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自社サイトを作っても、探す場所が変わらなければ流入は増えません。
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目次
目次
- アパレルECが大手のモールに依存しやすいのは、なぜなのか
- 依存の度合いをどう測るか
- アパレルECのチャネルは、どう分類して考えるのか
- 分類したあとに決めること
- モールと自社サイトの役割は、どう分けるのか
- 自社サイトを選ぶ理由をどう作るか
- モールから自社サイトへ、顧客を移せるのか
- 在庫を分けるときの注意
- 自社サイトの集客を育てるには、何年かかるのか
- 中間の数字を目標にしない
- モールでの販売を減らす判断は、どの順で行うのか
- 減らした分をどこに回すか
- 外部に配分を任せるとき、モールとの関係はどう扱うのか
- 内製に向く領域
- アパレルECのチャネル配分は、何から着手すればいいのか
- 場ごとの粗利で順位が変わる
- よくある質問
- まとめ
ブランドを探す人の多くが、モールから入るからです。
自社サイトを作っても、探す場所が変わらなければ流入は増えません。
アパレルECが大手のモールに依存しやすいのは、なぜなのか
ブランドを探す人の多くが、モールから入るからです。
自社サイトを作っても、探す場所が変わらなければ流入は増えません。
アパレルの購入では、複数のブランドを比較する行動が一般的です。
比較のしやすさから、大手のモールが入口になります。
利用者は、そこで会員情報も決済も揃えています。
同じ商品なら、慣れた場所で買う選択が自然になります。
この状態では、自社サイトを作っても流入は増えません。
探す場所が変わっていないからです。
モールでの販売には手数料がかかります。
売上が伸びるほど、手数料の総額も増えます。
加えて、顧客の情報が十分に自社に残りません。
継続の施策を自社で設計できない構造になります。
一方で、モールを止める判断も簡単ではありません。
止めれば、そこからの売上がそのまま消えます。
依存の度合いをどう測るか
依存の度合いは、売上に占めるモール経由の比率で測ります。
ただしこの比率だけでは、危険度までは分かりません。
併せて見るのが、自社サイトでの指名検索と直接流入と既存顧客からの購入です。
この3つの合計が、モールを止めたときに残る売上の概算になります。
残る売上が固定費を下回る場合、依存を減らす判断は取れません。
この状態を先に把握しておくことが、配分の議論の前提になります。
アパレルは比較のしやすさからモールが入口になります。止めたときに残る売上を先に概算してください。
アパレルECのチャネルは、どう分類して考えるのか
販売の場と、集客の経路を分けて考えます。
この2つを混ぜると、依存の構造が見えません。
アパレルECのチャネルには、2つの層があります。
どこで売るかという販売の場と、どこから来るかという集客の経路です。
販売の場は、自社サイトと大手のモールと実店舗に分かれます。
それぞれ手数料も顧客情報の残り方も違います。
集客の経路は、広告と検索と指名と既存顧客への配信に分かれます。
販売の場ごとに、使える経路が違います。
モールでは、集客の手段がモール内の施策に限られます。
自社で経路を選ぶ余地は小さくなります。
自社サイトでは、経路を自分で設計できます。
その代わり、集客をすべて自前で行う必要があります。
この2層で売上の構成を出すと、配分の議論ができます。
どの場をどの経路で伸ばすかという話になります。
アパレルECのチャネルを2層で分類する
| 層 | 区分 | 手数料 | 顧客情報 | 集客の自由度 |
|---|---|---|---|---|
| 販売の場 | 自社サイト | なし | 残る | 高い |
| 販売の場 | 大手のモール | あり | 限定的 | 低い |
| 販売の場 | 実店舗 | 家賃と人件費 | 会員化しだい | 中 |
| 集客の経路 | 広告 | 投下額 | 残る | 高い |
| 集客の経路 | 指名と既存顧客 | 小さい | 残る | 高い |
分類したあとに決めること
分類したら、それぞれの目標比率を決めます。
現状の比率と、3年後に目指す比率を並べる形です。
目標を決めずに施策だけを増やすと、売上はモールに戻ります。
短期の成果が出やすいからです。
比率の目標は経営と合意してください。
合意がないと、期中の未達で自社サイトへの投資が止まります。
販売の場と集客の経路を分けて分類します。3年後の比率を経営と合意してください。
モールと自社サイトの役割は、どう分けるのか
モールは新規との接点、自社サイトは関係の継続に役割を分けます。
同じ商品を同じ条件で両方に出すと、慣れた場所が選ばれます。
モールには、すでに買う気のある利用者が集まっています。
新規の接点としては、広告より効率が良いことがあります。
ただし手数料が発生し、顧客の情報も十分には残りません。
継続の施策を自社で設計できない構造になります。
自社サイトは、手数料がかからず顧客の情報も残ります。
一方で、集客をすべて自前で行う必要があります。
役割を分けるなら、モールを入口、自社サイトを継続の場に置きます。
分けるためには、扱う商品か提供する条件に差を付ける必要があります。
同じ商品を同じ条件で両方に出すと、利用者は慣れた側を選びます。
多くの場合それはモールで、手数料の高い注文が増えます。
差の付け方は、価格ではなく品揃えと体験で行うのが基本です。
価格差を付けると、モール側の規約や利用者の印象に影響します。
自社サイトを選ぶ理由をどう作るか
条件の差として使えるのは、品揃えと購入後の体験です。
自社サイトにしかない品番や、サイズの展開がこれにあたります。
会員向けの仕組みも、自社サイト側の理由になります。
購入履歴に応じた提案は、自社でしか設計できません。
サイズの情報の充実も、差になります。
実寸や着用の情報は、自社サイトのほうが自由に載せられます。
モールは新規の入口、自社サイトは継続の場に役割を分けます。差は価格ではなく、品揃えと体験で付けてください。
モールから自社サイトへ、顧客を移せるのか
直接の誘導には制約があるため、購入後の体験で移します。
規約の範囲は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
モールで購入した顧客を、自社サイトに移す動きがあります。
ただし直接の誘導には、モール側の規約による制約があります。
制約の範囲は、モールによって違います。
規約や運用が変わる領域のため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
制約の範囲内でできるのは、購入後の体験を良くすることです。
梱包の状態や、同梱する情報の質が対象になります。
もう1つが、自社サイトにしかない価値を作ることです。
品揃えやサイズの展開、会員向けの仕組みがこれにあたります。
価値があれば、利用者が自分で探します。
探された結果、自社サイトへの指名の流入が増えます。
この経路は時間がかかります。
1年以上の期間を見て、施策を続ける必要があります。
モールと自社サイトの位置づけを変える手段
| 手段 | 効果 | 制約 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 購入後の体験の改善 | 指名の増加 | なし | 1年以上 |
| 自社限定の品揃え | 自社サイトの理由 | 在庫の分割が必要 | 1シーズン |
| 会員向けの仕組み | 継続の場としての価値 | 自社サイトのみ | 半年以上 |
| サイズ情報の充実 | 返品の減少と信頼 | なし | 1シーズン |
| 直接の誘導 | 規約による | モールの規約を確認 | — |
在庫を分けるときの注意
自社限定の品揃えを作ると、在庫を分ける必要があります。
分けると、それぞれの在庫が小さくなります。
小さくなれば、サイズの欠品も早く起きます。
欠品が早まれば、購入率も下がります。
そのため、分ける範囲は限定してください。
全品番を分けるのではなく、一部の品番群にとどめます。
モールからの直接の誘導には制約があります。購入後の体験と自社限定の価値で、自社サイトへの指名を増やしてください。
自社サイトの集客を育てるには、何年かかるのか
指名と自然検索は1年以上、会員への配信は半年以上が目安です。
この期間を前提にしないと、途中で投資が止まります。
自社サイトの集客を育てる施策は、着手から成果まで時間がかかります。
その間、モールでの販売は続けたまま並行で進めることになります。
並行で進めるには、予算を別枠にする必要があります。
同じ枠に入れると、短期の効率で比較され、削られます。
期間の目安として、指名と自然検索は1年以上を見ます。
ブランド名で探される状態になるまでに、それだけかかります。
会員への配信は半年以上です。
会員数が一定に達するまで、配信の効果が数字に出ません。
この期間を経営と合意しておかないと、途中で止まります。
シーズンごとに成果を問われると、続けられません。
合意する内容は、投資額と期間と、途中で見る中間の数字です。
中間の数字がないと、進んでいるかどうかを説明できません。
中間の数字を目標にしない
中間の数字は、進捗の確認に使うものです。
目標として置くと、数字を作ることが目的になります。
会員数を目標にすると、登録だけを増やす施策が選ばれます。
増えても、購入につながらなければ意味がありません。
目標に置くのは、最終的に見る数字だけにしてください。
中間の数字は、未達のときに原因を探すために使います。
自社サイトの集客は指名と自然検索で1年以上、会員で半年以上を見ます。期間と中間の数字を経営と合意してください。
モールでの販売を減らす判断は、どの順で行うのか
自社サイトの売上が積み上がった分だけ、減らします。
先に減らして育てる順序では、在庫が残ります。
依存から抜ける順序には、2つの考え方があります。
先にモールを減らして原資を作る方法と、自社サイトが育ってから減らす方法です。
アパレルECでは、後者を採ります。
売上が落ちた期間の在庫は、そのままシーズンの残在庫になるからです。
減らす判断は、自社サイトの売上がシーズン単位で積み上がったことを確認してから行います。
確認の単位は月次ではなくシーズンです。
減らす対象は、手数料の高い区分や、自社サイトと重なる品番からです。
重なりが大きい品番は、モールを減らしても自社で受けられます。
減らすときは一度に止めず、段階的に下げて影響を測ります。
測らずに止めると、影響の大きさが分からないまま元に戻すことになります。
なお、モールを完全に止める必要はありません。
新規との接点として残す選択も、十分に成立します。
モールでの販売を減らす順序
| 順序 | 対象 | 判断の材料 | 確認の期間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自社サイトと重なる品番 | 自社での販売の実績 | 1シーズン |
| 2 | 手数料の高い区分 | 手数料の総額 | 1シーズン |
| 3 | 返品の多い区分 | 返品後の粗利 | 1シーズン |
| 4 | 全体の出品数 | 自社サイトの売上と固定費 | 1年 |
| やらない | 新規との接点としての最小限 | 依存の低下に不要 | — |
減らした分をどこに回すか
減らした売上は、自社サイトで受ける前提になります。
受けられる状態かを、先に確認してください。
確認するのは、自社サイトでの同じ品番の販売の実績です。
実績がなければ、減らした分がそのまま消えます。
手数料が減った分は、自社サイトの集客に回すか利益に残すかを決めます。
決めないと、翌期の予算で吸収されます。
モールを減らすのは、自社サイトの売上がシーズン単位で積み上がってからです。重なりの大きい品番から段階的に下げてください。
外部に配分を任せるとき、モールとの関係はどう扱うのか
自社サイトの集客の育成を、外部の評価対象から外します。
短期の獲得効率で評価される相手に、時間のかかる投資は任せられません。
広告の運用を外部に任せる企業は多くあります。
Testifyが2026年5月14日から18日に実施した調査では、回答者の9割超が代理店を活用しており、全面委託が37.2%、社内運用との併用が54.4%でした。
外部の評価は、多くの場合その期の獲得効率で行われます。
この評価軸のままだと、モールへの誘導を含む短期の施策が最適解になります。
自社サイトの集客の育成を同じ相手に任せる場合は、評価を分けてください。
同じ契約の中でも、枠と評価指標を別にする形です。
分けない場合は、育成を社内か別の相手に持たせます。
どちらにしても、評価の軸を混ぜないことが条件です。
外部に渡す情報も、この設計に合わせます。
獲得の運用には、返品後の粗利から計算した上限と投下の可否があれば足ります。
育成には、品揃えの方針と会員の設計の情報が必要になります。
渡す情報の範囲が違うため、契約も分けたほうが管理しやすくなります。
内製に向く領域
依存から抜ける議論は、内製化の議論と重なります。
同じ調査では、全面委託している企業の8割超が1年以内のインハウス化を計画または検討していました。
動機はノウハウ蓄積が56.7%、コスト削減が46.7%です。
一方で障壁は、教育時間と知見不足が44.8%、媒体アップデートへの追随困難が40.3%でした。
自社サイトの集客の育成は、内製に向いた領域です。
品揃えと会員の設計を持っているのは社内だからです。
自社サイトの育成は、短期の獲得効率で評価しないでください。外部に任せる場合も、枠と評価指標を分けます。
アパレルECのチャネル配分は、何から着手すればいいのか
販売の場ごとの売上と、手数料を差し引いた粗利を出すところからです。
この2つが分かれば、どこを伸ばすかの判断ができます。
最初にやるのは、販売の場ごとの売上の構成です。
自社サイト、大手のモール、実店舗に分けます。
次に、手数料と返品の費用を差し引いた粗利を場ごとに出します。
売上の比率と粗利の比率は、一致しません。
その後、モールを止めたときに残る売上を概算します。
自社サイトの指名と直接流入と既存顧客からの購入の合計が目安です。
残る額と固定費を比べてください。
下回っていれば、まず自社サイトを育てることが前提になります。
最後に、3年後の目標比率を経営と合意し、育成の枠を別に確保します。
同じ枠に入れると、短期の効率で比較されて削られます。
アパレルECのチャネル配分に着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 販売の場ごとの売上の構成を出す | マーケと経理 | 2週間 |
| 2 | 手数料と返品を引いた粗利を場ごとに出す | 経理 | 2週間 |
| 3 | モールを止めたときに残る額を概算する | マーケと経理 | 1週間 |
| 4 | 3年後の目標比率を経営と合意する | 経営とマーケ | 2週間 |
| 5 | 自社サイトの育成の枠を確保する | 経営 | 1週間 |
| 6 | 重なりの大きい品番から段階的に下げる | マーケとMD | シーズンごと |
数字は説明のための仮の値です。
年商20億円のうちモール経由が14億円、自社サイトが6億円であれば、モールを止めたときに残るのは6億円前後になります。
固定費が年8億円であれば、この状態で減らす判断は取れません。
まず自社サイトを8億円まで育てることが、配分変更の前提になります。
着手から合意までは、全体で6週間前後が目安です。
自社サイトが育つ期間は、これとは別に1年以上を見ます。
場ごとの粗利で順位が変わる
売上の比率だけを見ると、モールが大きく見えます。
手数料と返品の費用を引くと、順位が変わることがあります。
特に返品の多い区分では、粗利の比率が大きく下がります。
場ごとに返品率が違うため、個別に集計してください。
この集計があると、どの場を伸ばすかの議論が具体的になります。
売上の大きさではなく、粗利の大きさで判断できます。
着手点は販売の場ごとの売上と、手数料と返品を引いた粗利です。売上と粗利の比率は一致しません。
アパレルECのチャネル配分に迷う場合は、無料相談で現状の構成を見てもらうところから始められます。
自社サイトの育成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
アパレルECがモールから抜けられないのはなぜですか
比較のしやすさから、ブランドを探す人の多くがモールから入るためです。自社サイトを作っても、探す場所が変わらなければ流入は増えません。モールを止めたときに残る売上を先に概算し、固定費と比べてください。
モールと自社サイトは、どう使い分ければいいですか
モールを新規の入口、自社サイトを継続の場に置いてください。同じ商品を同じ条件で両方に出すと、利用者は慣れた側を選びます。差は価格ではなく、品揃えと購入後の体験で付けます。
モールで買った顧客を自社サイトに移せますか
直接の誘導には規約による制約があり、範囲はモールによって違います。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。制約の範囲内でできるのは、購入後の体験の改善と、自社サイトにしかない価値を作ることです。
モールでの販売は、いつ減らせばいいですか
自社サイトの売上がシーズン単位で積み上がったことを確認してからです。先に減らすと、売れ残った在庫がそのままシーズンの残在庫になります。自社サイトと重なる品番から、段階的に下げてください。
販売の場ごとの比較は、売上で見てよいですか
手数料と返品の費用を引いた粗利で比較してください。売上の比率と粗利の比率は一致しません。返品の多い区分では粗利の比率が大きく下がるため、場ごとに返品率を個別に集計します。
まとめ
- ブランドを探す人の多くが、モールから入るからです。自社サイトを作っても、探す場所が変わらなければ流入は増えません
- 販売の場と、集客の経路を分けて考えます。この2つを混ぜると、依存の構造が見えません
- モールは新規との接点、自社サイトは関係の継続に役割を分けます。同じ商品を同じ条件で両方に出すと、慣れた場所が選ばれます
- 直接の誘導には制約があるため、購入後の体験で移します。規約の範囲は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください
- 指名と自然検索は1年以上、会員への配信は半年以上が目安です。この期間を前提にしないと、途中で投資が止まります
- 自社サイトの売上が積み上がった分だけ、減らします。先に減らして育てる順序では、在庫が残ります
- 自社サイトの集客の育成を、外部の評価対象から外します。短期の獲得効率で評価される相手に、時間のかかる投資は任せられません
- 販売の場ごとの売上と、手数料を差し引いた粗利を出すところからです。この2つが分かれば、どこを伸ばすかの判断ができます