
受注は取れても、提供できない案件が積み上がります。
人が増えない限り、受注額は稼働の上限を超えられません。
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目次
目次
- 人月が上限の事業で、追う数字を受注額に置くとどうなるのか
- 受注額が伸びても人が増えないとき
- 稼働あたりの粗利を、どう指標に置くのか
- かかる時間を測っていないと出せない
- 継続と解約を、指標にどう組み込むのか
- 新規と解約を別の担当が見ている
- 新規と既存の目標を、どう分けるのか
- 新規の目標を件数で置かない
- 提案にかけた工数を、どう数えるのか
- 提案の工数が膨らむ原因
- 期の途中で体制が変わったとき、未達をどう読むのか
- 体制の変化を記録する
- 自社の集客の成果を、どの時点で数えるのか
- 受注までの日数を見ておく
- 広告代理店の指標は、何から手をつけるのか
- よくある質問
- まとめ
受注は取れても、提供できない案件が積み上がります。
人が増えない限り、受注額は稼働の上限を超えられません。
人月が上限の事業で、追う数字を受注額に置くとどうなるのか
受注は取れても、提供できない案件が積み上がります。
人が増えない限り、受注額は稼働の上限を超えられません。
この事業で提供できる量は、人の時間で決まります。
受注額をいくら伸ばしても、対応できる時間は変わりません。
受注額だけを目標に置くと、稼働を超える受注が入ります。
超えた分は、提供の質を下げるか、納期を延ばすかで吸収されます。
どちらも、数か月後の解約につながります。
受注額の目標が、解約を増やす方向に働きます。
追うべきなのは、受注額ではなく稼働あたりの粗利です。
同じ稼働でより多く残るほうが、事業としては強くなります。
もう一つ追うべきなのは、先の稼働の埋まり方です。
今月の稼働は、すでに決まっています。
受注額が伸びても人が増えないとき
受注額が伸びている月に、稼働の空きが減っていることがあります。
このとき、次の月の受注は取れません。
取れない状態が続くと、翌期の売上が落ちます。
落ちてから採用を始めても、間に合いません。
そのため、受注額と同時に先の稼働を見てください。
二つを並べると、採用の時期が決まります。
追うべきなのは受注額ではなく、稼働あたりの粗利と先の稼働の埋まり方です。受注額だけの目標は、提供の質を下げます。
稼働あたりの粗利を、どう指標に置くのか
一人が一か月働いたときに残る額として置きます。
契約の金額ではなく、そこにかかる時間で割った数字で見ます。
案件ごとの採算は、契約の金額では分かりません。
同じ金額でも、かかる時間が違えば残る額は変わります。
そのため、契約の金額をかかる時間で割ってください。
割った数字が、稼働あたりの粗利です。
数字は説明のための仮の値です。
月額の契約が五十万円で、月に〇・五人分の時間を使うなら、一人月あたり百万円になります。
この数字を案件ごとに並べると、採算の順位が見えます。
金額の大きい案件が、必ずしも上位に来るとは限りません。
順位が見えると、どの案件を増やしたいかが決まります。
決まると、自社の集客の訴求も決まります。
人月を軸に指標を組み立てる段階
| 段階 | 置く数字 | 動かす手段 | 主に見る担当 |
|---|---|---|---|
| 1 | 一人月あたりに残る粗利 | 案件の選び方と体制 | 経営 |
| 2 | 先の稼働の埋まり方 | 自社の集客と採用 | 集客と人事 |
| 3 | 継続した月数 | 提供の質と報告 | 運用の責任者 |
| 4 | 解約と規模の縮小の件数 | 関係の維持 | 営業と運用 |
かかる時間を測っていないと出せない
この数字を出すには、案件ごとの時間の記録が要ります。
記録がなければ、稼働あたりの粗利は計算できません。
細かく取る必要はありません。
案件ごとに月に何時間使ったかが分かれば足ります。
記録の粒度を細かくすると、記録そのものが負担になります。
負担が大きいと、数か月で記録が止まります。
稼働あたりの粗利は、契約の金額をかかる時間で割って出します。案件ごとの時間の記録がないと、この数字は出せません。
継続と解約を、指標にどう組み込むのか
新しく取れた契約と、失った契約の差し引きで見ます。
新規の受注だけを追うと、解約と同じ数だけ取っても成長しません。
この事業の収入は、契約が続く限り毎月入ります。
新しく取れた契約が増えても、同じだけ解約があれば総額は動きません。
そのため、指標は差し引きで見てください。
新しく取れた月額の合計から、失った月額の合計を引いた数字です。
この差し引きが、その月に増えた収入です。
差し引きが動かない月が続けば、事業は横ばいです。
新規の受注だけを追っていると、この状態に気づけません。
気づくのは、年の合計を見たときになります。
解約には、完全に終わる場合と規模が縮む場合があります。
縮む場合も、失った月額として数えてください。
新規と解約を別の担当が見ている
新規は営業、解約は運用の現場が見ていることが多いものです。
別々に見ていると、差し引きを誰も見ていない状態になります。
差し引きを一つの数字として置き、同じ場で見てください。
置くだけで、会話が変わります。
差し引きが動かない理由が、新規の不足なのか解約の増加なのかも分かれます。
分かれれば、打ち手も分かれます。
指標は、新しく取れた月額から失った月額を引いた差し引きで見てください。規模が縮んだ分も、失った月額として数えます。
新規と既存の目標を、どう分けるのか
稼働の配分で分けます。
既存の対応に使う時間を先に確保し、残りを新規に充てる形です。
新規の獲得と既存の対応は、同じ人の時間を使います。
どちらにどれだけ使うかを決めないと、忙しい月に新規の活動が止まります。
止まると、数か月後に稼働が空きます。
空いてから動いても、受注までに時間がかかります。
そのため、稼働の配分を先に決めてください。
既存の対応に使う時間を確保し、残りを新規に充てます。
新規に充てる時間は、繁忙の月にも削らないことです。
削ると、数か月後の空きが確定します。
配分の見直しは、四半期に一度で足ります。
月ごとに見直すと、忙しい月に新規が削られます。
稼働の配分を決める形
| 用途 | 確保する考え方 | 削ってよいか | 見直す間隔 |
|---|---|---|---|
| 既存の対応 | 契約に基づく必要量 | 削れない | 月ごと |
| 新規の提案と商談 | 一定の時間を固定 | 削らない | 四半期ごと |
| 自社の発信と集客 | 一定の時間を固定 | 削らない | 四半期ごと |
| 社内の教育と整備 | 余った時間 | 状況による | 四半期ごと |
新規の目標を件数で置かない
新規の目標を件数で置くと、規模の小さい案件で埋まります。
件数は増えても、稼働あたりの粗利は下がります。
置くのは、新しく取れた月額と稼働あたりの粗利です。
二つを置くと、規模と採算の両方が見られます。
件数は、途中の数字として残してください。
評価には使わない形にします。
新規と既存は、稼働の配分で分けてください。新規に充てる時間は、繁忙の月にも削らないことです。
提案にかけた工数を、どう数えるのか
案件ごとに記録し、受注できなかった分も残します。
受注した案件の工数だけを見ると、獲得の費用を見誤ります。
提案には、相応の時間がかかります。
調査、資料の作成、打ち合わせの時間が積み上がります。
この時間は、受注できなければ収入になりません。
それでも、獲得のためにかかった費用です。
そのため、提案にかけた時間を案件ごとに記録してください。
受注できなかった分も、必ず残します。
受注した案件の工数だけを見ると、獲得の費用を見誤ります。
実際には、受注できなかった提案の時間も含めて割り戻す必要があります。
割り戻すと、一件の受注にかかった時間が出ます。
この時間が、自社の集客の費用の一部になります。
提案の工数が膨らむ原因
提案の工数は、相手の要求で膨らみます。
詳細な調査や試算を求められると、受注前に大きな時間を使うことになります。
どこまで応じるかを、先に決めておいてください。
決めていないと、案件ごとに判断が変わります。
決める基準は、契約の規模と受注の見込みです。
二つが揃わない案件には、時間をかけない判断もあります。
断る判断も、記録に残してください。
断った案件の傾向が分かると、入口での分け方を設計できます。
提案の工数は、受注できなかった分も含めて記録してください。一件の受注にかかった時間が、獲得の費用の一部になります。
期の途中で体制が変わったとき、未達をどう読むのか
体制が変わった案件と、変わっていない案件を分けて読みます。
全体の平均だけを見ると、体制の影響が集客の成果に紛れます。
人の異動や退職があると、担当する案件の体制が変わります。
このとき、その案件の提供の質も変わります。
変わった案件で解約が増えても、それは集客の問題ではありません。
体制の変化が原因です。
そのため、体制が変わった案件と変わっていない案件を分けて読んでください。
分けると、原因の所在が見えます。
体制が変わっていない案件でも解約が増えているなら、別の原因があります。
提供の設計か、市場の変化を見ることになります。
同じ読み方を、受注の側にも適用します。
提案に出る人が変わった時期の受注の比率を、分けて見てください。
体制の変化を記録する
誰がどの案件を担当したか、いつ変わったかを記録してください。
記録がないと、後から分けて読むことができません。
記録する項目は、案件、担当、期間の三つで足ります。
三つあれば、集計はできます。
異動の理由も、簡単に残してください。
理由が偏っている場合、体制の設計に課題があります。
体制が変わった案件と変わっていない案件を分けて読んでください。誰がいつ担当したかの記録がないと、分けられません。
自社の集客の成果を、どの時点で数えるのか
問い合わせではなく、受注した月額で数えます。
問い合わせの件数を成果にすると、規模の合わない案件が積み上がります。
自社の集客の成果を問い合わせの件数で数えると、件数は増やせます。
増えた件数のうち、預かれる規模の案件がどれだけあるかは別の話です。
規模の合わない問い合わせにも、対応の時間はかかります。
その時間は、既存の対応から引かれます。
そのため、成果は受注した月額で数えてください。
受注までに時間がかかるため、集計の時点は後ろにずれます。
ずれる分、月ごとの評価は難しくなります。
問い合わせの件数は途中の数字として残し、評価には使わない形にします。
さらに、受注した案件の稼働あたりの粗利も見てください。
金額だけでは、採算が合っているかが分かりません。
自社の集客で見る数字と、その扱い
| 数字 | 見る頻度 | 評価に使うか | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせの件数 | 週ごと | 使わない | 活動の量の確認 |
| 提案に進んだ件数 | 月ごと | 補助として使う | 規模の妥当性 |
| 受注した月額 | 月ごと | 使う | 成果の本体 |
| 受注した案件の稼働あたりの粗利 | 四半期ごと | 使う | 採算の確認 |
| 受注までにかかった日数 | 四半期ごと | 補助として使う | 見通しの精度 |
受注までの日数を見ておく
問い合わせから受注までの日数は、案件の規模で変わります。
規模が大きいほど、日数は長くなります。
この日数が分かると、いつ投入すべきかが決まります。
稼働が空く時期から逆算して、その分だけ前倒しします。
日数の分布も見ておいてください。
平均だけを見ると、長い案件の存在が消えます。
長い案件が一定数あるなら、投入の前倒しもその分だけ必要です。
平均で前倒しすると、大きい案件の時期に間に合いません。
自社の集客の成果は、受注した月額で数えてください。問い合わせの件数は、評価には使わない途中の数字にします。
広告代理店の指標は、何から手をつけるのか
案件ごとにかかっている時間を記録することからです。
時間が分からないと、稼働あたりの粗利も獲得の費用も出せません。
最初にやるのは、指標を選ぶことではありません。
案件ごとにかかっている時間を記録することです。
記録がなければ、稼働あたりの粗利は計算できません。
計算できなければ、どの案件を増やすべきかも決まりません。
次に、新しく取れた月額と失った月額を並べます。
差し引きが、その月に増えた収入です。
三つ目に、先の稼働の埋まり方を出します。
空きの量が、自社の集客の必要量になります。
四つ目が、提案にかけた時間の記録です。
受注できなかった分も含めると、獲得の費用が出ます。
最後に、未達のときに何を見直すかを先に決めます。
決めておかないと、未達のたびに問い合わせを増やす話に戻ります。
広告代理店の指標を置くまでの順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 案件ごとにかかっている時間を記録する | 運用の担当 | 四週間 |
| 2 | 稼働あたりの粗利を案件ごとに出す | 経理と経営 | 二週間 |
| 3 | 新しく取れた月額と失った月額を並べる | 営業と運用の担当 | 二週間 |
| 4 | 先の稼働の埋まり方を出す | 運用の責任者 | 二週間 |
| 5 | 提案にかけた時間を受注できなかった分も記録する | 営業の担当 | 四週間 |
| 6 | 未達のときに見直す順番を決めて記録する | 経営 | 一週間 |
置いた後に見るのは、月次では差し引きと先の稼働、四半期では稼働あたりの粗利です。
問い合わせの件数は、週次の活動の確認に使います。
受注額の合計だけを見ないでください。
合計は、採算の合わない案件を増やしても伸びます。
着手点は指標の選定ではなく、案件ごとの時間の記録です。時間が出れば、稼働あたりの粗利も獲得の費用も計算できます。
自社の指標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
自社の集客の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
受注額を目標にしてはいけませんか
提供できる量は人の時間で決まるため、受注額だけを追うと稼働を超える受注が入ります。超えた分は提供の質か納期で吸収され、数か月後の解約につながります。稼働あたりの粗利を置いてください。
稼働あたりの粗利はどう出しますか
契約の金額を、その案件にかかる時間で割ります。案件ごとの時間の記録がないと計算できません。記録は、月に何時間使ったかが分かる粒度で足ります。
新規の受注だけを見ていてはいけませんか
新しく取れた月額から失った月額を引いた差し引きで見てください。同じだけ解約があれば総額は動きません。規模が縮んだ分も、失った月額として数えます。
提案にかけた時間も記録すべきですか
受注できなかった分も含めて記録してください。受注した案件の工数だけを見ると、獲得の費用を見誤ります。割り戻すと、一件の受注にかかった時間が出ます。
自社の集客の成果はいつ数えますか
受注した月額です。問い合わせの件数を成果にすると、規模の合わない案件が積み上がり、対応の時間が既存から引かれます。件数は途中の数字として残してください。
まとめ
- 受注は取れても、提供できない案件が積み上がります。人が増えない限り、受注額は稼働の上限を超えられません
- 一人が一か月働いたときに残る額として置きます。契約の金額ではなく、そこにかかる時間で割った数字で見ます
- 新しく取れた契約と、失った契約の差し引きで見ます。新規の受注だけを追うと、解約と同じ数だけ取っても成長しません
- 稼働の配分で分けます。既存の対応に使う時間を先に確保し、残りを新規に充てる形です
- 案件ごとに記録し、受注できなかった分も残します。受注した案件の工数だけを見ると、獲得の費用を見誤ります
- 体制が変わった案件と、変わっていない案件を分けて読みます。全体の平均だけを見ると、体制の影響が集客の成果に紛れます
- 問い合わせではなく、受注した月額で数えます。問い合わせの件数を成果にすると、規模の合わない案件が積み上がります
- 案件ごとにかかっている時間を記録することからです。時間が分からないと、稼働あたりの粗利も獲得の費用も出せません