
セールで入った顧客が積み上がり、定価で買う層が増えません。
件数は伸びているのに、定価消化の割合が下がります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- アパレルECで新規の件数だけを追うと、何が起きるのか
- 件数優先になっている状態の見つけ方
- アパレルECにおける初回購入者の質は、何で定義するのか
- 期間をどこで切るか
- 入口となる商品は、どう選べばいいのか
- 入口商品を入れ替えるときの判断
- セール期間に獲得した顧客は、どう扱うのか
- セール客への接点の設計
- 返品が多い獲得は、どう見分けるのか
- 返品率を訴求の判断に使う
- アパレルECで質を上げる変更は、どこから手をつけるのか
- 件数が落ちることをどう扱うか
- 定価で買う層の比率を、社内でどう共有するのか
- 報告の粒度を決めるとき
- アパレルECで獲得の質を上げる取り組みは、何から始めるのか
- 最初のシーズンで確認すること
- よくある質問
- まとめ
セールで入った顧客が積み上がり、定価で買う層が増えません。
件数は伸びているのに、定価消化の割合が下がります。
アパレルECで新規の件数だけを追うと、何が起きるのか
セールで入った顧客が積み上がり、定価で買う層が増えません。
件数は伸びているのに、定価消化の割合が下がります。
アパレルECの新規獲得は、件数で評価されることが多くあります。
管理画面で取れる数字で、月次の報告にも載せやすいからです。
件数を目標に置くと、値引き対象の商品への誘導が増えます。
セール期間の投下を増やせば、件数は確実に伸びます。
伸びた件数の中身は、価格に反応した層に寄ります。
この層は、次も値引きの時期にしか買いません。
結果として、新規の件数は伸びても定価消化の割合が下がります。
粗利は、件数の伸びほどには増えません。
この構造に入ると、シーズンの設計も値引き前提になります。
定価で売れる期間が短くなり、粗利率が毎年下がります。
件数の増加が成長に見えるため、気づくのが遅れます。
気づくのは、シーズンの粗利が計画に届かないときです。
件数優先になっている状態の見つけ方
見つけ方は、新規の獲得件数と定価での購入の割合を並べることです。
件数が伸びている月ほど割合が落ちていれば、この状態に入っています。
もう1つが、セール期間の獲得が全体に占める比率です。
半分を超えているなら、件数優先の運用になっています。
3つ目が、2回目の購入が定価か値引きかの構成です。
値引きに偏っていれば、顧客の質が変わっています。
件数だけを追うとセールで入った層が積み上がります。件数と同じ場所で、定価での購入の割合を並べてください。
アパレルECにおける初回購入者の質は、何で定義するのか
2回目の購入に至った割合と、その購入が定価だったかで定義します。
初回の購入金額では、質を判断できません。
初回購入者の質を金額で定義すると、まとめ買いをした顧客が優良になります。
ただしセールのまとめ買いは、次の購入まで期間が空きます。
質の定義に必要なのは、定価で買う顧客になるかどうかです。
金額ではなく、2回目の購入の内容で見るほうが目的に合います。
見る数字は2つで、2回目の到達率と、その購入が定価だった割合です。
到達率だけだと、粗利への寄与が分かりません。
この2つを、獲得の経路と入口の期間ごとに並べます。
プロパー期間に入った顧客と、セール期間に入った顧客では大きく違います。
並べた結果、獲得単価の高い経路のほうが質が良い場合があります。
その場合は、その経路の上限を引き上げる判断になります。
もう1つ併せて見るのが、返品率です。
返品が多い層は、粗利への寄与がさらに下がります。
アパレルECで初回購入者の質を見る数字
| 見る数字 | 定義 | 分ける軸 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 2回目の到達率 | 一定期間内に再購入した割合 | 経路と入口の期間別 | 上限の設定 |
| 定価での購入の割合 | 2回目が定価だった割合 | 経路と入口の期間別 | 質の判断 |
| 返品率 | 初回購入の返品の割合 | 経路別 | 返品後の粗利 |
| 購入カテゴリの広がり | 別カテゴリを買った割合 | 入口の商品別 | 回遊の設計 |
| シーズンをまたぐ継続 | 次シーズンも買った割合 | 入口の期間別 | 長期の質 |
期間をどこで切るか
2回目の到達率を出すときの期間は、シーズンの周期で決めます。
アパレルでは、次のシーズンまでの期間を含める必要があります。
期間を短く取ると、シーズンをまたぐ顧客が数えられません。
6か月から12か月を目安に、先に決めてください。
決めた期間は文書に残し、期中は動かしません。
動かすと、前の年との比較ができなくなります。
初回購入者の質は、2回目の到達率とその購入が定価だった割合で定義します。入口の期間ごとに分けてください。
入口となる商品は、どう選べばいいのか
値引き率が高い商品ではなく、定価で買われている商品を入口にします。
入口の価格帯が、その後の購入の価格帯を決めます。
入口商品の選び方には、2つの考え方があります。
値引きで入口を広げる考え方と、定価で買う層に絞る考え方です。
アパレルECでは、入口の価格帯がその後の購入に強く影響します。
安く買えた経験があると、次も同じ価格を期待されます。
そのため、定価で買われている商品を入口に置くほうが質は上がります。
獲得の件数は減りますが、定価消化の割合は上がります。
選ぶ基準は、その商品で入った顧客の2回目の定価購入率です。
実績から出せば、判断の根拠になります。
もう1つの条件が、サイズの在庫の安定です。
主要なサイズが早く欠ける商品は、入口に向きません。
欠けた時点で獲得が止まり、投下の計画も崩れます。
入口として使う商品は、在庫を厚めに確保してください。
入口商品を入れ替えるときの判断
入れ替えの判断は、獲得単価ではなく2回目の定価購入率で行います。
獲得単価が良くても、次が値引きでしか買われない商品は入口から外します。
外すときは、代替となる商品を同時に立ち上げてください。
外してから探すと、その間の新規獲得が落ちます。
入れ替えの頻度は、シーズンごとにします。
シーズン中に頻繁に変えると、広告の学習も安定しません。
入口は定価で買われている商品にします。入口の価格帯が、その後の購入の価格帯を決めます。
セール期間に獲得した顧客は、どう扱うのか
別の集団として記録し、獲得の上限も分けて置きます。
失敗として扱う必要はありませんが、同じ価値では扱えません。
セール期間の獲得は、件数が出やすく単価も低く出ます。
この数字だけを見ると、効率の良い獲得に見えます。
ただしその後の購入は、値引きの時期に偏ります。
粗利への寄与は、プロパーで入った顧客より小さくなります。
そのため、獲得の上限を分けて置きます。
返品後の粗利の累計から、それぞれの上限を計算します。
分けるには、入口の期間を記録しておく必要があります。
記録がないと、比較そのものができません。
セールで入った顧客を、失敗として扱う必要はありません。
その後に定価で買う顧客も一定数います。
ただし比率は低いため、上限も低くなります。
低い上限の中で獲得する分には、採算は合います。
入口の期間ごとに分ける扱い
| 入口の期間 | 獲得の上限 | 評価の数字 | 次の接点 |
|---|---|---|---|
| プロパー期間 | 厚く置ける | 返品後の粗利の累計 | 新作の案内 |
| セール期間 | 薄く置く | 返品後の粗利の累計 | 値引きの時期の案内 |
| シーズン末の処理期間 | 最も薄い | 回収できた金額 | 年数回の案内 |
| 指名検索経由 | 別枠で管理 | 新規と分けて集計 | 通常の案内 |
| 紹介経由 | 厚く置ける | 返品後の粗利の累計 | 新作の案内 |
セール客への接点の設計
セールで入った顧客に、定価の新作をすぐ案内しても反応は低くなります。
期待している価格帯が違うためです。
そのため、接点の内容を分けます。
セール客には、値引きの時期の案内を中心にします。
そのうえで、一部が定価の購入に移るかを追います。
移る割合が高い層が見つかれば、その層への接点を変えます。
セールで入った顧客は別の集団として記録し、上限も接点も分けます。失敗として扱う必要はありません。
返品が多い獲得は、どう見分けるのか
経路別と商品別の返品率を並べると見分けられます。
返品後の粗利で比較しないと、獲得の採算を誤ります。
アパレルECでは、返品が一定の割合で発生します。
サイズや色の印象が、実物と違うことが理由になります。
返品率は、獲得の経路によって違います。
商品の情報を十分に見ずに購入した層は、返品が増えます。
この差を無視すると、獲得単価の安い経路が良く見えます。
返品を引いた後の粗利で比較すると、順位が変わることがあります。
商品別の返品率も、同時に見てください。
特定の商品で返品が多い場合、サイズの表記か商品の情報に課題があります。
返品を減らす手段は、商品の情報の充実です。
実寸の表記、着用の写真、素材の説明が対象になります。
もう1つが、購入前の質問への回答です。
問い合わせの内容から、不足している情報が分かります。
返品率を訴求の判断に使う
返品率が高い商品は、広告の訴求にも影響します。
見た目だけで訴求すると、実物との差が大きくなります。
素材やサイズ感を含めた訴求にすると、購入率は下がります。
ただし返品率も下がるため、返品後の粗利では上回ることがあります。
この判断をするには、購入率と返品率を同じ表で見る必要があります。
購入率だけを見る運用では、返品を増やす変更が改善に見えます。
返品率は経路別と商品別に並べます。返品後の粗利で比較しないと、獲得の採算を誤ります。
アパレルECで質を上げる変更は、どこから手をつけるのか
配信の除外ではなく、入口商品と商品情報から手をつけます。
配信の調整で動くのは獲得単価で、返品率も定価購入率も変わりません。
質が低いとき、最初に出る対処は配信面の除外です。
成果の悪い面を切ると、獲得単価はいったん改善します。
ただし改善するのは単価で、2回目の定価購入率ではありません。
入口の商品と情報が同じである限り、来る層の性質も変わらないからです。
質を変えるには、上流を変える必要があります。
入口商品を定価で買われているものに変えるか、商品の情報を充実させるかです。
商品の情報の充実は、返品率にも効きます。
実寸と着用の写真を加えるだけで、返品が減ることがあります。
訴求の焦点も、価格から商品の内容に移します。
価格で呼ぶと、価格でしか買わない層が増えます。
この判断をするには、獲得単価と返品後の粗利を同じ表で見る必要があります。
単価だけを見る運用では、質を上げる変更が悪化に見えます。
アパレルECで質を上げる打ち手と動く数字
| 打ち手 | 直接動く数字 | 遅れて動く数字 | 効果が見えるまで |
|---|---|---|---|
| 配信面の除外 | 獲得単価 | ほぼ動かない | 2週間 |
| 入口商品を定価品に変える | 獲得件数が減る | 2回目の定価購入率 | 3か月 |
| 実寸と着用写真の追加 | 購入率 | 返品率 | 1か月 |
| 訴求を商品の内容に変える | クリック率と単価 | 返品率と定価購入率 | 2か月 |
| セール期間の投下を抑える | 獲得件数が減る | 定価消化の割合 | 1シーズン |
件数が落ちることをどう扱うか
質を上げる変更をすると、短期では件数が落ちます。
落ちること自体は想定内で、問題はその扱いです。
件数の目標を据え置いたまま変更すると、現場は元に戻します。
変更する期間の件数目標を、あらかじめ引き下げておく必要があります。
引き下げ幅と戻す時期は、経営と先に合意してください。
合意がないと、1シーズンの様子見が1か月で終わります。
質は配信の除外ではなく、入口商品と商品情報で変えます。件数の目標は先に引き下げて合意してください。
定価で買う層の比率を、社内でどう共有するのか
月次の報告に、獲得件数と定価での2回目購入率を並べて載せます。
並べていない報告は、件数だけが独り歩きします。
質の議論が続かない理由は、報告の形にあります。
獲得件数が先に載り、2回目の購入の内容が別の資料にあると、会議では件数の話しか出ません。
同じ表に並べると、件数の増減を質とセットで読むことになります。
件数が伸びて定価購入率が落ちた月は、その場で議題になります。
並べるときは、入口の期間と経路別の行にしてください。
全体の平均だけでは、どこで起きているかが分かりません。
報告に載せる期間は、月次とシーズンの両方にします。
2回目の購入はシーズンをまたぐため、月次だけでは判断できません。
この表を持つ相手は、マーケティング部門だけではありません。
入口商品を決める商品部にも、同じものを渡します。
渡す理由は、入口商品の設計が獲得の質に直結するからです。
質が落ちた原因が入口の商品であれば、打ち手は商品側にあります。
報告の粒度を決めるとき
入口の区分を細かく割りすぎると、母数が足りなくなります。
月に数十件しか入らない区分では、率が偶然で動きます。
目安として、月100件を下回る区分はまとめてください。
まとめた区分は、シーズン単位でだけ分けて見ます。
区分の定義はシーズンごとに見直します。
月ごとに変えると、推移が追えなくなります。
獲得件数と定価での2回目購入率は同じ表に並べます。入口の期間と経路別に出し、商品部にも渡してください。
アパレルECで獲得の質を上げる取り組みは、何から始めるのか
入口の期間と経路別に、2回目の定価購入率を出すところからです。
この数字がないと、どの獲得を増やすべきかが決まりません。
最初にやるのは、過去1年の新規顧客を入口の期間と経路で分けることです。
分けたうえで、2回目の到達率と、その購入が定価だった割合を出します。
次に、経路別の返品率を並べます。
返品を引いた後の粗利で、経路を比較します。
その後、入口商品ごとの2回目の定価購入率を出します。
入口として使う商品を、この数字で選び直します。
あわせて、返品の多い商品の情報を充実させます。
実寸の表記と着用の写真が、最初の対象です。
最後に、月次報告の様式を変えます。
件数と質を同じ表に並べる形にして、商品部にも渡します。
アパレルECで獲得の質を上げる着手の順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新規顧客を入口の期間と経路で分ける | マーケとシステム | 2週間 |
| 2 | 2回目の到達率と定価購入率を出す | マーケティング | 1週間 |
| 3 | 経路別の返品率を並べる | マーケと物流 | 1週間 |
| 4 | 入口商品を定価購入率で選び直す | 商品部とマーケ | 2週間 |
| 5 | 返品の多い商品の情報を充実させる | 商品部とマーケ | 4週間 |
| 6 | 月次報告の様式を変えて商品部に渡す | マーケティング | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
ある経路の獲得単価が3,000円で2回目の定価購入率が15%、別の経路が5,000円で35%であれば、後者の上限を引き上げる判断になります。
初回の粗利だけを見ていると、この逆転は見えません。
返品後の粗利まで含めて比較して、初めて判断できます。
着手から様式の変更までは、全体で8週間前後が目安です。
2回目の購入の実績が出るまでの期間は、これとは別に必要になります。
最初のシーズンで確認すること
最初のシーズンは、集計の定義が正しいかを確認します。
入口の期間の境目が、実際の値引きの運用と一致しているかを見ます。
一部の商品だけ先に値引きしている場合、境目が曖昧になります。
商品ごとの値引きの開始日で判定する形にしてください。
返品の反映のタイミングも決めます。
返品は販売から遅れて確定するため、集計の時期で数字が変わります。
着手点は入口の期間と経路別の2回目の定価購入率です。値引きの開始日で期間を判定してください。
アパレルECで新規顧客の質の見方に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
入口商品の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
アパレルECの新規獲得は、件数を目標にしてはいけませんか
件数だけを単独で置かないでください。値引き対象の商品への誘導が増え、価格に反応した層が積み上がります。件数と同じ表に、入口の期間と経路別の定価での2回目購入率を並べてください。
初回購入者の質は、購入金額で測れませんか
金額で測ると、セールのまとめ買いをした顧客が優良になります。質の定義に必要なのは定価で買う顧客になるかどうかなので、2回目の到達率と、その購入が定価だった割合で見てください。
入口商品は値引き率の高いものを使ってはいけませんか
入口の価格帯が、その後の購入の価格帯を決めます。安く買えた経験があると、次も同じ価格を期待されます。定価で買われている商品を入口に置き、主要なサイズの在庫を厚めに確保してください。
セールで獲得した顧客は失敗ですか
失敗として扱う必要はありません。その後に定価で買う顧客も一定数います。ただし比率が低いため、獲得の上限と接点の内容を分けてください。分けるには、入口の期間を記録しておく必要があります。
返品の多い獲得は、どう見分けますか
経路別と商品別の返品率を並べてください。返品を引いた後の粗利で比較すると、獲得単価の安い経路の順位が変わることがあります。商品別に見れば、サイズの表記や情報の課題も特定できます。
まとめ
- セールで入った顧客が積み上がり、定価で買う層が増えません。件数は伸びているのに、定価消化の割合が下がります
- 2回目の購入に至った割合と、その購入が定価だったかで定義します。初回の購入金額では、質を判断できません
- 値引き率が高い商品ではなく、定価で買われている商品を入口にします。入口の価格帯が、その後の購入の価格帯を決めます
- 別の集団として記録し、獲得の上限も分けて置きます。失敗として扱う必要はありませんが、同じ価値では扱えません
- 経路別と商品別の返品率を並べると見分けられます。返品後の粗利で比較しないと、獲得の採算を誤ります
- 配信の除外ではなく、入口商品と商品情報から手をつけます。配信の調整で動くのは獲得単価で、返品率も定価購入率も変わりません
- 月次の報告に、獲得件数と定価での2回目購入率を並べて載せます。並べていない報告は、件数だけが独り歩きします
- 入口の期間と経路別に、2回目の定価購入率を出すところからです。この数字がないと、どの獲得を増やすべきかが決まりません