建設会社のマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

集客は本社、受注は営業所、実行は施工部門に分かれています。
評価の物差しが三者で違うため、同じ案件を見ても判断が割れます。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 建設会社の対立は、本社と営業所と施工の三者で起きる
- 三者が見ている数字が違う
- 引合の割り振りを、どう決めるか
- 三つの割り方
- 施工部門を、議論の場に入れる
- 施工部門が持っている情報
- 建設会社の場合、営業から情報が戻ってこない問題を、どう解くか
- 入力されない理由
- 建設会社の場合、共有する目標を、どこに置くか
- 引合の件数を共有指標にしない
- 建設会社の場合、評価の設計が、連携の成否を決める
- 本社経由の引合が後回しになる構造
- 建設会社の場合、連携の議論で取り違えられやすいこと
- 案件管理の仕組みを入れる
- 建設会社が三者の連携を立て直す進め方
- 最初の三か月は基準づくりだけ
- よくある質問
- まとめ
集客は本社、受注は営業所、実行は施工部門に分かれています。
評価の物差しが三者で違うため、同じ案件を見ても判断が割れます。
建設会社の対立は、本社と営業所と施工の三者で起きる
集客は本社、受注は営業所、実行は施工部門に分かれています。
評価の物差しが三者で違うため、同じ案件を見ても判断が割れます。
建設会社で集客と営業の連携を議論すると、二者の話にならないことが多くあります。
現場を持つ施工部門が三人目の当事者として入ってきます。
三者が見ている数字が違う
本社の集客担当は、引合の件数と金額を見ています。
営業所は、自分の担当区域の受注高を見ています。
施工部門は、現場の稼働と原価を見ています。
同じ案件でも、集客には成果、営業所には手間、施工には負担に見えることがあります。
地理で分かれていることの影響
営業所が複数あると、案件の割り振りに利害が生じます。
本社が集めた引合を、どの営業所に渡すか。
区域の境目にある案件は、どちらの実績になるのか。
この決め方が曖昧だと、引合を渡した先で動かない事態が起きます。
三者が見ているものの違い
| 立場 | 追っている数字 | 良い案件の定義 | 集客への要望 |
|---|---|---|---|
| 本社の集客 | 引合の件数と金額 | 数が多く金額が大きい | 予算を確保したい |
| 営業所 | 区域の受注高 | 決まりやすく近い | 質の高い引合がほしい |
| 施工部門 | 稼働と原価 | 工期と条件が良い | 受けられる量に収めたい |
| 積算 | 見積の件数と精度 | 情報が揃っている | 無駄な見積を減らしたい |
| 経営 | 受注高と粗利 | 粗利が厚い | 費用に見合う成果がほしい |
対立を性格の問題にしない
営業が動かないのは、意欲の問題ではないことがほとんどです。渡された引合が自分の評価につながらない構造になっています。構造を直さずに号令をかけても、変わりません。
引合の割り振りを、どう決めるか
区域で機械的に割るか、工種で割るかを先に決めます。
案件ごとに判断していると、そのたびに調整が発生します。
本社が集めた引合を、どこに渡すか。
この決め方が、連携の成否の大半を占めます。
三つの割り方
現場の所在地で割る。
工事の種類で割る。
発注者との既存の取引関係で割る。
このどれを優先するかを先に決めておきます。
引合の割り振りの決め方
| 割り方 | 向いている場面 | 起きやすい問題 |
|---|---|---|
| 現場の所在地 | 営業所が地域で分かれている | 区域の境目でもめる |
| 工事の種類 | 工種ごとに専門が分かれている | 所在地が遠くなる |
| 既存の取引関係 | 反復する発注者が多い | 新規が育たない |
| 規模の大小 | 大型案件は本社が持つ | 営業所の経験が積まれない |
| 受付の順番 | 案件数が少ない | 得意不得意が反映されない |
境目の案件の決め方を文書にする
区域の境目、工種がまたがる案件、既存客の別拠点からの相談。
こうした例外の扱いを、先に文書にしておきます。
例外が発生するたびに本社が調整すると、判断に数日かかります。
その数日が、一次連絡の遅れになります。
大型案件の扱いを分ける
金額帯が一定を超える案件は、営業所ではなく本社が主担当になる形があります。
この境目の金額を決めておくと、渡すときの迷いが消えます。
割り振った後の責任を明確にする
渡した時点で、一次連絡の責任が移ります。渡した側が追いかけ続ける形にすると、どちらも動きません。受け取った側が、いつまでに何をするかを決めます。
施工部門を、議論の場に入れる
受けられる量と条件を知っているのは施工部門です。
その情報がないまま集客の目標を立てると、取れない案件を集めることになります。
集客と営業の会議に、施工部門が入っていないことがあります。
建設会社では、これが最も大きな断絶になります。
施工部門が持っている情報
いつ、どの現場が空くか。
どの工種なら余力があるか。
どの規模までなら自社で回せるか。
この情報が集客の側に届いていれば、配信の重点を変えられます。
月次の会議で共有する内容
三者で共有する内容と、その頻度
| 共有する内容 | 出す部署 | 頻度 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 引合の件数と金額の内訳 | 本社の集客 | 月次 | 配信の重点 |
| 現地調査に進んだ比率 | 営業所 | 月次 | 引き渡しの良し悪し |
| 現場の稼働と空きの見通し | 施工部門 | 月次 | 配信の増減 |
| 技術者の人数と資格の構成 | 人事 | 四半期 | 受注の上限 |
| 受注した案件の粗利 | 経理 | 四半期 | 狙うべき工種 |
| 断った案件の金額と理由 | 営業所 | 四半期 | 体制の見直し |
施工の見通しを、三か月先まで出す
今月の稼働だけでは、集客の判断に使えません。
引合から受注まで数か月かかるため、三か月先の空きが必要です。
施工部門にとっては負担のある作業です。
粗い精度でよいことを先に合意します。
受けられない案件を、集客の失敗にしない
施工の枠が埋まっている時期に断った案件は、集客の失敗ではありません。
むしろ、枠を埋められた成果です。
この区別を三者で合意しておかないと、断るたびに集客の担当が責められます。
建設会社の場合、営業から情報が戻ってこない問題を、どう解くか
入力の手間が評価につながっていないからです。
報告のための入力をやめ、営業自身が使う情報だけを残します。
引合の結果が集客の側に戻ってこないと、何が良い引合だったのかが分かりません。
これはほぼすべての建設会社で起きています。
入力されない理由
営業は現場と移動が多く、机に向かう時間が限られています。
入力の項目が多いと、後回しになります。
そして入力しても、自分に返ってくるものがありません。
項目を四つに絞る
現地調査に行ったかどうか。
概算を出したかどうか。
決まったか、止まったか、負けたか。
止まった場合の次の時期。
この四つだけなら、移動中の短い時間でも入力できます。
営業からの情報収集の設計
| 方針 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 項目を絞る | 四項目のみ | 詳細な商談メモの必須化 |
| 入力の場所 | 一か所に統一 | 複数の台帳への二重入力 |
| 入力の時期 | 結果が出た時点 | 月末のまとめ入力 |
| 返すもの | 営業所別の比較を月次で | 集計だけして返さない |
| 評価との接続 | 入力率を評価に入れる | 入力しなくても不利にならない状態 |
入力した情報を、営業に返す
営業所別の現地調査の比率や、負けた理由の内訳。
これを月次で返すと、入力の意味が見えます。
返さないまま集計だけしていると、数か月で入力が止まります。
代わりに入力する人を置く選択
営業に入力させることにこだわらない方法もあります。
営業事務が電話で聞き取って入力する形です。
人手はかかりますが、情報の欠落は確実に減ります。
負けた理由を、正直に書ける空気を作る
価格で負けたと書くと責められる空気があると、理由が正確に残りません。理由の記録は、犯人探しではなく次の判断の材料であることを、経営の側から繰り返し伝えます。
建設会社の場合、共有する目標を、どこに置くか
現地調査に進んだ件数と金額です。
集客だけでも営業だけでも動かせないため、共有の指標になります。
連携を機能させるには、両者が同じ数字に責任を持つ場所が要ります。
引合の件数を共有指標にしない
引合の件数は、集客だけで動かせます。
営業側に当事者意識が生まれません。
受注高を共有指標にしない
受注高は、施工の条件や価格の判断まで含みます。
集客の担当が動かせる範囲を大きく超えます。
共有する指標の候補と、その性質を、項目ごとに見ていきます。
引合の件数については、集客が動かせるかは動かせる、営業が動かせるかはほぼ動かせない、共有に向くかは向かない。
引合の想定金額については、集客が動かせるかは動かせる、営業が動かせるかは一部動かせる、共有に向くかは条件付き。
現地調査に進んだ件数については、集客が動かせるかは一部動かせる、営業が動かせるかは動かせる、共有に向くかは向く。
現地調査に進んだ金額については、集客が動かせるかは一部動かせる、営業が動かせるかは動かせる、共有に向くかは最も向く。
概算を出した件数については、集客が動かせるかは動かせない、営業が動かせるかは動かせる、共有に向くかは向かない。
受注高については、集客が動かせるかは動かせない、営業が動かせるかは動かせる、共有に向くかは向かない。
共有指標を置いた後で起きること
現地調査の件数を共有にすると、両者が同じ方向を向きます。
集客は現地調査に進みやすい引合を集めようとします。
営業は届いた引合に早く連絡するようになります。
目標の達成を、どちらか一方の手柄にしない
共有指標は、両者の評価に同じ重みで入れます。
片方だけの評価に入れると、もう片方が協力する理由がなくなります。
施工部門にも一つ置く
受けた案件の粗利率か、工期の遵守率。施工部門にも共有する数字を一つ置くと、三者の会議が成立します。
建設会社の場合、評価の設計が、連携の成否を決める
営業所が区域の受注高だけで評価されていると、本社からの引合は後回しになります。
評価の項目を変えないと、行動は変わりません。
連携がうまくいかない原因の多くは、評価の設計にあります。
本社経由の引合が後回しになる構造
営業所の評価が受注高だけなら、自分で開拓した案件も本社から来た案件も同じ扱いです。
その場合、確度の読める既存の案件を優先するのが合理的な行動になります。
一次連絡の速さを評価に入れる
受注高だけでなく、届いた引合への一次連絡までの日数を評価の項目に入れます。
この一項目で、行動が大きく変わります。
評価の項目と、それが生む行動を、項目ごとに見ていきます。
区域の受注高のみについては、生まれる行動は確度の高い案件に集中する、副作用は新規の引合が放置される。
一次連絡までの日数については、生まれる行動は届いた引合に早く動く、副作用は質の低い引合にも時間を使う。
現地調査に進んだ件数については、生まれる行動は現地に行く件数が増える、副作用は行くだけで終わる訪問が増える。
現地調査に進んだ金額については、生まれる行動は規模の大きい引合を優先する、副作用は小口が放置される。
受注した案件の粗利率については、生まれる行動は条件の良い案件を選ぶ、副作用は受注件数が減る。
項目を組み合わせて副作用を打ち消す
一つの項目だけを置くと、必ず副作用が出ます。
速さと金額と粗利を組み合わせて持たせます。
集客側の評価に、受注の質を入れる
集客の担当を引合の件数だけで評価すると、質が落ちます。
現地調査に進んだ金額を評価に入れると、集める相手が変わります。
評価の変更は、期初に一度だけ
期中に評価を変えると、現場が混乱します。変えるなら期初に、変える理由と併せて説明します。
建設会社の場合、連携の議論で取り違えられやすいこと
仕組みを入れれば解決するという考え方と、会議を増やせば伝わるという考え方の両方が外れます。
構造を変えないかぎり同じことが起きます。
連携の改善で、よく選ばれる打ち手のうち効かないものを挙げます。
案件管理の仕組みを入れる
仕組みを導入しても、入力されなければ何も変わりません。
入力されない理由は仕組みの問題ではなく、評価と手間の問題です。
先にそちらを直します。
会議の回数を増やす
週次の会議を増やしても、見ている数字が違うままなら噛み合いません。
会議の頻度ではなく、同じ数字を見ているかどうかが問題です。
効かない打ち手と、代わりにやることを、項目ごとに見ていきます。
案件管理の仕組みを導入するについては、起きることは入力されず形骸化する、代わりにやることは項目を四つに絞って評価に接続する。
会議の回数を増やすについては、起きることは時間だけが増える、代わりにやることは共有する数字を一つ決める。
本社から号令をかけるについては、起きることは一時的に動いて戻る、代わりにやることは評価の項目を変える。
引合の質を責めるについては、起きることは情報が出てこなくなる、代わりにやることは良かった案件を名指しで共有する。
営業所の裁量をなくすについては、起きることは現場の判断が止まる、代わりにやることは例外の扱いだけ文書にする。
良かった案件を具体的に共有する
数字の集計だけでは、何が良い引合かが伝わりません。
四半期に一度、受注に至った案件がどの入口から来て、どう進んだかを具体的に共有します。
悪い結果も同じ場で扱う
負けた案件、受けられなかった案件。これを共有する場がないと、営業側に不満だけが溜まります。出す側が不利にならない進め方を先に決めます。
建設会社が三者の連携を立て直す進め方
引合の割り振りの基準を文書にするところからです。
基準がないまま会議を重ねても、同じ調整が繰り返されます。
連携の立て直しは、仕組みではなく取り決めから始めます。
連携を立て直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは引合の割り振りの基準を文書にする、関わる部署は本社と営業所、期間の目安は二週間。
2については、やることは境目と例外の扱いを決める、関わる部署は本社と営業所、期間の目安は二週間。
3については、やることは一次連絡の責任と期限を決める、関わる部署は営業、期間の目安は一週間。
4については、やることは営業からの入力項目を四つに絞る、関わる部署は本社、期間の目安は二週間。
5については、やることは施工の空きの見通しを三か月先まで出す、関わる部署は施工部門、期間の目安は一か月。
6については、やることは共有指標を現地調査の金額に置く、関わる部署は経営、期間の目安は二週間。
7については、やることは評価の項目に一次連絡の速さを入れる、関わる部署は経営と人事、期間の目安は期初に合わせる。
最初の三か月は基準づくりだけ
仕組みの導入や会議体の設計は後回しにします。
誰が何をいつまでにやるかの取り決めが先です。
建設会社の三者の連携を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
一次連絡までの日数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は割り振りと体制の問題。
現地調査に進んだ金額については、見る頻度は月次、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は共有指標の進捗。
営業からの入力率については、見る頻度は月次、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は情報の欠落。
受けられなかった案件の金額については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は理由別、判断に使う場面は枠と体制の判断。
負けた理由の内訳については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は営業所別、判断に使う場面は改善の優先順位。
施工の空きと引合の金額の対応については、見る頻度は月次、分けて見る軸は工種別、判断に使う場面は配信の重点。
会議は月次で一つだけ持つ
本社の集客、営業所、施工部門、積算が同じ数字を見る場を月次で一つ作ります。
複数の会議に分かれると、情報がそれぞれの場所に留まります。
決めることを一つに絞る
会議のたびに決めることを一つ挙げてから始めます。
報告だけの会議になると、数か月で出席率が落ちます。
経営が同席する
三者の利害が絡む話は、当事者だけでは決まりません。
経営が同席して、決める場にします。
部署をまたいだ役割分担で判断に迷う場合は、無料相談で現状の流れを一緒に整理するところから始められます。案件を渡す仕組みごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
本社が集めた引合が営業所で放置されます
営業所の評価が区域の受注高だけになっている可能性があります。届いた引合への一次連絡までの日数を評価の項目に入れると行動が変わります。併せて割り振りの基準を文書にしてください。
施工部門を集客の会議に入れる必要がありますか
受けられる量と条件を知っているのは施工部門です。三か月先の現場の空きが分かれば配信の重点を変えられます。粗い精度でよいことを先に合意しておくと負担が抑えられます。
営業から案件の結果が戻ってきません
入力の項目を現地調査の有無、概算の有無、結果、止まった場合の次の時期の四つに絞ってください。そのうえで営業所別の比較を月次で返すと入力の意味が見えます。
集客と営業の共有指標は何にすべきですか
現地調査に進んだ金額です。引合の件数は集客だけで動かせ、受注高は集客が動かせる範囲を超えます。その中間にある数字を両者の評価に同じ重みで入れてください。
案件管理の仕組みを導入すれば連携は改善しますか
入力されなければ形骸化します。入力されない理由は仕組みではなく評価と手間にあるので、先に項目を絞り、入力した情報が本人に返る形を作ってから導入してください。
まとめ
- 集客は本社、受注は営業所、実行は施工部門に分かれています。評価の物差しが三者で違うため、同じ案件を見ても判断が割れます
- 区域で機械的に割るか、工種で割るかを先に決めます。案件ごとに判断していると、そのたびに調整が発生します
- 受けられる量と条件を知っているのは施工部門です。その情報がないまま集客の目標を立てると、取れない案件を集めることになります
- 入力の手間が評価につながっていないからです。報告のための入力をやめ、営業自身が使う情報だけを残します
- 現地調査に進んだ件数と金額です。集客だけでも営業だけでも動かせないため、共有の指標になります
- 営業所が区域の受注高だけで評価されていると、本社からの引合は後回しになります。評価の項目を変えないと、行動は変わりません
- 仕組みを入れれば解決するという考え方と、会議を増やせば伝わるという考え方の両方が外れます。構造を変えないかぎり同じことが起きます
- 引合の割り振りの基準を文書にするところからです。基準がないまま会議を重ねても、同じ調整が繰り返されます