の判断。
一次対応までの日数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は対応体制の確認。
定義を一枚にまとめて配る
有効とは何か、条件付きとは何か、対象外はどれか。
この三つを一枚にして、営業と工務と積算に配ります。
担当者が代わっても同じ数え方が続く状態を作ると、年をまたいだ比較ができます。
三か月ごとに見直す場を持つ
施工の枠と技術者の人数が変わると、受けられる条件が変わります。
定義も一緒に動かします。
固定したまま運用すると、実態と離れていきます。
引合の中身の判断に迷う場合は、無料相談で現状の分類を一緒に整理するところから始められます。入口の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
建設会社で有効な引合の条件はどう決めますか
過去一年の受注案件を逆にたどり、受注に至った引合に共通する条件を抜き出してください。そのうえで工務と積算が受けられる条件を重ねます。マーケティングが単独で決めた定義は現場で機能しません。
問い合わせフォームで予算額を聞いてもいいですか
金額そのものを聞くと離脱が増えます。建物の用途、おおよその規模、工事の区分、着工の希望時期の四つに絞り、決裁の権限や図面の有無は一次対応で聞いてください。
件数は増えているのに受注が変わりません
現地調査に進んだ比率を並べて見てください。件数だけが増えて比率が落ちているなら、まだ決めていない層が増えています。目標を件数から想定金額の合計に変えると副作用が出にくくなります。
自社で受けられない引合はどうすべきですか
工種やエリアが合わないものはすぐ断り、協力会社を紹介してください。着工時期が枠と合わないだけなら後ろの時期を提案します。抱えたまま放置するのが最も損失になります。
断った案件は記録する必要がありますか
金額と理由を記録して四半期ごとに合計を出してください。断りの額が大きいなら、対応範囲を広げるか施工の枠を増やす判断の材料になります。
まとめ
- 入口が一つしかないからです。計画が固まった発注者も、相場を知りたいだけの相手も、同じフォームから届きます。件数だけを追うと、後者が増えていることに気づけません
- 営業と工務と積算の三者で決めます。マーケティングが単独で決めると、現場で受け取れない条件になります
- 配信を広げれば件数は取れます。ただし取れるのは、予算も時期も決まっていない層です
- フォームで全部を聞こうとしないことです。入力の項目を増やすほど、条件の良い相手ほど離脱します
- 断るか、協力会社に回すかを決めておきます。抱えたまま放置するのが最も損失になります
- 入口の作り方で、集まる層は変えられます。ただし総量は減ります
- 月次で、件数ではなく内訳を出します。内訳が共有されていないと、営業と集客の議論が感情の話になります
- 過去一年の受注案件を逆にたどるところからです。受注につながった引合に共通する条件が、有効の定義になります