
条件から商品を探す段階の流入に効きます。
ただしファッションの領域では、表示のされ方が他業種と異なる動きを見せています。
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目次
目次
- AI検索の広がりは、アパレルECの何に効いてくるのか
- 自社への影響をどう測るか
- AI経由の流入は、アパレルECにどれくらい来ているのか
- 計測をどう始めるか
- 商品ページは、アパレルECではどう整えるのか
- 構造化された情報との関係
- コーディネートや選び方の情報は、持つべきか
- シーズンごとの更新をどう回すか
- ブランド名での想起を増やすことは、なぜ優先されるのか
- 指名の流入をどこで受けるか
- AI検索向けの施策に、アパレルECはどこまで投資すべきか
- 経営への説明の仕方
- AI検索への対応をアパレルECが外部に相談するとき、何を確認するのか
- 社内で持つべき判断
- アパレルECのAI検索への備えは、何から着手すればいいのか
- シーズンごとに確認すること
- よくある質問
- まとめ
条件から商品を探す段階の流入に効きます。
ただしファッションの領域では、表示のされ方が他業種と異なる動きを見せています。
AI検索の広がりは、アパレルECの何に効いてくるのか
条件から商品を探す段階の流入に効きます。
ただしファッションの領域では、表示のされ方が他業種と異なる動きを見せています。
アパレルECへの流入は、大きく2つの段階から来ます。
条件や用途で探している段階と、ブランド名や品番が決まっている段階です。
AI検索の影響が大きいのは、前者です。
条件から候補を絞る作業が、検索結果の一覧を見ずに終わることが増えます。
一般的には、順位を維持していても流入が減る状況が観測されています。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。
ただし業種による差があります。
博報堂DYグループONEの2026年2月時点の集計では、AI Overviewsの表示率は保険や化粧品やクレジットカードで高く、通信や人材やファッションでは低下していました。
この差は、自社への影響の大きさを見積もる材料になります。
一般の数字をそのまま当てはめない判断が必要です。
自社への影響をどう測るか
影響は、検索経由の流入を条件の語とブランド名で分けると分かります。
条件の語からの流入が減り、ブランド名からの流入が維持されていれば、この影響です。
分けるには、流入した検索語を分類する作業が要ります。
分類は手作業でも構わず、上位の語だけで傾向は出ます。
あわせて、流入あたりの購入率も見てください。
残った流入の質が上がっていれば、件数の減少ほど売上は落ちません。
AI検索は条件から探す段階に効きます。ただしファッションでは表示率が低下しており、一般の数字をそのまま当てはめないでください。
AI経由の流入は、アパレルECにどれくらい来ているのか
現時点では総流入のごく一部にとどまります。
ただし増加は続いており、購入率が高いという観測もあります。
AI経由の流入は、まだ量としては小さい段階にあります。
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月1日から4月30日までGA4を対象に行った調査では、83.0%のサイトで生成AI経由セッションが増加していました。
同じ調査では、最大で2か月605.6%増という伸びが観測されています。
一方で、総流入に占める割合は1%未満でした。
質については、見方が分かれます。
同じ調査で、AI経由のCVRが他チャネルより高かったサイトは35.1%でした。
海外では別の観測もあります。
Criteoが2026年2月に米国の小売500社を対象に行った調査では、LLM経由のCVRは他リファラルの約1.5倍でした。
量が小さく質は高い可能性がある、というのが現状の整理になります。
この段階で大きな投資を振り向ける根拠にはなりません。
ただし、流入の減少は別に進みます。
AI経由の流入を取りにいく話と、検索流入の減少への備えは分けて考える必要があります。
アパレルECがAI検索の現状をどう整理するか
| 観点 | 現状 | 判断への使い方 |
|---|---|---|
| AI経由の流入量 | 総流入の1%未満 | 投資の根拠にはならない |
| AI経由の伸び | 増加が継続 | 計測は始めておく |
| AI経由の質 | 高い可能性がある観測 | 過度に期待しない |
| 検索1位のCTR | 下落が進行 | 流入の減少を前提に置く |
| ファッションの表示率 | 低下の傾向 | 影響は他業種より小さい可能性 |
計測をどう始めるか
AI経由の流入は、参照元で分けて集計します。
分類の設定を入れておけば、量が増えたときに判断の材料になります。
設定を入れる作業は短時間で終わります。
量が小さいうちに始めておくほうが、後から遡るより確実です。
集計の結果は、月次の報告に行を1つ足す形で足ります。
専用の資料を作る段階ではありません。
AI経由の流入はまだ総流入の1%未満です。計測は始めつつ、投資の根拠にはしないでください。
商品ページは、アパレルECではどう整えるのか
実寸と素材と着用の情報を、文章としても書いておきます。
写真と数値の一覧だけでは、条件からの照合に使われません。
アパレルECの商品ページは、写真と数値の一覧で構成されることが多くあります。
サイズ表、素材、色の展開といった項目です。
この形式は、ブランドや品番が決まっている人には十分です。
一方で、条件から探している段階では情報が足りません。
足りないのは、その数値が何を意味するかの説明です。
どんな体格に向き、どんな着方ができるかが書かれていません。
向かない場合を書くことは、返品を減らす効果もあります。
条件に合わない人が、購入前に判断できるためです。
書く内容は、問い合わせと返品の理由から作れます。
購入前に聞かれることが、そのまま不足している情報です。
品番数が多いアパレルECでは、全品番に書くのは現実的ではありません。
販売数の上位と、返品の多い品番から始めてください。
構造化された情報との関係
商品の情報は、機械が読み取れる形式でも提供できます。
価格、在庫、サイズ、色といった項目を決まった形式で記述する方法です。
この形式は、検索結果での表示に使われてきました。
AI検索の参照でも、情報の取得に使われる可能性があります。
ただし形式を整えるだけでは、内容は増えません。
着方や向き不向きの説明は、文章として書く必要があります。
商品ページには実寸の意味と向き不向きを文章で書いてください。販売数の上位と返品の多い品番から始めます。
コーディネートや選び方の情報は、持つべきか
持つべきですが、目的は集客ではなく購入前の確認です。
更新を続けられる範囲に絞ってください。
条件から探す段階では、選び方の情報が求められます。
どのサイズを選ぶか、何と組み合わせるかを判断するための情報です。
この情報を外部の記事だけに任せると、そこが入口になります。
入口を持たれると、他ブランドの商品も並ぶ場で比較されます。
自社で持つ場合、目的は集客だけではありません。
すでに訪れている人が、購入前に確認する場としても使われます。
確認の場があると、他のサイトに移動する必要がなくなります。
移動した先で他ブランドが並ぶことを、防げます。
作る対象は、自社が扱うカテゴリの範囲に限ります。
扱っていない領域まで書くと、更新が続きません。
更新が止まった情報は、シーズンの商品と合わなくなります。
合わない情報は、信頼を落とします。
アパレルECで選び方の情報を持つときの設計
| 項目 | 設計 | 理由 |
|---|---|---|
| 対象の範囲 | 自社が扱うカテゴリのみ | 更新を継続できる |
| 内容の軸 | サイズの選び方と組み合わせ | 購入前の判断に直結 |
| 更新の頻度 | シーズンごと | 品番の入れ替えに合わせる |
| 置く場所 | 商品ページからの導線 | 購入前の確認に使う |
| 作る順序 | 販売数の多いカテゴリから | 効果が出る範囲から |
シーズンごとの更新をどう回すか
シーズンごとに品番が入れ替わるため、情報も更新が要ります。
すべてを作り直す必要はありません。
サイズの選び方は、カテゴリ単位で作れば長く使えます。
組み合わせの提案は、シーズンごとの更新になります。
更新の担当と時期を、シーズンの準備の工程に組み込んでください。
組み込まないと、更新が後回しになります。
選び方の情報は自社が扱うカテゴリに限って持ちます。更新をシーズンの準備の工程に組み込んでください。
ブランド名での想起を増やすことは、なぜ優先されるのか
検索の経路が変わっても、名前で探される流入は残るからです。
アパレルECではブランド名が、最も強い指名の軸になります。
条件の語からの流入は、外部環境で減る可能性があります。
一方で、ブランド名で探される流入は別の動きをします。
名前で探す人は、すでにそのブランドを知っています。
検索結果の見え方が変わっても、目的地は変わりません。
そのため、指名の比率が高いほど外部環境の変化に強くなります。
この比率を上げることが、備えとして機能します。
ただしアパレルでは、ブランド名で探した人がモールに流れることがあります。
指名の流入を自社サイトで受けられているかも、併せて確認してください。
指名を増やす方法は、認知の施策と購入後の体験の2つです。
どちらも短期では動かず、1年以上の期間を見る必要があります。
中間の数字として、ブランド名の検索数を月次で追ってください。
季節の変動があるため、前年の同月と比べます。
指名の流入をどこで受けるか
ブランド名で検索した人が、モールに流れることがあります。
モールのページが上位に表示される場合に起きます。
この状態では、指名が増えても手数料のかかる注文が増えます。
自社サイトで受けられているかを、確認してください。
確認は、実際にブランド名で検索して結果を見る方法が早いやり方です。
定期的に確認する担当を決めておいてください。
ブランド名での流入は経路の変化に強く残ります。ただし自社サイトで受けられているかも確認してください。
AI検索向けの施策に、アパレルECはどこまで投資すべきか
専用の投資は最小限にとどめ、既存の情報整備の延長で行います。
ファッションでは表示率が低下しており、優先度は他業種より低くなります。
AI検索への対応を専門の施策として扱う動きがあります。
ただし実施の状況はまだ限定的です。
PRIZMAが2025年12月11日から17日に行った調査では、LLMOを実施済みと答えたのは7.82%でした。
外部ベンダーの検討が12.64%、情報収集の段階が15.06%です。
同じ調査では、SaaSで最も進み、製造や小売では遅れる傾向が見られました。
実施した企業の実感としては、検索順位の向上が36.5%、AI検索経由の問い合わせ増が34.1%でした。
加えて、ファッションではAI Overviewsの表示率が低下する動きが見られています。
この2つを合わせると、専用の投資の優先度は他業種より低くなります。
一方で、商品ページの情報や選び方の記事は、いずれにせよ必要な整備です。
返品を減らす効果もあります。
そのため、AI検索向けとして特別な予算を立てるのではなく、既存の情報整備の優先順位を上げる形が現実的です。
整備した情報は、通常の検索でも購入前の確認でも使われます。
アパレルECのAI検索への対応の進め方
| 対応 | 優先度 | 理由 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 商品ページの実寸と着用の情報 | 高い | 返品の減少にも効く | 人手 |
| 選び方の情報の整備 | 中 | 購入前の確認に使う | 人手 |
| AI経由の流入の計測 | 高い | 判断の材料になる | 低い |
| 構造化された情報の記述 | 中 | 既に整備済みなら維持 | 低い |
| 専用の外部サービス | 低い | 表示率が低下している | 高い |
経営への説明の仕方
AI検索への対応を経営に説明するとき、流入の獲得を目的にすると根拠が弱くなります。
量がまだ小さく、ファッションでは表示率も低下しているためです。
説明の軸は、返品の減少と購入前の確認に置きます。
商品情報の整備は、どちらにも直接効きます。
そのうえで、検索流入の減少への備えにもなることを添えます。
複数の効用があることが、判断の後押しになります。
専用の投資は最小限にし、商品情報の整備の優先順位を上げてください。返品の減少という効用も併せて説明します。
AI検索への対応をアパレルECが外部に相談するとき、何を確認するのか
提案が自社の流入の実態に基づいているかを確認します。
業種による表示率の差を踏まえた提案かどうかも見てください。
AI検索への対応を外部に相談すると、対策の一覧が提示されることがあります。
一覧そのものは有用ですが、優先順位の根拠がありません。
確認すべきは、自社の流入がどの段階で減っているかの分析です。
条件の語からの流入が減っているのか、ブランド名からの流入が減っているのかで打ち手が変わります。
この分析には、自社の検索語のデータが必要です。
渡さずに提案を求めると、一般論の範囲にとどまります。
もう1つが、業種による差を踏まえているかです。
ファッションでは表示率が低下する動きが見られています。
一般の数字をそのまま当てはめた提案は、影響を過大に見積もります。
過大な見積もりは、優先順位を誤らせます。
成果の測り方も確認してください。
AI検索経由の流入だけを成果にすると、量が小さいため評価ができません。
社内で持つべき判断
外部に任せられるのは、整備の実行と優先順位の提案です。
どの品番群から整備するかの最終判断は、社内に残します。
判断には、販売数と返品率が必要になります。
どちらも社内にしかない情報です。
整備した内容の維持も、社内で担う範囲を決めておきます。
シーズンごとに品番が入れ替わるため、維持の負担は継続します。
外部には自社の検索語のデータを渡し、実態に基づく分析を求めてください。業種の差を踏まえた提案かも確認します。
アパレルECのAI検索への備えは、何から着手すればいいのか
検索経由の流入を、条件の語とブランド名で分けるところからです。
どちらが減っているかで、打ち手がまったく変わります。
最初にやるのは、流入した検索語の分類です。
ブランド名や品番で来ているものと、条件や用途で来ているものに分けます。
分類は上位の語だけで構いません。
全体の傾向が分かれば、判断の材料になります。
次に、AI経由の流入を参照元で分けて集計する設定を入れます。
量が小さいうちに始めておくほうが、後から遡るより確実です。
その後、商品ページの実寸と着用の情報を整備します。
対象は販売数の上位と、返品の多い品番からです。
最後に、選び方の情報をカテゴリ単位で用意します。
購入前の確認の場として、商品ページから導線を置きます。
アパレルECのAI検索への備えに着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部門 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 検索語を条件の語とブランド名で分類する | マーケティング | 2週間 |
| 2 | AI経由の流入を分けて集計する設定を入れる | マーケとシステム | 1週間 |
| 3 | 商品ページに実寸の意味と向き不向きを書く | MDとマーケ | 8週間 |
| 4 | 選び方の情報をカテゴリ単位で用意する | マーケティング | 8週間 |
| 5 | ブランド名の検索数を月次で追う体制にする | マーケティング | 1週間 |
| 6 | シーズンごとに流入の構成を確認する | マーケティング | 継続 |
数字は説明のための仮の値です。
検索経由の流入が月15万で、そのうち条件の語からが9万、ブランド名からが6万という構成であれば、影響を受けるのは9万の側になります。
この9万が1年で2割減る前提を置けば、備えの規模も見積もれます。
見積もりがあると、経営への説明もできます。
着手から整備までは、全体で12週間前後が目安です。
品番数が多い場合は、対象を絞って段階的に広げてください。
シーズンごとに確認すること
シーズンごとに確認するのは、流入の構成の変化です。
条件の語からの流入が減っているかを、前年の同じシーズンと比べます。
あわせて、残った流入の購入率と返品率も見ます。
情報の整備が進んでいれば、返品率は下がっているはずです。
ブランド名の検索数と、自社サイトでの受け止めも同じ表に並べてください。
指名が増えてもモールに流れていれば、備えになっていません。
着手点は検索語を条件の語とブランド名で分けることです。シーズンごとに構成と購入率と返品率を並べて確認してください。
アパレルECでAI検索への備えの範囲に迷う場合は、無料相談で現状の流入を見てもらうところから始められます。
商品情報の整備ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
AI検索でアパレルECの流入は減っていますか
一般的には、順位を維持していても流入が減る状況が観測されています。ただし博報堂DYグループONEの集計では、AI Overviewsの表示率はファッションで低下する動きが見られました。一般の数字をそのまま当てはめず、自社の流入を分けて確認してください。
AI経由の流入は、どれくらい来ていますか
まだ総流入の1%未満です。PLAN-Bマーケティングパートナーズの調査では83.0%のサイトで生成AI経由セッションが増加していましたが、総流入に占める割合は1%未満でした。計測は始めつつ、投資の根拠にはしないでください。
商品ページは何を追加すればいいですか
実寸の数値が何を意味するかと、向かない場合を文章で書いてください。数値の一覧だけでは条件からの照合に使われません。向かない場合を書くと、条件に合わない人が購入前に判断でき、返品も減ります。
選び方やコーディネートの情報は必要ですか
購入前の確認の場として必要です。自社に情報がなければ、他ブランドの商品も並ぶ外部の記事が参照されます。ただし更新を続けられるよう、自社が扱うカテゴリの範囲に限ってください。
AI検索向けの専用サービスに投資すべきですか
優先度は他業種より低くなります。PRIZMAの調査では小売で実施が遅れる傾向が見られ、ファッションでは表示率も低下しています。商品ページの実寸と着用の情報の整備を優先してください。返品の減少にも効きます。
まとめ
- 条件から商品を探す段階の流入に効きます。ただしファッションの領域では、表示のされ方が他業種と異なる動きを見せています
- 現時点では総流入のごく一部にとどまります。ただし増加は続いており、購入率が高いという観測もあります
- 実寸と素材と着用の情報を、文章としても書いておきます。写真と数値の一覧だけでは、条件からの照合に使われません
- 持つべきですが、目的は集客ではなく購入前の確認です。更新を続けられる範囲に絞ってください
- 検索の経路が変わっても、名前で探される流入は残るからです。アパレルECではブランド名が、最も強い指名の軸になります
- 専用の投資は最小限にとどめ、既存の情報整備の延長で行います。ファッションでは表示率が低下しており、優先度は他業種より低くなります
- 提案が自社の流入の実態に基づいているかを確認します。業種による表示率の差を踏まえた提案かどうかも見てください
- 検索経由の流入を、条件の語とブランド名で分けるところからです。どちらが減っているかで、打ち手がまったく変わります