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解約が早い顧客をいくら集めても、獲得にかけた費用を回収できません。
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目次
目次
- BtoB SaaSの集客はなぜリード数だけ見てはいけないのですか
- 受注してからが始まりです
- 決裁者と利用者が違うことは集客にどう影響しますか
- 探す人と決める人が違います
- BtoB SaaSの見込み客はどんな言葉で調べていますか
- 最初は課題そのものを調べます
- BtoB SaaSは集客にいくら使えばよいですか
- 獲得費用にはすべてを含めます
- リードは取れるのに商談にならないときは何を見直せばよいですか
- リードの質を定義します
- 導入事例はどう作ればよいですか
- 読者は自分と同じ状況の企業を探します
- BtoB SaaSでやめてもよい集客施策は何ですか
- リード数を目標にすると質が下がります
- BtoB SaaSの集客は自社でやるべきですか外注すべきですか
- 自社に残すのは顧客理解です
- よくある質問
- まとめ
月額課金のため、受注してからの継続期間で事業価値が決まるからです。
解約が早い顧客をいくら集めても、獲得にかけた費用を回収できません。
BtoB SaaSの集客はなぜリード数だけ見てはいけないのですか
月額課金のため、受注してからの継続期間で事業価値が決まるからです。
解約が早い顧客をいくら集めても、獲得にかけた費用を回収できません。
BtoB SaaSの集客相談では、リードの獲得単価から話が始まることが多くあります。
しかし、SaaSの事業価値を決めるのはリード数ではありません。
受注してからが始まりです
SaaSは、契約した月に売上が全額入る商売ではありません。
月額課金なら、契約が続いた月数だけ売上になります。
説明のための仮の値として、月額10万円のサービスで、平均継続24か月なら1社あたり240万円です。
平均継続6か月なら60万円です。
同じ受注1件でも、事業への貢献が4倍違います。
獲得費用の回収に時間がかかります
契約前にかかる費用は、広告費、コンテンツ制作費、インサイドセールスの人件費、商談の人件費、導入支援の費用です。
これらは契約前に発生します。
一方、売上は契約後に月ごとに入ります。
説明のための仮の値として、1社の獲得に120万円かかり、月額10万円なら、粗利を考慮しなければ12か月で回収する計算です。
この期間より前に解約されれば、赤字になります。
解約率を先に確認します
リードを増やす前に、既存顧客がどのくらい続いているかを確認します。
契約から3か月、6か月、12か月の継続率。
どのような顧客が続き、どのような顧客が解約しているか。
続かない顧客層にリードを増やしても、事業は成長しません。
BtoB SaaSで分けて見る数字
| 段階 | 確認する数字 | 落ちているときの見直し先 |
|---|---|---|
| リード獲得 | 件数と単価 | 広告とコンテンツ |
| 商談化 | リードから商談になった割合 | リードの質とフォロー |
| 受注 | 商談から受注になった割合 | 提案と価格と競合 |
| 導入 | 受注から利用開始までの期間 | 導入支援の体制 |
| 定着 | 利用が継続している割合 | オンボーディングと機能 |
| 継続 | 契約が続いている割合 | 価値の実感と担当者の変化 |
決裁者と利用者が違うことは集客にどう影響しますか
情報を探すのは現場の担当者でも、契約を決めるのは上長や経営層であるため、二つの相手に別々の材料が必要になります。
現場が欲しい情報だけでは社内稟議を通せません。
BtoB SaaSでは、購入プロセスに複数の人が関わります。
探す人と決める人が違います
日々の業務で困っている担当者が、解決策を探します。
しかし、月額数万円から数十万円の契約を、その担当者だけで決められるとは限りません。
上長、部門長、情報システム部門、経営層が関わります。
現場が欲しい情報と決裁者が欲しい情報は違います
現場の担当者が知りたいのは、自分の作業がどう楽になるか、使いこなせるか、既存のツールとつながるかです。
決裁者が知りたいのは、いくらかかるか、どれだけの効果が見込めるか、他に選択肢はないか、セキュリティは問題ないか、導入に失敗したらどうなるかです。
社内稟議を通す材料を用意します
担当者が社内で説明するとき、そのまま使える資料があるかどうかが受注を左右します。
導入の効果をどう説明するか、費用対効果をどう示すか、他社と比較した表、セキュリティに関する情報、導入の流れ。
営業がこれを口頭で説明しても、担当者が上長に伝えるときには薄まります。
導入事例が最も強い材料になります
同じ業種、同じ規模の企業がどう使っているか。
導入前にどのような課題があり、導入後に何が変わったか。
これは、担当者が社内で説明するときにそのまま使えます。
ただし、導入企業の許可を得たうえで、数字については確認できる範囲にとどめます。
情報システム部門の確認を想定します
セキュリティに関する情報、データの保管場所、権限管理、外部連携の仕様。
この確認で止まると、商談が進みません。
事前に資料を用意しておけば、確認の時間を短縮できます。
BtoB SaaSの見込み客はどんな言葉で調べていますか
課題そのもの、カテゴリ名、比較、料金の四方向で調べられます。
段階によって必要な情報が違うため、同じページで全部に答えることはできません。
BtoB SaaSの購買プロセスは長く、検索の内容も段階によって変わります。
最初は課題そのものを調べます
まだツールの存在を知らない段階では、業務の課題を調べます。
勤怠管理 エクセル 限界、請求書 発行 手間、問い合わせ 対応 属人化といった形です。
この段階の人に、いきなり製品の機能を説明しても伝わりません。
次にカテゴリで調べます
解決策のカテゴリを知ると、カテゴリ名で調べます。
勤怠管理システム、請求書発行システム、カスタマーサポートツールといった形です。
この段階では、どのような製品があるのか、何ができるのかを知りたい状態です。
比較の段階に入ります
カテゴリ名 比較、カテゴリ名 おすすめ、製品名 評判、製品名 デメリットといった検索になります。
この段階では、比較サイトや第三者のレビューが見られます。
自社サイトだけでは接点を持ちにくくなります。
料金を調べます
製品名 料金、カテゴリ名 相場、製品名 初期費用といった検索があります。
料金を非公開にしているSaaSもありますが、目安すら分からないと候補から外れることがあります。
最低価格の目安、料金が変わる条件、初期費用の有無は示せます。
段階ごとにコンテンツを分けます
課題段階の記事、カテゴリ理解の記事、比較の情報、料金と導入の情報。
同じページで全部に答えようとすると、どの段階の人にも中途半端になります。
BtoB SaaSは集客にいくら使えばよいですか
顧客獲得にかかった費用と、その顧客から得られる生涯収益の関係で判断します。
回収にかかる期間が長すぎると、成長しても資金が続きません。
BtoB SaaSの投資判断では、獲得費用と生涯収益の関係を見ます。
獲得費用にはすべてを含めます
広告費だけではありません。
コンテンツ制作費、展示会の出展費、インサイドセールスの人件費、フィールドセールスの人件費、マーケティングツールの費用。
これらをすべて含めて、新規1社の獲得にいくらかかっているかを計算します。
生涯収益は継続期間で決まります
説明のための仮の値として、月額10万円、粗利率80パーセント、平均継続24か月なら、1社あたりの粗利は192万円です。
獲得費用が64万円なら、生涯収益に対する比率は3分の1です。
回収期間を確認します
生涯収益で見れば黒字でも、回収に時間がかかれば資金が先に出ていきます。
説明のための仮の値として、獲得費用64万円、月あたりの粗利8万円なら、回収に8か月かかります。
毎月20社を獲得すれば、月に1,280万円の費用が先行します。
成長するほど資金が必要になる構造です。
顧客規模によって計算を分けます
大企業と中小企業では、単価も継続期間も営業工数も違います。
同じ獲得費用の基準を当てはめると判断を誤ります。
解約率が上がると全ての計算が崩れます
平均継続が24か月から12か月に短くなれば、生涯収益は半分になります。
集客を増やす前に、解約率を確認します。
リードは取れるのに商談にならないときは何を見直せばよいですか
リードの質と、獲得後のフォローの両方を確認します。
資料請求だけを増やす施策は、検討していない層を集めることがあります。
リード獲得数が目標を達成しているのに、商談が増えないという状態はよく起こります。
リードの質を定義します
すべてのリードが同じではありません。
自社の対象となる企業規模か。
その業種に対応できるか。
課題を持っている部門の担当者か。
検討の時期が近いか。
この条件で分けると、同じリード100件でも中身が違います。
資料請求の内容で質が変わります
一般的な業界レポートをダウンロードした人と、製品の料金表をダウンロードした人では、検討段階が違います。
リードを増やすために誰でも欲しがる資料を配ると、件数は増えますが検討していない層が混ざります。
フォローまでの時間を確認します
資料請求から連絡までに数日かかれば、検討が進んでいる相手は他社と話しています。
いつ、誰が、どのように連絡するかを決めます。
最初の連絡で売り込まない設計にします
資料請求の直後に商談を打診しても、まだ情報収集の段階なら断られます。
その相手がどの段階にいるのかを確認し、必要な情報を提供する形にします。
段階ごとに数字を分けます
リード獲得、有効リード、商談化、受注。
この各段階で数字を見れば、どこに問題があるか分かります。
リードは十分でも有効リードが少ないなら、獲得の対象がずれています。有効リードはあるのに商談にならないなら、フォローに問題があります。
導入事例はどう作ればよいですか
導入前の課題、選定の理由、導入後の変化を、同じ業種と規模の読者が自分に置き換えられる形で書きます。
数字を出す場合は、導入企業が確認できる範囲にとどめます。
BtoB SaaSでは、導入事例が最も強い営業資料になります。
読者は自分と同じ状況の企業を探します
製造業の担当者は製造業の事例を、従業員50人の企業は同規模の事例を見ます。
業種、規模、部門、担当者の役職を明記すると、読者が自分に置き換えられます。
導入前の状況を具体的に書きます
何に困っていたのか。
どのくらいの時間がかかっていたのか。
どのような方法で対応していたのか。
なぜ限界だと感じたのか。
この部分が具体的なほど、同じ状況の読者に届きます。
選定の理由を書きます
他にどのような選択肢を検討したのか。
何を基準に比較したのか。
なぜこの製品を選んだのか。
社内でどう説明したのか。
特に社内での説明のしかたは、これから稟議を通す担当者の参考になります。
導入後の変化を書きます
何が変わったのか。
どのくらいの期間で変わったのか。
使いこなすまでに何が必要だったのか。
すぐに完璧に使えたという話より、最初は戸惑ったが何をしたら定着したという話のほうが現実的で、信頼されます。
数字は確認できる範囲にします
作業時間が何割減った、コストが何円下がったという数字は説得力がありますが、導入企業が確認できる範囲にとどめます。
推定や誇張した数字は、後で問題になります。
掲載の許可と範囲を明確にします
企業名を出すのか、匿名にするのか。
担当者の顔写真は出すのか。
数字はどこまで公開できるのか。
事前に確認し、書面で残します。
BtoB SaaSでやめてもよい集客施策は何ですか
受注と継続まで追えていない施策、対象外の企業からのリードを集める施策、資料請求数だけを追う運用は見直して構いません。
BtoB SaaSでは、リード獲得数が目標として設定されがちです。
リード数を目標にすると質が下がります
件数を達成するために、誰でも欲しがる資料を配る、対象外の企業も含めて配信するといった形になります。
その結果、インサイドセールスの時間が対象外のリードに使われます。
経路ごとに受注と継続を見ます
どの経路から来たリードが受注し、どのくらい継続しているか。
獲得単価が安い経路でも、受注率と継続率が低ければ実質的な費用は高くなります。
対象外の企業への配信を止めます
対応できない企業規模、対応していない業種、海外からのリード。
これらを集めても受注になりません。
展示会の費用対効果を確認します
展示会では名刺が大量に集まります。
しかし、その中から商談になり、受注になったのが何件かまで追えていなければ、費用の判断ができません。
機能の説明だけの発信は優先度を確認します
新機能のリリース情報は既存顧客には有効ですが、まだ課題を認識していない層には届きません。
課題段階の読者に向けた内容と、既存顧客向けの内容を分けます。
解約が多い状態で獲得を増やしません
解約率が高いまま新規を増やせば、穴の空いたバケツに水を注ぐ状態になります。
獲得費用が先に出ていき、資金繰りが悪化します。
BtoB SaaSの集客は自社でやるべきですか外注すべきですか
製品理解と顧客理解、事例の取材は自社に残し、広告運用やコンテンツ制作の一部は外注する形が現実的です。
解約理由と定着の実態は自社しか把握できません。
BtoB SaaSでは、製品と顧客の理解が集客の中心にあります。
自社に残すのは顧客理解です
どのような企業が導入し、どのような使い方をしているか。
どのような企業が解約し、なぜ解約したか。
商談でどのような質問が出るか。
どこで競合に負けるか。
この情報は外部の会社には分かりません。
事例の取材は自社が関わります
導入企業への取材は、製品の使い方を理解している人が行います。
外部のライターだけに任せると、表面的な内容になります。
構成と質問項目を自社で作り、執筆と編集を外注する形は可能です。
外注しやすいのは運用と制作です
広告の配信管理、検索需要の調査、サイトの制作と改善、記事の執筆と編集、資料のデザインは外部に任せやすい業務です。
依頼するときは、リードを増やしてくださいではなく、どの企業規模のどの部門のリードを増やしたいのかを共有します。
報告は受注と継続まで戻します
リード件数が増えたという報告だけでは判断できません。
リード、有効リード、商談、受注、導入、3か月後の利用状況、解約まで共有します。
これができると、リードを増やす運用から、続く顧客を増やす運用へ変えられます。
表現の確認は自社が行います
効果や導入実績の表示、比較表現、セキュリティに関する記載。
根拠を示せない数字や、他社を不当に低く見せる比較は使えません。
BtoB SaaSの集客は、リードを最大化する競争ではありません。継続して使い続けてもらえる顧客を、回収できる費用で獲得することが目的です。
よくある質問
BtoB SaaSの集客で最初に確認することは何ですか
解約率と、獲得費用の回収にかかる期間です。解約が早い顧客をいくら集めても獲得費用を回収できず、成長するほど資金が先に出ていきます。
料金は公開すべきですか
完全な料金表を出せない場合でも、最低価格の目安、料金が変わる条件、初期費用の有無は示せます。目安すら分からないと候補から外れることがあります。
リードは取れるのに商談にならない場合はどうすればよいですか
リードの質と、獲得後のフォローを分けて確認します。誰でも欲しがる資料で件数を作ると検討していない層が混ざり、連絡が遅れると検討中の相手は他社と話します。
導入事例には何を書けばよいですか
導入前の課題、検討した選択肢、選定の理由、社内での説明のしかた、導入後の変化です。特に社内での説明のしかたは、これから稟議を通す担当者の参考になります。
展示会は続けるべきですか
名刺の枚数ではなく、そこから商談になり受注になった件数と、その顧客の継続率まで追って判断します。追えていなければ費用対効果を判断できません。
まとめ
- 月額課金のため、受注してからの継続期間で事業価値が決まるからです。解約が早い顧客をいくら集めても、獲得にかけた費用を回収できません
- 情報を探すのは現場の担当者でも、契約を決めるのは上長や経営層であるため、二つの相手に別々の材料が必要になります。現場が欲しい情報だけでは社内稟議を通せません
- 課題そのもの、カテゴリ名、比較、料金の四方向で調べられます。段階によって必要な情報が違うため、同じページで全部に答えることはできません
- 顧客獲得にかかった費用と、その顧客から得られる生涯収益の関係で判断します。回収にかかる期間が長すぎると、成長しても資金が続きません
- リードの質と、獲得後のフォローの両方を確認します。資料請求だけを増やす施策は、検討していない層を集めることがあります
- 導入前の課題、選定の理由、導入後の変化を、同じ業種と規模の読者が自分に置き換えられる形で書きます。数字を出す場合は、導入企業が確認できる範囲にとどめます
- 受注と継続まで追えていない施策、対象外の企業からのリードを集める施策、資料請求数だけを追う運用は見直して構いません
- 製品理解と顧客理解、事例の取材は自社に残し、広告運用やコンテンツ制作の一部は外注する形が現実的です。解約理由と定着の実態は自社しか把握できません