建設会社のインハウス化の判断|内製と外注の分け方

集客の人材を採るには、技術者の採用と同じ人件費の枠を使うためです。
受注の上限を上げる人を採るか、集客の人を採るかの選択になります。
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目次
目次
- 建設会社の内製の議論が、採用の話に行き着く理由
- 人件費の枠が共通している
- 建設会社の場合、内製の動機を、正しく整理する
- 動機の内訳
- 建設会社の場合、どこを社内に持つと、最も効くか
- 社外の人にできない仕事
- 採用の発信と、受注の集客で内製の効きが違う
- 採用の発信は社内の情報が要る
- 建設会社の場合、社内に人を置くときの、育て方
- 委託先を教材にする
- 建設会社の場合、外部に残す領域を、どう決めるか
- 変化が速い領域
- 建設会社の場合、内製の判断で、見落とされやすいこと
- 費用の比較に入れ忘れるもの
- 建設会社が内と外の分担を決める進め方
- 一度に移す範囲は一つ
- よくある質問
- まとめ
集客の人材を採るには、技術者の採用と同じ人件費の枠を使うためです。
受注の上限を上げる人を採るか、集客の人を採るかの選択になります。
建設会社の内製の議論が、採用の話に行き着く理由
集客の人材を採るには、技術者の採用と同じ人件費の枠を使うためです。
受注の上限を上げる人を採るか、集客の人を採るかの選択になります。
広告や制作を社内に持つかどうかは、費用の比較の話に見えます。
建設会社では、人の配分の話になります。
人件費の枠が共通している
技術者を一人増やせば、動かせる現場が増えます。
集客の担当を一人増やしても、施工の枠は増えません。
同じ人件費なら、技術者を優先するのが経営の判断として自然です。
この構造がある限り、集客の内製は後回しになります。
地方では採用そのものが難しい
商圏が限られる会社では、集客の経験を持つ人が地域にいないことがあります。
募集をかけても応募が来ません。
兼任で始めざるを得ない
専任を置けないため、総務や営業の担当が兼任で始めます。
兼任のまま内製の範囲を広げると、どの仕事も中途半端になります。
建設会社で内製を考えるときの制約
| 制約 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 人件費の枠 | 技術者の採用と競合する | 専任を置きにくい |
| 地域の人材 | 経験者が地域にいない | 外から採れない |
| 兼任の限界 | 使える時間が限られる | 範囲を広げられない |
| 現場との関係 | 社内の人でないと入れない | 外部に任せられない部分がある |
| 媒体の変化への追随 | 学習の時間が要る | 運用の内製が続かない |
内製の議論を、全部か外注かにしない
すべてを社内に持つ必要はありません。どの作業を社内に持つと最も効くかを選びます。
建設会社の場合、内製の動機を、正しく整理する
費用を下げることが目的なら、たいてい期待は外れます。
社内に判断の材料を残すことが目的なら、意味があります。
内製化を検討する理由は、会社によって違います。
理由によって、やるべき範囲が変わります。
動機の内訳
Testifyが2026年5月に実施した調査では、インハウス化の動機としてノウハウの蓄積が56.7%、コスト削減が46.7%という結果が出ています。
一方で障壁としては、教育の時間と知見の不足が44.8%、媒体のアップデートへの追随の困難が40.3%、人材の採用が36.7%が挙がっています。
費用を下げる目的では期待が外れやすい
運用の手数料を社内の人件費に置き換えても、下がるとは限りません。
一人の人件費と、委託の手数料を比べると、規模によっては委託のほうが安くなります。
内製の動機と、それが叶うかどうか
| 動機 | 叶いやすさ | 条件 |
|---|---|---|
| 判断の材料を社内に残す | 叶いやすい | 記録と共有の仕組みがあること |
| 現場の情報を速く反映する | 叶いやすい | 現場との関係があること |
| 費用を下げる | 条件次第 | 一定以上の予算規模があること |
| 媒体の変化に速く対応する | 叶いにくい | 学習の時間が確保できること |
| 委託先への不満を解消する | 叶わないことがある | 不満の原因が委託先にない場合 |
委託先への不満が動機の場合
不満の原因が自社側にあることがあります。
受注の結果を伝えていない、施工の枠を共有していない。
これを直さずに内製にしても、同じ問題が起きます。
建設会社に固有の動機
現場の情報を速く発信に反映させたい。これは建設会社に固有の、内製が有利な動機です。外部の委託先には、現場に入る手段がありません。
建設会社の場合、どこを社内に持つと、最も効くか
現場から材料を引き出す仕事です。
配信の運用ではありません。
社内に持つべき作業と、外に出せる作業を分けます。
社外の人にできない仕事
現場の所長に話を聞く。
竣工の写真を選ぶ。
発注者に掲載の許諾を取る。
営業から失注の理由を聞き出す。
これらは、社内の立場がないと進みません。
内製と外注の分け方
| 作業 | 社内に持つべきか | 理由 |
|---|---|---|
| 現場からの材料の収集 | 持つ | 社外の人は現場に入れない |
| 実績の内容の確認 | 持つ | 技術的な誤りを防ぐ |
| 発注者への許諾の依頼 | 持つ | 営業の関係が要る |
| 記事や資料の執筆 | 条件付き | 材料があれば外に出せる |
| 写真と動画の撮影と編集 | 出せる | 技術で回る |
| サイトの制作と更新 | 出せる | 技術で回る |
| 配信の設計と運用 | 出せる | 媒体の変化への追随が要る |
| 数字の集計と報告 | 条件付き | 定型化できる部分は出せる |
配信の運用は外に出したほうが続く
媒体の仕様は変わり続けます。
兼任の担当が追いかけ続けるのは現実的ではありません。
材料の収集だけを社内に持つ形
最も軽い内製の形は、現場からの材料の収集だけを社内に持ち、それ以外を委託することです。
この形なら、専任を置かなくても回ります。
判断は社内に残す
どの工種にいくら使うか、どの実績を前面に出すか。実行を外に出しても、判断は社内に残します。
採用の発信と、受注の集客で内製の効きが違う
採用の発信は、社内の人でないと作れない部分が大きくなります。
受注の集客より、内製の価値が出やすい領域です。
建設会社では、二つの目的で発信が必要になります。
内製の判断は、それぞれで変わります。
採用の発信は社内の情報が要る
働く人の様子、現場の雰囲気、資格の取得の支援。
これは社外の人が取材で作ると、表面的になります。
受注の集客は外部の技術が効く
配信の設計、比較の段階での見せ方。
これは手法の蓄積がある委託先のほうが速く進みます。
目的別の内製と外注の向き不向き
| 目的 | 社内に向く作業 | 外部に向く作業 |
|---|---|---|
| 受注の集客 | 実績の材料の収集と判断 | 配信の設計と制作 |
| 採用の発信 | 働く人の情報の収集と執筆 | 媒体の選定と配信 |
| 会社の信用の整備 | 情報の正確さの確認 | 構造の設計 |
| 実績の記事化 | 聞き取りと技術の確認 | 文章の整形と編集 |
| 数字の管理 | 判断 | 集計と可視化 |
採用が受注の上限を決める以上、優先順位が上がる
技術者が増えなければ、受注の上限は上がりません。
限られた人員を配分するなら、採用の発信の内製から始める判断があります。
兼任の担当が両方を持つ場合の時間配分
期初に、どちらにどれだけの時間を使うかを決めます。決めずに始めると、緊急性の高い受注の側に全部の時間が吸われます。
建設会社の場合、社内に人を置くときの、育て方
外部の委託先を教材として使います。
報告の場に同席させ、判断の理由を説明してもらう形が最も早く進みます。
集客の担当を社内に置いても、育てる仕組みがないと成長しません。
委託先を教材にする
報告の場で、なぜその判断をしたのかを説明してもらいます。
数字の報告だけを受け取っていると、判断の考え方が身につきません。
契約の段階で、この説明を報告の内容に含めることを決めておきます。
社内の担当を育てる進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは報告の場で判断の理由を聞く、期間の目安は三か月、外部の関わり方は委託先が説明する。
2については、やることは数字の集計を自社で行う、期間の目安は三か月、外部の関わり方は委託先が確認する。
3については、やることは施策の案を自社から出す、期間の目安は六か月、外部の関わり方は委託先が助言する。
4については、やることは一部の判断を自社で行う、期間の目安は六か月、外部の関わり方は委託先が実行する。
5については、やることは現場からの材料の収集を確立する、期間の目安は継続、外部の関わり方は外部は関わらない。
現場との関係づくりに時間を割く
配信の技術より、現場の所長や営業との関係のほうが時間がかかります。
そちらを優先させます。
一人にすべてを背負わせない
受注の集客と採用の発信と現場との関係。
すべてを一人に任せると、退職したときに何も残りません。
記録を残す形にしておきます。
成果を一年で問わない
立ち上げから成果が見えるまでに一年かかります。評価の時期を先に合意します。
建設会社の場合、外部に残す領域を、どう決めるか
変化の速い領域と、設備が要る領域を残します。
媒体の仕様と、撮影や制作の技術がそれにあたります。
すべてを社内に持つ判断は、建設会社では現実的ではありません。
どこを残すかを決めます。
変化が速い領域
媒体の仕様は変わり続けます。
LINEヤフーは2025年9月25日に統合を発表し、2026年4月1日にリリースしています。
基盤はYahoo!広告のディスプレイ広告で、LINE広告のみを利用していた企業にはYahoo!の計測タグの新規設置が必要とされています。
検索クエリーマッチングは2026年9月14日に提供が完了し、オプトイン方式とされています。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、自動作成アセットとキャンペーンレベルの部分一致は2026年9月に自動アップグレードされるとしています。
DSAについては2027年2月に延期されたうえで、2026年9月以降は新規のDSAキャンペーンが作成できないとされています。
この頻度の変更を、兼任の担当が追いかけ続けるのは難しくなります。
外部に残す領域と、その理由を、項目ごとに見ていきます。
配信の設計と運用については、残す理由は媒体の仕様が変わり続ける、自社で持つべき部分は予算の配分の判断。
撮影と映像の編集については、残す理由は機材と技術が要る、自社で持つべき部分は何を撮るかの判断。
サイトの構造の設計については、残す理由は専門の知識が要る、自社で持つべき部分は何を載せるかの判断。
計測の設定については、残す理由は仕様の変更が多い、自社で持つべき部分は何を測るかの判断。
記事の文章の整形については、残す理由は量をこなす必要がある、自社で持つべき部分は事実の確認。
設備が要る領域
現場の撮影や映像の編集は、機材と技術が要ります。
年に数回の作業のために社内に持つ意味は薄くなります。
判断は必ず社内に残す
実行を外に出しても、何を撮るか、何を載せるか、いくら使うか。
この判断は社内に残します。
外部との関係を一本にする
複数の委託先に分けると、調整の手間が増えます。兼任の担当が窓口をする場合、委託先は絞ります。
建設会社の場合、内製の判断で、見落とされやすいこと
社内に人を置く費用に、育成の時間と退職の危険が入っていません。
一人に依存した体制は、その人がいなくなった時点で止まります。
費用の比較をするとき、抜け落ちやすい項目があります。
費用の比較に入れ忘れるもの
人件費だけでなく、採用にかかる費用、育成の期間の生産性、使う仕組みの費用。
これらを入れると、内製が安いとは限らなくなります。
内製の費用の比較に入れる項目を、項目ごとに見ていきます。
人件費については、見落とされやすさは入っている、内容は給与と社会保険。
採用の費用については、見落とされやすさは抜けやすい、内容は募集と選考の費用。
育成の期間については、見落とされやすさは抜けやすい、内容は一年は成果が出にくい。
使う仕組みの費用については、見落とされやすさは抜けやすい、内容は計測や管理の道具。
学習の時間については、見落とされやすさは抜けやすい、内容は媒体の変化への追随。
退職したときの影響については、見落とされやすさは抜けやすい、内容は蓄積が失われる。
一人に依存する体制の危うさ
社内に一人だけ置く形は、その人が辞めた時点で止まります。
記録と手順を残す形にしておきます。
兼任のまま範囲を広げない
兼任の担当が、配信の運用まで持とうとすると破綻します。
使える時間から逆算して、範囲を決めます。
段階を飛ばさない
いきなり全部を社内に持とうとすると、失敗したときに戻せません。
一つずつ移して、続くことを確かめてから次に進みます。
技術者の採用を優先する判断もある
集客の担当を採るより、技術者を採るほうが事業への効きが大きい局面があります。内製化を進めないという判断も、正当な選択です。
建設会社が内と外の分担を決める進め方
現場からの材料の収集を社内に置くところからです。
配信の運用を社内に移すのは、その後で構いません。
効きの大きい順に、社内に移します。
内と外の分担を決める進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは現在の委託の範囲を作業ごとに書き出す、関わる部署はマーケティング、期間の目安は二週間。
2については、やることは社外の人にできない作業を選び出す、関わる部署は経営、期間の目安は二週間。
3については、やることは材料の収集を社内の業務に組み込む、関わる部署は工務と営業、期間の目安は三か月。
4については、やることは報告の場で判断の理由を聞く形にする、関わる部署はマーケティング、期間の目安は三か月。
5については、やることは数字の集計を自社で行う、関わる部署はマーケティング、期間の目安は三か月。
6については、やることは費用の比較に育成と退職の影響を入れる、関わる部署は経営、期間の目安は一か月。
7については、やることは移す範囲を一つ決めて一年で判断する、関わる部署は経営、期間の目安は一年。
一度に移す範囲は一つ
同時に複数を移すと、うまくいかなかったときに原因が分かりません。
内製の進み方を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
実績として形にできた件数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は材料の収集の定着。
外部への委託費の比率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は作業の種類別、判断に使う場面は分担の変化。
社内の担当が使った時間の配分については、見る頻度は月次、分けて見る軸は受注と採用の別、判断に使う場面は兼任の限界。
引合の金額については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は移した後の成果。
採用の応募の件数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は職種別、判断に使う場面は採用側の成果。
報告で判断の理由が説明されたかについては、見る頻度は月次、分けて見る軸は回数、判断に使う場面は育成の進み方。
一年で判断する
移した範囲について、一年たってから続けるかどうかを判断します。
三か月では、育成の途中で判断することになります。
戻せる形にしておく
社内に移した範囲がうまくいかなかったとき、委託先に戻せる関係を保ちます。
完全に切ってしまうと、戻す先がなくなります。
経営が人の配分として判断する
集客の担当を採るか、技術者を採るか。
これは集客の担当だけでは決められません。
経営が人の配分として判断する場を作ります。
内と外の分担で判断に迷う場合は、無料相談で現状の委託の範囲を一緒に整理するところから始められます。体制ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
建設会社が最初に社内に持つべき作業は何ですか
現場から実績と写真と話を引き出す作業です。社外の人には現場に入る手段がありません。配信の運用は媒体の仕様が変わり続けるため、外部に残したほうが続きます。
内製にすれば費用は下がりますか
人件費だけでなく、採用の費用、育成の期間の生産性、使う仕組みの費用を入れると下がるとは限りません。費用の削減より、社内に判断の材料を残すことを目的にしたほうが期待が外れにくくなります。
集客の担当を採るか技術者を採るか迷います
技術者を増やせば動かせる現場が増えますが、集客の担当を増やしても施工の枠は増えません。内製化を進めないという判断も正当な選択です。経営が人の配分として決める場を作ってください。
社内の担当はどう育てればいいですか
委託先の報告の場で、なぜその判断をしたのかを説明してもらう形が最も早く進みます。契約の段階で、この説明を報告の内容に含めることを決めておいてください。
採用の発信と受注の集客のどちらを内製にすべきですか
採用の発信のほうが社内の人でないと作れない部分が大きく、内製の価値が出やすい領域です。技術者が増えなければ受注の上限が上がらないため、事業への効きも大きくなります。
まとめ
- 集客の人材を採るには、技術者の採用と同じ人件費の枠を使うためです。受注の上限を上げる人を採るか、集客の人を採るかの選択になります
- 費用を下げることが目的なら、たいてい期待は外れます。社内に判断の材料を残すことが目的なら、意味があります
- 現場から材料を引き出す仕事です。配信の運用ではありません
- 採用の発信は、社内の人でないと作れない部分が大きくなります。受注の集客より、内製の価値が出やすい領域です
- 外部の委託先を教材として使います。報告の場に同席させ、判断の理由を説明してもらう形が最も早く進みます
- 変化の速い領域と、設備が要る領域を残します。媒体の仕様と、撮影や制作の技術がそれにあたります
- 社内に人を置く費用に、育成の時間と退職の危険が入っていません。一人に依存した体制は、その人がいなくなった時点で止まります
- 現場からの材料の収集を社内に置くところからです。配信の運用を社内に移すのは、その後で構いません