
検索の入口、広告の運用の仕方、計測の前提の3つが同時に動いています。
どれか1つへの対応では足りず、期初の計画に3つとも織り込む必要があります。
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目次
目次
- 2026年に、BtoB SaaSの獲得を取り巻く環境で何が変わったのか
- 市場の規模としての前提
- 検索からの流入の前提が変わったことに、どう対応するのか
- 減る流入と、残る流入を分ける
- 広告の運用で自動化が進んだことは、どういう意味を持つのか
- 差がつく場所が移動している
- 媒体の再編と新しい広告面に、どう向き合うのか
- 期限のある移行
- 計測の前提の変化を、どう織り込むのか
- 変化している項目
- 予算の環境は、どうなっているのか
- 予算の増減の傾向
- 変化に対して、やらなくてよいことは何か
- 後回しにしてよいもの
- 期初の計画に、どう織り込むのか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
検索の入口、広告の運用の仕方、計測の前提の3つが同時に動いています。
どれか1つへの対応では足りず、期初の計画に3つとも織り込む必要があります。
2026年に、BtoB SaaSの獲得を取り巻く環境で何が変わったのか
検索の入口、広告の運用の仕方、計測の前提の3つが同時に動いています。
どれか1つへの対応では足りず、期初の計画に3つとも織り込む必要があります。
変化が同時に起きているため、個別に対応すると手が回りません。
何がどこに効くかを整理してから、優先順位をつけます。
市場の規模としての前提
電通の2025年 日本の広告費では、総広告費が8兆623億円で前年比105.1%でした。
インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8%、構成比50.2%となり初めて過半数を超えています。
マスコミ四媒体は2兆2,980億円で前年比98.4%です。
電通デジタルの詳細分析では、インターネット広告媒体費は3兆3,093億円で前年比111.8%、そのうち運用型が2兆9,352億円、構成比88.7%となっています。
3つの変化の整理
2026年の環境変化と、効いてくる場所
| 変化 | 内容 | BtoB SaaSでの効き方 |
|---|---|---|
| 検索の入口 | 要約で判断が終わる場面が増えた | 情報収集の段階の流入が減る |
| 広告の運用 | 自動化の範囲が広がった | 設定より入力する情報が効く |
| 媒体の再編 | 統合と新しい広告面の登場 | 配信先の見直しが必要 |
| 計測の前提 | 同意の扱いと技術の終了 | 数字の見え方が変わる |
| 予算の環境 | 増やす企業と削る企業が分かれる | 社内の説明の仕方が変わる |
対応の順番を決める
すべてに同時に対応することはできません。自社の獲得がどこに依存しているかを確認し、依存の大きい順に手をつけます。
検索からの流入の前提が変わったことに、どう対応するのか
情報収集の段階の流入が減ることを前提に、計画を立て直します。
流入数を目標に置いたままだと、事業が伸びていても未達になります。
検索の結果に要約が表示され、記事を開かずに判断が終わる場面が増えています。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される情報収集型の検索で、日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月の62.7%に拡大していました。
日本は予測CTR24.1%に対し実測9.0%と報告されています。
米国は58.0%から68.8%です。
減る流入と、残る流入を分ける
課題の名前で調べる段階の流入は減ります。
サービス名や、具体的な条件を調べる段階の流入は残ります。
検索の段階ごとの、流入への影響
| 検索の段階 | 流入への影響 | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 課題の名前で調べる | 大きく減る | 要約に載る情報を整える |
| 解決策の種類を調べる | 減る | 比較の材料を外部にも置く |
| 候補を比較する | やや減る | 掲載情報の整合を保つ |
| サービス名で調べる | 影響は小さい | 認知を積み上げる |
| 導入の条件を調べる | 影響は小さい | 公式情報を詳しくする |
流入数を目標から外す
流入数の目標を置いたままにすると、構造的な減少が未達として扱われます。
流入の先にある有効リード件数と商談化に、目標を移します。
AI経由の流入は量では判断しない
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月から4月にGA4で調べた結果では、83.0%のサイトで生成AI経由のセッションが増加した一方、総流入の1%未満にとどまっていました。
AI経由のCVRが他チャネルより高かったサイトは35.1%です。
Criteoが2026年2月に米国の小売500社を対象に行った調査では、LLM経由のCVRが他のリファラルの約1.5倍と報告されています。
量が小さく質が高い流入として扱い、四半期単位で質を確認します。
広告の運用で自動化が進んだことは、どういう意味を持つのか
設定の巧拙より、入力する情報の質で差がつくようになります。
何を成果として渡すかが、配信の結果を左右します。
検索広告の自動化が進み、手動で設定していた範囲が減っています。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、公称でCV数またはCV値が平均14%増、完全一致とフレーズ一致中心の場合は27%増としています。
DSAからの移行では平均7%増と説明されています。
自動作成アセットとキャンペーンレベルの部分一致は2026年9月に自動アップグレードされ、DSAの終了は2027年2月に延期されています。
2026年9月以降、新規のDSAキャンペーンは作成できません。
差がつく場所が移動している
自動化が進んだときに差がつく場所
| 従来差がついた場所 | 今後差がつく場所 |
|---|---|
| キーワードの選定と除外 | 渡す成果の定義 |
| 入札の調整 | 成果の重みづけ |
| 配信面の指定 | 入力する素材の質と量 |
| 細かい設定の積み重ね | 検証の設計と期間の置き方 |
BtoB SaaSで渡す成果を何にするか
問い合わせ件数を成果として渡すと、件数が取れる方向に配信が寄ります。
有効リードや商談化した件数を渡すと、質の方向に寄ります。
社内の数字を媒体に戻す経路があるかどうかが、結果を左右します。
事例として公表されている効果
Googleが公式に掲載しているP-MAXの事例では、MonotaROがROAS48%増と新規法人顧客44%増、freeeがCV価値169%増とROAS96%増、会員登録7.2%増と報告されています。
IDOMは成約率1.4倍、成約単価30%減、ROI10%増、イトーヨーカドーはROAS890%とされています。
自社の商材と顧客層が異なるため、数字をそのまま当てはめることはできません。
渡す成果の設計が効くという点だけを参照します。
検証の期間を長めに取る
自動化された配信は、学習の期間を必要とします。BtoB SaaSでは成果の発生までに時間差があるため、検証の期間をさらに長く置きます。
媒体の再編と新しい広告面に、どう向き合うのか
移行の期限があるものを優先し、新しい面は試行の枠で扱います。
期限のある移行を後回しにすると、配信が止まります。
媒体の側でも再編が進んでいます。
期限が決まっているものと、様子を見てよいものを分けます。
期限のある移行
LINEヤフーは2025年9月25日に広告の統合を発表し、2026年4月1日にリリースしています。
基盤はYahoo!広告のディスプレイ広告です。
LINE広告のみを利用している企業は、Yahoo!の計測タグの新規設置が必須とされています。
移行のツールの利用にはビジネスIDが必要です。
検索クエリーマッチングは2026年9月14日に提供が完了し、オプトイン方式とされています。
LINE VOOMは2026年9月30日に終了しています。
期限のあるものと、試行でよいもの
| 対象 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 検索広告の自動アップグレード | 期限までに対応 | 放置すると意図しない配信になる |
| DSAからの移行 | 期限までに対応 | 新規作成ができなくなっている |
| 媒体の統合に伴う計測の設置 | 期限までに対応 | 計測が止まる |
| 新しい広告面 | 試行の枠で扱う | 効果が不明な段階 |
| 新しい計測手法 | 段階的に導入 | 既存の数字との接続が必要 |
新しい広告面の扱い
OpenAIは2026年2月9日に米国でChatGPT広告のテストを開始し、2026年8月11日に本格稼働しています。
日本での表示開始は2026年6月19日、セルフサーブの開放は6月29日ごろです。
表示の対象はFreeとGoプランの成人ログインユーザーのみとされています。
CPMのデフォルトは約60ドル、CPCの推奨は3から5ドルです。
日本の地域指定は都道府県単位、カスタムオーディエンスは25,000件以上のマッチが必要、日予算は7日平均で最大2倍まで変動します。
代理店専用のコンソールはありません。
BtoB SaaSでは対象が法人の担当者に限られるため、到達の効率を確認しながら小さく試す形が現実的です。
試行の枠を確保しておく
新しい面は、評価の基準が定まっていません。獲得単価で判断せず、接点が作れたかで見る枠を別に持ちます。
計測の前提の変化を、どう織り込むのか
見えなくなる部分があることを前提に、判断の方法を変えます。
精度を追い続けるより、判断に必要な粒度を決めるほうが実務的です。
計測の前提は、複数の方向から同時に変わっています。
変化している項目
GA4では、2026年6月15日より広告データの共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になっています。
Googleシグナルはレポート上のディメンションの表示可否のみを制御します。
同意モードを実装していない場合、ad_storageはgrantedが既定とされています。
Googleは2025年10月17日に、Privacy Sandbox関連技術の大半を終了すると発表しています。
CHIPSなど一部は存続します。
個人情報の取り扱いに関する制度も見直しが進んでいます。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
計測の変化と、実務での対応を、項目ごとに見ていきます。
同意の扱いの変更については、実務への影響は広告データの共有の可否が変わる、対応は同意の取得の設計を確認する。
技術の終了については、実務への影響は一部の計測手法が使えなくなる、対応は依存している箇所を洗い出す。
制度の見直しについては、実務への影響は取得と利用の範囲が変わりうる、対応は運用を固定しない。
媒体ごとの計測の差については、実務への影響は数字が一致しない、対応は正とする数字を決める。
精度より、判断の粒度を決める
すべてを正確に計測しようとすると、費用も時間もかかります。
どの粒度まで分かれば判断できるかを決め、そこまでを整えます。
複数の方法を併用する
Google Meridianのようなオープンソースのモデルが提供されています。
GeoXは近日公開とされています。
個別の計測と、全体の傾向を見る方法を併用する形が広がっています。
社内の数字を媒体に戻す
商談化と契約の結果を媒体に戻す経路は、計測の精度が落ちる環境ほど効きます。この経路の整備を、優先度の高い項目として扱います。
予算の環境は、どうなっているのか
増やす企業と維持する企業が分かれ、削る対象にも傾向が出ています。
社内での説明の仕方を、この傾向に合わせて準備します。
外部の調査から、予算の動きの傾向が示されています。
予算の増減の傾向
Comexposium Japanが2025年12月5日から19日に実施した調査では、2026年の予算を増やす回答が38.5%で前年比6.2ポイント増、横ばいが50.5%でした。
AI導入済みまたは準備中が80.7%と報告されています。
Macbee Planetが2025年12月5日から12日に実施した調査では、予算を増やす回答がBtoCで61.3%、BtoBで52.3%でした。
削減の対象としてBtoCではイベントと展示会とセミナーが42.9%、CRMとリテンションが40.7%と報告されています。
予算の動きと、社内での扱いを、項目ごとに見ていきます。
増額の企業が一定数あるについては、社内で起きやすいことは競合の出稿が増える、準備することは獲得単価の上昇を見込む。
横ばいが過半数については、社内で起きやすいことは配分の組み替えが求められる、準備することは施策ごとの回収期間を出す。
維持の施策が削られやすいについては、社内で起きやすいことは解約の対策が後回しになる、準備することは維持の効果を金額で示す。
イベントが削られやすいについては、社内で起きやすいことは接点の機会が減る、準備することは代替の接点を用意する。
維持の予算を守る説明
解約率が下がると、収益がいくら残るかを金額で示します。
数字は説明のための仮の値です。
月額の合計が1億円で、月次解約率が1.5%から1.3%になれば、月に20万円分の収益が残ります。
この形にすると、獲得の予算と同じ土俵で比較できます。
獲得単価の上昇を計画に織り込む
市場全体で運用型の広告に予算が集まっています。同じ成果を出すための費用が上がる前提で、目標を置きます。
変化に対して、やらなくてよいことは何か
すべての新しい手法に手をつけることです。
評価の枠を持たずに数を増やすと、どれも中途半端に終わります。
変化が多い時期ほど、対応の一覧が長くなります。
優先順位をつけないと、既存の獲得の運用が薄くなります。
後回しにしてよいもの
優先度の分け方を、項目ごとに見ていきます。
期限のある移行については、優先度は高い、理由は対応しないと配信が止まる。
計測の前提の確認については、優先度は高い、理由は数字の判断の土台になる。
渡す成果の設計については、優先度は高い、理由は自動化の環境で効きやすい。
公開情報の整備については、優先度は中程度、理由は要約での扱われ方に効く。
新しい広告面については、優先度は低い、理由は試行の枠で足りる。
新しい分析手法の導入については、優先度は低い、理由は既存の数字が整ってから。
数を増やす前に、既存を整える
渡す成果の定義、公開情報の整合、計測の設計。
この3つが整っていない状態で新しい手法を足しても、効果が確認できません。
情報の出どころを確認する
新しい領域では、根拠の不明な情報が出回ります。
公式の発表と、出典の明示された調査に絞って判断します。
環境の動きは一方向ではない
博報堂DYグループONEの2026年2月時点の集計では、日本のAIチャットボット市場でChatGPTが約67%、前月比で2.76ポイントの減少でした。
Geminiは3か月連続で増加しています。
AI検索エンジンの利用は2024年4月比で大幅増ですが、2026年1月比では3.2%の減少です。
1つの経路に合わせ込むと、動いたときに対応できません。
期初の計画に、どう織り込むのか
期限のある対応を先に日程に入れます。
残りの枠で、質の設計と情報の整備を進める形にします。
環境の変化への対応は、通常の施策と同じ枠で扱うと後回しになります。
日程として確保します。
期初に日程へ入れる項目を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは期限のある移行の対象と期日を一覧にする、期間の目安は2週間。
2については、やることは計測の前提の変化を確認し影響を洗い出す、期間の目安は3週間。
3については、やることは媒体に渡す成果の定義を見直す、期間の目安は2週間。
4については、やることは公開情報と実態のずれを洗い出す、期間の目安は1か月。
5については、やることは試行の枠を予算の一定割合で確保する、期間の目安は1週間。
6については、やることは評価の期間をチャネルごとに決め直す、期間の目安は2週間。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
月の広告費が200万円で、獲得単価が前年より1割上がると想定するなら、同じ件数を取るのに220万円が必要です。
この前提を期初に置いておくと、期中の増額の議論が早く済みます。
環境の変化を追いかける数字を、項目ごとに見ていきます。
検索経由の流入と有効リードの比率については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは流入の減少が成果に及んでいるか。
媒体別の獲得単価については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは費用の上昇の度合い。
有効リードの単価と商談化率については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは渡す成果の設計が効いているか。
公開情報と実態の差分件数については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは情報の整合が保たれているか。
試行の枠の消化と得られた知見については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは新しい面の評価が進んでいるか。
解約率と純増額については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは維持の側が崩れていないか。
前提を文書にして残す
どの変化をどう見込んだかを、期初に文書で残します。
期中に前提が外れたときに、何を変えるかの議論が速くなります。
見直しの時期を決めておく
環境が動く時期には、期の途中で前提が変わります。
四半期ごとに前提を確認する時期を、あらかじめ日程に入れます。
環境の変化を計画にどう織り込むか迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。獲得の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
2026年に、まず何から対応すべきですか
期限のある移行です。検索広告の自動アップグレードやDSAの終了、媒体の統合に伴う計測の設置は、対応しないと配信や計測が止まります。これを日程に入れてから、残りの枠で質の設計を進めてください。
検索からの流入が減っています。目標はどうすればいいですか
流入数を目標から外してください。情報収集の段階の流入は構造的に減っており、そのままでは事業が伸びていても未達になります。有効リード件数と商談化に目標を移す形が現実的です。
広告の自動化が進むと、何で差がつきますか
渡す成果の定義です。問い合わせ件数を渡すと件数が取れる方向に、有効リードや商談化を渡すと質の方向に配信が寄ります。社内の数字を媒体に戻す経路の整備が効いてきます。
新しい広告面には、すぐ出稿すべきですか
評価の基準が定まっていない段階です。試行の枠を予算の一定割合で確保し、獲得単価ではなく接点が作れたかで見てください。対象が法人の担当者に限られる事業では、到達の効率の確認が先になります。
計測の精度をどこまで追うべきですか
すべてを正確に計測しようとすると費用も時間もかかります。どの粒度まで分かれば判断できるかを先に決めてください。あわせて、商談化と契約の結果を媒体に戻す経路の整備を優先してください。
まとめ
- 検索の入口、広告の運用の仕方、計測の前提の3つが同時に動いています。どれか1つへの対応では足りず、期初の計画に3つとも織り込む必要があります
- 情報収集の段階の流入が減ることを前提に、計画を立て直します。流入数を目標に置いたままだと、事業が伸びていても未達になります
- 設定の巧拙より、入力する情報の質で差がつくようになります。何を成果として渡すかが、配信の結果を左右します
- 移行の期限があるものを優先し、新しい面は試行の枠で扱います。期限のある移行を後回しにすると、配信が止まります
- 見えなくなる部分があることを前提に、判断の方法を変えます。精度を追い続けるより、判断に必要な粒度を決めるほうが実務的です
- 増やす企業と維持する企業が分かれ、削る対象にも傾向が出ています。社内での説明の仕方を、この傾向に合わせて準備します
- すべての新しい手法に手をつけることです。評価の枠を持たずに数を増やすと、どれも中途半端に終わります
- 期限のある対応を先に日程に入れます。残りの枠で、質の設計と情報の整備を進める形にします