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目次
目次
- 指名検索が、BtoB SaaSの獲得単価に効くのはなぜか
- 指名での流入が持つ性質
- 指名検索は、どこから生まれるのか
- 主な経路
- 認知への投資を、どの数字で説明するのか
- 接続の仕方
- 既存顧客が、指名を作る経路になるのはどういう場面か
- 起点になる場面
- 指名検索が増えたとき、広告の配分をどう変えるのか
- 指名の枠への出稿を続けるか
- 指名検索の測り方と、その限界はどこにあるか
- 測り方の基本
- 認知に投資しても指名が増えない場合、何が起きているのか
- 起きている可能性
- 指名を増やす取り組みを、どう組み立てるのか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
比較の前に候補として入るからです。
サービス名で調べられた時点で、競合と並べられる前の段階に位置しています。
指名検索が、BtoB SaaSの獲得単価に効くのはなぜか
比較の前に候補として入るからです。
サービス名で調べられた時点で、競合と並べられる前の段階に位置しています。
検討が始まると、課題の名前や機能の名前で検索が行われます。
この段階では、複数のサービスが横並びで比較されます。
サービス名で直接検索された場合は、状況が違います。
すでに候補として認識されており、確認のための検索になっています。
この差が、商談化率と獲得単価の両方に出ます。
指名での流入が持つ性質
検索の種類と、その後の動き
| 検索の種類 | 相手の状態 | 商談化率 | 獲得単価 |
|---|---|---|---|
| 課題の名前 | 解決策を探している | 低い | 高い |
| 機能や分類の名前 | 候補を集めている | 中程度 | 中程度 |
| 競合との比較 | 候補を絞っている | やや高い | 中程度 |
| サービス名 | 候補に入っている | 高い | 低い |
| サービス名と機能名 | 導入を具体化している | 最も高い | 最も低い |
継続課金の事業で効く理由
指名検索は、一度増えると減りにくい性質があります。
広告を止めれば流入は止まりますが、認知は残ります。
毎月一定の新規が必要な事業では、この積み上がりが効きます。
指名を増やす投資は、単年度では説明しにくい
認知への投資は、効果が出るまでに時間がかかります。その期の獲得単価には表れません。だから、期初の合意で扱いを決めておく必要があります。
指名検索は、どこから生まれるのか
接触の総量ではなく、記憶に残る接触の回数で決まります。
広告の表示だけでは指名に変わりにくく、内容を伴う接触が必要になります。
指名検索が増える経路は、いくつかに分かれます。
どれが効いているかは事業で違いますが、経路を分けて把握しておくと投資の判断ができます。
主な経路
指名が生まれる経路と、その性質
| 経路 | 積み上がりの速さ | 費用の性質 |
|---|---|---|
| 既存顧客からの紹介と口コミ | 遅い | ほぼかからない |
| 業界のメディアでの掲載 | 中程度 | 関係づくりの工数 |
| 自社の情報発信 | 遅い | 制作の費用 |
| イベントとセミナー | 中程度 | 開催の費用 |
| 広告での反復接触 | 速い | 継続的な費用 |
| 第三者のレビューと比較掲載 | 中程度 | 収集の工数 |
広告だけで指名は増えにくい
表示された回数だけでは、名前は記憶されません。
何をするサービスかが伝わる接触が必要になります。
短い広告の枠では、この伝達が難しい場面があります。
動画の比重が上がっている
電通デジタルの2025年の詳細分析では、ビデオ広告が1兆275億円、構成比30%、前年比121.8%で初めて1兆円を超えました。
ソーシャル広告は1兆3,067億円で構成比39.5%です。
内容を伝えられる形式の比重が上がっています。
ただし、BtoB SaaSでは対象が限られるため、到達の効率を確認しながら進めます。
経路ごとに時間の単位が違う
紹介や情報発信は年の単位で積み上がります。イベントや広告は月の単位で動きます。混ぜて評価すると、遅い経路が過小評価されます。
認知への投資を、どの数字で説明するのか
獲得単価の変化で説明します。
認知そのものの数字ではなく、獲得の効率がどう動いたかで示すと稟議に乗ります。
認知の投資は、到達した人数や表示の回数で報告されがちです。
この数字は、経営から見て判断に使えません。
接続の仕方
指名での流入が増えると、全体の獲得単価が下がります。
指名の比率と、全体の獲得単価を並べて推移を示します。
認知の投資を説明する数字の組み立て
| 示す数字 | 意味 | 経営が判断できること |
|---|---|---|
| 指名での流入件数の推移 | 認知が広がっているか | 投資が効いているか |
| 新規契約に占める指名経由の比率 | 指名が成果になっているか | 事業への貢献 |
| 全体の獲得単価の推移 | 効率が改善しているか | 費用の妥当性 |
| 指名経由の獲得単価 | 指名の効率 | 比較の基準 |
| 指名以外の獲得単価 | 広告の効率 | 配分の判断 |
数字での説明の例
数字は説明のための仮の値です。
新規契約のうち指名経由が2割で、全体の獲得単価が30万円とします。
指名経由が4割に増え、指名経由の単価が10万円なら、全体の平均は下がります。
この形で示すと、認知の投資が獲得の費用の削減として説明できます。
期をまたぐ前提を明記する
指名が増えるまでに1年以上かかることを、投資の判断の前に共有します。
単年度で評価する前提のままだと、途中で止まります。
認知の数字だけを目標にしない
到達人数や表示回数を目標にすると、安く届く相手に寄ります。対象外の層に届いても、指名には変わりません。
既存顧客が、指名を作る経路になるのはどういう場面か
利用者が転職したときと、同業に共有されたときです。
継続課金の事業では、使っている人が別の場所で名前を出す場面が生まれます。
BtoB SaaSの指名検索には、既存顧客を起点とする経路があります。
この経路は費用がほとんどかからず、質も高い傾向があります。
起点になる場面
既存顧客から指名が生まれる場面
| 場面 | 起きること | 後押しできること |
|---|---|---|
| 利用者の転職 | 転職先で導入を提案する | 移行の案内を用意する |
| 同業との情報交換 | 使っているサービスとして話題に出る | 紹介できる材料を渡す |
| 業界のイベントでの発言 | 事例として語られる | 登壇の機会を作る |
| 社内の別部門への展開 | 部門をまたいで広がる | 部門向けの案内を用意する |
| 公開された導入事例 | 第三者が参照する | 事例の掲載を依頼する |
転職経路を設計に含める
使い慣れたサービスを、新しい職場でも使いたいという動きがあります。
この経路を拾うには、個人が試せる形や、小さく始められるプランが要ります。
事例の掲載を依頼する順序
定着している顧客から依頼します。
導入の直後に依頼すると、成果がまだ出ていません。
利用が定着し、成果が語れる時期を見て依頼します。
紹介を促す仕組みの注意
対価を前面に出すと、質の低い紹介が増えます。紹介しやすい材料を渡すほうが、結果として件数も質も安定します。
指名検索が増えたとき、広告の配分をどう変えるのか
指名の枠を守りつつ、比較の段階に配分を移します。
指名が増えたぶんだけ広告を減らすと、入口が細ります。
指名が増えると、広告を減らせると考えがちです。
減らす場所を誤ると、翌期の指名が減ります。
指名の枠への出稿を続けるか
自社名での検索に広告を出すかどうかは、判断が分かれます。
競合が自社名で出稿している場合は、出さないと上部を取られます。
指名の枠への出稿の判断を、項目ごとに見ていきます。
競合が自社名で出稿しているについては、出稿するかは出す、理由は上部を取られる。
自然検索で上部を確保できているについては、出稿するかは限定的でよい、理由は重複の費用になる。
社名と一般名詞が似ているについては、出稿するかは出す、理由は別の意図の検索が混ざる。
新しい機能名を訴求しているについては、出稿するかは出す、理由は正しい情報に誘導する。
減らす場所の選び方
指名が増えたぶんは、比較や検討の段階に配分を移します。
この段階の接触が、次の指名を作ります。
指名が増えたから全体を減らす形にすると、積み上がりが止まります。
配分の変更を、期の単位で行う
指名の比率は月ごとに振れます。
月次で配分を動かすと、振れに反応することになります。
四半期の単位で比率を見て、配分を動かします。
指名以外の獲得単価を並べて見る
指名が増えると全体の平均は下がります。平均だけを見ていると、指名以外の効率の悪化に気づけません。分けて並べます。
指名検索の測り方と、その限界はどこにあるか
サービス名を含む検索の件数で測りますが、表記の揺れと分類の限界があります。
数字の水準ではなく、推移で判断します。
指名検索の測定には、いくつかの制約があります。
制約を理解したうえで、推移を見る使い方をします。
測り方の基本
指名の測定方法と、それぞれの限界を、項目ごとに見ていきます。
サービス名を含む検索の流入については、見えることは指名の流入量、限界は表記の揺れを拾いきれない。
直接の訪問については、見えることは名前を知っている訪問、限界は経路が判別できない場合がある。
検索の需要の推移については、見えることは市場での認知の広がり、限界は絶対値の精度が低い。
問い合わせ時の認知経路の質問については、見えることはきっかけの把握、限界は回答が実態と違うことがある。
指名経由の商談化率については、見えることは質の確認、限界は母数が小さいと振れる。
生成AIの普及で測りにくくなっている部分
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索での1位のCTR下落率が、日本で2026年6月時点で62.7%でした。
要約で確認が終わると、流入として記録されません。
指名の流入件数が減っていても、認知が下がったとは限りません。
流入だけでなく、問い合わせ時の認知経路の回答も併せて見ます。
問い合わせ時に経路を聞く
フォームに認知の経路を尋ねる項目を置きます。
選択肢を5つ程度に絞り、自由記述と併用します。
回答は正確ではありませんが、推移の把握には使えます。
絶対値で目標を置かない
測定の精度が高くない領域です。件数の目標を置くより、比率の推移を見る形にします。
認知に投資しても指名が増えない場合、何が起きているのか
届けた相手が、検討する層ではない可能性があります。
到達の効率だけで出し先を選ぶと、対象外の層に届きます。
認知の投資を続けても、指名が増えないことがあります。
原因は、届け先か、伝える内容のどちらかにあります。
起きている可能性
指名が増えないときの原因と確認を、項目ごとに見ていきます。
対象外の層に届いているについては、確認の仕方は到達した層の属性を確認、対処は出し先を絞る。
名前が覚えられていないについては、確認の仕方は何をする会社かが伝わっているか確認、対処は伝える内容を変える。
接触の回数が足りないについては、確認の仕方は同じ相手への接触回数を確認、対処は頻度を上げる。
検討の時期が来ていないについては、確認の仕方は業界の検討の時期を確認、対処は時期に合わせて出す。
競合の認知が強いについては、確認の仕方は競合の指名量と比較、対処は領域を絞って認知を取る。
名前だけを覚えてもらっても指名にならない
名前を知っていても、何をするサービスか分からなければ検索されません。
課題が起きたときに思い出される形になっているかを確認します。
領域を絞って認知を取る
広い領域で認知を取ろうとすると、費用がかかります。
特定の業種や業務に絞ると、同じ費用で接触の回数を増やせます。
その領域での指名が増えてから、隣の領域に広げます。
評価の期間を延ばす
指名が増えるまでに1年以上かかることがあります。半年で評価して止めると、積み上がりの手前で終わります。
指名を増やす取り組みを、どう組み立てるのか
現在の指名の比率を出すところからです。
比率が分からないと、増えたかどうかも判断できません。
認知の取り組みは、施策を選ぶ前に現状の測定から始めます。
指名の比率を押し上げる段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは指名での流入と、新規契約に占める比率を出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは問い合わせ時の認知経路の項目を設ける、期間の目安は2週間。
3については、やることは対象とする業種や業務の範囲を絞る、期間の目安は2週間。
4については、やることは既存顧客からの事例の掲載を依頼する、期間の目安は1か月。
5については、やることは接触の経路を1つ選んで継続的に出す、期間の目安は3か月以上。
6については、やることは四半期ごとに指名の比率を確認する、期間の目安は継続。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
月の新規契約が20件で、そのうち指名経由が4件なら比率は20%です。
指名経由の獲得単価が10万円、それ以外が35万円なら、全体の平均は30万円です。
指名が8件に増えると、平均は25万円に下がります。
認知の取り組みで追う数字を、項目ごとに見ていきます。
指名での流入件数については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは推移が上向いているか。
新規契約に占める指名経由の比率については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは成果として出ているか。
指名経由と指名以外の獲得単価については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは効率の差が保たれているか。
問い合わせ時の認知経路の内訳については、見る頻度は四半期、何を確かめるかはどの経路が効いているか。
事例の掲載本数については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは材料が増えているか。
指名経由の商談化率については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは質が保たれているか。
経路は1つに絞って始める
複数の経路を同時に始めると、どれが効いたか分かりません。
1つを選んで一定期間続け、推移を確認してから次を足します。
期初の合意に、評価の期間を書く
1年以上かかる取り組みであることを、期初に文書で合意します。
これがないと、期中の見直しで最初に削られます。
認知への投資の組み立てで判断に迷う場合は、無料相談で現状の構成を見てもらうところから始められます。獲得の経路ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
指名検索を増やすと、何が変わりますか
全体の獲得単価が下がります。サービス名で検索された時点で候補に入っているため、商談化率も高くなります。広告を止めても認知は残るため、毎月一定の新規が必要な事業では積み上がりが効きます。
認知への投資を、経営にどう説明すればいいですか
到達人数や表示回数ではなく、獲得単価の変化で説明してください。指名の比率と全体の獲得単価を並べて推移を示すと、費用の削減として説明できます。1年以上かかる前提も同時に共有します。
自社名での検索に広告を出すべきですか
競合が自社名で出稿しているなら出してください。自然検索で上部を確保できていて競合の出稿もない場合は、限定的で構いません。社名が一般名詞に近い場合も、別の意図の検索が混ざるため出稿の意味があります。
指名検索はどう測ればいいですか
サービス名を含む検索の流入と、問い合わせ時の認知経路の回答を併せて見てください。測定の精度が高くない領域のため、件数の目標を置くより比率の推移で判断する形が現実的です。
認知に投資しても指名が増えません
届けた相手が検討する層でない可能性があります。到達の効率だけで出し先を選ぶと対象外に届きます。領域を業種や業務で絞り、同じ費用で接触の回数を増やす形に変えてください。
まとめ
- 比較の前に候補として入るからです。サービス名で調べられた時点で、競合と並べられる前の段階に位置しています
- 接触の総量ではなく、記憶に残る接触の回数で決まります。広告の表示だけでは指名に変わりにくく、内容を伴う接触が必要になります
- 獲得単価の変化で説明します。認知そのものの数字ではなく、獲得の効率がどう動いたかで示すと稟議に乗ります
- 利用者が転職したときと、同業に共有されたときです。継続課金の事業では、使っている人が別の場所で名前を出す場面が生まれます
- 指名の枠を守りつつ、比較の段階に配分を移します。指名が増えたぶんだけ広告を減らすと、入口が細ります
- サービス名を含む検索の件数で測りますが、表記の揺れと分類の限界があります。数字の水準ではなく、推移で判断します
- 届けた相手が、検討する層ではない可能性があります。到達の効率だけで出し先を選ぶと、対象外の層に届きます
- 現在の指名の比率を出すところからです。比率が分からないと、増えたかどうかも判断できません