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BtoB SaaSの広告計測を立て直す|同意モードとCV APIの実装順

数字の見方公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約14分
BtoB SaaSの広告計測を立て直す|同意モードとCV APIの実装順

リードから受注まで数か月かかり、そのあいだに複数の接点と複数の端末をまたぎます。
ブラウザ側だけの計測では、経路がつながりません。

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この記事を書いた人TimeValue株式会社 編集部Meta・Google・YouTube・TikTokの広告運用と、クリエイティブ制作、LP改善、データ分析、マーケティング業務のAI導入までを支援しています。
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リードから受注まで数か月かかり、そのあいだに複数の接点と複数の端末をまたぎます。
ブラウザ側だけの計測では、経路がつながりません。

BtoB SaaSで計測が壊れやすいのは、なぜか

リードから受注まで数か月かかり、そのあいだに複数の接点と複数の端末をまたぎます。
ブラウザ側だけの計測では、経路がつながりません。

BtoB SaaSで計測が壊れやすいのは、なぜか

広告の数字と社内の数字が合わないという相談が増えています。

つながらない理由

計測が途切れる場所

途切れる場所起きること
複数の端末をまたぐ会社のPCと自宅のPCで別人として計測される
検討期間が長いクッキーの保持期間を超える
複数の担当者が関わる同じ企業から別々のリードとして入る
資料請求とトライアルが別サイト経路がつながらない
受注が広告側に戻らない自動入札が質を学習できない
同意が得られないデータそのものが送られない

運用型が大半を占める

電通デジタルの2025年の詳細分析では、インターネット広告媒体費3兆3,093億円のうち運用型が2兆9,352億円で、構成比88.7%です。
運用型は自動入札で配信が決まります。
入札の元になるデータが欠けると、配信の精度が直接落ちます。

欠けたデータは、配信の質に跳ね返る

計測が欠けると、媒体は成果が出ていないと判断します。
その結果、本来成果の出る層への配信が減ります。
レポートの数字が合わないという問題ではなく、成果そのものが落ちます。

計測の欠けが招くこと

欠けるもの起きること
CVの一部が送られないCPAが実態より高く見え、入札が絞られる
CVの質の情報がない件数の多い層に配信が寄る
受注情報が戻らない商談にならないリードが増える
参照元が分からない媒体間の配分を判断できない

同意モードで何が変わったのか

GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否は同意モードのad_storageのみで決まります。
Googleシグナルはレポート上の表示可否だけを制御します。

同意モードで何が変わったのか

前提が変わったことを知らないまま運用しているケースがあります。

変更の内容

何が何を決めるか

項目決めること
同意モードのad_storage広告データ共有の可否
Googleシグナルレポート上のディメンション表示可否
同意モード未実装の場合ad_storageはgrantedが既定

未実装でも動くが、設計としては不安定

同意モードを実装していない場合、ad_storageはgrantedが既定です。
そのため、実装していなくても当面は動いているように見えます。
ただし同意管理の仕組みを入れた時点で挙動が変わります。

同意の取得率が、そのままデータ量になる

同意バナーの設計によって、同意の取得率は変わります。
取得率が下がれば、広告に送れるデータが減ります。

同意取得率とデータ量の関係

同意取得率広告に送れるCVの割合
90%9割
70%7割
50%5割

数字は説明のための仮の値です。

プライバシーの前提は動いている

Googleは2025年10月17日に、Privacy Sandbox関連技術の大半を終了すると発表しました。CHIPSなど一部は存続します。また2026年4月7日に個人情報保護法の改正法案が閣議決定されています。施行日を含む詳細は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください

サーバー側でのCV送信は、何を解決するのか

ブラウザ側で失われるコンバージョンを、自社のサーバーから直接送ります。
計測できる件数が増え、自動入札の判断材料が戻ります。

サーバー側でのCV送信は、何を解決するのか

ブラウザ側のタグだけでは、送れない場面が増えています。

何が解決するか

ブラウザ側とサーバー側の違いを、項目ごとに見ていきます。
広告ブロックの影響については、ブラウザ側のタグは受ける、サーバー側での送信は受けにくい。
クッキーの制限については、ブラウザ側のタグは受ける、サーバー側での送信は受けにくい。
別端末での成約については、ブラウザ側のタグはつながらない、サーバー側での送信は識別子があればつながる。
送れるタイミングについては、ブラウザ側のタグはその場のみ、サーバー側での送信は後日でも送れる。
実装の負担については、ブラウザ側のタグは軽い、サーバー側での送信は開発が必要。
同意の扱いについては、ブラウザ側のタグは同意管理と連動、サーバー側での送信は同意の確認を自前で実装する必要がある。

同意の扱いは、サーバー側でも必要

サーバー側から送れば同意が不要になるわけではありません。
同意が得られていないデータを送らない仕組みを、自前で作る必要があります。

BtoB SaaSでは、後日送れることが効く

商談から受注まで数か月かかります。
ブラウザ側のタグでは、そのタイミングで送る手段がありません。
サーバー側なら、受注が決まった時点で送れます。

送るタイミングと、送れる内容を、項目ごとに見ていきます。
フォーム送信時については、送る内容はリード獲得、方法はブラウザ側またはサーバー側。
MQL判定時については、送る内容は質の情報、方法はサーバー側。
商談設定時については、送る内容は商談化、方法はサーバー側。
受注時については、送る内容は受注と金額、方法はサーバー側。

識別子を持っておく

後日送るには、クリックの識別子か、照合できる情報を保存しておく必要があります。フォーム送信の時点で保存する設計にします。

商談から受注までの数字を、どう媒体に戻すのか

受注したリードを媒体に送ると、自動入札が質を学習します。
件数ではなく、受注しやすい層に配信が寄ります。

商談から受注までの数字を、どう媒体に戻すのか

BtoB SaaSで最も効く計測の打ち手が、これです。

戻さないと、件数に最適化される

フォーム送信だけを送っていると、媒体はフォーム送信が増える方向に配信します。
その結果、商談にならないリードが増えます。
リードの質が悪いという相談の多くが、この構造から来ています。

送る指標と、配信の寄り方を、項目ごとに見ていきます。
フォーム送信のみについては、配信が寄る先はフォームを送りやすい層。
フォーム送信とMQLについては、配信が寄る先は条件を満たす層。
フォーム送信と受注については、配信が寄る先は受注しやすい層。
受注のみについては、配信が寄る先は件数不足で学習が回らないことがある。

件数が足りない場合の組み合わせ

受注件数が月に数件しかない場合、それだけでは学習が回りません。
上流の指標を主軸にし、下流の指標を価値として補正する形を取ります。

指標の組み合わせ例を、項目ごとに見ていきます。
フォーム送信については、役割は学習の主軸、月あたりの件数の目安は30件以上。
MQLについては、役割は質の補正、月あたりの件数の目安は10件以上。
受注と受注金額については、役割は価値の補正、月あたりの件数の目安は数件でも送る。

数字は説明のための仮の値です。

戻す運用を、誰が回すかを決める

受注データを戻す運用を、項目ごとに見ていきます。
渡す形式については、例はクリックの識別子または照合用の情報。
渡す頻度については、例は週次。
渡す範囲については、例はMQL判定、商談化、受注、受注金額。
社内の担当については、例はマーケティング担当。
実装と取り込みの担当については、例は開発または代理店。
失敗時の検知については、例は取り込み件数を週次で確認する。

時間差を前提に設計する

受注は数か月後に決まります。送信の期限を超えないよう、媒体側の受付期間を確認したうえで運用を組みます。

実装の順番はどうするのか

同意モード、サーバー側でのCV送信、受注データの連携の順です。
土台の同意設計を飛ばすと、あとで作り直しになります。

実装の順番はどうするのか

順番を誤ると、実装のやり直しが発生します。

順番

実装の順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは現状の計測の棚卸し、なぜこの順番かは何が壊れているかを把握する。
2については、やることは同意管理の設計と実装、なぜこの順番かはデータの前提が決まる。
3については、やることはサーバー側でのCV送信、なぜこの順番かは取りこぼしを減らす。
4については、やることは識別子の保存設計、なぜこの順番かは後日送信の土台になる。
5については、やることはMQLと商談化の連携、なぜこの順番かは質の情報を戻す。
6については、やることは受注と金額の連携、なぜこの順番かは価値の情報を戻す。
7については、やることはGA4のレポート設計、なぜこの順番かは判断できる形に整える。
8については、やることは異常検知の仕組み、なぜこの順番かは壊れたときに気づく。

棚卸しで確認すること

現状の確認項目を、項目ごとに見ていきます。
CVタグの設置箇所については、見方は漏れと重複がないか。
広告の数字と社内の数字の差については、見方はどれくらい乖離しているか。
同意管理の実装状況については、見方はad_storageがどう制御されているか。
参照元の引き継ぎについては、見方は別ドメインをまたぐ箇所。
識別子の保存については、見方はフォーム送信時に保存しているか。
MAツールとSFAの連携については、見方は受注情報がどこにあるか。

一度に全部やらない

同意モードだけを先に入れて、数字の変化を確認します。
複数を同時に変えると、どの変更が何を動かしたか分からなくなります。

変更の前後で、数字を記録しておく

実装の前に、媒体別のCV数とCPAを記録します。比較対象がないと、良くなったかどうかを言えません。

計測が直ると、何が変わるのか

配信の精度が上がり、同じ広告費で受注につながるリードの割合が増えます。
レポートの精度ではなく、成果そのものが動きます。

計測が直ると、何が変わるのか

計測は報告のための作業だと思われがちです。

変わること

計測が直ると変わることを、項目ごとに見ていきます。
自動入札の判断については、内容は受注しやすい層に配信が寄る。
媒体間の配分については、内容は受注率で比較できるようになる。
代理店との議論については、内容はCPAではなくCACで話せる。
経営への報告については、内容は回収期間を数字で示せる。
除外の判断については、内容は成果の出ない層を根拠を持って外せる。

代理店への不満が、ここで減ることがある

代理店への不満で経営層の最多は、費用が成果に見合わないで56.3%という調査があります。
これは多くの場合、CPAだけで報告されていることから来ています。
受注データが戻っていれば、CACで報告できます。

効果が出るまでには時間がかかる

受注データを戻してから、自動入札の学習が変わるまでには時間が必要です。
さらに、その配信から受注が出るまでに数か月かかります。

効果が見え始める時期の目安を、項目ごとに見ていきます。
実装直後については、見える変化は計測できるCV数が増える。
1か月については、見える変化は配信先の傾向が変わる。
2か月から3か月については、見える変化はMQL率と商談化率が動く。
4か月以降については、見える変化は受注率とCACが動く。

数字は説明のための仮の値です。

直った状態を維持する仕組みが要る

サイトの改修やツールの更新で、計測は簡単に壊れます。週次でCV数を確認し、急な変動があれば調べる仕組みを作ります。

よくある誤解は何か

計測はレポートのための作業という理解が、最も多い誤解です。
運用型が媒体費の88.7%を占める現在、計測は配信の精度そのものです。

よくある誤解は何か

優先順位を誤ると、実装が後回しになります。

誤解と、実際に起きること

誤解と実際を、項目ごとに見ていきます。
計測はレポート用の作業については、実際に起きることは自動入札の精度が落ち、成果が下がる。
同意モードは未実装でも問題ないについては、実際に起きることは同意管理を入れた時点で挙動が変わる。
サーバー側から送れば同意は不要については、実際に起きることは同意の確認を自前で実装する必要がある。
受注件数が少ないから戻す意味がないについては、実際に起きることは価値の補正として少数でも効く。
広告の数字と社内の数字は合うはずについては、実際に起きることは集計の定義と期間が違うため完全には一致しない。
一度実装すれば終わりについては、実際に起きることは改修や更新で壊れるため監視が要る。

数字が完全に一致しない理由

広告の数字と社内の数字がずれる理由を、項目ごとに見ていきます。
計上の時期については、内容は媒体はクリック日、社内は発生日で数える。
重複の扱いについては、内容は同じ企業の複数リードの数え方が違う。
除外の基準については、内容はテストや社内アクセスの除外範囲が違う。
計測の取りこぼしについては、内容は同意やブロックで一部が送られない。

完全な一致を目指すより、乖離の幅を把握して安定させるほうが実用的です。

外部に任せる場合の確認事項

支援先に確認することを、項目ごとに見ていきます。同意モードの実装経験については、なぜ必要かは前提を理解しているか。サーバー側でのCV送信の実装範囲については、なぜ必要かはどこまで対応するか。受注データの連携の運用設計については、なぜ必要かは誰が何を回すか。計測が壊れたときの検知と連絡については、なぜ必要かは気づける体制か。保守の担当については、なぜ必要かは実装後の面倒を見るか。

何から手をつければいいのか

現状の計測を棚卸しすることからです。
どこが壊れているかを把握しないまま実装しても、取りこぼしは残ります。

何から手をつければいいのか

土台から順に積みます。

着手の順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは現状の計測を棚卸しする、期間の目安は2週間。
2については、やることは広告の数字と社内の数字の乖離幅を記録する、期間の目安は1週間。
3については、やることは同意管理を設計して実装する、期間の目安は1か月。
4については、やることはサーバー側でのCV送信を実装する、期間の目安は1か月。
5については、やることはフォーム送信時に識別子を保存する、期間の目安は2週間。
6については、やることはMQLと商談化の連携を作る、期間の目安は1か月。
7については、やることは受注と金額の連携を作る、期間の目安は1か月。
8については、やることは週次で異常を検知する仕組みを作る、期間の目安は2週間。

見る数字を決める

見る数字を、項目ごとに見ていきます。
媒体別のCV数については、見る頻度は毎週、目安の考え方は急な変動がないか。
広告と社内の数字の乖離幅については、見る頻度は毎月、目安の考え方は幅が安定しているか。
同意の取得率については、見る頻度は毎月、目安の考え方はデータ量に直結する。
媒体に戻した受注件数については、見る頻度は毎月、目安の考え方は運用が回っているか。
MQL率と商談化率については、見る頻度は毎月、目安の考え方は質が動いたか。
媒体別の受注率については、見る頻度は四半期、目安の考え方は配分の根拠にする。
CACについては、見る頻度は毎月、目安の考え方は広告費以外も含めて計算する。

数字は説明のための仮の値です。

一度に全部を変えない

同意モードだけを入れて数字の変化を確認し、次にサーバー側の送信を入れます。
同時に変えると、原因の切り分けができません。

壊れたことに気づける形にする

計測は改修や更新で壊れます。
週次でCV数を見て、前週と大きく違えば調べる。
この程度の仕組みでも、放置期間を大きく短縮できます。

計測のどこが壊れているか分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。計測の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

同意モードは実装しないとどうなりますか

GA4では2026年6月15日より広告データ共有の可否はad_storageのみで決まり、同意モードが未実装の場合はgrantedが既定です。当面は動いて見えますが、同意管理の仕組みを入れた時点で挙動が変わります。前提が変わることを知らずに運用すると、数字の急変の原因が分からなくなります。

サーバー側でCVを送れば同意は不要になりますか

なりません。同意が得られていないデータを送らない仕組みを、自前で実装する必要があります。サーバー側の送信は、取りこぼしを減らし、後日の送信を可能にするための手段です。

受注件数が月に数件しかありませんが、媒体に戻す意味はありますか

あります。件数が少ない場合、受注だけでは学習が回らないため、フォーム送信を学習の主軸にし、受注を価値の補正として送る形を取ります。少数でも、受注しやすい層に配信が寄る効果があります。

広告の数字と社内の数字が合いません

計上の時期、重複の数え方、除外の基準、計測の取りこぼしで差が出ます。完全な一致は現実的ではありません。乖離の幅を記録し、その幅が安定しているかを見るほうが実用的です。

実装の順番はどうすればいいですか

現状の棚卸し、同意管理の実装、サーバー側でのCV送信、識別子の保存、MQLと商談化の連携、受注の連携の順です。同意の設計を飛ばすと、あとで作り直しになります。

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まとめ

  • リードから受注まで数か月かかり、そのあいだに複数の接点と複数の端末をまたぎます。ブラウザ側だけの計測では、経路がつながりません
  • GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否は同意モードのad_storageのみで決まります。Googleシグナルはレポート上の表示可否だけを制御します
  • ブラウザ側で失われるコンバージョンを、自社のサーバーから直接送ります。計測できる件数が増え、自動入札の判断材料が戻ります
  • 受注したリードを媒体に送ると、自動入札が質を学習します。件数ではなく、受注しやすい層に配信が寄ります
  • 同意モード、サーバー側でのCV送信、受注データの連携の順です。土台の同意設計を飛ばすと、あとで作り直しになります
  • 配信の精度が上がり、同じ広告費で受注につながるリードの割合が増えます。レポートの精度ではなく、成果そのものが動きます
  • 計測はレポートのための作業という理解が、最も多い誤解です。運用型が媒体費の88.7%を占める現在、計測は配信の精度そのものです
  • 現状の計測を棚卸しすることからです。どこが壊れているかを把握しないまま実装しても、取りこぼしは残ります