
学習の元になるコンバージョンが少なく、受注までの時間差が長いためです。
件数の多い指標に寄せると、商談にならないリードが増えます。
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目次
目次
- BtoB SaaSでP-MAXが扱いにくいのは、なぜか
- 自動化が進んだ領域で使われている
- 何が学習の元になるのか
- 送る指標で、配信先が変わる
- 除外で何をコントロールするのか
- 設定する除外
- レポートで何が見えて、何が見えないのか
- 見える範囲と見えない範囲
- 既存キャンペーンとの食い合いを、どう見るのか
- 並べて見る
- 予算と検証期間を、どう置くのか
- 件数から予算を逆算する
- よくある誤解は何か
- 誤解と、実際に起きること
- 何から手をつければいいのか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
学習の元になるコンバージョンが少なく、受注までの時間差が長いためです。
件数の多い指標に寄せると、商談にならないリードが増えます。
BtoB SaaSでP-MAXが扱いにくいのは、なぜか
学習の元になるコンバージョンが少なく、受注までの時間差が長いためです。
件数の多い指標に寄せると、商談にならないリードが増えます。
P-MAXは複数の面に自動で配信するキャンペーンです。
配信先の指定が限られるため、何を学習させるかがそのまま結果になります。
自動化が進んだ領域で使われている
電通デジタルの2025年の詳細分析では、インターネット広告媒体費3兆3,093億円のうち運用型が2兆9,352億円で、構成比88.7%です。
ビデオ広告は1兆275億円で構成比30%、前年比121.8%となり、初めて1兆円を超えました。
ソーシャル広告は1兆3,067億円で構成比39.5%です。
配信面が増えるほど、面ごとの手動調整は現実的でなくなります。
2025年のインターネット広告媒体費
| 項目 | 金額 | 構成比 |
|---|---|---|
| 媒体費の合計 | 3兆3,093億円 | - |
| 運用型 | 2兆9,352億円 | 88.7% |
| ビデオ広告 | 1兆275億円 | 30% |
| ソーシャル広告 | 1兆3,067億円 | 39.5% |
BtoB SaaSで起きやすいこと
P-MAXで起きやすいことと、原因
| 起きること | 原因 |
|---|---|
| リード件数は増えるが商談にならない | フォーム送信だけを学習させている |
| 個人や学生からの応募が混ざる | 対象外の層を除外していない |
| 既存顧客への配信が増える | 顧客リストを除外していない |
| 指名検索を自分で買っている | ブランド語を除外していない |
| どこに出ているか分からない | レポートの粒度が粗い |
時間差が、判断を難しくする
リードから受注まで数か月かかります。
今月のCPAが良くても、その層が受注するかは数か月後にしか分かりません。
短い期間で判断すると、件数の多い層に寄せる方向に進みます。
向く場面と、向かない場面
P-MAXの向き不向き
| 場面 | 向くか | 理由 |
|---|---|---|
| コンバージョン件数が月に十分ある | 向く | 学習が回る |
| 受注データを戻せる | 向く | 質で学習できる |
| 既存の検索キャンペーンが安定している | 向く | 補完として機能する |
| 月のCV件数が一桁 | 向きにくい | 学習が回らない |
| 計測が整っていない | 向きにくい | 誤った方向に学習する |
| 対象企業の条件が非常に狭い | 向きにくい | 配信先を絞れない |
何が学習の元になるのか
送っているコンバージョンが、そのまま配信の方向を決めます。
フォーム送信だけを送れば、フォームを送りやすい層に配信が寄ります。
P-MAXで最も結果を左右するのが、この設定です。
送る指標で、配信先が変わる
送る指標と、配信の寄り方
| 送る指標 | 配信が寄る先 | BtoB SaaSでの結果 |
|---|---|---|
| フォーム送信のみ | フォームを送りやすい層 | 商談にならないリードが増える |
| 資料請求と問い合わせを分ける | 問い合わせしやすい層 | やや改善する |
| MQL | 条件を満たす層 | 質が上がる |
| 受注と受注金額 | 受注しやすい層 | 最も質が上がる |
件数が足りないときの組み合わせ
受注だけを送ると、件数不足で学習が回りません。
上流の指標を主軸にして、下流を価値として補正します。
指標の組み合わせ例を、項目ごとに見ていきます。
フォーム送信については、役割は学習の主軸、月あたりの件数の目安は30件以上。
MQLについては、役割は質の補正、月あたりの件数の目安は10件以上。
受注と受注金額については、役割は価値の補正、月あたりの件数の目安は数件でも送る。
数字は説明のための仮の値です。
コンバージョンの価値を分けて設定する
すべてのコンバージョンを同じ価値で送ると、件数の多いものに寄ります。
資料請求と問い合わせとトライアル開始で、価値を分けます。
価値の設定例を、項目ごとに見ていきます。
資料請求については、設定する価値は1。
問い合わせについては、設定する価値は3。
無料トライアル開始については、設定する価値は5。
MQL判定については、設定する価値は10。
受注については、設定する価値は受注金額。
数字は説明のための仮の値です。
受注データを戻す仕組みが前提になる
受注情報を媒体に戻していなければ、質で学習させることはできません。P-MAXを使う前に、この仕組みを用意します。
除外で何をコントロールするのか
配信先を直接指定できない分、除外で範囲を作ります。
ブランド語、既存顧客、対象外の層の3つを先に設定します。
除外を設定しないまま配信すると、成果が出ているように見えて実は既存の流入を置き換えているだけのことがあります。
設定する除外
設定する除外と、目的を、項目ごとに見ていきます。
ブランド除外(自社名と製品名)については、目的は指名検索を自分で買わないようにする。
既存顧客リストの除外については、目的は契約済みの企業への配信を止める。
商談中リストの除外については、目的は進行中の商談に広告費をかけない。
採用関連の検索語の除外については、目的は求職者からの流入を減らす。
対象外の地域の除外については、目的は営業できない地域を外す。
対象外の年齢層の除外については、目的は個人利用の層を減らす。
不適切な配置面の除外については、目的は表示先の質を保つ。
ブランド除外は、最初に入れる
ブランド除外を設定しないと、指名検索の流入がP-MAX経由に置き換わります。
CV数は増えて見えますが、本来無料または安く取れていた流入を買い直しているだけです。
ブランド除外なしで起きることを、項目ごとに見ていきます。
P-MAXのCV数が増えるについては、実際に起きていることは指名検索からの流入が移動している。
全体のCV数は変わらないについては、実際に起きていることは新規の獲得は増えていない。
CPAが良く見えるについては、実際に起きていることは指名検索は元々CPAが低い。
顧客リストを渡して除外する
契約済みの企業への配信は、費用が無駄になります。
顧客リストをアップロードして除外します。
除外だけでは絞りきれない
P-MAXは配信先の指定が限られるため、除外だけでは対象を完全に絞れません。対象企業の条件が非常に狭い場合は、検索キャンペーンを主軸にする判断もあります。
レポートで何が見えて、何が見えないのか
配信先の内訳は限定的にしか見えません。
見える範囲を把握したうえで、見えない部分は別の数字で補います。
レポートの粒度が粗いことが、P-MAXへの不信につながっています。
見える範囲と見えない範囲
レポートで見えるものと見えにくいものを、項目ごとに見ていきます。
全体のCV数とCPAについては、見え方は見える。
アセットグループ別の成績については、見え方は見える。
検索語の一部については、見え方はカテゴリ単位などに限られる。
アセット別の評価については、見え方は評価の区分として見える。
配置面ごとの内訳については、見え方は限定的。
どの面がどのCVを生んだかについては、見え方は把握しにくい。
見えない部分は、別の数字で補う
補い方を、項目ごとに見ていきます。
新規か既存かの内訳については、補う方法はブランド除外と顧客リスト除外を入れて切り分ける。
リードの質については、補う方法はMQL率と商談化率を媒体別に出す。
既存キャンペーンとの食い合いについては、補う方法は全体のCV数の推移で見る。
面ごとの効果については、補う方法は除外の有無で期間を分けて比較する。
媒体別に、受注までの転換率を出す
P-MAXのレポートだけでは質が分かりません。
社内のデータで、P-MAX経由のリードの商談化率と受注率を出します。
媒体別に出す項目を、項目ごとに見ていきます。
リード件数については、見ることは量。
MQL率については、見ることは条件を満たす割合。
商談化率については、見ることは営業が動いた割合。
受注率については、見ることは成果につながった割合。
平均受注金額については、見ることは金額の質。
アセットの評価を見る
アセットには評価の区分が表示されます。評価の低いアセットを差し替えると、配信の質が変わることがあります。
既存キャンペーンとの食い合いを、どう見るのか
P-MAXのCV数だけを見ると、増えたように見えます。
全体のCV数と、既存キャンペーンの推移を並べて判断します。
新しいキャンペーンを足したとき、全体が増えたかを確認します。
並べて見る
食い合いの確認の仕方を、項目ごとに見ていきます。
全体のCV数については、確認することは導入前後で増えたか。
検索キャンペーンのCV数については、確認することは減っていないか。
指名検索の流入については、確認することは移動していないか。
全体のCPAについては、確認することは悪化していないか。
新規の商談件数については、確認することは既存顧客への配信が混ざっていないか。
食い合いが起きている例
数字の組み合わせと、見立てを、項目ごとに見ていきます。
増えるについては、既存キャンペーンのCVは減る、全体のCVは変わらない、見立ては食い合っている。
増えるについては、既存キャンペーンのCVは変わらない、全体のCVは増える、見立ては純増している。
増えるについては、既存キャンペーンのCVは減る、全体のCVは減る、見立ては配分が悪化している。
数字は説明のための仮の値です。
期間を分けて比較する
P-MAXを止めた期間を作り、その前後で全体のCV数を比較する方法があります。
学習がリセットされる負担があるため、実施の判断は慎重に行います。
検索キャンペーンを残す
P-MAXに全部を寄せると、検索語の制御ができなくなります。
重要な検索語は、検索キャンペーンで完全一致とフレーズ一致を持っておきます。
役割の分け方を、項目ごとに見ていきます。検索(完全一致とフレーズ一致)については、役割は重要な検索語を確実に取る。検索(その他)については、役割は周辺の語を拾う。P-MAXについては、役割は面を広げて新規を取る。
予算と検証期間を、どう置くのか
学習が回る件数を確保できる予算と、受注まで見える期間が要ります。
少額で短期間の検証は、判断材料になりません。
中途半端な条件で試すと、効果がないという誤った判断になります。
件数から予算を逆算する
予算の逆算を、項目ごとに見ていきます。
1については、考えることは目標のCV件数、例は月30件。
2については、考えることは想定CPA、例は20,000円。
3については、考えることは必要な月予算、例は600,000円。
4については、考えることは学習期間、例は1か月から2か月。
5については、考えることは受注が見えるまで、例は4か月から6か月。
数字は説明のための仮の値です。
検証期間を先に決める
期間ごとに見る数字を、項目ごとに見ていきます。
1か月については、見る数字はCV数とCPA、判断することは学習が回っているか。
2か月については、見る数字はMQL率、判断することは質が保たれているか。
3か月については、見る数字は商談化率、判断することは営業が動く水準か。
4か月から6か月については、見る数字は受注率とCAC、判断することは継続するか。
資金繰りの制約を確認する
月額課金のため、獲得した月には広告費を回収できません。
P-MAXで件数を増やすと、先に資金が出ていきます。
回収期間を確認したうえで、予算の上限を決めます。
回収期間の確認を、項目ごとに見ていきます。
CACについては、例は400,000円。
月次の粗利については、例は40,000円。
回収期間については、例は10か月。
数字は説明のための仮の値です。
頻繁に設定を変えない
学習期間中に設定を変えると、学習がやり直しになります。変更するタイミングと、変更する項目を先に決めておきます。
よくある誤解は何か
設定すれば自動で最適化されるという前提が、最も多い誤解です。
何を学習させるかと、何を除外するかは人が決めます。
自動化の範囲を取り違えると、成果が出ません。
誤解と、実際に起きること
誤解と実際を、項目ごとに見ていきます。
設定すれば自動で最適化されるについては、実際に起きることは送るCVの定義次第で方向が決まる。
CV数が増えたから成功については、実際に起きることは指名検索や既存顧客からの流入が移動しただけのことがある。
CPAが下がったから良いについては、実際に起きることは商談にならないリードが増えている可能性がある。
レポートが見えないから使えないについては、実際に起きることは社内の数字で質を補って判断できる。
検索キャンペーンは全部P-MAXに統合してよいについては、実際に起きることは重要な検索語の制御ができなくなる。
1か月で判断できるについては、実際に起きることは商談期間を考えると受注までは見えない。
公開されている事例の見方
Googleが公式に掲載しているP-MAXの事例では、MonotaROでROAS+48%、新規法人顧客+44%、freeeでCV価値+169%、ROAS+96%、会員登録+7.2%、IDOMで成約率1.4倍、成約単価-30%、ROI+10%、イトーヨーカドーでROAS 890%という数字が出ています。
いずれも計測と除外の設計が伴った結果です。
設定しただけで同じ数字が出るという読み方はできません。
公開事例で報告されている指標を、項目ごとに見ていきます。
MonotaROについては、報告されている指標はROAS+48%、新規法人顧客+44%。
freeeについては、報告されている指標はCV価値+169%、ROAS+96%、会員登録+7.2%。
IDOMについては、報告されている指標は成約率1.4倍、成約単価-30%、ROI+10%。
イトーヨーカドーについては、報告されている指標はROAS 890%。
外部に任せる場合の確認事項
代理店に確認することを、項目ごとに見ていきます。どのCVを学習させる設計かについては、なぜ必要かは質の方向が決まる。ブランド除外を入れているかについては、なぜ必要かは指名検索の買い直しを防ぐ。顧客リストの除外を入れているかについては、なぜ必要かは既存への配信を止める。媒体別の商談化率を報告するかについては、なぜ必要かは質で判断できるか。検証期間をどう置くかについては、なぜ必要かは短期で判断していないか。
何から手をつければいいのか
コンバージョンの定義と除外の設定を整えることからです。
この2つが決まらないまま配信すると、件数の多い層に寄ります。
配信を始める前に、決めることがあります。
着手の順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは送るCVの種類と価値を決める、期間の目安は2週間。
2については、やることは受注データを媒体に戻す仕組みを作る、期間の目安は1か月。
3については、やることはブランド除外を設定する、期間の目安は1日。
4については、やることは顧客リストと商談中リストを除外する、期間の目安は1週間。
5については、やることは対象外の地域と年齢層を除外する、期間の目安は1日。
6については、やることは検索キャンペーンの役割を決めて残す、期間の目安は1週間。
7については、やることは予算と検証期間を決めて配信を開始する、期間の目安は1週間。
8については、やることは媒体別に商談化率と受注率を出す、期間の目安は継続。
見る数字を決める
見る数字を、項目ごとに見ていきます。
CV数とCPAについては、見る頻度は毎週、目安の考え方は学習が回っているか。
全体のCV数については、見る頻度は毎週、目安の考え方は食い合いが起きていないか。
検索キャンペーンのCV数については、見る頻度は毎週、目安の考え方は移動していないか。
指名検索の流入については、見る頻度は毎月、目安の考え方は買い直していないか。
MQL率については、見る頻度は毎月、目安の考え方は質が保たれているか。
商談化率については、見る頻度は毎月、目安の考え方は営業が動く水準か。
受注率とCACについては、見る頻度は四半期、目安の考え方は継続の判断に使う。
アセットの評価については、見る頻度は毎月、目安の考え方は差し替えの判断に使う。
数字は説明のための仮の値です。
最初の1か月は、設定を変えない
学習期間中の変更は、学習のやり直しを招きます。
異常がない限り、期間を決めて据え置きます。
質の数字は、社内で出す
P-MAXのレポートからは質が分かりません。
商談化率と受注率は社内のデータで出し、それを配信の判断に使います。
P-MAXの成果をどう判断すべきか分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。キャンペーンの構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
P-MAXでリードの質が落ちました
フォーム送信だけをコンバージョンとして送っていると、フォームを送りやすい層に配信が寄ります。MQL判定や受注を価値の補正として送る設計に変えてください。受注データを媒体に戻す仕組みが前提になります。
ブランド除外は必要ですか
設定しないと、指名検索からの流入がP-MAX経由に置き換わります。CV数は増えて見えますが、本来安く取れていた流入を買い直しているだけです。全体のCV数が増えているかで確認してください。
レポートで配信先が分からず判断できません
配信面ごとの内訳は限定的にしか見えません。見えない部分は社内の数字で補ってください。P-MAX経由のリードの商談化率と受注率を出せば、質の判断はできます。
検証はどれくらいの期間が必要ですか
学習に1か月から2か月、商談化率が見えるまで3か月、受注率とCACが見えるまで4か月から6か月が目安です。商談期間が数か月あるため、1か月での判断は材料が足りません。
検索キャンペーンは全部P-MAXにまとめてよいですか
重要な検索語は検索キャンペーンで完全一致とフレーズ一致を持っておくことをおすすめします。P-MAXに全部を寄せると、検索語の制御ができなくなります。
まとめ
- 学習の元になるコンバージョンが少なく、受注までの時間差が長いためです。件数の多い指標に寄せると、商談にならないリードが増えます
- 送っているコンバージョンが、そのまま配信の方向を決めます。フォーム送信だけを送れば、フォームを送りやすい層に配信が寄ります
- 配信先を直接指定できない分、除外で範囲を作ります。ブランド語、既存顧客、対象外の層の3つを先に設定します
- 配信先の内訳は限定的にしか見えません。見える範囲を把握したうえで、見えない部分は別の数字で補います
- P-MAXのCV数だけを見ると、増えたように見えます。全体のCV数と、既存キャンペーンの推移を並べて判断します
- 学習が回る件数を確保できる予算と、受注まで見える期間が要ります。少額で短期間の検証は、判断材料になりません
- 設定すれば自動で最適化されるという前提が、最も多い誤解です。何を学習させるかと、何を除外するかは人が決めます
- コンバージョンの定義と除外の設定を整えることからです。この2つが決まらないまま配信すると、件数の多い層に寄ります