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その経路が細ったときに、代わりが用意されていません。
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目次
目次
- 建設会社が抱える依存は、広告ではなく元請と紹介にある
- 依存の中身を先に数える
- 建設会社の場合、経路ごとに、効いてくる時期が違う
- 時間の違いを表にする
- 建設会社の場合、自社の集客を、どの経路から立ち上げるか
- 材料がないまま配信を始めない
- 元請との関係を、減らすのではなく質を変える
- 下請が果たしている役割
- 入札への参加を、集客の経路として扱うかどうか
- 入札の性質
- 経路の配分を、施工の枠とどう合わせるか
- 止めやすい経路と、止めにくい経路
- 建設会社の場合、経路の見直しで、判断を誤りやすいところ
- 効いている経路に全部寄せる
- 建設会社が引合の経路を組み直す進め方
- 経路の分類が最も手間がかかる
- よくある質問
- まとめ
引合の大半が、特定の元請と限られた紹介元から来ています。
その経路が細ったときに、代わりが用意されていません。
建設会社が抱える依存は、広告ではなく元請と紹介にある
引合の大半が、特定の元請と限られた紹介元から来ています。
その経路が細ったときに、代わりが用意されていません。
建設会社で集客の経路を議論すると、広告をどう使うかの話になりがちです。
しかし実態として依存しているのは、広告以外の経路です。
依存の中身を先に数える
過去三年の受注を、引合の出どころで分類します。
元請からの下請、既存の発注者からの追加、紹介、入札、自社の集客。
この五つに分けると、どこに寄っているかが出ます。
元請への依存が持つ危うさ
特定の元請からの発注が売上の大きな割合を占めていると、その会社の受注状況に自社の業績が連動します。
元請が受注を落とした年に、自社も落ちます。
自社の努力では動かせない部分に、業績が左右されます。
紹介への依存が持つ危うさ
紹介は確度が高い一方で、量を自分で増やせません。
紹介元の担当者が異動すると、急に止まります。
建設会社の引合の経路と、その性質
| 経路 | 量を自分で増やせるか | 確度 | 途絶えるときの前触れ |
|---|---|---|---|
| 元請からの下請 | 増やせない | 高い | 元請の受注の減少 |
| 既存の発注者からの追加 | 一部増やせる | 高い | 接触の間隔が空く |
| 紹介 | 増やしにくい | 最も高い | 紹介元の担当者の異動 |
| 入札 | 条件を満たせば参加できる | 低い | 参加資格の変更 |
| 自社の集客 | 増やせる | 中程度 | 配信を止めたとき |
依存を悪とせず、比率で管理する
元請の仕事も紹介も、良い経路です。問題は、比率が偏っていることに気づかないまま年が過ぎることです。四半期ごとに比率を並べて、推移を見ます。
建設会社の場合、経路ごとに、効いてくる時期が違う
広告は数か月、情報の整備は一年、紹介の関係は数年かかります。
同じ物差しで評価すると、時間のかかる経路が切られます。
配分を考えるとき、成果が出るまでの時間を揃えて比較してはいけません。
時間の違いを表にする
経路ごとの成果が出るまでの時間
| 経路 | 着手から引合まで | 引合から受注まで | 止めたときに影響が出るまで |
|---|---|---|---|
| 広告の配信 | 一か月から三か月 | 数か月 | 三か月から半年 |
| 実績と工法の情報の整備 | 半年から一年 | 数か月 | 一年以上 |
| 指名での接触の増加 | 一年以上 | 数か月 | 一年以上 |
| 設計事務所との関係 | 一年以上 | 数か月 | 数年 |
| 地域での活動と団体 | 数年 | 数か月 | 数年 |
| 既存の発注者への接点 | 三か月から一年 | 数か月 | 一年以上 |
評価の期間を経路ごとに変える
広告は四半期で評価できます。
情報の整備は一年、関係の構築は数年です。
同じ会議で同じ物差しにかけると、時間のかかる経路が毎回削減の候補になります。
短期の経路と長期の経路を、予算の枠で分ける
年度の予算を一つの枠にすると、短期の成果が出るものに寄ります。
配信の枠と、整備と関係づくりの枠を分けて持ちます。
長期の経路の進捗を、中間の数字で見る
一年待たないと評価できないのでは、途中で止まります。実績として形にできた件数、設計事務所への訪問件数といった中間の数字を置きます。
建設会社の場合、自社の集客を、どの経路から立ち上げるか
実績の整備からです。
配信を先に始めても、見せる材料がなければ比較で負けます。
広告依存から抜けるという表現は、建設会社では逆向きになることがあります。
そもそも自社の集客がほとんどない状態から始める会社が多くあります。
材料がないまま配信を始めない
サイトに実績が数件しかない状態で配信を始めても、比較の段階で落ちます。
発注者は複数社を見比べています。
最初に整えるのは三つ
近い用途の施工実績。
施工の体制と有資格者の構成。
対応できる工種とエリアの範囲。
この三つが揃うと、比較の土俵に乗ります。
自社の集客を立ち上げる順番
| 順番 | やること | かかる期間 | 効いてくる場面 |
|---|---|---|---|
| 1 | 施工実績を用途別に整理する | 三か月 | 比較の段階 |
| 2 | 施工体制と資格の構成を出す | 一か月 | 規模の大きい案件 |
| 3 | 対応する工種とエリアを明示する | 一か月 | 問い合わせの質 |
| 4 | 問い合わせの入口と一次対応を整える | 一か月 | 引合の取りこぼし |
| 5 | 社名と工種での検索に対応する | 三か月 | 指名での接触 |
| 6 | 配信を始める | 継続 | 引合の量 |
配信は最後に置く
順番を逆にすると、集めた相手を取りこぼします。
受け皿が整ってから量を増やします。
最初は狭い範囲で試す
いきなり広いエリアと全工種で配信すると、費用に対して引合が薄まります。得意な工種と、移動で無理のないエリアから始めます。
元請との関係を、減らすのではなく質を変える
下請の仕事を減らすことが目的ではありません。
稼働を埋める役割として位置づけ、粗利の条件を交渉できる立場を作ります。
元請への依存を減らすという話は、下請をやめる話ではありません。
下請が果たしている役割
自社が元請として受ける案件だけでは、稼働に空きが出ます。
その空きを埋めるのが、下請の仕事です。
この機能をなくすと、技術者と職人の稼働が不安定になります。
交渉の立場を作る
自社の集客で引合が確保できていれば、条件の合わない下請を断れます。
断れる状態になった時点で、条件の交渉ができるようになります。
元請との関係の位置づけを変える
| 状態 | 下請の比率 | 自社の集客 | 交渉の余地 |
|---|---|---|---|
| 下請のみで稼働を埋めている | 高い | ない | ない |
| 自社の引合が少しある | 高い | 少ない | 限られる |
| 自社の引合で枠の半分が埋まる | 中程度 | ある | 条件を選べる |
| 自社の引合が枠を超える | 低い | 厚い | 工種を選べる |
| 自社が元請として他社に出す | 逆の立場 | 厚い | 関係が対等になる |
複数の元請と関係を持つ
一社に依存していると、条件の交渉ができません。
複数の元請と取引があると、断る選択肢が生まれます。
元請の側から見た自社の価値を高める
対応できる工種の幅、稼働の安定、品質の記録。これは発注者に見せる情報と重なります。サイトに置いた情報が、元請からの評価にも効きます。
入札への参加を、集客の経路として扱うかどうか
量は読めますが、粗利は薄くなります。
稼働を埋める手段として位置づけ、獲得の費用はかけません。
公共の案件や、民間の入札案件をどう扱うか。
経路としての性格を整理します。
入札の性質
参加の資格を満たせば、案件の情報は入ってきます。
集客の費用をかける必要がありません。
一方で、価格で決まるため粗利が薄くなります。
反復も起きにくい経路です。
参加資格の維持には別の投資が要る
実績の蓄積、有資格者の確保、経営の状態の維持。
これらは集客の費用ではありませんが、投資として必要です。
入札の経路としての性質を、項目ごとに見ていきます。
案件情報の入手については、入札の案件は公告で入る、自社の集客での案件は自社で集める。
獲得の費用については、入札の案件はほぼかからない、自社の集客での案件はかかる。
価格の決まり方については、入札の案件は競争で決まる、自社の集客での案件は提案で決まる。
粗利については、入札の案件は薄い、自社の集客での案件は条件による。
反復については、入札の案件は起きにくい、自社の集客での案件は起きやすい。
稼働を埋める役割については、入札の案件は大きい、自社の集客での案件は中程度。
比率の上限を決めておく
入札の比率が高くなると、粗利率が下がります。
全体の何割までにするかを、経営の判断として決めておきます。
参加資格に関わる情報は、公式の窓口で確認する
参加の条件や手続きは、発注する機関ごとに運用が異なります。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。自治体で運用が異なる制度は、自治体の窓口で確認してください。
経路の配分を、施工の枠とどう合わせるか
枠が埋まっているときに全経路を回すと、断りが増えます。
経路ごとに、絞る順番を決めておきます。
建設会社では、集客の量を自由に増減できません。
施工の枠に合わせて、経路の強弱を変えます。
止めやすい経路と、止めにくい経路
配信は止めても再開できます。
紹介元との関係は、止めると戻すのに数年かかります。
施工の枠に応じた経路の強弱の付け方を、項目ごとに見ていきます。
余力が大きいについては、配信は厚く、情報の整備は通常、紹介の関係は通常、下請の受け入れは広く受ける。
やや余力があるについては、配信は通常、情報の整備は通常、紹介の関係は通常、下請の受け入れは条件を選ぶ。
埋まりつつあるについては、配信は絞る、情報の整備は厚く、紹介の関係は通常、下請の受け入れは条件を厳しく。
埋まっているについては、配信は止める、情報の整備は厚く、紹介の関係は維持する、下請の受け入れは断る。
枠を超えているについては、配信は止める、情報の整備は厚く、紹介の関係は維持する、下請の受け入れは断る。
情報の整備は、枠が埋まっているときこそ進める
配信を止めた期間に、実績の記事化や写真の整理を進めます。
枠が空く時期に、材料が揃った状態を作れます。
紹介の関係は、常に維持する
引合が足りている時期でも、設計事務所や関係先への訪問は続けます。
必要になってから動き始めると、数年遅れます。
断った案件の記録を、経路の評価に使う
どの経路から来た案件を断ったか。これが分かると、枠が広がったときにどの経路を戻すかの判断ができます。
建設会社の場合、経路の見直しで、判断を誤りやすいところ
成果の出ている経路に寄せ続けることと、新しい経路をすぐ切ることの両方が誤りです。
経路には立ち上がる期間があります。
配分の見直しで繰り返し起きる判断の誤りを整理します。
効いている経路に全部寄せる
紹介から受注が出ているからといって、そこに全部寄せると量が増えません。
紹介は自分で量を増やせない経路です。
新しい経路を三か月で切る
情報の整備や関係づくりは、三か月では数字が出ません。
短期の物差しで評価すると、すべて切られます。
経路の見直しでよくある誤りと、代わりにやることを、項目ごとに見ていきます。
効いている経路に全部寄せるについては、起きることは量の上限に当たる、代わりにやることは量を増やせる経路を別に持つ。
新しい経路を三か月で切るについては、起きることは長期の経路が育たない、代わりにやることは経路ごとに評価の期間を変える。
最後に接触した経路だけを評価するについては、起きることは前段の経路が過小評価される、代わりにやることは複数の接点を記録する。
全経路を同時に立ち上げるについては、起きることはどれも中途半端になる、代わりにやることは一つずつ順に積む。
枠が埋まったら全部止めるについては、起きることは空いたときに引合がない、代わりにやることは整備と関係だけは続ける。
最後の接点だけで評価しない
サイトで実績を見た後で、知人に聞いて決めたという流れがあります。
最後の接点だけを見ると、実績の整備の効果が見えません。
問い合わせの際に、どこで自社を知ったかを聞く項目を一つ置いておきます。
経路を一度に増やさない
同時に複数の新しい経路を立ち上げると、どれにも手が回りません。一つずつ積み上げます。
建設会社が引合の経路を組み直す進め方
過去三年の受注を経路別に数え直すところからです。
比率が分からないまま新しい経路に投資しても、効果が判断できません。
配分の見直しは、現状の比率を出すことから始まります。
経路の組み直しに着手する順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去三年の受注を経路別に分類する、関わる部署は営業と経理、期間の目安は一か月。
2については、やることは経路ごとの粗利率を出す、関わる部署は経理、期間の目安は二週間。
3については、やることは元請と紹介元ごとの比率を出す、関わる部署は営業、期間の目安は二週間。
4については、やることは施工の枠と経路の関係を整理する、関わる部署は工務、期間の目安は二週間。
5については、やることは自社の集客で足りない材料を洗い出す、関わる部署はマーケティング、期間の目安は一か月。
6については、やることは経路ごとに評価の期間を決める、関わる部署は経営、期間の目安は二週間。
7については、やることは予算の枠を短期と長期に分ける、関わる部署は経営、期間の目安は期初に合わせる。
経路の分類が最も手間がかかる
過去の案件がどの経路から来たかは、記録に残っていないことが多くあります。
営業への聞き取りで補います。
完全でなくても、おおよその比率が出れば判断には使えます。
経路の状態を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
経路別の受注金額の比率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は経路別、判断に使う場面は依存の偏り。
経路別の粗利率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は工種別、判断に使う場面は狙うべき経路。
元請別の受注金額については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は元請別、判断に使う場面は一社への集中。
紹介元別の件数については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は紹介元別、判断に使う場面は関係の維持。
自社の集客の引合金額については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は立ち上げの進捗。
断った案件の経路については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は経路別、判断に使う場面は枠が空いたときの戻し先。
一年目は比率を動かさない
現状を測ることと、自社の集客の材料を整えることに使います。
比率が動き始めるのは二年目からです。
経路ごとの担当を決める
配信は集客の担当、紹介の関係は営業と経営、元請との関係は営業。
誰が持つかを決めていないと、どの経路も薄く広がります。
経営が四半期ごとに比率を見る
経路の偏りは、経営のリスクの話です。
集客の会議ではなく、経営の場で四半期ごとに確認します。
引合の経路の偏りで判断に迷う場合は、無料相談で現状の比率を一緒に整理するところから始められます。経路の組み立てごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
建設会社が最初に整えるべき経路は何ですか
自社の施工実績を用途別に整理することです。配信を先に始めても、比較の段階で見せる材料がなければ落ちます。実績と施工体制と対応範囲の三つを揃えてから量を増やしてください。
元請への依存は減らすべきですか
下請をやめる話ではありません。稼働を埋める役割として位置づけたうえで、自社の引合で枠の一部を確保し、条件の合わない案件を断れる状態を作ることが目的です。
入札は集客の経路として扱っていいですか
案件情報は費用をかけずに入りますが、価格で決まるため粗利が薄く反復も起きにくい経路です。稼働を埋める手段として位置づけ、全体の何割までにするかを経営で決めてください。
施工の枠が埋まったら集客は全部止めていいですか
配信は止めて構いませんが、実績の整備と紹介元との関係は続けてください。紹介の関係は止めると戻すのに数年かかり、枠が空く時期に引合がない状態になります。
新しい経路はどのくらいで判断すべきですか
配信は四半期、情報の整備は一年、関係の構築は数年です。同じ物差しで評価すると時間のかかる経路が毎回削減の候補になるため、経路ごとに評価の期間を変えてください。
まとめ
- 引合の大半が、特定の元請と限られた紹介元から来ています。その経路が細ったときに、代わりが用意されていません
- 広告は数か月、情報の整備は一年、紹介の関係は数年かかります。同じ物差しで評価すると、時間のかかる経路が切られます
- 実績の整備からです。配信を先に始めても、見せる材料がなければ比較で負けます
- 下請の仕事を減らすことが目的ではありません。稼働を埋める役割として位置づけ、粗利の条件を交渉できる立場を作ります
- 量は読めますが、粗利は薄くなります。稼働を埋める手段として位置づけ、獲得の費用はかけません
- 枠が埋まっているときに全経路を回すと、断りが増えます。経路ごとに、絞る順番を決めておきます
- 成果の出ている経路に寄せ続けることと、新しい経路をすぐ切ることの両方が誤りです。経路には立ち上がる期間があります
- 過去三年の受注を経路別に数え直すところからです。比率が分からないまま新しい経路に投資しても、効果が判断できません